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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:キッコーマンのワインブレンド、消費者が製品開発」から

2019.11.15   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:キッコーマンのワインブレンド、消費者が製品開発」から

消費者のブランド関与を高めて顧客価値を向上させる

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、キッコーマンの「ワインブレンドパレット」でカスタマイズ以上の消費者自身がブレンドしたワインを軸に展開するブランド戦略について語っている。

◯ユーザー参加型製品開発は企業のあるべき姿

 西川教授は、キッコーマンのこの取り組みからブランド戦略を語っている。これまでごく一部のブレンダーしかできなかったワインの個性を創るブレンドに参加でき、誰でも自由にワインを創れるという。仕掛けは、パソコンやスマホで7種類の赤ワインの原酒から、その特徴を体験しながら最大5種類を選ぶ。選んだ原酒の配合を5%単位で設定し、

  • ライト/フルボディ
  • 果実味/深み

という4次元の味を確認しつつ、最後に10種類の中からラベルを選ぶ。価格は送料別で約3千円で2から3週間で、創作したワインが届くというもの。さらに、創作したワインをサイトで販売でき、他者が創ったワインもオーダーできる。同社の系列のワイナリーやレストランでワークショップを開催して自分だけのオリジナルワインのブラディングをはかっているという。単なるカスタマイズ以上に企業側が消費者に働きかけブランド関与を促すことで顧客価値をあげている。🍷🍷🏢📈💻🔎⚡️🌍happy01📶👦👧


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:埋没価値の発掘、未来の浮力に注視」から 

2019.11.8  日経産業新聞の記事「「関沢英彦の目:埋没価値の発掘、未来の浮力に注視」から

これまでの埋没費用からの脱却

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)は、事業のためにかかった費用のうち、途中放棄で失い回収できないコストを埋没費用というが、未来に対する今は見出せない埋没価値を発掘して新規事業の元にしてはどうかと提案している。

◯「過去の重力」よりも「未来の浮力」へ

  関沢氏は、未来の浮力の事例をいくつか紹介している。

  • 駅構内:個室ボックスが移動中の仕事場。診療所を作れば心身に不安になる人に救いになり、鉄道の人身事故を減らせる
  • 廃校:自然を生かして学区外の学童を受け入れ特認校として生き残れる
  • 東京国立近代美術館:所蔵作品を活用して社会人にワークショップを開催
  • コレド室町テラス:台湾の著名な書店は書籍販売以外に料理教室や雑貨店やイベントを開催
  • コードレスクリーナー:使用後、空気清浄機として
  • 光触媒技術:脱臭・除菌機能を持つ発光ダイオード電球

など、老朽インフラを修復しつつ、眠っていた埋没価値を発掘し再活用することも創造的な行為である。「過去の重力」よりも「未来の浮力」に目を向けることを勧めている。🌍happy01🌎🇯🇵💡


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:ファンベースのマーケティング、必要な価値体系転換」から 

2019.11.1  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:ファンベースのマーケティング、必要な価値体系転換」から

デジタル情報革命でマーケティングもパラダイムシフト

 コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、情報が氾濫する現代でヒット商品やロングセラー商品を作るにもかつての顧客の捉え方が変わってきていることを論説している。

○今も見えない売上高とファンの盛り上がりの関係

  横山教授によれば、顧客から愛されるヒット商品やロングセラー商品をどのように伝えるべきか情報氾濫の時代には従来とは異なったパラダイムが現場に必要だという。

そこでファンを軸にしたマーケティングが出てきた。ファンベースのマーケティングとは、2割のファンが8割の売上げを占めているという経験に則った、少数の顧客に対して濃い接触や体験を提供して熱烈なファンを作り、その人たちをベースに、ネットとリアルの口コミを増進させて市場を獲得しようというものであるという。

ただ、売上高の向上という点でその効果を測定して可視化することは極めて難しい。以前からマスコミによる広告効果も可視化できないでいて、さらに感覚的な方法で市民権を得た広告マーケティングが未だ現場の主流である。ただ、ファンベースになると、現場の価値観が全く異なってくる。そこでは、既存の広告マーケティングのパラダイムを変える、転職してきた人やマーケティングの素人でも進められる世界かもしれない。🏪🍎🍅🏪🚚📦💡⚡🌍happy01👜


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:双方向型の動画制作、20〜30代女性とらえる」から 

2019.10.30 日経産業新聞の記事「トレンド語り:双方向型の動画制作、20〜30代女性とらえる」から

動画広告の拡大につれて需要増加

 コラムの著者 面川 真喜子氏(マーケットプランナー)が、MILの光岡敦CEOが手掛けるインタラクティブな動画制作サービスの需要増の背景について語っている。

◯F1層をターゲットに

 面川氏によれば今までは動画広告に効率的なマネジメントサイクルPDCAが回せなかったという。A/Bテストなどがしにくいといった問題点もあるという。

視聴者が直接動画にタップし、購入に至るような仕組みがあれば良いのにという要望がマーケティング担当者には多いという。その需要を満たしたのが、MILの光岡敦CEOが手掛けるインタラクティブな動画制作サービスだという。同サービスは動画にタグを埋め込んで、視聴者にアクションを起こさせる仕込みを追加・編集できるSaaS型ツールであるという。

視聴者が動画内の商品をクリックすると、その商品の概要がポップアップで表示されたり、ECサイトへのリンクが設定できたり、視聴者の選択で「ストーリー分岐」、アンケートフォーム、応募フォームの設置、電話番号へのリンクも設定できる。さらに、SaaS型サービスで利用者ごとのトラッキングデータを蓄積し統計データが作成できる。ちょうど動画がウェブサイトのような役割を担うという。これを、インスタグラムなど動画好きなF1層(20〜30代の女性)をターゲットにデータ分析ができるという。動画も別価値を産む時代である。📸🤳💐🍔🏢💻📺🏢💡⚡️💻🌏happy01📂🌎📈📊


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ノーベル賞、企業の基礎研究に光を」から

2019.10.30   日経産業新聞の記事「眼光紙背:ノーベル賞、企業の基礎研究に光を」から

企業は地味な基礎研究を誇りに

 コラムの著者は、旭化成の吉野彰名誉フェローがノーベル科学賞を受賞の意義について語っている。

◯発見は重要だが、その影響を見抜いて使える技術にする研究開発も重要

 吉野さんが現代社会に欠かせないリチウムイオン電池を企業内研究で開発したことでそれが受賞の理由になった。企業に在籍する日本人研究者の受賞は島津製作所の田中耕一氏以来の二人目であるという。

ノーベル賞は社会に貢献した技術が対象でも、ルーツに遡った基礎研究を重視する。最初にリチウムイオン電池を商品化したソニーの研究者はそのルールで受賞に至らなかった。同様なことがあり、2007年にノーベル物理学賞を受賞した巨大磁気抵抗(GMR)はハードディスクなどで活用され、東芝が最初に商品化したが受賞には至っていない。

発端となる現象や原理を発見した功績は非常に大きいが、ただ発見が持つ影響力を見抜いて実際に使える技術にする地味な基礎研究も重要であろう。そうした製品化にも独創性や想像力がなければ社会にでることはない。

イノベーションの重要性は多くで説かれているが、企業がこのような基礎研究を地道に進め、誇りを忘れないこともこれからの企業内研究には重要であろう。🧴🥤🖥📖🗞🌃🏢💡🔎⚡️happy01🌎🎓🇯🇵🇳🇴