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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:ラジオを聴く時間増加、人々を励ます姿勢に共感」から 

2020.11.11 日経産業新聞の記事「トレンド語り:ラジオを聴く時間増加、人々を励ます姿勢に共感」から

テレビなど他のメディアでも参考になるのでは

 コラムの著者 山本 直人氏(コンサルタント・青山学院大学兼任講師)は、新型コロナウイルスの感染予防で自宅でのテレワークが増えるに従ってラジオを聴く人が増えたことに注目している。

◯若年層はスマホでインターネットラジオ

 山本氏によると6月の日本トレンドリサーチなどの調査では、多くの年代でラジオを聴取する時間が増加しているという。これは、スマホの携帯アプリでラジオ番組が聴ける「radiko」の普及が大きいという。学生でもラジオを聴くことが増えたのは、スマホでの聴取車の増加である。ただ、山本氏が指摘するのは技術の発達というよりも、ラジオが選ばれる理由が他にもあるという。

まずは、一人での仕事などで聴き「ながら」作業ができるのはテレビにはないラジオの特徴である。さらに、ラジオが「自分に語りかけてくれる」感覚も特徴だという。ラジオの持つ独特の親近感が、長い在宅生活で孤独感が増すことで支持されたとも言える。また、ラジオ番組は、コロナ禍でも前もきなメッセージを流し続けたこともあると山本氏は指摘している。イベント自粛などで苦境に立つミュージシャンや俳優などを応援するなど前向きである。一方でテレビ番組は新型コロナウイルスの感染情報を力を入れるあまり、どのテレビ番組をみても同じになっている。ラジオ番組は頑張っている人にスポットをあて共感を生んでいる。

ラジオ番組などのメディア以外でも人々に対する励ましを継続するといったことがもっと取り上げられても良いのではないか。🎧🎶📻🦠😷🍲🍵📶🖥🏢📶📺🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:文化遺産としての分析技術」から

2020.11.10  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:文化遺産としての分析技術」から

次の文化遺産はソフトウェアか

 2012年から5年間、日本分析機器工業会と日本科学機器協会で共同で国民生活・経済・文化に大きな貢献をした機器技術を文化遺産として認定したという。コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、この認定の選考委員としてその動向について述べている。

◯大正期からデジタル化以前の計測・分析機器が対象

 山﨑教授によれば、2012年から5年間に77の機器が認定されたという。最近、その認定機器も解説書が電子化され公開された。山﨑教授は選考委員として先人の努力に感動したという。

選定委員会は大正時代第一次世界大戦の影響で手に入れにくかった外国品に変わり国産化が進んだという。そこから技術の進歩、社会課題、災害などの影響を受けて様々な機器が登場している:

  • 東京理化学器のカタログ
  • 携帯型分光計:炭鉱でのメタンガス爆発事故の防止
  • 光学顕微鏡、電子顕微鏡
  • 自動平衡型記録計:写真の代替で計測結果の表示と記録が自動化
  • 第二次世界大戦後には半導体電子技術の活用で、機器の小型化、高感度化、安定度、操作性改善、自動化が進む。
  • 鉄鋼業での蛍光X線分析装置、石油産業でのガスクロマトグラフィー
  • 自動車の排気成分計測の赤外線分析計、水質分析計:1970年代の公害問題
  • 操作の自動化、機器の構造や動作が見えないブラックボックス化:マイクロプロセッサーの導入、ソフトウェアによる技術が操作の熟練を不要とした
  • バイオテクノロジーが分析対象に

という動きとなっている。今後は、目に見えないソフトウェアか分析の主役の座につきそうだと山﨑教授は示唆している。🔍🚗🔬⚡️💺💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:水素流通時代、担うのは誰」から

2020.11.4   日経産業新聞の記事「眼光紙背:水素流通時代、担うのは誰」から

石油・石炭による代替は太陽光や風力発電では賄えない

 コラムの著者は、菅義偉内閣が宣言した2050年温暖化ガス排出ゼロを実現するには、水素流通のイノベーションが欠かせないと語る。

◯ブルー水素が先行しグリーン水素が追い越すシナリオの先取りを

 菅新内閣での温暖化ガス対策宣言を実現するには、大胆なイノベーションが必須だという。これが促すエネルギービジネスの構造転換を促すという。

ここでの課題は大量に必要となる水素をどこで生産し、どのように運び、それらの役割を誰が担うかにあるという。

水素の生産には、

  • ブルー水素:石油や石炭から水素を取り出すもの
  • グリーン水素:再生可能エネルギーで発電するエネルギーで水を電気分解して得るもの

に大別されるという。コスト競争の関係でこの2者で、ブルー水素が先行し、再生可能エネルギーの普及やコスト低減でその後グリーン水素が増えてくると予想されている。ブルーあるいはグリーン水素のいずれであっても水素の国債流通時代に入ることになろう。そのときに、蓄えた貿易ルールや市場作りを主導することが、脱炭素時代のエネルギビジネスには欠かせないと、コラムの著者は示唆している。🏭👩‍🦯♿️💰🍴🚲😷🦠💻🛠💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏🇯🇵happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:笑顔こそ経営の活力」から

2020.11.6  日経産業新聞の記事「SmartTimes:笑顔こそ経営の活力」から

子ども世代が大人たちとコミュニケーションできる空間を

 コラムの著者 田中 勇一氏(公益資本主義推進協議会 副会長)は、下積みから子どもたちの笑顔を活力にリノベーション事業の経営を進めるクジラ(大阪市北区)代表の矢野浩一氏を紹介し、氏の経営の源泉について語っている。

○大阪の下町、西九条で立ち上げた新業態「SEKAI HOTEL」

 将来子ども達がかっこいいかどうかが、事業判断の物差しにして中古マンション、一軒家、オフィス、店舗などのリノベーションを営むのがクジラであると、田中氏は矢野氏の会社を紹介している。

コロナ禍以前、訪日外国人の増加を受け、大阪の下町、西九条に点在する商店や中古の不動産物件を生かし、その地域全体を宿泊施設とする新業態「SEKAI HOTEL」を立ち上げた。このビジネスモデルが脚光を浴び、「日本経済新聞優秀製品・サービス賞2019」を受賞したという。

矢野氏は高校生から社長になりたいを漠然と考えていたが、卒業後飲食業などをへて不動産業界に飛び込んだという。2007年に下積みから創業。一番大きく絶対に潰れない会社という意味合いでクジラを立ち上げた。その後多くの経営危機を乗り越え、意外に大阪市という都会でも地域によっては空き家が多く過疎化が深刻な不動産業界の危機を感じたという。大きな投資を必要とする都市開発ではなく、比較的低コストでできるリノベーションで街に息を吹き返せると思い、本業を成長に乗せた。そこからは拡大路線で、ありがちな社内組織の混乱を創業来の「人を大切にする」という理念を社員との丁寧なコミュニケーションでカバーし、離職率を低く抑えたという。

さらに矢野氏は、子ども達の世代が大人とのコミュニケーションできる空間の大事さを自らの学生時代の体験から理解して、数年前から児童養護施設の支援活動を行っている。今回のコロナ禍でも「(施設の)食堂を子ども達の映画館に!」というプロジェクトを発足。多くの関係者とクラウドファンディングで施設のリノベーションが動き出した。矢野氏が最も嬉しい体験は子ども達の笑顔を間近で見られたことだという。施行中もわくわくして作業をのぞき見するのだという。明日を担う子ども達、取引先、社員を大切にし、リノベーションという本業を通じて地域社会に貢献している矢野氏は、まさに公益資本主義の実践者だと、田中氏は評価している。🔨👧👦癒🏠🚆😲📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:『鬼滅の刃』ヒット考、設定の斬新さが魅力」から

2020.11.6  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:『鬼滅の刃』ヒット考、設定の斬新さが魅力」から

差別化の要因は物語の設定にあり

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」のヒットの要因について考察している。

◯物語構造分析でも裏付けられる自己移入と感情移入

 三浦教授によれば、アニメの隣接分野である小説の面白さを支える要因として、

  • 文章(描写力)
  • ストーリー
  • 構成
  • 設定(世界観/思想)
  • 人物(キャラクター)
  • 専門性(ウンチク)

の6つがあり、設定と人物が競合作品との決定的な差を生み出すと、「月刊公募ガイド(2017年11月)でも分析しているという。アニメについても同様で、文章(アニメなら絵やセリフ)は重要であるが、競合とは同程度に高い。ストーリーと構成も重要であるが、手順にすぎない。そこし凝ってもケッタイ的な差にはなりにくい。

そこで設定と人物であるが、差別化の要因になり得るという。実は、「ストーリーが面白い」というのはストーリーではなく、設定であると三浦教授は指摘している。設定とストーリーは別物で、斬新な設定(世界観/思想)を最初に作れば、その後にストーリーは自然に展開する。

「鬼滅の刃」では、最初の設定の斬新さがあるという。つまり、鬼に家族が殺された主人公が、鬼にされた妹を人間に戻すために鬼と戦うという設定が、ストーリーの魅力を生んでいるという。さらに物語構造分析の諸理論、とりわけドイツの哲学者ガダマーの解釈学によると、物語の訴求力(魅力)は、受容者(読者・視聴者)が

  1. 自己移入:受容者が物語の意味構造の中に入り込むこと
  2. 感情移入:物語の登場人物に心を重ねること

して、物語を再演することによって生まれるという。したがって、読者が自己移入したくなるようなるアニメの意味構造(世界観・設定)をつくり、さらに感情移入したくなるような魅力的なキャラクターをつくれば消費者のこころをつかむことができると考えられる。✏️🗒📽🎥💰🕶🚗🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵