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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:顧客の修理依頼に着目」から

2014.10.23   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:顧客の修理依頼に着目」から

修理は大きな新商品へのヒント

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、カシオ計算機の電子辞書『エクスワード』を例に修理依頼の主原因を克服する事で、売上に貢献、業界のリードができたことを語っている。

○設計標準まで変えた高校生たち

同社は堅牢設計『TAFCOT(タフコット)』をもとにシェアを拡大、半数を超えた人気商品である。その由来は、設計変更を従来機から行った後にサービス部門から従来機に比べて高校生モデルの修理依頼が増えている原因調査から始まったという。

多くが「使おうと思ったら、液晶ディスプレイが割れていた」というもの。高校生だけの修理依頼に、大学生や社会人とは違った特殊な状況があると思われた。

そこで設計部門の責任者二人が通学スタイルやバッグの使い方を理解するために、修理依頼が多い駅周辺での高校生の行動を観察した。

結果、通学の自転車のかごに無造作に放り込み、駅ではバッグの上に腰をかけていることもわかった。どうも過酷な使われ方をしていることがわかり、品質規格を見直す必要が出てきた。

それが堅牢設計標準の誕生を促し、従来のサイズや重さをあまり変えずに標準規格を上回ることができ、返品率は2割減少、売上にも大きく貢献したという。

顧客や利用シーンなどで属性別の修理や返品率を見ればそこにビジネスチャンスがある。顧客データといえばビッグデータと思いがちだが、身近なデータの分析も重要だ。bookhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:タブレット学習、好敵手選抜競って特訓」から

2014.10.2   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:タブレット学習、好敵手選抜競って特訓」から

互いに競い、褒めあう関係や場を提供

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、eラーニングのフレンズ(東京・品川)が手掛ける中学向け数学を事例に好敵手の存在が新市場創造の可能性を開いたことについて述べている。

○普通のインターネット学習との違いは?

同社のシステムは設計思想が従来のeラーニングとは異なると西川教授は指摘する。従来は、生徒の自主性を前提に家庭で学習ツールを用意してきた。同社は、生徒が受身であることを前提に、教室で意欲を引き出す工夫をした「テストツール」を開発した。

秘密は、オンラインでリアルタイムにタブレットで回答した成績が評価され、その時点での好敵手との出来具合の差がわかるというものだ。相手はネットゲームのようにアバター(分身)でしめされ、ランキングされる。また、テストの合間に復習することもでき、クラス対抗のようなことも可能だという。

一旦上位になると褒められ、これがやる気を引き起こす。この成功体験を通じて、学習習慣が身につき、正確に速く計算できるようになるという。

この特訓システムは、回答データを蓄積していることから、同時に受講しているようにシステムを稼働することもできるという。

同レベルでの切磋琢磨を促し、結果的に好敵手の能力の向上で全体の学習効果があがるというもの。企業研修にも応用できそうだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:Wi-Fi接続 色・数字に工夫」から

2014.9.30   日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:Wi-Fi接続 色・数字に工夫」から

色や数字に工夫

コラムの著者 高橋慈子氏(テクニカルライター)は、パナソニックのコンパクトデジタルカメラ『ルミックスDMC-TZ60』に添付された「Wi-Fiかんたんガイド」を事例に、マニュアルや取扱説明書が初心者がつまづきやすい操作を解かりやすく解説する必要性について述べている。

○初心者に馴染みの薄い情報や操作を色や数字で工夫

パナソニックの設計チームの方は

『限られた紙面に収まるように情報を絞り込んだ。従来、問い合わせの多かったスマホとの接続に重点を置き、米アップルの「iPhone」と米グーグルのOS「アンドロイド」を採用した端末に分けて、初めての人でもどこを読めばいいか分かるようにした』

という。

これによって、従来の問合せ件数は販売台数比で前モデルに比べ約3分の2に減ったという。

迷っているユーザーに必要な情報を提示して解決するという取扱説明書の役割を、コンパクトなシートで効果的に表現した事例である。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「探査計:『ディーガ』新著作権規格対応」から

2014.9.29   日経産業新聞の記事「探査計:『ディーガ』新著作権規格対応」から

BDより重宝なHDDでの容量拡張

コ ラムの著者 田中 雄二氏(ITジャーナリスト)は、テレビの番組の録画に使うブルーレイ・ディスク(BD)の容量拡張のためにHDDを追加することで新しい規格に則るところが出てきたことについて触れている。

○これまでの課題

BDに録画できるのは良いが、保存場所や保管にかける時間を考えると、ハードディスク装置(HDD)の方がダビングは高速で、場所も取らない。さらに、外付けなら、大容量で対応できるため管理も手軽になる。

しかし、問題は外付けHDDと録画再生機とペアでないと、著作権保護のために利用できない仕組みとなっている。つまり、新しい録画再生機を買うと、外付けHDDに録画した番組は再生できないことになる。録画再生機が故障した場合も同じで、再生できない。

今回パナソニックが発売する新ディーガは、シー・キュー・ボルト(SeeQVault)という新しい著作権保護規格に対応したものである。この規格に対応したものは、外付けHDDに録画した番組を、別のSeeQVault対応のディーガで再生できるというもの。録画再生機の買い替えや故障時でも問題なく番組を視聴できるという。

ただ、直接のHDD録画はできず、さらに「ダビング10」ではなく「ムーブ(移動)」のみだという。とはいえ、大容量のHDDを利用できる点はBDより利便性が高い。ここでも、BDなる有形メディアが姿を消すのかもしれない。tvhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:電動アシスト自転車、家族でシェアできる1台」から 

2014.9.25  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:電動アシスト自転車、家族でシェアできる1台」から

シニアうたわず、扱いやすくおしゃれな自転車目指す

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、ブリジストンサイクルが10月上旬に発売するシニアでも乗りやすい電動アシスト自転車についてその商品開発について触れている。

○綿密な聞き取り、アンケート調査が基本

自転車産業振興協会の調べでは、東日本大地震後、大きく伸び、その後一時反動減はあったものの右肩上がりの自転車業界。しかし、市場全体の伸長に比べ、シニア層の伸びは低調であった。これが、今回の新商品企画の発端となった。

2012年から販売店を対象に数回にわたりアンケートを実施。その後も商品企画部門の担当者が全国の販売店を訪問。2013年には比較になるであろう類似品と試作車を用意して、65歳から75歳を対象にグループインタビューを行った。結果:

  • シニア層は、デザイン性と安定感を求めている
  • 重さや操作の複雑さから取り回しが大変と思っている

これらを踏まえ、開発テーマを「乗りやすくて、扱いやすい、かんたんなアシスト自転車」に設定した。

  • 一般の自転車と同水準の22.1キロを実現
  • 小径タイヤの採用、低床化で身長が低くても地面に足がつく
  • おしゃれと言われたい、若々しく見られたいというニーズからエレガントなカラーリングに工夫した

一方、販売部門も「シニア」という言葉を避け、家族でシェアできるといった表現で、他の世代にも魅力的な電動アシスト自転車というイメージづくりを行っている。さて、シニアでのシェアはどうなるであろうか?toilethappy01bicycle