【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:生活の質への貢献度、意外な2業種で似た動き」から 

2022.6.3  日経産業新聞の記事「小野譲司の目:生活の質への貢献度、意外な2業種で似た動き」から

都市区分の違いで個別の企業・ブランドのQOLへの貢献が変化

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、前回に引き続き生活の質(QOL)の向上レベルを調査したデータをもとにチェーン展開する店舗と顧客の居住環境との関係を考察している。

◯都市区分で異なった戦略をとるチェーンも

 小野教授によれば、2022年5月実施したサービス産業生産性協議会によるJCSI(日本版顧客満足度指数)「生活の質(QOL)への貢献」の調査から、顧客の居住地に注目し、同じ企業のサービスのQOLへの貢献度合いを分析している。

調査の分析で、小売・外食の全国チェーンのサービスが「生活の質を高めることにどの程度貢献したか」を10段階で尋ねた顧客調査の回答データを、回答者の居住地ごとに集計、比較してみている。都市区分は国勢調査の区分を用いている。

  • 特別区と政令指定都市の大都会生活者:コンビニ以外の3業種のQOLへの貢献度が低い傾向にある。ドラッグストアよりもコンビニの方を重視している。
  • 中核都市や中小の市、郡部でクラス人:食料品や日用雑貨の品揃えを増やすドラッグストアはコンビニ以上に重視している。
  • 上記の傾向は、外食チェーンやファストフードでも同様の傾向である。

統一したブランドで標準的なサービスを提供するチェーンとしては、顧客評価に違いが出ない方がよいとされる。しかし、人口5万から20万人程度の都市では高く評価されるが、大都市や5万人未満の都市ではやや低いという。都市区分に関わらずサービスが評価されているチェーンもあれば、人口減少の地域でもQOLを高めることにたけたチェーンもあるという。

都市区分の違いで異なった戦略をとるチェーンも今後注目したいと小野教授は考えている🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:日本経済の現実直視せよ」から

2022.7.4   日経産業新聞の記事「SmartTimes:日本経済の現実直視せよ」から

世界競争力ランキングでは89年1位から21年31位

コラムの著者 石黒 不二代氏(ネットイヤーグループ取締役チーフエヴァンジェリスト)が経済産業省の産業構造審査会の総会に参加して説明資料を見て愕然としたという。

○ 日本はもはや発展途上国か?

 石黒氏によれば、同審議会は経済及び産業の発展に対する政策の重要事項を決定するために作られたという。その総会資料にあった日本の経済力を知って驚いたのだという。

  • 世界の国内総生産(GDP)に占める各国比較で、日本は1995年第2位として17.6%であったが、2020年にはわずか6%、2050年には3.2%に転落した。
  • 世界競争力ランキングでは1989年1位だったが2021年31位に転落した。

つまり、日本の経済力はすでに発展途上国並みであるという。これに対して石黒氏はデジタル社会での施策について提案したという:

  • (資金)スタートアップへの投資を10倍に増やすためにVCだけでなく、米国に比較して大企業の内部留保と配当が明らかに大きいことから、大企業からの投資を促す。
  • (人財)デジタル人材への投資を必須。人材不足の打破のために、教育を根本から見直す必要がある。初等教育でのプログラミングは必修とし、理系女子を増やし、高等教育での理系と文系の分離をやめ、米国のように学部ではなく大学への入試に変える。

などがあるが、石黒氏が最も危惧するのは、日本の課題が日本国民が認識していないことにあるという。現状、米国ではスーパーマーケットでの卵やベーコンでさえも高くて手が出せない状況にあるのに、日本国内での牛丼は300円近くで買える。この価格は東南アジア諸国で比べても安い。たしかにウクライナ戦争で物価は上がるが、この30年弱の間、デフレーションが日本を支配していたことが問題である。これは物価にとどまらず給与でも同じで、日本国内の製造業で行われてきたオフショアが、今度は供給側になりエンジニアを海外に出すという逆転現象が起こっている。もはや発展途上国の構造である。📱🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:輸出すべきは農産物より知財」から

2022.6.29   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:輸出すべきは農産物より知財」から

日本国内の独自で展開した品種を差別化に

 コラムの著者 窪田 新之助氏(農業ジャーナリスト)は、日本政府の農林水産物・食品の輸出額を2021年1兆円を超えたことを皮切りに大幅に増大を計画しているが、数ある生鮮品のイチゴを取り上げても輸出量が計画通りに進むには危惧があるという。

◯新鮮な農産物を輸出するのは限界がある

 窪田氏の危惧はイチゴを例にとると輸出という手段では施設園芸品種では勝ち目がないところである。つまり、輸出先で生産されるイチゴの方が有望だという。その理由は、イチゴを米国内の植物工場で展開するスタートアップの話を聞いてわかったという。

植物工場では太陽光の代わりに人工照明で作物を作る。「完全閉鎖型」と呼ばれる植物工場で、栽培しているのは育成者権の切れた品種のイチゴで、米国の消費地に近くに植物工場で栽培し、輸送に時間も費用もかけずに鮮度を保ったまま量販店に卸している。

このスタートアップが日本国内ではなく米国での植物工場事業に打って出たのは、試乗性が高いと判断したからである。米国では、果皮が柔らかいものは珍しく鮮度で勝負できる。また、日本に比べ消費者の平均所得が高いため、高価格帯でも売れる。こういった条件は日本国内では揃わず、植物工場事業が軌道に乗ることは厳しいという。

海外を農産物の栽培という視点で見ると、水不足や農薬規制の動きがあり、植物工場への期待は高い。外的環境の影響を受けにくく、人工照明や液肥を使う環境制御技術が確立できれば定植から収穫までの工程をどこでも展開できる。

生産地と消費地の近接が有利で、輸出による現地輸送は鮮度の面で問題がある。勝負すべきは、日本国内での独自技術で生んだ多くの品種でこれを植物工場で生産拡大する方が有望ではないだろうか。🍓🍓🌾🌍🤖💻🧠🍞🎓✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🗻🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:円安へのひそかな期待」から

2022.6.17  日経産業新聞の記事「眼光紙背:円安へのひそかな期待」から

円高の最大の被害者が復権する日

コラムの著者は、日本の木材自給率が2020年に半世紀ぶりに4割代に回復、日本の農林水産物・食品の輸出額は2021年に初めて1兆円を突破したことなどから、今までの円高基調の犠牲者であった第1次産業は、ここにきて回復基調となる。インバウンド需要も今後期待されることから地方の第1次産業は円安での回復がひそかな期待であるという。

○実力に見合った為替水準に移行する調整局面が円安状況を生んでいる

 コラムの著者によれば、コロナ禍やウクライナ戦争の影響を受け、円安は物価上昇へのさらなる拡大を抑えたいがために話題になっているが、逆にこれまでの円高基調での犠牲者にも目を向けるべきだという。

円安基調は日本の経済力の調整局面とみればしばらくは続く。前述の第1次産業の回復基調の事実は、円高から円安に潮目が変わった段階で追い風となる。この回復は国際競争でも優位に働き、その象徴が材木自給率と農林水産物・食品の輸出額の1兆円突破のニュースだという。地方で林業がビジネスとして成り立つようになれば森林が整備され、耕作放棄地にそのつ方にあった農作物が栽培される。きれいに整備された景勝地には円高に乗ったインバウンド需要でお金を落ちる。

確かに短期視点では円安は物価上昇への懸念が大きいが、その分地方振興が進めば、プラスになる。さて、このひそかな期待は実現するだろうか。✈️🚅🚓💴📖📞🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒🌏🇯🇵🇺🇦🇷🇺🇩🇪🇫🇷🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:産地を守るイチゴ選別ロボット」から

2022.6.15   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:産地を守るイチゴ選別ロボット」から

パッキングセンターの作業効率化が鍵

 コラムの著者 窪田 新之助氏(農業ジャーナリスト)は、イチゴ栽培の収穫からパック詰までの工程を考えると抜本的な農業離れを防止するためにロボティクスとAI技術が不可欠であると説いている。

◯高齢化による人手不足が農産物の流通に大きく影響

 窪田氏によれば、イチゴの販売までのプロセスを農家が担っているが、高齢化と人手不足がその拍車をかけ、まずは収穫から選別、パッキング、出荷までの長い工程で農家の受け持つ労力を減らすためにパッキングセンターの充実が必要だという。

イチゴなどの鮮度を保つために収穫と同時に選別やパッキングを行なう。クリスマス商戦などで農家の不眠不休が続くことから、高齢化も伴って離農が進むという。こうした事態を解消するためにJAはイチゴの選別と調整を一括して請け負うパッキングセンターの設置を進めている。農家は収穫をすればパッキングセンターに送るだけで作業の負担が減る。規模拡大狙う農家にとってはパッキングセンターで重要である。

ところがパッキングセンターでも農家に起こっている高齢化と人手不足が襲ってきている。農林水産省系の研究機関である農業研究機構や秋田県立大学では、JA阿蘇で開発を進めているイチゴ向け選別ロボットを使った選果機である。これまでパッキングセンターではイチゴ一粒ごとに重量や傷などの有無や痛みを調査してパック詰めしていた。

開発中のロボット選果機はAIの深層学習を使って筒状の空気圧を使ってイチゴを一粒ずつ重量別と品質で分類するものである。作業効率は3割減と良好である。

イチゴは供給不足が続いており、新しい生産を増やすとともに既存の農家にできるだけ長く生産してもらい、規模を拡大してもらうことが必要である。選別ロボットによる効率化で生産性を上げることが必要とされている。🍓🌾🌍🤖💻🧠🍞🎓✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🗻🇯🇵