利用例

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:投稿監視は国際人権法を原則に」から

2024.9.30  日本経済新聞の記事「私見卓見:投稿監視は国際人権法を原則に」から

ネット事業者もグローバルかつ中立的な原則やルールに魅力を感じる

いじめ、なりすまし広告、詐欺、ヘイトスピーチなどインターネット上で社会的な問題が多く生じている。これらをデジタルプラットフォームを運営する事業者の社会的責任と役割が注目され、国際的にも規制や監視を強化するための政策の議論や具体的な立法措置が進んできている。コラムの著者 谷川 幹氏(国際教養大学教授(メディア・ジャーナリズム研究))によれば、ここで軸となっているのが国際人権法で、SNSなどのデジタルプラットフォームの投稿監視・削除を同法の原則に則ろうとする動きがあるという。

○情報による危害と表現の自由のバランスから解を導く考え方

谷川教授によれば、SNS企業はネット上の対応に対してバッシングを受ける中で、その場凌ぎの対応ではなく、国際人権法のもつグローバルかつ中立的な原則やルールに方針を集約できる魅力を感じているという。米メタも社内で利用規約に従って下した判断に対して、同社が設置した監督委員会は、その判断の正当性を評価しながらも、国際人権法に照らして不当だとして、その判断を覆した事例もあるという。

国際人権法の原則では、情報による危害と表現の自由のバランスから解を導くアプローチが採用される。複雑で多様な当事者の利害が交錯する投稿管理の問題が、一定の外的原理に基づいて整理される可能性が出てきたことになる。

日本国内では、誤情報や偽広告の対策が問題になっているが、一方的な社会的な善悪だけで対症療法的な規制による取り締まりを行うと、他の同種の問題への対応策と整合性が取れなくなる危険性がある。また、正当な表現者の権利を見落とす政策が生まれる可能性もある。

谷川教授は、当事者である被害者と加害者とネット事業者、そして一般的な利用者と公益を総合的に勘案する国際人権法のフレームワークを利用することを勧めている。🛜💬👦👧☀️🌪️🌀☁️☔️💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇪🇺🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:AIに必要な人間中心の視点」から

2024.9.27  日本経済新聞の記事「私見卓見:AIに必要な人間中心の視点」から

欧米と日本は異なる視点からのアプローチで倫理と安全性を確保

私たちの日常生活にもAIが深く浸透し、社会や経済に変化ももたらしている。これに伴ってAIの倫理や安全管理に関する対応が世界中で進んでいる。コラムの著者 森 正弥氏(博報堂DYホールディングス 執行役員 CAIO)によれば、特に欧米と日本ではそれぞれ違ったアプローチが取られ注目されているという。

○共通点は「AIは人間のためにある」こと

森氏によれば、歴史的に個人の権利意識が高い欧州連合(EU)では、人権の尊重を重視したアプローチでAI導入を推進している。世界初の包括的なAI規制である欧州AI法案を可決し、AIシステムのリスクレベルに応じた使用の禁止や厳格な管理を求める方式である。AIの導入を進めながらも、倫理的で信頼できる利用により個人の権利を確保することを目指している。

一方、米国は、イノベーションと経済成長を重視し、一般企業のAI開発を後押ししてきた。しかし、近年安全性に関する懸念が広がり、2023年10月、米バイデン政権はAIの安全な開発と利用に関する大統領令を発出した。AI利用に伴うリスクを管理しながらも、官民双方に説明責任を求める内容で、これを踏まえたAIの管理と活用に関するロードマップも発表された。

日本政府は、2019年に内閣府が「人間中心のAI社会原則」を公表した。人間がAIを使い幸せを追求できることが重要であるとしてイノベーションを推進している。今年4月には技術の急激な変化に対応すべく、経済産業省と総務省がAIの安全で安心な利用を促す「AI事業者ガイドライン」を発表した。法的拘束力はないが、AI開発者以外に提供者や利用者も対象にしている。

各国でこのように異なったアプローチが進められているが、共通点は、「AIは人間のためにある」という認識だという。AIは適切に管理されないと、安全性や権利を侵す危険がある。AI開発会社はもちろん、AIの利用企業も責任と影響力を自覚しなければならない。そのために倫理的なAIの安全管理に取り組む必要があると森氏は示唆している。💬👦👧☀️🌪️🌀☁️☔️💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇪🇺🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「中外時評:『異種の競技』と理解せよ」から

2024.9.25  日本経済新聞の記事「中外時評:『異種の競技』と理解せよ」から

能動的サイバー防衛は思い込みを捨て攻撃側のモチベーションと手法の把握から始まる

コラムの著者 土屋 大洋氏(日本経済新聞社 客員論説委員)は米国の初代サイバー軍司令官でありNSA長官であったキース・アレグザンダー陸軍大将が提唱したチームスポーツ同様の連携の必要性を示すが、現実の攻撃はスポーツはおろかルールのない予測不能なものであることを解説している。

○現実のサイバー攻撃はスポーツのようなルールはない

土屋氏によれば、アレグザンダー氏は、サイバー防衛にはサイバー軍とNSAだけでなく、国防総省の関連組織、その他の政府組織や民間企業とも協力が必要だと説いた。

確かに米国ではチームスポーツとしてアメリカンフットボール、野球、バスケットボールなどがポピュラーだが、米国がサイバー攻撃の発信源として名指しにするのは、中国、ロシア、北朝鮮、イランの4カ国で、これらの国からの攻撃が、米国でポピュラーなスポーツをイメージするような動きやルールにとらわれてはいないはずである。確かに、サイバー防御をチームで対応すれば結束を図る努力がなされるだろう。実際の敵との交戦では、チームスポーツのようなルールは無用の状況である。攻撃側は身元を隠し、国旗を見せるといったこともない。

国連総会でもかつて政府専門家会合を数回開き、サイバー攻撃戦の国際規範を作ろうとしたが、ロシアのウクライナ戦争で頓挫した。現在のサイバー戦は、異種格闘技ならぬ異種チームスポーツ戦の様相であるという。防御側はチーム内で連携して対抗するが、敵チームはどんなスポーツ、ルールを採用しているかもわからない。必要なことは、攻撃側の意図やモチベーション、攻撃手法を把握することであるという。これも能動的サイバー防御の1つであるという。💴🏢🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇰🇵🇨🇳🇷🇺🇺🇸🇷🇺🇮🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:ジャパン・アズ・ナンバーX」から

2024.9.24  日本経済新聞の記事「Deep Insight:ジャパン・アズ・ナンバーX」から

経済力の地盤沈下は経済の成長性がないため

驚異的な戦後復興で世界2位の経済大国に躍り出た日本を評して米社会学者エズラ・ボーゲル氏は「Japan As Number One」を著した。それから日本は奇跡から悲劇に転じて、コラムの著者 小竹 洋之氏(日本経済新聞社 コメンテーター)によれば、GDPで2010年に中国、2023年にドイツ、2025年にはインドに追い越され、世界通貨基金(IMF)は予測している。日本はこの状態でいつまで世界有数の経済大国と胸を張り続けられるのか。タイトルの変数Xを小さくするにはどうすれば良いのかを小竹氏は考察している。

○日本の新首相は変数Xに何を代入するのか

国の豊かさをGDPの規模や順位で全て捉えることはできない。しかし、この厳しい現実から目を逸らすわけにもいかないだろう。何よりも成長力が低下しているために経済の地盤沈下が起こっていることは事実である。

アジア太平洋研究所の稲田義久研究統括(甲南大学名誉教授)は、「為替相場に左右されるGDPのランキングに一喜一憂してはいられない。問題の本質はやはり成長率の低下だろう。日本は生産性の引き上げに専念すべきだ」と提唱している。

世界は新型コロナウイルスの感染拡大とウクライナ戦争で市場機能の限界を痛感した。財政出動が助長したインフレーションで政府介入の弊害を体感した。そして需給両面に目を配ることが運営上重要であることを再認識した。

経済の地盤沈下に歯止めをかけるのは容易ではない。発展余力の大きいスタートアップや途上国の追い上げには抗えない点もある。しかし、日本の新首相は、経済のダイナミズムを取り戻す改革でGDPの成長、実質成長を促し、変数Xに代入する数値をできるだけ小さくしていかねばならない。📉🏢🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇨🇳🇩🇪🇮🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「『女子が大学院?』偏見なくせ、東大や東北大、実態可視化、啓発急ぐ」から

2024.9.23  日本経済新聞の記事「『女子が大学院?』偏見なくせ、東大や東北大、実態可視化、啓発急ぐ」から

目を背けず、注意喚起し続けることが改善への第一歩

コラムの著者によれば、東京大学が5〜6月に学内で掲示したポスターには女性の学生や研究者が実際にかけられた言葉が並んだという。「言葉の逆風」プロジェクトと銘打ち、学内の687人に実施したアンケートから浮かぶ上がった言葉である。例えば、「女子が大学院に行って意味ある?」「女性らしく控えめに発言を」といった言葉である。プロジェクトを担当する多様性包摂共創センターの安東明珠花特任研究員によれば「隠さず可視化することで学内の意識を変えていければ」と説明している。

○無意識の偏見は大学だけでなく、社会全体で根強く残っている

コラムの著者によれば、「自分や周囲が言われたことがある言葉がたくさんある」と30代の理系の女性研究員は、ポスターに並ぶ言葉に自分の体験を重ねたという。学部から現在まで、東京大学で過ごし、心ない言葉をかけられた経験は何度もあるという。女性の意欲を削ぐ言葉の攻撃は、男女の偏りが大きい学内環境と無関係ではないという。

プロジェクトのポスターは問題を共有する契機になった。学内の研究者らの有志が集まるグループチャットでは、「逆風を打ち消す言葉」として味方となってくれた事例や嬉しかった言葉を共有するなど議論が盛り上がったという。学外や海外からも反響があった。

また、自分でも気づかないうちに抱く思い込みは、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)と呼ばれ、その弊害を最小限にとどめようとする動きも広がっているという。東北大学では2020年から2021年に無意識の偏見に関するリーフレットを全職員と新入生に配布した。特に懸念するのは採用や評価での影響である。リーフレットでは「多様性に配慮した選考、評価を行うことは優秀な人材を確保する上で不可欠」と強調している。人事担当者らの意識向上のためにチェックリストも掲載している。無意識の偏見は大学だけでなく、社会全体で根強く残っている。これに対する対策は、目を背けず、注意喚起を続ける努力が改善の一歩であると、コラムの著者は説いている。👩‍🎓🪐🚀💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵