製品情報

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「探査計:スピーカー型オーディオ、高音質の新しい形」から

2015.6.1  日経産業新聞の記事「探査計:スピーカー型オーディオ、高音質の新しい形」から

ミニコンポを脅かす存在に

コ ラムの著者 鴻池 賢三氏(AV評論家)によると、ブルートゥース無線接続にソニーが独自に開発したLDACと呼ぶ圧縮方式で、プレーヤーやスマートフォンを組み合わせると、ハイレゾ音質が楽しめるというスピーカー型オーディオの出現で、ミニコンポの存在を脅かす位置づけとなってきたという。

○オーディオ業界の起死回生商品

スマートフォンの普及で、音楽を聴く形態がスピーカーよりもイヤホン、ヘッドホン志向となり、スピーカーのコンポ製品もスマートフォンに寄りつつあるという。

特にバッテリーを内蔵し、スマートフォンとともに持ち歩けるタイプは一大ジャンルを作りつつあるという。そのようなブームに乗る形でソニーのスピーカー型オーディオが登場した。価格は7万7千円程度で、バッテリーは内蔵していない屋内利用専用である。ポイントは、ブルートゥースで無線接続し、しかもハイレゾ音質であることである。ブルートゥースの常識を覆す音質で、USB接続なども考慮して、家庭用のコンポを出し抜こうとしている。notehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:便利・楽しい傘続々、ビニール傘と競争激しく」から

2015.5.29     日経産業新聞の記事「流行を読む:便利・楽しい傘続々、ビニール傘と競争激しく」から

アイデアの方向探しに日用品の観察

コラムの著者 関沢 英彦氏(博報堂生活者アカデミー顧問・東京経済大学教授)は、傘のお世話になりやすいこの季節にその企業のマーケティング努力について語っている。

○強力な商品、ビニール傘

この業界は安いビニール傘の台頭で厳しいが、様々な工夫で市場の活性化をはかっている。

《マイナス面を克服する》

既存商品の問題点を解決する手法である。関沢氏が取り上げているのは、

  • 濡れた傘の対応:
    • 撥水性を高めて一振りで雨粒を払う傘
    • 傘の先に給水カップをつけ、閉じた時に水が溜まる傘
    • 構造を変えて、濡れた面が裏側になる「逆さま傘」
  • 傘で手がふさがることへの対応:
    • 肩に固定する傘
  • 傘の忘れ物対応
    • 傘から離れるとスマホに警報を伝えるハイテク傘

といった多様な対応だ。

《プラス面を増やす》

傘を使うことで付加価値を増やそうというもの。同様に関沢氏が取り上げているのは、

  • 楽しさを呼ぶ
  • 傘の裏地に青空や水玉模様をプリントした傘
    • 傘の持ち手が刀の鞘に似せた傘
  • 兼用
    • 杖にもなる傘
  • 幼児向け
    • 全てビニール製の傘

といった発想である。

このように傘という日用品をマーケティング的な視点でみると多くのアイデアがそこにあることがわかる。この発想を商品開発や新規企画に使えれば良い頭の訓練になる。sprinklehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ノンアルコールビール、『女性好み』で需要創造」から 

2015.5.28  日経産業新聞の記事「高岡美佳;ノンアルコールビール、『女性好み』で需要創造」から

市場細分化の好事例

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、サントリービール6月30日に販売する、ノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー コラーゲン」にマーケティングの視点から注目している。これまでビールの代替品、「がまん消費」の対象だったイメージを市場に女性ファンが多いことに注目し、市場細分化(マーケットセグメンテーション)の好事例として取り上げている。

○コラーゲン入りノンアルコールビールテイスト飲料の開発へ

アルコール度数0.00%、カロリーゼロ、糖質ゼロ、ブリン体ゼロといった特徴をもつオールフリーは2010年以降、多くのファンを獲得し、4年連続で過去最高の販売数量を達成しているヒット商材である。

これまでは、ビールの代替としてがまん消費の対象商品であったが、これらの3つのゼロの特徴が次第に前向きに支持され、飲み方やシーンの幅が出てきていると調査の分析を得た。さらに、支持層の52%が女性であることで男性を上回ったことから、女性の好む付加価値をつけようということが端緒となり、健康、味のバリエーション、美容成分などのアイデアから、美容成分に主眼を置きコラーゲン入りの開発となった。

コラーゲン自身は独特のクセがあり、飲みにくい。そこで商品化では技術を駆使して、クセを感じさせない工夫を凝らした。さらに、オールフリー本体の広報とは切り離し、別バージョンとして展開、これまでのビール代替からセグメンテーションを分けて絞り込んだ商品として投入したという。さて、お風呂上りのリラックスタイムの女性にどこまで訴求できるか、結果が楽しみである。beerhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:ファッション業界にもITの波」から

2015.5.26   日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:ファッション業界にもITの波」から

ファッションとテクノロジーのお見合いで変わる

コラムの著者 広田 周作氏(電通コミュニケーション・プランナー)は、アメリカの元ジャーナリストのリズ・バセラー氏が2011年設立したデコーデッド・ファッションと言われるマーケティングフォーラムに注目している。

○VB、VCとのお見合いの場

すでに過去ニューヨーク、ロンドンで実施、7月にも東京に上陸する。デコーデッド・ファッションの議論は次の3点が注目されているという。

  • 造形; 3Dプリンターを使った自由な曲線のデザイン。消費者はそのデータを購入に3Dプリンターで出力して身につける
  • ウェアブル; 繊維などに繊細なセンサーを埋め込み、服の素材にイノベーションを起こすもの。デザインの幅はもちろん、健康分野への進出も考えられる
  • 店頭、店舗のコミュニケーション;スマートフォンなどで店頭でより魅力的な体験ができるといったコミュニケーションの変革

高度な技術とハイ・ファッションの融合で新規事業が生まれそうである。t-shirthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:周辺観察が重要、修正テープが大化け」から

2015.5.14  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:周辺観察が重要、修正テープが大化け」から

顧客の一見無関係な行動を観察しヒントに

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、文具大手のプラスが2011年に発売したデコレーションテープ「デコラッシュ」の開発秘話について披露する。

○商品開発のテーマから外れた周辺観察が大ヒットのヒントに

西川教授は同商品の開発に関して興味深いことを示している。本来は修正テープの開発から始まった。そこには、デコレーションの意図は全くなかった。しかし、ユーザである女子中学生の使用済みノートを参考に修正テープの需要を調査し始めた。

調べてみると、各文章のはじめに星やハートなどのマーク、数学ん公式など学習のポイントには果物のイラストが描かれていたという。デコレーションが日常化している女子中学生の生活スタイルに開発担当者は驚いたという。

イラストを描くことは本来の修正テープの開発には無関係である。普段なら見過されがちなデコレーションのスタイルを修正テープの掛け算することで、例えば、ノートの修正をしながら、飾り付けも1つでできれば楽しく実用的だという発想となった。この発想が生まれた後は、従来の修正テープにない機能を施すことになる;

  • マスキングテープは単調なイラストの繰り返しであったが、デコラッシュはノートの端まで使っても同じ柄は出てこないことを配慮した。
  • シールのように飾ることだけでなく、修正を行え、しかも1つの柄でもシールのように個別で使えるように、柄と柄の少しあけ、おまけ柄なども入れ込み工夫した

このような工夫で、デコラッシュは、11年の発売から累計1500万本を超える大ヒットとなった。まさに修正テープとデコレーションの異種間融合で、新たな商品を開発した瞬間である。

さらに、同社は女子中学生にとどまらず、今度は女子小学生も調査を始めた。使われたのは、手紙や交換日記。ここにまた新しい商品の領域が生まれそうだ。memopencilhappy01