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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:巨大テック規制、転換点に」から

2024.9.20  日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:巨大テック規制、転換点に」から

巨大テック企業が目標価格設定から監視価格設定に変えた?!

コラムの著者 ラナ・フォルーハー氏(FINANCIAL TIMES グローバル・ビジネス・コラムニスト)が指摘するのは、この数週間にデジタル経済を統制する世界各国の取り組みが歴史的な転換期に入ったと主張している。その背景に、巨大IT企業だけが産業界の特異な存在であるために特別なルールが必要という考えではなく、従来型企業の指針と同様に独占禁止などのルールを適用すべきだという主張に変わったことだという。

○国民の自由や差別が内在するテック企業のアルゴリズム

フォルーハー氏によれば、直近では米当局と米Googleの間で3件目の反トラスト法訴訟が始まったことや、EUがGoogleと米Appleに対してきぶしい司法判断を示したことだという。今夏、米連邦地方裁判所がGoogleの検索事業が反トラスト法違反だとの判決を下した。さらにFTC(米連邦取引委員会)がオンライン上での消費者に対する価格差別について調査を開始したという。また、フランス当局が通信アプリ「テレグラム」の創業者パベル・ドゥーロフ氏を逮捕した。人気歌手のテイラー・スウィフト氏がSNSでオンライン上の偽情報を批判するとともに、民主党の大統領候補、ハリス副大統領を支持すると表明した。スウィフト氏が注目されるのは、トランプ前大統領を支持しているかのようなフェイク画像がAIで生成され、トランプ氏が再投稿して、この一部始終が大々的に報道された背景がある。

フォルーハー氏は、デジタルプラットフォームを一般市民の役立つ本来の状態に戻すために必要な規制を作り、法的に解決するには数年かかると予想している。これまで巨大テック企業が支配力を固めるために展開してきた主張は徐々に覆され、市民側には徐々に勝利が得られてきている。その背景に、巨大IT企業はこれまで特異な存在を全面に出し、特別なルールが設けられて然るべきという主張が誤りであったことが明白になったことである。ECサイトやデジタル通信関連事業も、既存のこれまでの企業と同様なルールに則るべきだとする主張に変わってきている。この変化の契機は、Googleが違法に市場を独占しているという連邦地方裁判所の2つの判決による。3件目の訴訟は9月9日に開始され、より踏み込んで、オンライン広告の仕組みに注目しているという。

Googleはメディアや出版社、広告主を監視する能力を持っている。自社の広告ネットワークを優位にするために広告料金を抑えて、自社の広告事業を強化している疑いがある。さらに同社の監視はユーザーのオンライン行動に関するほとんどを収集する能力を持っている。広告主は集められたユーザーの情報を元に、様々な商品やサービスの価格を対象者によって変えることができる。例えばビジネスで出張経費を正規料金で払うことが多いことを知って、対象者のビジネスピープルのホテルの宿泊費が割高であっても請求するといった違法が行える。

FTCはアルゴリズムを利用する価格差別の本格調査に乗り出すと声明を発表している。その中で「自発的に提供された情報を透明性の高い方法で商品やサービスの価格設定に使うことは問題ないが、『今やスマートカーから掃除ロボット、ポケットの中の携帯電話に至るまで、複数の機器からのデータ収集が一般的になった』と分析している」と述べている。これが長じると、巨大テック企業のプラットフォームはネットワーク効果を梃子に、ヘルスケア、食品小売、自動車、AIといった自社が所属する業界と無縁の場所に堀を作って競合を締め出すことができる。

いずれにしても、転換点を迎えてることは、フォルーハー氏によれば明確だという。📲🚀🏢💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:研究システムに必要な国際評価」から

2024.9.19  日本経済新聞の記事「私見卓見:研究システムに必要な国際評価」から

先進科学立国の諸外国も国際評価の政策で活性化

コラムの著者 永野 博氏(政策研究大学院大学客員研究員)によれば、日本の科学技術・イノベーション基本計画が2026年度から第7期に入るが、次期の計画を立てる前に、これまでの計画の実施状況の評価から始める必要があるという。

○翻訳AIが発達し国際評価で行う英語での手間が軽減

永野氏によれば、国家レベルの政策の評価は複実で簡単ではなく、評価を自国内で行なって本質的な課題に触れることができるのかといった問題もあるという。各国政府は、国家間の競争が激しくなる中で、より安全で幸せな国民生活を実現するために適切な進路を指し示す政策の策定にしのぎを削っている。そこで優れた政策の立案のためには国外からの客観的な政策・システム評価が求められることになる。

研究システムの国際評価を受けて成功した事例としてドイツがある。ドイツは東西ドイツ統合後、研究を含め国全体の活動が低迷していた1990年代末に、基礎研究や産学連携について国際委員による委員会を設置して評価を進めた。評価の結果、マックス・プランク学術振興協会と大学の関係が遊離しているので協力すべきだという提言がなされ、ドイツの研究活動の活性化につながったという。

現在、評価を行う国際組織として、経済協力開発機構(OECD)の活動が挙げられると永野氏は語る。OECDは依頼のあった国の科学技術・イノベーション政策の評価を行い、提言を公表する活動を継続している。スウェーデンやドイツもすでにOECDによる評価を受け、提言に基づいて、各国政府の研究投資の最適化や変革を成功させるための迅速なアプローチなどの改革に取り組んでいるという。

しかし、日本国はこれまで評価する能力が国内に十分にあるとして、国際的ではなく国内の人材が評価活動を行なっている。だが、研究開発力の低下が指摘されている今こそ、外部の目で第3者から研究システム全体の評価を行うべきではないのかと永野氏は提言している。これまで国際評価の公用語は英語で、翻訳の手間がかかるが、AIによる翻訳などで大幅に改善される。永野氏は日本の研究開発力の向上のために、国際評価が必要だと強調している。💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇩🇪🇸🇪


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:ベテラン社員に依存するな」から

2024.9.18  日本経済新聞の記事「私見卓見:ベテラン社員に依存するな」から

社員を自社のみならず業界の目線で価値判断を

コラムの著者 小島 雄一郎氏(いまでや 社外取締役)は、自己の持っているスキルを「自社(業界)で必要なスキル」「他社(異業種)で必要なスキル」「どんな会社(業種)」でも必要なスキル」のバランスを考え企業経営することが、会社や業界全体が閉鎖的な「村社会」に陥っていくことから避ける手段となることを示している。

○村社会を脱し世界へ

小島氏によれば、経営者は、自社で働いてもらうのだから、自社に必要なスキルを備えてほしいと考えるという。しかし、極論いえば、自社のスキル中心は社員のキャリア形成を妨げることもあるという。つまり、長くいる社員ほど、スキルが限定的になり、自社に依存する度合いも高まっていく。異業種でも活躍できるような社員は減り、業界全体が閉鎖的で排他的な「村社会」を作るようになる。いわゆる「業界ルール」のような習慣が蔓延った状況である。

村社会に陥るのを避けるには、経営者が社員を自社にとっての価値でしか見ないところに端を発している。自社だけでなく、市場価値で判断できることがキャリア形成を向上させ、村社会を作らせないことにつながる。

リスキリング(学び直し)のキーワードとして「脱・会社依存のススメ」がある。社員が会社依存から脱出する意識はこれまで語られているが、忘れがちなことは経営者の意識改革で、ベテラン社員依存の意識を変えることなのである。ベテラン社員だけでなく異業種からの転職社員も含めてバランスよく評価をしなければ、会社全体の新陳代謝が進まない。村社会から自社や業界が抜けるには、経営者のこのような意識改革も重要なのであると小島氏は指摘している。💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:日本語が学びやすい環境を」から

2024.9.17  日本経済新聞の記事「社説:日本語が学びやすい環境を」から

日本語教室のない「空白地域」は2022年時点で全市区町村の44%

2024年6月に閉幕した通常国会で、技能実習に代わる育成就労制度の導入が決定した。これを受けて日本に在留する外国人が安定した生活を送れ、日本の社会に溶け込むには日本語の習得が欠かせないだろう。社説は、日本政府が外国人労働者の受け入れを拡大する以上、日本語が学びやすい環境づくりを急ぐべきだと主張している。

○諸外国に学び日本政府が前面に立つ施策が必要

社説によると、育成就労制度では日本語の能力や技能を段階的に高め、長く日本で活躍してもらうことを目指している。現状は、日本語を学ぶ環境が整備されているとは言い難い状況である。

技能実習生を受け入れる中小企業では、日本語学習の機会を十分に提供できていないところが目立つ。企業も意思疎通を図る上で必要性は理解しているが、自社で教えるには負担が大きいという。

さらに社外においても学ぶ場所は不足している。日本語教室のないところはまだまだ多く、2022年時点で全市区町村の44%が「空白地域」だという。オンライン講義なども増やして空白地域を減らすことが急務である。

諸外国でドイツ政府は教室の配置を進め、受講料の大半をドイツの政府が負担している。最低賃金に近い水準で働く技能実習生が実費で日本語を学ぶのは負担が大きい。ドイツ式であれば、学習にかかる費用を日本政府と地方自治体でどう分担するかを、検討する必要があろう。さらに重要なことは家族の中で日本語が十分にできない子どもたちの増加であるという。日本語教師の不足で、子どもたちに十分な指導ができていないのも実情である。これまで、地方自治体やボランティア団体が支援してきているが、頼るばかりでは地域差も生じ、限界もある。日本政府が前面に立って施策を進めるべきであろう。👦👧🧠💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏happy01🇯🇵🇩🇪


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「核心:『幸福なる少数』を増やそう、輸出立国を諦めない」から

2024.9.16  日本経済新聞の記事「核心:『幸福なる少数』を増やそう、輸出立国を諦めない」から

海外との取引は企業に新しい知見と情報を与え、パフォーマンスを向上させる

コラムの著者 西條 都夫氏(日本経済新聞社 上級論説委員)は、シェイクスピア作の「ヘンリー5世」にある「我々は少数だが、だからこそ名誉の分け前が増える」と兵を鼓舞する王の演説に登場する「幸福なる少数(The Happy few)」を引用して、多くが自国内に留まっている商材が外国に普及することは稀であることを示している。日本企業では更に輸出のほとんどが大企業に偏っている傾向があり、裾野は決して広くない。西條氏はそこに展開の余地があると指摘している。

○輸出額の上位10%を合計すると97%という大企業の寡占状態

西條氏によれば、神事直人京都大学教授らの2023年の論文「輸出入申告データを利用した日本の国際貿易の実態の検証」を引用して、輸出額上位1%の企業が輸出全体に占める割合は75%に達し、英国の42%、ドイツ59%、フランス44%に比べて極めて寡占的であることがわかった。輸出額の上位10%を合計すると97%という大企業の寡占状態で、ほんの一握りの巨大企業が日本発の輸出を牛耳る体制である。

円安なのに、日本の輸出が振るわなかったのも、このような寡占状態で主力のプレーヤーや品目が代わり映えしないのでは、海外市場を新たに開くマインドが全体的に低調だったと言えそうであると西條氏は指摘している。

だが、このような状態の中でも変化の予兆があるという。待望久しい新たな「輸出財」の誕生である:

  • アサヒビールの「スーパードライ」が韓国でインバウンド連動で輸出が好調
  • ソニーの音楽:2人組ユニットのYOASOBIの「アイドル」は日本語の楽曲で初めてビルボードのグローバルチャート(米国除く)で首位になった。

などがある。日本はかつて輸出立国を自称したが、GDPに対する輸出額の比率は他国に比べ高くなく、まだまだ余地がある。さらに「海外との取引で企業は新たな知見や情報を得ることができ、さらに企業自身のパフォーマンスを上げることが、実証されている」と、先の神事教授が示唆している。♩🎼♪🚗🚢💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇰🇷