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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:『EPUB化』でノウハウ伝承後押し」から

2013.7.23   日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:『EPUB化』でノウハウ伝承後押し」から

業務マニュアルの作成や運用を楽に

コラムの著者 高橋慈子氏(テクニカルライター)は、社内の集合知の活用を促す業務マニュアルのEPUB化について語っている。

○漢字にルビも打てる電子書籍の国際標準EPUB3

スマートフォンやタブレット端末、PCなど電子書籍に広く採用されているEPUB。さらにこの規格を普及させようと、今年1月EPUBマニュアル研究会(ビジネスプットフォーム革新協議会(東京・目黒)が設置)がEPUBによるマニュアルの作成、運用、データの作り方、コンテンツの整理について検討を始めた。

高橋氏が言うには、専門家によると、「EPUB化により、携帯端末でどこでもマニュアルを利用できるだけでなく、しおりを付けたり、メモを書き込んだり、マイマニュアルとして活用できるように」なるという。

さらに既存のワープロソフトで手軽に作成し、更新できることも検討しているという。書籍編集・制作サービスをネット上で行うものも出てきている。

同研究会は11月には報告書を発行する見込みだという。ノウハウの伝承、集合知化に対して期待するhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:科学童話書、理科のおもしろさ伝える」から

2013.5.17   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:科学童話書、理科のおもしろさ伝える」から

技術振興の基礎は子供のころの科学書

コラムの著者 藤嶋昭氏(東京理科大学長)が紹介しているのは、科学童話作家の第一人者かこさとし(加古里子)氏である。

○技術振興の基礎

理科離れが深刻だ。多くの識者が憂慮しているように、理科離れを抑えるために、子供のころから科学・技術に興味を持ち、理科の面白さを感じてもらうことが重要だと、藤嶋氏は語る。

資源の少ない日本では科学・技術の振興での発展が基本となる。幼児期から初等教育での理科はそういった振興の基礎と言える。

○かこさとし氏の作品

加古氏の「こどもの行事 しぜんと生活」など、子供たちに日本のしきたりとお祭りについて正しい知識を与える目的で出版されている:

  • 七夕をなぜ「タナバタ」と呼ぶのか
  • 11月の酉の市の意味は

などが問題提起である。同氏は東大工学部応用化学科出身で現在87歳である。今も世界の巨大構造物に関する科学童話書を編んでおられるという。

このような科学・技術への子供のころの関心がやがて大きく国内外に貢献する礎となることから童話とばかり言えない。bookhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:30、40代向け雑誌好調」から

2013.4.5  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:30、40代向け雑誌好調」から

コンテンツのジャンルで特徴がでるメディア

コラムの著者 山本直人氏(コンサルタント・青山学院大学講師)は、雑誌の減少傾向が単なる紙からネットといった図式でないことを説明している。

○広告にみるメディアの特性

電通の発表による『2012年日本の広告費』を山本氏は取り上げ、メディアと広告費についての傾向を語っている。

  • マス広告:落ち込みが続いていたマス広告に下げ止まり感がでてきた
  • 雑誌広告:マス広告よりも落ち込み幅が大きい。多くの雑誌が休刊するなかで、創刊は決して多くない。前年比0.4%増でほとんど横ばい。

○女性誌と40歳代以上の男性誌は好調

上記のデータでは、雑誌広告費がのびているのが、女性誌と40歳以上の男性誌だという。山本氏は『バイラ』(集英社)、『ヴェリィ』(光文社)について30%以上の伸びで驚いたという。

一般的な分析では、「ネットに押されて」と雑誌広告の低迷を説明が多い。しかし、山本氏によるとじゃんるによってその特性が違うのではないかという。ビジネス関連の情報では、電子版の方が検索・保存に対して優位である。スマートフォンやタブレット端末に対応して場所によらない。つまり、多忙な中で隙間時間を有効に活用して必要な情報だけを選択するには最適と言える。

一方で、雑誌はランダムに読みやすく、ファッション誌のように、ゆとりのある時に暇つぶしとして接することに向いているという。検索による適合性よりも「偶然性」を重宝にする。こう言った出会いがファッション誌には大切であり、『メンズクラブ』(ハースト婦人画報社)は5月号からミニサイズを発行するという。

コンテンツ全体をみるのではなく、ジャンルによる特性が電子書籍化の傾向に依存するようだ。bookhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:村上龍の感じた運命」から

2013.3.18    日経産業新聞の記事「眼光紙背:村上龍の感じた運命」から

創造力をかきたて村上氏を魅了したiPad

コラムの著者は、最近の米アップルが異彩を放ったころと変わったと村上龍氏の電子書籍への挑戦の視点で語っている。

○米アップルが日本向けオンライン電子書店iBookStoreを開店

開店に合わせて人気作家の村上氏が「希望の国のエクソダス」など3作品を配信開始した。同氏は、コラムのインタビューで

「作家として、また20年来のアップルユーザーとしてうれしく思う。新しい表現の可能性が広がる」

と答えた。熱烈なアップルファンであり、自ら連載を終えたばかりの未来小説「歌うクジラ」を電子書籍にすることに挑戦した。

そのキッカケは、「運命的なものを感じた:と同氏が語っているという。アップルのタブレット端末iPadには創造力をかきたてる魅力があったという。故スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンを見て「格好いい」と思い、すぐさま電子化に向かったという。

○一般化したタブレット端末

村上氏のような熱狂的なファンから今や一般人が使うタブレット端末。こうなると、アップルの独壇場ではなく、ライバルの商品も大攻勢がかかり、次なる斬新な製品やサービスがないと苦しい立場にいる。奮起を村上氏同様期待したい。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:身近になる電子書籍、ならではの機能、便利」から

2013.3.15    日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:身近になる電子書籍、ならではの機能、便利」から

紙または電子書籍ではなく、両方存在意義あり

コラムの著者 中本千晶氏(ジャーナリスト)は、自ら電子書籍を使ってみての所感から、これからの出版社の方向性を語っている。

○疑いから始めた

「ヤッパリ紙の本が良いね」と、疑り深い気持ちで使い始めた中本氏。しかし、いろいろ試すうちに、そうでもなくなってきたという。ビジネス書、実用書、小説、漫画と様々なジャンルのものを読んでみたが、読みづらさはなかったという。

○電子書籍ならではの機能

気になる箇所に下線を引いたり、ページに折り目をつけたりする機能もある。後で、このような印をつけたところだけを検索する機能もあって、そこだけでまとめて読めるという。

さらに読後に困る本の置き場所は不要で、出かけるときに何冊も持ち歩ける便利さがある。いつでも好きな読書ができるわけだ。

○紙か電子かではなく、両方選択できることが重要

かなり分厚くて難解な本、ビジュアル重視の写真集や絵本以外のあらゆる本が電子書籍化されて、何れかを選択できることが理想であると中本氏は語る。「紙で出版できないものを電子書籍化すればよい」という、紙の書籍至上主義も意味がないという。やはり本の重要な点はコンテンツ。面白いものは面白いし、つまらないものはつまらないというのは、紙でも電子書籍でも同じであろう。book