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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:写真通した記憶・記録、消費者誘導のヒント」から 

2019.9.13  日経産業新聞の記事「小野譲司の目:写真通した記憶・記録、消費者誘導のヒント」から

個客経験は視覚情報だけでなく五感すべてで形成

 コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、デジタルマーケティングや消費者行動の研究で、写真撮影が、旅行、観光、鑑賞といった体験や記憶にどのような影響を与えるかに関心を示していることを述べている。

◯顧客経験が重視される中で写真撮影はどうあるべきか

 小野教授によると、写真撮影という消費者行動について多くの研究者が関心を持っているという。SNSでけでなく、旅行、観光、鑑賞といった体験や記憶にどう影響を与えているのか関心を持っている。

撮影に没頭している人は、絵画や風景を楽しみているのか。インスタ映えするグルメ写真を目指している人は写真などを撮ることに興味が無い人と比べて会話や食事が楽しめているのか。また、ガイドブックで有名な場所、風景、絵画などをまるで模写するように撮影することにどう価値を感じているのか。撮影した方が、対象を思い出したりしやすいのか。このような疑問についての研究はようやく始まったばかりであるという。

ただ、一概に結論づけられない論点があると、小野教授は指摘している;

  • 写真撮影は何かを経験しているその場を楽しくするが、それはエピソード記憶になるか否かである。
  • 顧客経験は視覚だけでなく、音、香り、手触り、その場の雰囲気など様々の経験要素ができる
  • SNSで写真を共有する功罪があることが指摘されている。SNS疲れなどもこれに当たる

といった点で、企業が写真撮影をどう捉えるかで顧客の経験と記憶が変わることがわかる。🎨📸🎓📖🏢🏨⚡️🌍happy01💡💳t🌍


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:モスの新マーケティング、新たな顧客層狙う」から 

2019.9.6    日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:モスの新マーケティング、新たな顧客層狙う」から

既存、新規顧客の二者択一ではなく二者両立を狙う

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が今回取り上げるのは、モスフードサービスの顧客層とのコミュニケーションの新戦略に述べている。

◯テレビとデジタルの広告費も9対1から8対2へ

 モスフードサービスが8月15日に発表したコラボレーション企画は特徴的だという。画家・絵本作家のヒグチユウコ氏のオリジナルタオル付き「カレーモス×ヒグチユウコスペシャル」を数量限定で発売(価格は1500円)。同氏の作品は、「せかいいちのねこ」シリーズや「ギュスターヴくん」で著名で、高級ブランドGUCCIが多くのコラボレーションバックや財布を販売している世界的なアーティストであるという。

目的は新規顧客獲得でターゲットである40代女性に刺さる個性をもつ「ギュスターヴくん」とモスバーガーのキャラクターである「モッさん」の交流をヒグチユウコ氏に書き下ろしてもらった。発表日のリツート数が1200を上回り、通常の数倍に達したという。同様な商品企画や開発が進んでいて消費者とのコミュニケーション戦略も刷新しようとしている。これまではテレビCM、メールマガジン、公式SNSが中心であったが、この1年でスマートニュースやLINEなどのスマホアプリへのクーポン掲載や動画広告、インスタグラムでの公式SNSの開設などのチャンネルを増やした。テレビ広告とデジタル広告の広告費の配分も、従来の9対1から8対2へシフトさせている。

既存顧客に新規顧客獲得という二者択一ではなく二者両立の戦略を立て、ニーズの把握をこれまで以上に細かく行い、マーケティングを展開する方向だ。オールターゲット+ファミリー層と言われてきたモスバーガーだがマーケティング戦略を変えつつある。🍔🍛📲🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:利益なき日韓対立、勝者は」から

2019.8.29   日経産業新聞の記事「眼光紙背:利益なき日韓対立、勝者は」から

政治家の支持率向上だけ?

 コラムの著者が言うには、長引く日韓関係の対立が将来的には現地生産に変わりやがて両国の雇用を阻害する要因となり利益を生まないという。

◯感情論先行では国同士に利益を生まない

 日韓関係の悪化が、両国経済に深刻な影を落とし始めているという。日本政府が半導体材料の輸出権利の厳格化を打ち出した7月初め以降、最近はエスカレートしている。

確かに、半導体業界では「両国企業間の信頼関係に揺らぎはない」とする声が大半だが問題はその先にあるという。韓国側は半導体材料に限らず、工業製品、素材産業から食料品に至るまで幅広い分野で日本への依存度を下げるのは当然である。こうなれば、半導体材料を輸出している日本メーカーの関係者は、韓国企業との関係は引き続き好調だが、中長期的には、現地生産を求められるという。輸出が現地生産に変わっても企業は利益を保てるが、国内の生産拠点は稼働率は下がり、雇用が失われていく。感情先行での対立は両国に何も利益をもたらさず、支持率向上だけを狙う政治家の道具になりかねない。 📖✒️💻🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝🐁🇯🇵🇰🇷


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:デジタルの新時代、融合するオフライン」から

2019.7.12  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:デジタルの新時代、融合するオフライン」から

東京をスルーして世界に出る地方企業

 コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、岩手のユニークな中堅企業で世界最小のマイクロアクチュエーター(超小型駆動装置)の技術を使って医療・ライフサイエンス分野の最先端機器を製造しているアイカムス・ラボについて触れている。

○従来の商品よりも割安で軽量で精巧な精密な電動ピペット

 三浦教授によると、同社のペン型電動ピペットは、企業や大学その他の研究室で試薬の量を正確に計量・移動させる精巧なものが求められている。同社の製品は、他社製品が約10万円もするものを約3万円で、しかも従来品よりも軽量で使いやすいという。電動ピペットはマイクロリットル単位で試薬を連続分注(液体を一定量ずつ吐出)できる。同製品は日本のみならず、米国、中国、韓国、台湾の海外代理店を通じて全世界に展開しているという。

もう一つの特徴は、同社のある東北ライフサイエンス機器クラスターである。2014年アイカムス・ラボなどが中心に、先端工学技術と医学的情報を融合し、東北にライフサイエンスの一大拠点を立ち上げたものである。今、企業21社、金融機関、行政など22団体が参加。さらに参加企業の製品を海外に展開するマーケティングを支援する組織を立ち上げられた。まさに、岩手から世界へであり、一昔前の東京の下請け的であった地方企業を、いまや東京をスルーして、いきなり世界と勝負するところまで来ている。🏡💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🏨🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:花王のヘアケア、個別仕様に新発想」から

2019.8.23   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:花王のヘアケア、個別仕様に新発想」から

自動車やPC、住宅でのオプション注文のイメージ

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、マスプロダクション(大量生産)でありながらカスタマイゼーション(個別仕様)であることを目指したマスカスタマイゼーションの意義について花王の商品を事例に説明している。

◯カスタマイズした商品をさらに個人の好みで組み合わせ

 西川教授はいうには、マスカスタマイゼーションとは、完全な個別仕様でなくても、その発想は新市場を創造する可能性を持っているという。事例として紹介しているのは今年5月に発売された花王のヘヤケア用品「アンドアンド」である。

ヘアケア市場は、800円以上のプレミアム価格が市場の半分を占めており、その中でさらに1400円以上のハイプレミアムも拡大しているという。こうした市場では「こだわり」が重要で、ファッションも化粧品も、ネイルなども自分らしく、気分に応じてコーディネートできる人が増え、自分にぴったりなものを選びたいというのがトレンドだという。

しかし、ヘアケア市場ではシャンプーとリンスは同じ香りで同じデザインのパッケージで没個性であった。そこで、同社の商品は、気分や香り、デザインでシャンプーとトリートメントを自由に選択できるセルフコーディネイトできることにした。開発では、シャンプーとトリートメントの利用時に快適な気分を感性科学で分析し、それを感じさせる天然アロマの香りを調合した。

  • シャンプーでは「気ままに」「静かに」「ゆったりと」の3種
  • トリートメントでは「はしゃぐ」「思いつく」「ときめく」の3種

をマーブル調や透明などの容器に異なったデザインで投入した。組み合わせは9種類で、ゆったちとときめくの選択がもっとも人気で意外性もある。今回の事例はカスタマイズした商品を開発するだけでなく、組み合わせを可能にしてより個別仕様に近くした発想が面白い。🏯🎓🏢📈💻🔎⚡️🌍happy01🚕