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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:円谷プロの栄枯盛衰」から

2022.11.30  日経産業新聞の記事「眼光紙背:円谷プロの栄枯盛衰」から

経営問題もあるがコンテンツの価値評価

コラムの著者によれば、2022年5月に公開された庵野秀明監督の特撮映画「シン・ウルトラマン」が興行収入40億円超の大ヒットになったという。だがウルトラマンシリーズの著作権をもつ円谷プロダクションの今はどうか。

○紆余曲折でパチンコ・パチスロのフィールズ傘下に

コラムの著者によれば、円谷プロダクションは、現在はパチンコ・パチスロなどの遊技機メーカーであるフィールズの子会社で円谷フィールズホールディングスと改名して持ち株会社に今年10月移行した。

同社は紆余曲折で今に至ったという:

  • 1963年:創業者の円谷英二氏は自分の名前を冠した制作会社を設立。英二氏の出身母体の東宝が筆頭株主であった。
  • 1968年:資金難に陥った同社を東宝が子会社化した。
  • 1992年:3代目社長円谷皐氏が東宝との資本関係を解消し独立。その後資金難で映像制作会社TYOやバンダイナムコグループの資本参加。最終的にフィールズ傘下となった。

幾度となく同社が経営難に陥った理由は何か。それは、高度な特殊撮影技術を駆使した作品は製作費がかさみ、制作すればするほど赤字が膨らんだという。アニメも同様だが、日本を代表するコンテンツを作る企業はなぜ経営難に陥るのか。たしかに経営者の技量もあるが、業界でのコンテンツへの価値評価が低いとの声もある。それが日本のコンテンツ産業の闇であるという📽🛸🏬📈🏢🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:インフレ対応と脱中国」から

2022.11.18  日経産業新聞の記事「眼光紙背:インフレ対応と脱中国」から

サプライチェーンの再編と原材料価格の決定メカニズムの見直しが必要

コラムの著者は世界的なインフレと経済圏の分裂で日本企業が取るべき戦略について語っている。

○欧米中心の「ブルー経済圏」と中国中心の「レッド経済圏」の間で

コラムの著者は資源・エネルギー価格の高騰から始まった世界的なインフレーションが長引くと予想している。さらに需給バランスが崩れた原材料や製品も出始めているという。その中でも軍事転用を防止するために米国は半導体のような超高度の技術については安全保障面で輸出管理を強化しているという。

米中経済戦争前では自由な経済活動の下でグローバル経済が発展してきた。しかし、これからは、欧米を中心とする「ブルー経済圏」と中国を中心とする「レッド経済圏」に分かれブロック経済化に変わった。日本は、「ブルー経済圏」に属し、今後は脱中国が重要な経済の課題となる。

中国は「一帯一路」をレッド経済圏内で強行に実行しているが現地では大きな摩擦を生じているという。これに対し、日本政府は「自由に開かれたインド太平洋」の実現に向けて外交政策を展開している。日本の高度な技術力を提供することでブルー経済圏の強化につながるとコラムの著者は期待している。

インフレ対策や安全保障対策には日本企業のサプライチェーンの再編がキーになる。安価な代替材料への転換や生産方法の改革は常道として、生産拠点の脱中国化とブルー経済圏に加入するアジア諸国へのシフトが急務となる。さらに原材料価格の決定メカニズムも見直しが必要である。例えばコスト上昇に連動するサーチャージ導入でサプライチェーン全体で影響を分散吸収する公正な利益配分も行う経営思想が必要だという。🏢🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸🇩🇪🇫🇷🇬🇧🇨🇳🇮🇳🇻🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:人間拡張の原理、メタバースが広げるもの」から

2022.11.18  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:人間拡張の原理、メタバースが広げるもの」から

20世紀メディア論から考察

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、人間拡張について論じたマーシャル・マクルーハン著「メディア論 人間の拡張の諸相」(みすず書房)を取り上げ、最先端のメタバース(仮想空間)が人間の何の拡張なのかについて考察している。

◯目、口、耳、手足の拡張の先

 三浦教授によれば、20世紀のメディア論の大家であるマクルーハンで、技術やメディアは人間の身体の拡張だと考えてきたという:

  • 石斧:手の拡張
  • 車輪(自動車、自転車):足の代わり
  • ラジオ:耳の代わり
  • テレビ:目の代わり

と考え、人間の身体能力以上にその能力を拡張してきている。

インターネットは目や耳を拡張し、好きな時に世界の人々と繋がり、世界のニュースがわかり、世界の商品を買えるようになり、空間や時間を拡張した。

時間面は、テレビが放送時間の制約があったが、インターネットでは好きな時間に動画配信サイトなどから視聴できる。またショッピングも店舗の営業時間に無関係にインターネット上で注文ができる。放送時間・営業時間の枠を超えて消費者の行動が24時間行えることになった。

空間面では、初期ではPCのある職場か自宅に限られていたが、携帯電話やスマートフォンが普及すると、身体拡張の地点を広げ、能力を空間的にも広げた。

さらに口の能力をインターネットは拡張した。消費者がネットでの配信ができるメディアを持つようになった。もともとはマスメディアと言われるように企業が所有するものであったが、ブログサイトからYouTubeのチャンネルまでで消費者が所有できるようになった。マクルーハンの口の拡張は同著ではメガホンを例示したが、今はYouTubeなど音量の拡張以上に時空間的に口の能力を拡張した。

今や消費者は、好きな時に、好きなことを、好きな場所から世界に発信できるようになった。さて、今話題のメタバースは何の拡張であろうか。🥩🐮🍫🎍🍄📙📖👚🚗📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ニッチ市場を攻めるには、諦めずに多様な手を打つ」から

2022.11.11  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ニッチ市場を攻めるには、諦めずに多様な手を打つ」から

販路拡大に単純な広告宣伝では効果なし

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、前回に引き続きSNSやクラウドファンディングの活用についてニッチ市場での攻め方の事例を示している。

◯西川教授のゼミ生が挑戦

 西川教授によれば、打開策の多さが、ニッチな市場を立ち上げるといい、その事例を自分の研究ゼミの大学生が挑戦した商品企画で示している。

商品企画の挑戦は、企業からのテーマをもとに全国の大学生が商品企画を競う「Sカレ」への応募であった。ゼミ生が応募した商品企画は「ぺらっぷ」である。

ぺらっぷは、ピアノ演奏経験者の94%が抱える「楽譜めくりが大変」という悩みに応える商品であるという。対象が狭い上に電子楽譜の普及という逆風の市場を狙っている。このアイデアは、メーカーから提示された「クリアシート便利グッズ」を受けて学生自らの経験から発想したという。さらに、専門家などの意見を集め、楽器小売り大手の島村楽器(東京都江戸川区)の商品開発者や楽器インストラクターと接触して助言をもらい、めくりやすく改善しながらターゲットをピアノ演奏者に絞った。試作品の評価も好評で、店頭価格300円を提示して、商品化が決定したら同社が仕入れるとの確約を得た。こうした成果から、Sカレでは2021年12月の大会でぷらっぷの商品企画は優勝し、見事商品化の権利を得た。

ところが、最終試作品を元にメーカーが試算すると初期費用がかかり、小ロットでは店頭価格が880円かかり、商品化は遠のいた。さらに、メディアに取材をしてもらい販路拡大を狙ったが、ニッチな悩みに対応したためか共感が得られず、反応もない状態となった。

そこでゼミ生らは自らのSNSで発信しつつ、初期費用を得るためにクラウドファンディングを利用した。クラウドファンディングでの購入や支援の募集で初期費用を得て、結果的に店頭価格を500円まで下げることができた。島村楽器でぺらっぷの正式販売が決定し、2022年9月より首都圏の店舗とオンラインストアで販売を開始した。ニッチな市場でもいろんな手段を使えば、学生でも商品化が可能であると、西川教授は応援している。🎹🥤💡♬📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:ミトコンドリアに学ぶ」から

2022.11.10   日経産業新聞の記事「WAVE:ミトコンドリアに学ぶ」から

太古の地球に酸素を生み出した藍藻類とミトコンドリアの類似性

コラムの著者 成田 宏紀氏(DCIパートナーズ社長)は、いつものVB投資やビジネスの話から離れて、我々の生物に不可欠な共生について触れている。

○多くの疾病要因となるミトコンドリア異常

 成田氏はコロナ禍で祭りに恵まれず、自宅に飼っていた金魚が死んでいったために金魚鉢が藍藻類で汚れることが気に入らない。だが、藍藻類は光合成によって太古の地球に大量の酸素を供給した、生物の恩人である。藍藻類は、植物の始祖によって細胞内に取り込まれ、光合成を担う葉緑体となり今も細胞内で共生している。植物にとっては太陽光を自らの生命エネルギーに変える重要な生物内の生物であろう。

他の生物の細胞内で共生していて人類の細胞にも存在するものがミトコンドリアである。ミトコンドリアは細胞内で酸素を使ってエネルギーを産生する重要な機能を持つ。つまり生物の語源である「息をするもの」はミトコンドリアが酸素をエネルギーに産生してくれているからである。

厄介なのは酸素で、反応性が高く危険な物質であり、ミトコンドリアがなければ劇物指定の物質である。ミトコンドリアに異常が起こると、エネルギー産生以前に、放射能漏れの如く、活性酸素が細胞を傷つけ、機能不全を起こすことも多い。これが、人類では疾病になり、心血管系、内分泌系、感覚器系、中枢系疾患の原因となる。ミトコンドリア自体が巨大な複合体であるために、病気の原因箇所の特定が難しい。細胞膜の内側でさらに堅牢な膜で覆われており、薬剤も届きにくい。治療薬の開発が難しい標的と言える。

近年そのミトコンドリア自体を治療しようという試みが行われているという。患者自身の健常組織から取り出したミトコンドリアを移植することで治療する試みである。この試みを推進しているスタートアップがルカ・サイエンス社(東京都中央区)である。同社は外部からミトコンドリアを取り込ませ、細胞内のエネルギー産生を改善させる戦略である。広く医薬品として利用できる可能性があるという。💊🌻🌵🌱🐡🐟🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎