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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:『氷点下』スーパードライ、買い物ついでに実感」から 

2015.618   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:『氷点下』スーパードライ、買い物ついでに実感」から

コンセプトショップを路面店から百貨店へ

コ ラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、アサヒビーが『氷点下のスーパードライ』を実感してもらうための店舗『アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR』を今年は展開を変えている背景について語っている。

○百貨店での情報感度の高い世代と外国人観光客も集まる点に注目

路面店から百貨店にコンセプトショップ『アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR』を路線変更した理由は、幅広い消費者に認知度は獲得したとの判断と新規の顧客開拓である。近年、ビールの消費量が減少している女性や若年層への訴求も意識した転換だという。

5月20日から6月9日まで開いた同店銀座三越では計画を大きく上回る来店を記録し、来店客の半数以上が女性客であった。理由は女性が苦手とする苦味を温度を下げることで抑え、泡も細かくし、買い物ついでに立ち寄ってもらうというシナリオが成功した。

すでに首都圏や関西にも同様の展開を行い、氷点下体験をしてもらうことで多くの顧客にスーパードライの訴求をしたいようだ。コンセプトショップもその目的と仮説検証がマーケティングに重要である証左である。beerhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:全国展開へインパクト必須」から

2015.6.16   日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:全国展開へインパクト必須」から

書けないネーミングもマーケティング戦略の一環

コラムの著者 ネーミング&コピーライターの岩永嘉弘氏は、2015年秋にデビューする青森県の新品種のお米の名前について、そのマーケティング戦略について語っている。

○霹靂(へきれき)とは雷のこと

最初にこの名前で驚き、調べたくなるネーミング。そこがマーケティング戦略の一環だと見抜いているのは岩永氏である。

最初に見れば文字通り「青天の霹靂」。しかも、お米の名前である。お米の名前には「あきたこまち」、「ひとめぼれ」から「コシヒカリ」、「ゆめぴりか」、「きらら397」など米のツヤや味覚をテーマにおいてきた。おおむね女性的な印象を使っている。その中で、「青天の霹靂」である。新概念のネーミングである。

単なるウケ狙いではなく、パッケージも田んぼの風景を思わせるグラフィックスが使われている。真夏の青空のもとに広がる一面の田んぼ。太陽をいっぱいに浴びた稲穂の海。そこへ、大自然の信号とも言える雷が轟く。天と地のドラマティックな光景でお米の原風景として描いたものである。

全国各地数多ある新種のお米を開発する中で、際立つ雄大な真夏の風景、大自然の恵みで対抗しようとする意図である。味や印象でネーミングしてきた中で群を抜くのが青天の霹靂だったわけである。

さらに、岩永氏は隠された機能がこのネーミングにあるという。かつて地産地消がテーマだった農作物も今やネットと宅配流通の発達で全国に消費者がいる商品となってきた。ネットによる流通革命がフィールドを巨大化している。つまり、地産全消だという。そこでは商品名が商品特性だけでは生き残れない。ショックを与えて記憶に叩き込んでもらうインパクトが必須だという。さらに、その名前を検索サイトに打ち込ませることが、絶対条件だ。

「青天の霹靂」を書ける人は少ない。それでよいと岩永氏は語る。なぜなら、キーを打てば文字は飛び出してくる。そして、マーケットが動きだす。書けないネーミングでも問題がないのはこう言ったマーケティング戦略だからだという。riceballhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「デザインNOW:肩肘張らない包丁」から

2015.6.9   日経産業新聞の記事「デザインNOW:肩肘張らない包丁」から

優しく親しみやすい包丁のデザイン

コラムの著者 柏木 博氏(デザイン評論家)は、新潟・三条市にある「庖丁工房タダフサ」の庖丁のデザインについて語っている。

○プロの料理人でなく女性あるいは料理初心者の男性に

同工房の包丁は、プロダクトデザイナーの柴田文江氏のデザインによる。柴田氏のデザインは、婦人体温計やリュックサックなど、どれも親しみやすく軽やかであるという。包丁も女性になじみやすいデザインではあるが、むしろ男性にとっても、構えず楽しんで料理をしましょう、という気分にさせてくれるという。

刃の部分は極めてオーソドックスなデザイン。柄のフォルムが、微妙に柔らかな曲線でデザインされていつために、これまでの包丁にない優しく親しみやすさが表現されているという。柄の素材は炭化木で、木材を燻製して、堅牢にし、抗菌作用もあることを利用している。抗菌炭化木として特許も取得しているという。

さらに、使う本数も3本として、パン切り、肉・魚・野菜に使う三徳包丁、サイズの小さなペティナイフである。慣れてきたら、牛刀、出刃、小出刃、刺身とラインナップしているという。種類を絞り、初心者でも手軽に使えることが考えられている。restauranthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ソニーが比べられるのは」から

2015. 6.8   日経産業新聞の記事「眼光紙背:ソニーが比べられるのは」から

ソニーの対抗馬は今は誰?

コラムの著者は、1990年代にお互いを手本とし、発展した、ソニーと米アップルについて語っている。多少、この投稿の著者とは意見が異なるが、視点は興味深い。

○1990年代の両社

お互いのライバルであり、手本としてきたソニーとアップル。まだ、1990年代はソニーは輝き、97年には平面型ブラウン管テレビ「ベガ」が大ヒット。98年米アップルは、ディスプレー一体型パソコン「iMac」を投入し、上昇基調に乗った。さらに、手の平でのコンピュータ、パームトップは手書きのできる携帯パソコンとして一世を風靡。あれから、25年米アップルが、iPhoneなどでモバイルの騎手を務めている。その間、ソニーは金融商品などに逃避する「残念な経営」が続いた。

コラムの著者はそこにクールに今のソニーのライバルに写真のデジタル化に翻弄されたコダックをなぞらえているが、私は、かつてのフィンランドのノキアや米RCAを思い出す。pcnotehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パッケージNOW:おしゃれ紙バッグでお持ち帰り」から

2015.6.2   日経産業新聞の記事「パッケージNOW:おしゃれ紙バッグでお持ち帰り」から

人件費を削減しても顧客満足は下げない工夫

コラムの筆者 竹原あき子氏(工業デザイナー)は、フランスのフラワーチェーン大手のモンソーフルールが2005年からフランチャズ形式で展開している「ハッピー」の商品パッケージあるいは包装?について触れている。

○ケーキの箱と思いきや、中は生花

竹原氏が知人から送られた2つの箱。一見、ケーキの箱のようだが、開けてみると、びっくり。生花が綺麗でしかもおしゃれな箱に入っている。この「ハッピー」の贈り物「びっくり箱(La Drole de Boite)」で、受け取った人が驚くデザインにしたと店舗案内にメッセージがあった。

店舗も工夫がある。正面に花を収めた紙製のバッグが並べられていて、中に入れた花を包む紙のさまざまな色彩をアクセントとしてディスプレイしている。花を買った人は、再度包装する必要もなく、この紙バックをお持ち帰りパッケージとしてそのまま持ち帰るしくみである。つまり、包装を待つ必要もない。店舗の方も、包装のための人件費を必要としない。

びっくり箱も簡単である。プラスティックシートを箱の底に敷いて、生花用の給水スポンジに花の茎を刺すだけである。他の店にはない、箱型のパッケージやグラフィックに凝った紙バッグ、花で作ったアクセサリー入りの袋が、人件費は減らしても、顧客に満足を与えているという。さらに、人件費が削減できることは、花の値段が一般的な生花店よりも約3割も格安であるというメリットもあるという。cloverhappy01