【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:品質、企業より国に信頼」から
2016/02/09
2016.2.4 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:品質、企業より国に信頼」から
ブランド力は国レベルにもあり
コラムの著者 横山 斉理氏(日本大学商学部准教授)は、中国人の爆買いの背景についてブランドの視点から考察している。
○製品レベルでも企業レベルでもなく日本という国レベルのブランド力
ブランドとは横山准教授によれば、「その商品の名前であり品質の保証である」という。企業が競争優位に立つためにも最重要視されるファクターである。製品レベルで強いブランドを持って、ナショナル・ブランドと呼ばれ、企業名そのものが強いブランドになっていれば、コーポレート・ブランドとなり、長期的に組織的な恩恵をもたらす。
だが、訪日中国人客の爆外の動きは、製品や企業のブランドよりも大切にされていることがあるようだと、横山准教授はいう。どうも、日本で売られているものは高品質で安全だという国レベルの信頼である。
つまり、訪日中国人客が「日本で」中国製のものを買うのは、この国レベルのブランドに他ならない。同じ製品でも、日本という厳しい消費者の目でみた商品であるからこそブランドが支持されているという考えだ。日本のビジネスの制度やルールの徹底といった規範が信頼されてることを意味するという。
このように、国レベル、企業や組織レベル、製品や個人レベルでの真摯な努力が、爆買いを支えているとみることができる。