製品情報

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「探査計:ハンディー洗濯機、先人の知恵生かす新家電」から

2015.4.20 日経産業新聞の記事「探査計:ハンディー洗濯機、先人の知恵生かす新家電」から

エコで高性能

コ ラムの著者 戸井田 園子氏(家電コーディネーター)は、ハイアールアジア(東京・千代田)が世界初のハンディー洗濯機「COTON(コトン)」を発売したが、この製品の温故知新的発想について語っている。

○着物のシミ抜きの発想

使い方は、汚れの上から少量の液体洗剤を塗り、キッチンペーパーなどを敷いて汚れた面を下にし、生地の上からコトンで叩くだけである。叩くことで、汚れを押し出し、別のもの(キッチンペーパーなど)に移す仕組みは、昔からの着物のシミ抜きの発想である。

適切な力加減、振動回数、叩き面の形状などで汚れを効果的に押し出す設計となっている。さらに、水で洗剤成分をも押し出すすすぎ効果も加えた、手のひらサイズの洗濯機である。デザインは握りやすい太さにし、携帯できる重さに抑えた。継ぎ目のない筐体、アルマイト加工による色付けなども製品に高級感を与えているという。

従来の洗濯機では、お気に入りの服であればあるほど早く傷み、少しの汚れでも大量の水や電気が必要であることもECOの観点から望ましいとは言えない。いわゆる部分洗いである。

日本の知恵と技術で生まれた、温故知新的なこの製品が今後の洗濯のスタイルに影響を与えそうだ。t-shirthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パッケージNOW:優しいねじ切りキャップ」から

2015.4.14   日経産業新聞の記事「パッケージNOW:優しいねじ切りキャップ」から

パッケージのシール構造にも商機

コラムの筆者 竹原あき子氏(工業デザイナー)は、歯磨きチューブに注目し、2つのマーケティングの視点を与えている。

○口蓋衛生ビジネスのヒント

竹原氏が紹介しているのが、米国の日用品大手、コルゲート・パルモリーブ傘下のスイス企業、GABAインターナショナルグループの2つの歯磨き粉のブランドである。1つは、朝用のアロナール(aronal)で、パッケージも青の下地に白抜きの文字のデザインで、歯茎をケアするビタミンA入り。もう1つは、夜用は赤地に白抜きでエルメックス(elmex)で、虫歯予防向けのフッ素を配合している。効能の異なる2本をセットにすることで、歯だけでなく、口内の健康に役立ちそうであるという。このような、日用品のマーケティングも参考となる。

○爪に優しいねじ切りキャップ

もう1つのマーケティングの視点として、チューブとキャップにあるという。エルメックスのチューブのキャップを取り外すと、6つの歯を備えた歯車のような小さな先端がある。これを外さないと、練り歯磨き粉は出てこない。実は、取り外したキャップの頭に歯車と対をなす凹面を刻んだ小さな穴がある。これをチューブの先端とキャップを逆さにして歯車を噛み合わせて、左にねじると先端がねじ切れ、歯磨き粉が飛び出さずに出てくる。衛生面も考慮して爪や指先に優しい、このねじ切り方式は、まだまだシール構造に従来にはない開発の余地があるとの証左だと竹原氏は語っている。eyehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:水素普及、丁寧な議論を」から

2015. 4.9  日経産業新聞の記事「眼光紙背:水素普及、丁寧な議論を」から

悪評高き「ハイドロジェン・ハイプ」にならないために

コラムの著者は、水素普及の機運の裏に、水素の製造までのエネルギー資源が課題であると指摘している。

○ハイドロジェン・ハイプとは

 桜の散る中、東京タワーの麓に岩谷産業がFCV(燃料電池自動車)向けの水素ステーションを建設し、ショールームなども含め水素社会の到来を示すランドマークにする意気込みだという。

 課題は、二酸化炭素は出さないものの、製造工程で水素は大量のエネルギーが必要であることが意外に知られていないという。再生可能エネルギーを使うにもコストと量産面で課題が残るという。

 今の日本の水素普及の動きが、一部の海外のエネルギー関係者からハイドロジェン・ハイプと呼ばれているという。ハイプとは、扇動の意味があり、米国で 2000年初頭、大量の補助金を水素普及に関連したプロジェクトに投下したが、実用化に至らなかった経緯がある。いかに補助金を前提にしないエコスステム ができるかがキーだという。

煽られることなく、この国の環境負荷軽減策として注目したい。rvcarsign04happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:OKWaveに学ぶ、蓄積資源で市場創造」から

2015.4.9  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:OKWaveに学ぶ、蓄積資源で市場創造」から

蓄積された情報を活用し複数のビジネスモデルを構築

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、Q&Aサイト大手のオウケイウェイブ(OkWave)のビジネス・モデルを考察し、自社のサービスの見直しをすすめている。

○B2CからB2Bへ

西川教授は同社のモデルについて3つを提示している;

  • データを顧客の声として分析するサービス;マーケティング戦略を立てる上で必要なターゲットユーザや購入者のデータを分析代行するもの。クライアント企業はこのデータの分析結果をもとに、サービスの改善、製品開発、集客のアイデア出しに生かす。価格は200万円程度で対象範囲で変動。約70社の分析依頼あり。
  • 会員の力をクライアント企業のサポートに生かすサービス;最近の情報家電のように、自社の商品だけでなく他社の連携して利用することも多い。そのために、自社のコールセンターやFAQサイトだけでは対応できない。製品・サービスに関連した項目を分析し、クライアント企業のサイトでも利用できるようにした。ユーザは営業時間に左右されず、中傷などの監視を同社が行うことで、クライアント企業はリスクを回避できる。価格は150万円。月額30万円。現在、エプソン販売や富士通など13社が利用。
  • 同社のサイトの運営システム自身の仕組みを売るサービス;ネットやメールでの問い合わせ対応などを管理する仕組みやFAQの作成・管理のサービスをネット上で提供する。価格は個別見積もりで初期費用200万円。月額利用料30万円。企業や自治体など310サイトに採用。

このように、消費者向け情報を多重利用して、法人向けのビジネスモデルを開拓した。自社サービスにこのような多重活用ができないか、見直すことを西川教授は勧めている。memohappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:オシャレな地下足袋、光る伝統と地域性」から

2015.4.3     日経産業新聞の記事「流行を読む:オシャレな地下足袋、光る伝統と地域性」から

地域性とものづくりへのこだわり

コラムの著者 栗坂 秀夫氏(パシフィックデザインアソシエーツ代表)は、大正8年創業でまもなく創業100周年を迎える丸五(岡山県倉敷市)が設立以来、地下足袋製造を行う中で海外にも展開しながら伝統を生かしていることについて語っている。

○今も追求するこだわり

数多くあった地下足袋メーカーも現在では全国で4から5社になり、同社も各種作業用靴や長靴、作業用テブコロなども生産している。地下足袋独特の、足の親指を独立させた形状に注目し、安全作業靴、スポーツ、健康、医療の分野にも活用され、同社はこれをさらに進化させた。ファッション性に富んだカラフルな地下足袋を発案しフランスをはじめ欧州に輸出したところ人気を博し、これまで約1万足を販売したという。

2015年2月には、地元岡山の自然をテーマに履きごごちの良さを追求した地下足袋「たびりら」(税別8千円)を発売した。「たびりら」は足袋と旅でリラックスしてほしいとの思いからのネーミングである。さらに、これまで海外工場に生産を委託していたが、自社工場に戻し、「MADE IN KURASHIKI」のものづくりにこだわったという。

伝統と地域性を生かし、楽しく使える商品をさらに増やして、地域活性に生かしたいとしている。shoehappy01