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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 五輪と放送技術、息のむ映像、東京に期待」から

2016.8.23   日経産業新聞の記事「風向計: 五輪と放送技術、息のむ映像、東京に期待」から

五輪は情報通信高度化の歴史を刻む

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研 メディアイノベーションラボ統括責任者)は、閉会式を迎えたリオデジャネイロ五輪大会から2020年開催予定の東京五輪大会のテレビ画質について示唆している。

○視覚環境を決める4要素でみると

64年の東京五輪ではカラーテレビ放送の幕開け、2012年ロンドン五輪はソーシャルオリンピックと呼ばれ、SNSへの投稿が盛んに行われた。今回はスマホをもった選手が見慣れた光景となっている。

日本では、NHKなどがパブリックビューイングをリオをコンテンツに4K8Kで実験放送を実施したという。また、TV以外にもスマートフォンやタブレットでも同時放送をや見逃し放送など本格的な実験がおこなわれた。

奥氏の視聴の感想を見ると、陸上競技場で選手からほとばしる汗まで見え、その臨場感に息をのんだという。また、見逃し配信では、得点ごとに検索できる機能などの工夫が見られ、今後冬季五輪、東京五輪でどう開花させるか、目が離せない。

奥氏によると視覚環境を決める4要素は、「いつ」、「どこで」、どんな「気分」に対応した「場面」が視聴者で簡単にできるかにキーがあるという。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: VR、広告・マーケティングが注目」から

2016.7.26   日経産業新聞の記事「風向計: VR、広告・マーケティングが注目」から

最高賞はVR体験の作品

コラムの著者 岩崎 博論氏(博報堂イノベーションデザインディレクター)は、南仏カンヌで開催された世界的な広告賞のイベント「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」に参加し、VR(仮想現実)の広告やマーケティングについてふれている。

○メディア全般に広がるVR

専用のゴーグルやHMDを装着することで、その場に居合わせたような現実感でコンテンツが視聴できるのがVRである。アイデア自身は新しくないが、広告やマーケティングに利用するのは今年から本格化した感がある。

二部門の最高賞を獲得したのは、VR体験の作品であったという。頭の向きを変えるとそれに応じてアングルを変化させる視聴体験は新鮮だという。

メディア側だけでなく端末も普及が進むであろうし、SNSでもVRの再生をスムーズに行うシステム更新が進んでいるという。さらにこれはコンテンツを制作する環境も整いつつあることから、VR動画が実用化されるのは近い将来になりそうである。また、普及が作り手の創造性を刺激し、これまでにないコンテンツが世の中にでてくる。そこに臨場感と没入感、感動を2次元以上に広げるVRは広告やマーケティングの手法を変えることもありそうだ。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: スマホアプリ、日中は起動時間短尺」から

2016.5.31   日経産業新聞の記事「風向計: スマホアプリ、日中は起動時間短尺」から

コミュニケーション利用はエンターテイメント利用より優先されやすい

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研 メディアイノベーションラボ統括責任者)は、内閣府が3月「消費者動向調査」と調査会社インテージの「i-SSPモバイル」というデータを使って、スマホアプリのマーケティングについて考察している。

○スマートフォンの普及率が従来型携帯電話のそれを超えた

内閣府の調査からでたのは初めて、スマートフォンが二人以上の世帯で普及率の面でガラケーを超えたことである。ここにマーケティングを考える上でも、個人の手元に情報を届けるスマートフォンに注目が集まるのは自然である。

奥氏が紹介している調査会社のインテージの「i-SSPモバイル」というデータでは、

  • 全国15~69歳の2015年7月の利用ログデータ
  • 主なアプリ分野の1回あたりの利用時間(尺数)
  • 対象はアンドロイドOSとiOS

を分析したものである。結果、1回あたりの利用時間を短い順でみると、

  1. インスタントメッセンジャー(1.2分)
  2. ショッピング(1.8分)
  3. 写真/ビデオ(1.9分)
  4. ソーシャルネットワーク(2.3分)

となっているという。つまり、ショッピングを除くと、コミュニケーションを目的とするアプリである。

一方長い順から見ると、

  1. 動画共有(8.3分)
  2. 動画配信(6.0分)
  3. ゲーム(5.3分)
  4. ブック/コミック(4.7分)

となっている。エンターテイメントを楽しむアプリが占めている。

これから、コミュニケーション利用はエンターテイメント利用より優先されやすいという点で、前者は相手のあることからタイミングが得れべないが、後者は自分でTPOを選べるという特徴を持つ。さらに、日中はコミュニケーションを優先し、短尺で、エンターテイメントは、長尺でSIMカードでは通信料金がかさむため自宅でのWifi 環境でじっくりと楽しむようだ。

この分析は今後消費者向けアプリや関連商品のマーケティングを考える上で参考になりそうだ。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本アニメの魅力、『共感』異文化にも浸透」から

2016.3.31  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本アニメの魅力、『共感』異文化にも浸透」から

フランス・オタク第一世代の作家が語るサブカルチャーの起源

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、前回の意味記憶、エピソード記憶の話に続き、日本のサブカルチャーの起源についてフランス人からみた考察について触れている。

○アニメを日本製だから見たのではなく、面白いから見たら日本製だった

三浦教授は、昨年出版されたトリスタン・ブルネ氏著の「水曜日のアニメが待ち遠しい」(誠文堂新光社)が面白いという。同氏はフランス・オタク第1世代と自称し、フランスにおける日本アニメ受容の歴史を分析する中で日本のサブカルチャーの魅力について読み解いているという。

ブルネ氏の分析によると、日本アニメがヒットした理由は、作者と視聴者、読者の「共感」の強さにあるという。初めから強いヒーロー像よりも、視聴者や読者と同じ人間として描かれ、時に悩み、争いながらも成長していくところに共感を得たからだという。

さらに物語論では、物語の魅力は自己移入(物語の世界観に入り込めるか)、感情移入(登場キャラクターに感情移入できるか)に依存する。その中で通常の人間と同じ成長段階を共有し、共感出来るのだという。共感は、自分の体験を記憶するエピソード記憶に他ならない。

政府のクールジャパン戦略は、サブカルチャーの扱いで誤っているという。日本アニメは日本製だから見たのではなく、面白いと思ってみたら日本製だったというのが正しい。ジャパンだからクールだよ、というのはステレオタイプでそんなに単純じゃない。

日本人が、ブルネ氏の視点で分析することで、全く異なる文化をどう受容していくかのプロセスがわかる。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:めげない姿勢、未来つくる」から

2016. 3.7   日経産業新聞の記事「眼光紙背:めげない姿勢、未来つくる」から

昔の特撮番組のシーンが現実に

コラムの著者は、1965年に英国で制作された特撮番組「サンダーバード」のシーンににたことが現実に挑戦されていることについて触れている。

○宇宙事業VBスペースXの立ったままの姿勢での着陸実験

サンダーバードのおなじみのシーンは、2065年に設定された秘密組織、国際救助隊の陸海空への出動シーンである。その中で、活動を終えたロケット型の救助機が帰還する際に、まっすぐ立ったままの姿勢で基地にもどるシーンがあるという。

そのシーンににた実験が、米VBのスペースXが1月中旬に垂直着陸の実験である。同社が打ち上げた「ファルコン9」の着陸で、実験は、姿勢が安定せずに残念ながら大破して失敗したが、まだまだ挑戦すると、スペースXの創業者、イーロン・マスク氏(テスラモーターズの創業者としても有名)と語ったという。

めげない姿勢が未来をつくる実験である。pchappy01