事例

【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:『夏季休業』と『体験格差』」から

2024.7.5   日本経済新聞の記事「春秋:『夏季休業』と『体験格差』」から

広がる子ども達の「体験格差」

コラムの著者によれば、「夏季休業」を前に子ども達の生活経済が厳しい状況のために、親たちの経済的余裕に応じて子ども達の夏休み体験の格差が生じるという。田山花袋の「田舎教師」に綴られた夏休みの心得を子ども達の説いていた時代よりも社会は進歩したのであろうか。

○旅行やイベントなど、家族で貴重な思い出を残せる夏休み

コラムの著者は「田舎教師」から次のような引用をしている:

「毎日一度ずつは、本を出してお復習(さらい)をなさい。それからお父さんお母さんに世話をやかしてはいけません。桃や梨や西瓜(すいか)などをたくさん食べてはいけません」

と、明治30年代の夏休み前に教師が子ども達に説いた心得である。学校の「夏季休業」は欧米にならったものだという。明治30年代ではすでに日本でも定着していたようで、物語は夏休み前の「ざわざわ」した心情が描写されている。今もこの風景は変わらない。親に世話をかけてはいけないということを強調しているのも当時の家庭も子どもが家にいる毎日は大変であったことであろう。

だが、令和に日本では、もっと切迫した声だという。認定NPO法人「キッズドア」の調査によれば、小中学生のいる困窮世帯の約6割が、子どもの夏休み廃止や短縮を望んでいるという。要因は、「生活費がかかる」、「特別な体験をさせる経済的な余裕がない」といった訴えが多くでてきたという。

夏休みは、家族にとって旅行やイベントなど思い出が残せ、体験できる好機である。しかし、それが叶わぬ世帯が多く、子ども達の「体験格差」が広がっている。貧しかった明治の日本でも考えられない光景であろう。花袋の時代、教師も夏休みを思い思いに楽しんでいた。そのころと今の日本社会はどれだけ進歩したのであろうか。🍉🏊☀️👒🏠🚲🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「中外時評:外国人材の育成で誇れるか」から

2024.7.3  日本経済新聞の記事「中外時評:外国人材の育成で誇れるか」から

評価を工夫し公正に処遇すれば成長意欲は確実に高まる

前回の通常国会で外国人技能実習に代わる新制度「育成就労」の導入が決定した。コラムの著者 半沢 二喜氏(日本経済新聞社論説委員)によれば、これまで期間限定で単純労働を受け入れてきた政策を転換したことになる。この間の日本企業は、日本は人を育ててきたのか。

○自己成長を本人が感じれば外国人も日本人も同じ

半沢氏は、外国人雇用の事例として金属プレス加工を手掛ける光製作所(神奈川県綾瀬市)の取り組みを取り上げている。

光製作所の丸山裕司社長は、

「(技能実習制度が始まってから)この30年、日本は人を育てることを放棄してきたのではないか」

と語る。一時帰省した技能実習生が日本に戻ると、「もう不要だ」と元の職場から言われた。そんな他社の事例を聞いて腹立たしく思っていたという。

新制度では、日本語能力や技能の試験を課すことで別の在留資格「特定技能」へのステップアップを促し、永住も視野に入れて定着を目指す。ここで問われるのは受け入れる側の長期的視点で外国人材を育てていく力だという。

光製作所で心掛けているのは、技能実習生の一人一人の習熟の速度に合わせた人材教育だという。日本語は教師役となる社員を本人が選び、勤務時間内でもマンツーマンで学ぶ。社内会議には技能実習生も参加してもらい課題などを共有してきた。技能検定の前にはつきっきりで技術を指導し、外国人正社員には品質管理の模擬テストを社内で繰り返し、段階的に点数が上がることで学ぶ意欲を高め合うという。結果、入社5年で工場長レベルに技能が高まったリーダーが2名生まれ、技能実習生だけで1工場を稼働できる状態にまでになった。

「日本企業はすぐに成果を求めたがるが、教える側は諦めてはいけない。自己成長を本人が感じれば学ぶ意欲は増す。日本人も同じだ」

と丸山社長は強調する。これまで日本企業が得意だった人材育成は新卒一括採用と長期雇用を前提としていた。今度は就労育成で外国人材を育て上げる力に変えられるかが真価が問われるところであろう。🛏️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:デジタル時代の新紙幣が問う現金の役割」から

2024.7.3  日本経済新聞の記事「社説:デジタル時代の新紙幣が問う現金の役割」から

お金の流通や決済の仕組みの望ましいあり方を考える好機

今月3日に新しい紙幣(日本銀行券)が発行された。デジタル時代でスマホ決済など普及するなかで現金の役割が問われるときの発行である。社説の著者によれば、デフレーションからインフレーションへ変わる潮目でもある。これからの現金のあり方や決済について考えるチャンスと社説の著者は語っている。

○今後も紙幣はデジタル系金融と併存

社説では今回の改刷は偽造防止が主目的だという。そこで多くの偽造対策の技術が取り込まれている。例えば、肖像画が立体的に見える3Dホログラムなど最先端技術を採用している。旧紙幣ももちろんそのまま利用できる。

だが、日本国内には明確な目的なく自宅などで保有する「タンス預金」については有効活用を考える契機になりうるという。数字にも出ている。紙幣の発行残高約120兆円のうち、半分の約60兆円がタンス預金と推計されている。タンス預金が消費などに回れば経済活動が刺激されるが、使わない間に物価が上昇すれば現金の実質価値は目減りする。日銀も3月、17年ぶりの利上げに踏み切った。今年から少額投資非課税制度(NISA)もされた。タンス預金を適切な投資に回すのも選択肢になろう。

デジタル時代に普及したキャッシュレス決済は、現金インフラ投資の重さで伸び、中国や韓国では日本のキャッシュレス比率4割以上で8〜9割超と高いことからも見劣りがしている。新紙幣導入によるATMや券売機の改修コストも大きく、中小や飲食店ではコスト高で改修が遅れるため、これを機に省人化やキャッシュレス化の支援施策をすべきであろう。

日本銀行は、海外でも試行されている「デジタル通貨」の研究を進めている。乱立する民間のデジタルマネーを繋ぎ、利用者に利便性と安全性を高めた「デジタル円」の取り組みも重要であろう。そこには新たな金融のイノベーションが起こる可能性もある。紙幣がなくなることは見通せないが、しばらくはデジタル化と並走する形で未来は移行していく。💴🎤🪐🚀💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:『耳をそろえてカネを返せ』と新紙幣」から

2024.7.3   日本経済新聞の記事「春秋:『耳をそろえてカネを返せ』と新紙幣」から

通貨の歴史は偽造の歴史

コラムの著者の調べで慶應義塾大学の利光三津夫名誉教授の著書「古貨幣七十話」によれば、「耳をそろえてカネを返せ」との耳とは、大判小判の縁(ふち)を指すという。江戸時代、縁を削って金を掠め取る犯罪が横行したため、削り跡がないかを確認する所作を「耳をそろえる」ことになるという。つまり、通貨には常に偽造が伴っているからである。

○国の信用を落とすのは偽札だけでなく財政の舵取りも

コラムの著者が貨幣と偽造に触れるのは、今年7月3日に新紙幣が発行されたからである。期を同じくして、日本銀行の貨幣博物館では新札をテーマにした特別展を開催中であるという。新紙幣には、画像が浮かぶ世界初の3Dホログラムに、コピー不可の微細文字が施されている。渋沢栄一らの肖像には1ミリ幅に10本以上の線が描き込まれている。さらに、「偽札作りは重罪です」と、パンフレットに掲載して、警告を発している。

貨幣の偽造が重罪なのは、通貨の信用を損なうからである。通貨の信用は国の信用に裏書きされている。一方で国家の信用は通貨のみならず、国庫の財政状態も問われる。現状、1200兆円超えの財政赤字(国の借金)がある。信認を保ちつつ、耳を揃えてどう返していくか。新札発行を気に考えなばならない。💸💴🏠🚲🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:環境商品、消費者の行動変容促せ」から

2024.7.2  日本経済新聞の記事「私見卓見:環境商品、消費者の行動変容促せ」から

台風の目はEUが禁止する「グリーンウォッシュ(見せかけの環境対応)」

環境に配慮したことをロゴやマークで図案化し、商品パッケージなどに印字・掲載したエコラベル商品が増えているという。コラムの著者 佐々木 努氏(日本総合研究所 プリンシパル)は、EUがグリーンウォッシュを禁止する指令案を出したことから、メーカーのこのような消費者の行動変容を促すコミュニケーションは転機を迎えているという。

○メーカーは広告宣伝、販促費の一部を消費者へのECO行動への啓発・教育活動にあたる必要がある

佐々木氏は、「ECO」や「グリーン」「自然にやさしい」といった文言とともにロゴや図案をつけることは少なくともメーカーの自主基準で設定しているが故に、グリーンウォッシュを禁止する指令案でみると、一般的な環境訴求はNGだという。佐々木氏は、メーカーが環境を軸に消費者に行動変容を促すことは、地道なロゴや図案でも良いとしている。ただ、それが消費者を惑わせる商品と見分けがつかないことが問題だとしている。「グリーン」「自然にやさしい」では実証できないところに問題があり、消費者を惑わす要因とされる。

まず業界として、グリーンウォッシュで消費者を惑わす商品を市場から排除しなければならない。ただ、これまでのエコラベルという考えは悪くないが、その「良さ」をもっと積極的に転換すべきだと、佐々木氏は指摘している。つまり企業独自のラベルをなくして、第三者認証や業界団体の設定したラベルに置き換えることが考えられる。ただ、その際も、ラベル自体の認知を高める啓発が必要で、投下する資金と労力に見合わない。

佐々木氏によれば、環境配慮商品に関わる消費者の行動変容を起こすには、次のような流れが考えられると言う:

  • 消費者が店に来る前に環境配慮商品に対する啓発や教育が必要である
  • 消費者が環境への配慮の意識が高い状態で、対象商品を認知する必要がある
  • さらに消費者は、商品を認知した後、関心を寄せ、訴求内容を理解・評価しなければならない
  • ようやく、理解と高い評価で購買行動に移る

という一気通貫が理想的である。そのためにも、メーカーは宣伝や販促費の一部を実践的な環境配慮商品の啓発・教育活動に充てねばならないだろうと、佐々木は予想している。行政との連携や店舗でのメーカーと小売業者の連携などまだまだ工夫の余地があるという。🍴💊😴🛏️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇫🇷🇩🇪🇳🇱🇧🇪🇮🇹🇪🇸🇵🇹