【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:持続可能な機内食、満足度との両立、試行錯誤」から 

2023.4.21   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:持続可能な機内食、満足度との両立、試行錯誤」かから

脱炭素や乗客によって影響を受ける機内食

航空各社は、燃費の向上と脱炭素の取り組みとして、持続可能な空の旅を模索しているが、コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)によれば、機内食までも変革を余儀なくされているという。

◯顧客満足度と持続可能性の両者を狙う改善が必要

 小野教授は、機内食の質と量、持続可能性を考慮した上でさまざまな工夫を凝らしているという。事例をシンガポール航空で小野教授は考察している。

機内サービスで定評のあるシンガポール航空は日本路線のエコノミークラスの機内食でまず、トレーを2018年5月から従来の大きさから3分の2に、皿数も減らした。さらに機内で再加熱する料理は陶器から溶けにくいプラスチック製の軽量なものへ、さらに短距離便では紙製を使うようになった。

食材や食器、カトラリーの重量は座席の数だけ減れば燃費向上にも繋がり、一般的にはコスト削減にように見える。だが、それだけではなく、機内食のフードロス対策が必要だという。

客層が男性客中心の時代では「豊富なメニューで残るぐらいが良いサービス」という価値観で機内食を提供してきた。ところが客層も若い女性など新たになるにつれて、炭水化物の食べ残しが目立つようになったという。フードロスを減らすために、従来はパンとそばを同時に出していたが、和食と和食以外に分けて変革を重ねているという。

同社がビジネスクラス以上の導入していた予約時にメニューが選べる仕組みもCS(顧客満足度)を上げるだけでなく、余分な在庫を減らす努力である。中にも機内食は不要を選択できるところもある。

味や量の好みは個人に依存し、国籍や民族、宗教も異なる乗客に数少ないメニューで対応する機内食の開発はもともと難易度が高いという。また機内食は空腹を満足させるだけでなく、空の旅を楽しむ乗客にとっては非日常の体験で、それをデザインする視点は重要である。持続可能性とともに満足度を上げ、従来とは異なる価値観で機内食を提供しなくてはならない。各航空会社の挑戦は続く。✈️🛫🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡🇯🇵🇸🇬


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:農業の産地化、生産と販売一体的に」から

 2023.4.19  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:農業の産地化、生産と販売一体的に」から

研修施設「トレーニングファーム」でキュウリは増産に

コラムの著者 窪田 新之助氏(農業ジャーナリスト)が示すのは産地化の成功事例ではなく、日本の農業の課題を浮き彫りにしている。

○生産から販売まで縦割りの除いた工夫がなければ生産者は報われない

窪田氏が今一度気付いたのは、農業の産地化には生産から販売までの関係者が一体となって取り組まないと成功しないことであったという。事例はJAさが(佐賀市)のキュウリ生産である。

ここ数年、JAさがは目覚ましい実績を上げているという。10アールあたりの収量(反収)で10トン前後を新規就農者が上げているという。全国でもトップクラスである。

この背景に、JAさがが2017年度から武雄市で運営する研修施設「トレーニングファーム」の存在があるという。収量を上げるには作物の光合成を活発にする必要がある。それには、園芸施設内の室温や湿度などのデータを収集し、加温器や二酸化炭素発生器などで作物の生育に適した環境をつくることが求められる。「トレーニングファーム」は全国でいち早く環境制御機器の実験を繰り返し、20トン、30トン、40トンと反収の壁を超えた実績のある山口仁司氏が講師となり2年間で栽培技術を教えている。1年目の研修は栽培の基礎で、2年目から独立を前提に栽培施設1棟丸ごと管理を任せ学んでもらう。このように生産側の改善は大幅に進んだ。

しかし、キュウリの産地化はすぐに成功とまではいっていない。象徴的なのは、生産から販売までのプロセスである選果がネックになったことである。つまり当初設定の生産量が低く見積もられ、増産に追いつけず、選果施設が限界になったことである。つまりJAの流通担当者も生産現場の奮闘ぶりを捉えていなかった。選果能力を上げるには作業員を増やすことになり、機械で選果するよりも効率が落ち、人件費も嵩む。それは施設利用料を上げることになり、農家の所得を下げることになる。また、販売担当者も市場ごとの出荷の平準化も行なっていない。このようなプロセスの横断的な情報共有と一体化が進まない限り、生産者、農家の努力は報われないことになっている。🌾🥒🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ニップンの期間限定冷食、リピート率高め市場拡大」から 

2023.4.14  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ニップンの期間限定冷食、リピート率高め市場拡大」から

消費者の手に入れやすい期間限定商品

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が今回取り上げるのはニップンの準高価格帯の個食向け冷凍パスタ「オーマイプレミアム うま塩レモン」のマーケティング戦略である。スーパーマーケットやコンビニエンスストアの定番の味とはことなった商品開発について考察している。

◯20周年を記念した商品

 高岡教授が紹介している同商品は3月上旬に市場投入して以来、想定の1.5倍ペースで出荷量が伸び好調だという。

同社の冷凍パスタ市場に参入した経緯は以下の通りである:

  • 1994年:冷凍パスタ市場に参入。当初は白麺タイプと冷凍ソースをそれぞれ単品で発売。
  • 1998年:過熱後にそのまま食べられるトレー入り商品の発売
  • 2001年:環境負荷を考慮して紙トレーを採用。
  • 2003年〜:オーマイプレミアムシリーズを開始。

冷凍食品市場は約4295億円で冷凍パスタは343億円と最も大きなシェアを占める(インテージ調べ)という。さらに、冷凍パスタで個食に目を向けると、トレー入りパスタの成長は著しいという。このカテゴリーでメジャーは、今回紹介しているオーマイプレミアムである。同社が期間限定商品として発売するのは初めてで、市場的に大きな意味があるという。

これまではスーパーマーケットやコンビニエンスストアで並ぶ冷凍個食パスタはボロネーゼやペペロンチーノといった定番が多いという。定番商品は一定の需要と販売が見込めるため、食品メーカーや小売店バイヤーにとってもメリットがある。ただ、定番では選択がなく、リピート率が下がる。

既存顧客のリピート率を上げるため同社は味のバリエーションを増やす戦略をとった。同社の企画開発部によれば、今回の商品開発の1番の狙いは、顧客に冷凍パスタを選ぶ楽しみを提供し、春夏に向けて、爽やかな味わいを届けたかったという。20周年を迎えて、トップブランド自ら新たな市場開拓に挑戦している。🍝🍴🍽👧👦📗🔉🚚☕️🍮🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:白湯の人気が上昇、朝飲む飲料の2位に」から 

2023.4.12  日経産業新聞の記事「トレンド語り:白湯の人気が上昇、朝飲む飲料の2位に」から

暖かくしただけの水が売れる!?

コラムの著者 粟飯原 理咲氏(アイランド代表取締役)によれば、一度沸騰させた水を温かい状態で飲む白湯(さゆ)の人気が健康意識の向上や新型コロナウイルスの感染で日常生活にも取り入れやすい健康法として朝のコーヒー替わりに飲む人が増えているという。

◯温活や腸活が推す

粟飯原氏によれば、朝型ライフスタイル提案サイト「朝時間.jp」(運営アイランド)で2023年1月に実施したユーザー調査の「朝によく飲むドリンク」で、

  • 1位:コーヒー
  • 2位:白湯

で、2017年実施の同調査と比較して白湯は12ポイントも引用率が上がっている。このランキングの上昇理由について、背景に健康意識の高まりがあるという。朝時間.jp編集長の澄江元美氏によると、「体を温めて調子を整える『温活』や、口に入れるものを工夫して腸内環境を良好に保つ『腸活』のブームがあった。それ以上に新型コロナウイルスの感染拡大で健康意識が向上する中、白湯は最も日常生活に摂り入れやすいものの1つ」と語っている。

また、寝覚めの一杯として飲むという声が多く「モーニングルーティン(朝の決まった動作)として習慣化している」とも言われている。また白湯に関わる鉄瓶などのアイテムも同サイトで人気であるという。

2022年11月にアサヒ飲料が期間限定で発売した「アサヒ おいしい水 天然水 白湯」も好調だという。当初は、「温かくしただけの水が売れるのか」といった懸念もあったが、2023年2月時点の売り上げは計画比約2.5倍になっている。さらにターゲットを20〜30代の働く女性が美容・健康目的に飲むことを設定していたが、カフェインレスであることから10〜20代の男性にもコーヒーに代わって支持されているという。🍵☕️🧴📺💻📳🍂🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:このこのごはん、「ペット」と呼ばないで」から

2023.4.5  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:このこのごはん、「ペット」と呼ばないで」から

空前のペットブームの背景にあるものは

コラムの著者 岩永 嘉弘氏(日本ネーミング協会会長)は、いつもの柔らかい口調で最近のトレンドのネーミングについて語っている。

○家族化するペットに対する意識も変化

 近隣の奥様の怒りはどこからなのか。「『その犬、なんていうお名前?』なんて聞くのよ。失礼よね。うちの子をなんと思ってるのかしら、まったく」といった言葉。つまり、この子は「犬」ではなく、彼女にとっては家族で、「ペット」といっても叱られるとのこと。犬の立場や地位がぐんぐん上がってきて、飼い主と対等に近くなった。つまり、家族の一員である。

岩永氏によれば、空前のペットブームで、その背景に、核家族化、孤独なシニアの増加、若者の晩婚と非婚の傾向が、彼ら(ペット)との同居を促したのではないかと思っている。

岩永氏は「このこのごはん」という自然食材で厳選して作った愛情いっぱいのペットフードに注目した。家族化した彼らに対する私たちの呼び方も激変したという。「うちの犬」や「うちの猫」とかは言わなくなった。つまり「このこ」なのである。

このネーミングには「あなたの「この子」のために愛を込めて作りました」というメッセージが込められている。健康を大切に考え、このこへの愛情いっぱいという。ブランド名「コノコトトモニ」も岩永氏のお気に入りである。🐈🐱🐕🐶🍖🍽👜🏯📗🖥👧👦🛌🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵