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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:島津製作所が執筆研修、より伝わる技術文書に」から

2023.7.19  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:島津製作所が執筆研修、より伝わる技術文書に」から

プロが使う機器だからこそ取扱説明書は重要

コラムの著者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、一見消費者向けだけの取扱説明書などの関連文書がプロフェッショナルの世界でも重要であることを島津製作所の技術者向け執筆研修に焦点をあてて説明している。

○明確な技術文書は的確なレビューができ開発の迅速化と海外展開での説明書の原点となる

 高橋氏によれば、一見プロユースでの取扱説明書は営業だけのものに感じるが、製品の開発スピードや海外展開での貢献に大きな影響を与えるという。同氏は事例として島津製作所の技術文書への取り組みについて語っている。

同社は、分析・計測機器最大手で取扱説明書など関連文書の技術文書を書く力(テクニカル・ライティング)の底上げに技術者に向けて研修を行っているという。品質保証部門が旗振り役となり、約20年前から取扱説明書の表現の標準化に努めてきた。現在はさらに広範囲に技術文書全般に広がっている。これらの各種文書は、製品開発の各段階で実施する営業も含めた社内関係者のレビューで参考とする資料でもあるという。

丁寧な文章ではあるが情報量が多すぎて、明確に伝わりにくい技術者による文書作成を、より簡潔で理解しやすい文書になればレビューが円滑になり、開発の迅速化に貢献できる。そこで一番求められているのがデジタル分野である。特にソフトウェア開発では技術文書と開発が並行して作成し、生産性向上と同時に品質を高める開発手法が一般的になりつつある。とくに医療や医用機器では安全面での規格に適合することが不可欠で、わかりやすい技術文書の整備は自社のリスク管理となるという。さらに製品開発後も同社は技術文書を活用しており、獲得した技術のノウハウを継承するにも役立つという。またできた文書は、海外展開時の外国語による説明文書の基礎になっている。それだけ、専門だけで通じる内容ではなく、顧客に伝わる文書を書く能力を技術者が求められている。🩺💊📊📉📈🛌🐏📚📗🖥👧👦🛌🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:生成AIとどう向き合うか」から

2023.7.18  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:生成AIとどう向き合うか」から

生成AIの欠陥や脅威に怯えて傍観者でいるか、その可能性を信じて当事者となるのか

コラムの著者 伊佐山 元氏(WiL共同創業者兼CEO)は、2022年11月に公表され、急速にユーザーを広げたオープンAIのChatGPTなどの生成AIへの投資をシリコンバレーでは他のインフレ懸念や金利の高騰で警戒しているVCなどが注目している。

◯GPTとAPIの掛け合わせによる応用は無限大

 伊佐山氏氏によれば、成長速度をユーザーが1億人を超えた時間で比べるとウーバーが70ヶ月、インスタグラムが30ヶ月であったが、ChatGPTはわずか2ヶ月で脅威的であったという。

ChatGPTは人間の問いに対して人間同様の自然な回答を提供するテキストベースの人工知能(AI)である。このAIを活用することで、従来は機械的な対応しかできなかったECや携帯アプリのインターフェースに人間の感情やニュアンスといった情緒的な価値を反映させるという。ECやオンラインショップ、カスタマーサービスで顧客からの問い合わせに対して、人間のオペレーターと同様に適切な回答ができるという優れたものである。顧客はいつでも問い合わせができ利便性が向上し、企業側はサービスに必要な人件費の削減や業務の効率化が図れるというメリットがある。

しかし、生成系AIの力を最大限に引き出すには、それを適切に扱える人材や組織が必要となる。確かに、事務処理や調査分析などの業務を自動化し、生産性を劇的に上げる可能性がある。さらにChatGPTと携帯アプリなどのAPIを掛け合わせた応用の可能性は無限大であるという。

一方で、まだまだ生成系AIは完全なものではない。誤情報の発生や、教師データのバイアス問題、秘匿情報の管理といった多くのリスクが存在している。AIの力を過信せず、そのリスクを理解した上での利用が求められている。まだまだ始まったばかりの生成系AIの競争であるが、その欠陥や脅威に怯えて傍観者のままでいるか、その可能性を信じて当事者となるかが現時点での立ち位置である。読者がいずれを選ばれるのだろうか。💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:紀文が代替練り製品、原料高騰へ知恵で対抗」から 

2023.7.14  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:紀文が代替練り製品、原料高騰へ知恵で対抗」から

販売価格に転嫁せず知恵を絞った解決策とは

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が紹介している製品は、紀文食品の「大豆でつくった 丸天シリーズ」で、丸天、根菜天、黒豆天の3種類があり、いずれも大豆たんぱくを主原料にしている。高岡教授は魚肉の高騰を違う形で回避する挑戦的な試みとして注目している。

◯魚肉の代替品は少なく挑戦的な試み

この商品は6月19日から7月30日まで応援購入サービスサイト「Makuake」で魚肉を使わないさつま揚げとして予約販売しているという。魚肉を使わずに紀文は魚肉練り製品の長年の開発を通じて培ったタンパク質加工技術を活かして、大豆タンパクから練り製品を作り出すことに成功した。高岡教授によれば、植物由来の原材料を使用した食品は近年脚光を浴びている。しかし、多くは畜肉の代替品であり、魚肉の代替品というのは珍しい。まだ未開拓な領域である。同社はこの挑戦的な試みを2年前に企画からスタートしたという。

製品の食感や味の追求、流通チャネルの検討を経て、「Makuake」での販売にこぎつけた。7月11日現在で目標達成率は151%と、大幅に超過している好スタートである。サイトの応援者からも多くのコメントが寄せられているという。

練り製品の最も一般的な原料であるスケソウダラのすり身が数年前に比べ、漁獲量の不安定さや海外需要の高まりで高騰しているという。単純にこれをメーカーとして価格転嫁するのではなく、知恵を絞ってそれを回避する策を模索してきた。練り製品は和食には欠かせない製品でもあり、植物由来の需要の高まり、魚離れなどの課題に挑戦する本製品は業界トップとして注目されている。🫛🥢🐟👧👦📗🔉🚚☕️🍮🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ものづくり大国の核心、製品付帯サービスの強み」から

2023.7.7  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ものづくり大国の核心、製品付帯サービスの強み」から

日本製品の強みは購買時の品質が購買後も続く点

日本の海外でのイメージが高品質で、自動車や家庭電化製品、事務機器などの販売に良い影響を与えてきたが、コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、イメージの根源について考察している。

◯グローバル・マーケティングで重要なカントリー・オブ・オリジン(COO、原産国)効果

 西川教授によれば、COO効果は製品にプラス、時としてマイナスの効果を与えるという考えである。例えば、おしゃれなイメージのあるフランスの化粧品は世界でよく売れ、品質を作り込む印象の強いドイツ車も世界でよく売れる。日本もドイツと同様に、高品質のイメージがあり、自動車や家庭電化製品、事務機器などを世界で販売し、ものづくり大国と呼ばれてきた。

欧州の消費者に日欧米9カ国の製品のイメージを尋ねた調査(ウィルキンソン1992)では、日本はドイツについで高品質のイメージで、アジア主要14都市での調査(博報堂2012)では日本製品は欧米の製品よりも高品質のイメージであったという。

この高品質のイメージはどこからきているのかを考察しているのが三浦教授である。高度経済成長の対米進出以来、自動車なら燃費や馬力、テレビなら解像度などの基本機能が日本製品が優位であった点もあるが、もう1つ言われてきたのが「耐久性(壊れない)」ことがあるという。米国では修理に時間がかかることもあり、壊れない日本製品は歓迎されたという。

30年前の各国製品のイメージ

(数字は9カ国中の順位、欧州の消費者を対象に調査、出典:ウィルキンソン1992)

イノベーティブ (1)日本(2)米国(3)ドイツ
高品質 (1)ドイツ(2)日本(3)フランス
安全 (1)ドイツ(2)英国・スウェーデン(4)日本・米国
ファッショナブル (1)フランス(2)イタリア(7)日本
楽しい (1)フランス(2)イタリア(3)スペイン(7)日本
安物 (1)スペイン(2)日本(3)イタリア

消費者にとって製品の品質は、購買時と購買後の2つがあるという。購買時の高品質が購買後もずっと継続することが重要だというわけである。日本製品は壊れにくいだけでなく、壊れた際の修理サービスが迅速で保証も充実し、お客様窓口サービスもしっかりしている。日本国内ではあるが、2003年のgoo調査で日本製品を選択する理由として、自動車とPCでは1位が「サービスやメンテナンス」で2位が「性能」であったという。

日本の高品質のイメージは、購買時の品質が高いだけでなく、購買後も品質を維持するサービスなどの製品付帯サービスの力が大きかったのである。日本のものづくり大国の再強化のヒントはこのあたりにもありそうだ。📠📺🚕🚗💡♬📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵🇩🇪🇺🇸🇫🇷


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:ヒツジのいらない枕、もう数えなくても大丈夫」から

2023.7.5  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:ヒツジのいらない枕、もう数えなくても大丈夫」から

寝付きの追求からわかった「安眠は寝返りがカギ」

コラムの著者 岩永 嘉弘氏(日本ネーミング協会会長)が取り上げるネーミングが優れた商品は、「ヒツジのいらない枕」(発売元、太陽=東京・目黒区)で、「眠りへのロマン」を掻き立てるネーミングを評価している。

○童話的、文学的なネーミングでベットでの眠りへのロマンを提供

 岩永氏によれば、この商品のネーミングは、村上春樹氏の「羊をめぐる冒険」ではないが「眠りをめぐる冒険」という寝「モノ語り」で、コラムのタイトルにぴったりとのこと。童話的、文学的で、なつかしいベッドの眠りへのロマンを引き出すという。

ネーミング以外のこの商品の機能も優れているという。寝返りのしやすさと寝付きとの関係をとことん追求して、遂に2秒で寝落ち、という記録を打ち立てたという優れもの。つまり、寝付きは寝返りのしやすさが鍵で、これを実現するために、枕の表面の格子点を増やした。格子点を増やすと頭部を置くことでの圧力が分散され、包み込まれるような感覚とスムーズな寝返りができるようになったという。素材のきめ細かい三角格子構造で、卵を手で押し付けても割れないほど圧力が分散されるという。😴💤🛌🐏📚📗🖥👧👦🛌🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵