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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:見過ごされがちな変化、ニーズと乖離、敏感に」から 

2020.1.22  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:見過ごされがちな変化、ニーズと乖離、敏感に」から

レジ袋有料化に伴って変わったニーズ

 コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、売り手の立場、買い手の立場といったマーケティングでは消費者のニーズと乖離してしまうをエコバッグの事例などで説明している。

○環境意識の変化も関与

  横山教授は、現代社会では企業は変化に対応することだけではなく、変化を先導する役割も意識しなければならないことを目立たない変化に敏感に対応することでニーズとの乖離を避けねばならないと示唆している。

プラスティックのゴミ問題を取り上げると、ネスレ日本や凸版印刷が共同でキットカットの大袋の包装を紙に変更したことで、日本包装技術協会の木下賞を受賞したことから、普段は目立たない小さな変化が消費者の日常生活で着実に生じていることを物語っているという。つまり、小さな変化でもいつしか企業のオファーが消費者のニーズと時間とともに乖離し、やがて商品は売れなくなる。

例えばレジ袋の有料化。確かに政治的対応もあるが、消費者マインドが環境問題に移行しつつあることを物語っている。いまやスーパーマーケットで買い物をする際にエコバッグやマイバスケットを使う消費者が激増している。ただ、このエコバッグやマイバスケットは繰り返して使われるため、

  • 汚れるようなものはできるだけ買いたくない
  • 容量を超えるような重くて袋に入らないものは選ばない

といったコロナ禍による新常態での変化である。これらをニーズとして受け止め、パッケージを変更したり、濃縮の洗濯洗剤のように機能性はそのままで容量を小さくするといった工夫必要となる。また、これらはエコバッグやマイバスケットを使ってみて初めて分かるもので、従来なら顕在化しない。潜在的でペイン(苦痛)を見つけるために定性的調査も有効になろう。ときには、マーケティング担当者本人が当事者として現場の買い物を観察することも必要である。もはや、企業は売り手、消費者は買い手だからといった二元論でマーケティングはできないことを意味している。🛒🍆🍅🐟🏃‍♀️🚥🏪😷🎁🎓🏪🚚📦💡⚡🌍happy01🏪🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:大手利するクッキー規制」から

2021.1.22  日経産業新聞の記事「SmartTimes:大手利するクッキー規制」から

3rdクッキーを規制しても大企業やプラットフォーマーには別口が

 コラムの著者 石黒 不二代氏(ネットイヤーグループ社長)は、データの利活用とは裏腹に個人の情報やプライバシーを守るために各国が行っているデータ利用に対する規制について語っている。

○個人の人権、データホルダーにとっての合理性、公共の利益の3軸のバランスで

 石黒氏は、この3軸が世界経済フォーラム第4次産業革命センターが推奨したものであるが、実際は各国でバランスに差異があるという。EUでは2018年データは個人のものとして制度設計すべしといったGDPR(一般データ保護規制)が施行された。2020年には日本政府も第三者がデータを提供する際に本人の同意を必要とする法案が閣議決定した。その際に、デジタルマーケティングで利用される「クッキー」の取り扱いが制限された。クッキーとは個人がウェブを訪問するときに自動的に割り振られるIDのことで、いわばログイン情報を貯めたデータで「訪問管理表」に相当するという。自社運営するサイトが発行する1st party cookieと広告など自社サイトの外部で発行される3rd party cookie があり、後者は企業間でデータの売買もできる。これを自社が持つ1stと照合するとIDの特徴がわかるようになる。つまり、利用者の興味、関心に近いコンテンツや広告を打ち出すことができる仕掛けである。リターゲティングはこれを利用している。この、3rdに規制がかかったが、プラットフォーマーたちは迅速に対応し、まずは3rdを利用しないことを公表した。だが、大手やプラットフォーマーたちは多くのサイトとコンテンツをもっているため、1stだけでも行動が読み取れる。さらにこの情報に基づいて、個人の方もパーソナライズされたコンテンツをプッシュしてくることを望むようになってきた。結果、そのコンテンツを1stで観測すれば、3rdを使わない状況でもユーザーのネット上の動きが分析できることになる。3rdを規制したことにより、大手企業やプラットフォーマーにとって有利な状況になってしまった。🕛🛒📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:アジアの新興とつながれ」から

2021.1.20  日経産業新聞の記事「SmartTimes:アジアの新興とつながれ」から

とんでもないホラ吹きかと思いきや成果を出すアジアの起業家

 コラムの著者 村松 竜氏(GMOペイメントゲートウェイ副社長兼GMOベンチャーパートナーズアウンディングパートナー)は、アジアの起業家と日本企業の提携事例について語っている。

○Carroの事例

 村松氏は、初対面でとんでもない事業計画をぶち上げ、次に会ったときにはあっさりとそれを達成している企業が時々いるという。 その一人にシンガポールのAaron Tan氏がいる。

タン氏はAIを活用したカーテックとフィンテックを掛け合わせた領域のスタートアップCarroを創業した。彼はシンガポールの国費留学生として米カーネギー・メロン大学を卒業し、その後VCも経験、さらにスタートアップにエンジェル投資も行うという。村松氏が前回タン氏に会った時は、「車載センサーのデータを活用した自動車保険商品の開発をやりたい」と述べたという。それが昨年末で、あっさりと実現した。実はその背景に村松氏の会社が紹介した三井住友海上火災保険との事業提携があったという。両社は、今、共同で新保険商品「テレマティクス自動車保険」を開発中である。車載機器やユーザーのスマホアプリが集めた運転時のデータ(加速、ブレーキの頻度やアイドリング時間)などを元にユーザリワードを付与し、保険料を決めるという新スタイルの保険である。つまりドライバーが安全運転をしてくれれば、保険料は下がり、事故を起こす確率も減り、保険会社は、結果として保険金の支払いが減るといったロジックである。欧米でh普及が始まっているこのような保険は東南アジアではCarroと三井住友海上火災保険が先行者であるという。🚦🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『卡脖子』となる技術を生み出せ」から

2021.1.19  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『卡脖子』となる技術を生み出せ」から

米中対立で振舞わされないためにも『卡脖子』となる商品や技術は必須

コラムの著者は、中国で最近見かける「卡脖子(チア・ボーズ)」(急所を突いて窮地に追い込む)に言及し、日本のとるべき道について語っている。

○米国側から見て半導体と航空機エンジンは『卡脖子』

 コラムの著者によれば、今の中国の「卡脖子(チア・ボーズ)」は、半導体と航空機エンジンであるという。すでに米国から経済制裁を受けた半導体産業は、米国企業の技術や製品がなければスマートフォンなどの先端通信機器を製造できないため、中国はこの分野の産業育成を急いでいる。また、欧米に依存する航空機エンジンも「卡脖子(チア・ボーズ)」の製品で、国産化が課題であるという。

米中対立や新型コロナウイルスの感染拡大で、単純に効率だけを追及するグローバルな分業体制はすでに過去のものとなってしまった。経済安全保障を念頭においた経営戦略が必要な時代である。それは米国に追従して高い成長の可能性が大きい中国を縮小することではない。

米中対立の長期化は避けられないが、日本企業は勝ち残りのための戦略が必要である。また米中2強に振る舞される前に、世界にとって必要不可欠な「卡脖子(チア・ボーズ)」となる独自の技術や製品を生み出さねばならない。💴🌟🚀🇯🇵💻📶🦠😷📷👜⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:新素材カードケース、消費者の反応見極め」から 

2021..1.8   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:新素材カードケース、消費者の反応見極め」から

イノベーター理論を実践するマーケティング

 コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が今回取り上げるのは、三井化学のカーボン新素材「アンドコル カーボンハイブリッドシート」を使ったカードケースのマーケティングである。

◯本来はB2Bでありながらコロナ禍でB2B2Cに挑戦

 この製品はECでも通販でも実店舗でもなく、クラウドファンディング「マクアケ」で先行発売しているという。価格は1万8千円。クラウドファンディングの期間は2020年12月3日〜2021年1月17日で現物は東京・有楽町のb∞ta(ベータ)で1月31日まで展示しているという。

高強度のカーボンファイバーにアラミドファイバーを組み合わせた生地に、同社の高機能ウレタン樹脂でコーティングを施した「丈夫さ」と「滑らかな触感」を兼ね備えたもの。5色のカラーバリエーションがあるという。

三井化学は機能性ポリマーなどの素材を取り扱う大手化学メーカーで、自動車メーカーなどB2Bが主流で、エンドユーザにファッション小物を作ったことは珍しく、背景に新型コロナウイルスの自粛の影響があるという。コロナ禍で国内外のメーカーに新製品である新素材を開発しても営業に行くこともできず、素材の良さを認知してもらうことはかなり困難である。そこで最終製品を作り消費者の反応や評価を見て、それを営業に生かそうというマーケティング戦略である。ただ、コロナ禍の自粛で販売店で売るのは困難であることから目をつけたのがクラウドファンディングであるという。オンライン販売や実店舗販売では伝わりにくい開発ストーリーを直接消費者に伝えるため、こだわった素材でファッション小物を作り「イノベーター理論」でいうイノベーター層やアーリーアダプター層に訴求することで、小さな成功から素材の営業や開発に生かすマーケティング戦略を進めたという。まさにB2B2CでB2Bのマーケティングを進める発想の転換である。💳🚗💺🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵