ビジネスへの応用

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:物価動かす2つの顔」から

2022.6.6  日経産業新聞の記事「眼光紙背:物価動かす2つの顔」から

労働力不足か需要減少か

コラムの著者は、コロナ禍が終息すれば供給力が戻るといった単純なことではなく、物価の上昇の背景に需要と供給の課題がありことを示している。

○ウクライナ戦争前に物価上昇があったヨーロッパ

 コラムの著者によれば、欧米でインフレ加速への警戒感が強まっているという。ユーロ圏では5月の消費者物価指数(速報値)が前年同月比で8.1%も上昇した。ロシアのウクライナ軍事侵攻が主要因であるが、欧米では侵攻前から物価が上がっており、新型コロナウイルス禍もその要因であるという。

日本ではコロナ禍はデフレ要因のイメージが強いが、欧米では経済活動の再開後、需要回復に比べて労働者の職場復帰が進まなかった。それは多くの人が2つの顔、つまり労働者の顔と消費者の顔を持っているため、コロナ禍は2つの顔に直接影響を与えたからだという。

人口減少も2つの顔に影響を与えている。と考えると、需要減と供給減の何れが厳しいのか。経済学者の多くが双方どちらも要因として平行線であるという。

ただ、米国では、コロナ禍が契機になって自分は働き過ぎだと考え、余暇や家族と過ごす時間を増やす人が増えたという。日本でも同じ傾向があると思われる。コロナの終息で経済が回復すると見るのは単純過ぎており、物価を動かす労働者の顔と消費者の顔がどのように変わるかで左右されることを注視しなければならないだろう。✈️🚅🚓💴📖📞🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒🌏🇯🇵🇺🇦🇷🇺🇩🇪🇫🇷🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:ナイチンゲールの肩」から

2022.6.10   日経産業新聞の記事「SmartTimes:ナイチンゲールの肩」から

彼女の偉業は看護、医療統計、エビデンスによる社会課題の解決と現代にも活用

コラムの著者 伊藤 伸氏(東京大学特任准教授)は、クリミア戦争に自らの意思で看護師として従軍したナイチンゲールの偉業から現代も使えることを示している。

○ 「巨人の肩の上に立つ」を実証

 伊藤氏によれば、この「巨人の肩の上に立つ」という言葉はニュートンの書簡の一部にあるといわれ、先人が積み上げた研究成果や発見という基盤の上に新たな研究成果や発見が生まれるという比喩であるという。

伊藤氏は、この肩の一つであるナイチンゲールの功績について述べている。1つは、看護の祖と言われる英国軍従軍の際に献身的な行動である。2つめは、戦場での負傷よりも医療看護衛生環境の原因であることを突き止め、現場の豊富なデータに可視化による分析をおこなって、陸軍病院の改革につなげたことである。さらに、看護学校の設立や医療統計の創設、専門職としての看護師の礎を作った。統計学の世界でもパイオニアとして認識されているという。

伊藤氏がさらに現代の社会課題を企業が解決することが求められている中で、エビデンス(証拠)に基づく意思決定が必要とされていると指摘している。そのエビデンスにナイチンゲールの肩が事例になるのではと示唆している。つまり、ナイチンゲールも当初は看護師の関与に英国軍が非協力であったため、トイレの清掃やシーツの洗濯から衛生状態の改善行動を始め徐々に組織の中に溶け込み改革をおこなっていった。エビデンスが見えた後の行動には、ナイチンゲールの言動が示唆になるだろうと伊藤氏は述べている。🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇬🇧


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:エネルギー安保、コストは誰の負担か」から

2022.6.2  日経産業新聞の記事「眼光紙背:エネルギー安保、コストは誰の負担か」から

ウクライナ戦争で脱炭素に逆行する取引

コラムの著者は、ロシアのウクライナ侵攻で、欧州の脱ロシア政策で米国のLNG増産が相次ぎ、資本の論理で日本のエネルギー関係者は戦々恐々の状況だという。

○長期契約大量買いの条件で日本のエネルギー安全保障は国での戦略が必要

 コラムの著者によれば、米国のLNG関係者が日本の業者に対して「これから日本はLNGの安定供給が難しくなる」と語ったという。背景にロシアのウクライナ侵攻による欧州の脱ロシア政策があるという。

代替需要を見越した米国にはLNG増産計画が多く持ち上がっているという。気候変動問題への関心の高まりを背景に脱化石燃料に逆行する動きだという。増産計画では年内にプロジェクトの生産量を単純総計すると8000万トンに達するという。

ただ、米国の売り手側は20年単位の長期での引き取りを条件にする。欧州や中国企業はこの条件を呑む可能性が高いのに対して、日本では1社あたりの取引量が小さいために中期的にLNGの争奪戦が激化して買い負ける可能性がある。エネルギー取引の危機である。

ウクライナ戦争は、エネルギー安全保障の重要性を改めて重要だと認識させられた。LNGの長期契約が日本の産業も必要でれば、企業に負えないエネルギー安全保障のリスクとコストを政府が分析し、国との分担体制を早急に検討しなければならないだろう。✈️🚅🚓💴📖📞🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒🌏🇯🇵🇺🇦🇷🇺🇩🇪🇫🇷🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:SDGs時代の品切れ、求められる許容の姿勢」から 

2022.6.10  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:SDGs時代の品切れ、求められる許容の姿勢」から

売れ残りと売り逃しを消費行動とは異なってみる必要あり

 コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、前回と同様小売業などの注目し、生産や流通の投機と延期の概念からSDGs時代の売り手の姿勢について考察している。

○売れ残りが環境負荷が大きいことで消費者の許容がどうなるか

 横山教授は、やや学術的であるが、延期と投機の概念を導入して、生産や流通の管理について考えている。生産や流通の意思決定を:

  • 「需要や注文から遠い時点で前もって行う」:投機
  • 「可能な限り需要・注文の時点に近づける」:延期

が考えられるという。トヨタのジャスト・イン・タイムやセブンイレブンの多頻度小口配送、ユニクロの製造小売ビジネスの革新性は、この枠組で説明できるという。

延期と投機はトレードオフの関係にあり、延期化すればするほど需要の不確実性に伴う費用を下げることができるが、生産や配送費は高くなる。そこで、企業は、この間のトレードオフをこれらの費用が最小になるポイントを探ることになる。

この延期と投機の前提にあるのは「無駄を省く」ことにある。企業にとっては売れ残りは無駄であるし、売り逃し(機会損失)も無駄だと考えられる。しかし、SDGs時代にこの両者を同一視することができなくなってきている。売れ残りは、いつでも売れる状態をキープするために環境負荷が大きい。だが売り逃しは、待てば手に入るという許容があれば、無駄をせず。環境負荷も小さくできる。消費者がこの許容をどこまでと考えるマーケティングも必要となってきている。😷🛒🧺🦠🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:鉄道の不都合な真実」から

2022.6.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:鉄道の不都合な真実」から

都市部で稼いでローカル線の赤字を補填する「内部相互補助」が破綻の危機

コラムの著者は、鉄道のローカル線の存廃議論が高まっている理由について考察している。

○新型コロナウイルスの感染対策で都市部の売上減

 コラムの著者によれば、JR北海道、JR四国に続き、4月にはJR西日本が1日の利用者が2000人に満たないローカル線の線区別収支を公表したという。JR東日本も近く発表するという。

ローカル線の赤字要因は、

  • 人口減少による減益
  • マイカーへの移行による減益
  • 都市部の収益で補填する「内部相互補助」が、コロナ禍で都市部の需要も落ちたことから難しくなってきた

で、経営基盤が強かった本州のJR3社でも「内部相互補助」は限界にきているという。

鉄道事業は、専用の軌道を敷設し、高額な車両も必要となる。それだけ固定費が高く、一旦路線を敷くと簡単にルート変更はできない。長所は他の交通機関にない大量輸送が可能という点である。そのため旅客でも貨物でも膨大な移動の需要がある場合は圧倒的に鉄道が有利である。

ところが需要が落ち込むと、固定費の高さやルートの固定化が弱点に転じる。鉄道の優位性である環境性能も劣後し、JR北海道の試算では、1日あたりの輸送密度が47人という超過疎路線(旧江差線)で、乗客1人を1キロメートル運ぶのに必要なエネルギー量は乗用車の3倍、バスの10倍に達したという。

乗車人数が少ない鉄道はそれだけ地球環境に優しくない乗り物となる。

奇しくも今年は日本初の鉄道が開業して150年となるが、全国津々浦々ローカル線問題に直面する年となった。✈️🚅🚓💴📖📞🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒🌏🇯🇵