製品情報

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パッケージNOW:使い方、ペッパー自ら指南」から

2016.3.8   日経産業新聞の記事「パッケージNOW:使い方、ペッパー自ら指南」から

ヒト型ロボットはハードウェアであると同時にアプリを搭載したソフトウェア

コラムの筆者 竹原あき子氏(工業デザイナー)は、ソフトバンクグループが昨年発売したヒト型ロボット「ペッパー」の取扱説明書について触れている。

○これまでに製品の取扱説明書

竹原氏は、ソフトバンクロボティクス商品企画の大木一史氏に聞いてみた;

「箱を開けた時にすぐに分かる場所に、かんたんセットアップガイドと動画へ誘導するステッカーを入れている。セットアップガイドは、箱からペッパーを取り出して準備ができるまで説明。ステッカーに印刷されているQRコードをスマホで読み取ってアクセスできる動画マニュアルで使い方を学べるよう工夫した」

という。安全に対する手順、充電器に接続して充電し、電源を入れるまでが図解。裏面には動作チェックリストが書かれており、充電やWifiの状況を確認できるという。初回起動のチュートリアルアプリは5分の動画で基本的な使い方がわかる。

これまで取り扱ってこなかった製品であるが、紙や動画を活用してユーザーの動作の流れにそって説明していて好感がもてそうだ。ペッパーのようなヒト型ロボットはそれ自身はハードウェアだが、アプリを搭載した大きなスマホかもしれない。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:レトルトもんじゃ焼き、日本製粉、調理時間を短縮」から 

2016.1.21   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:レトルトもんじゃ焼き、日本製粉、調理時間を短縮」から

味付けのバリエーションの勝負から食シーンの提案へ

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、2月22日に発表した日本製粉の液体レトルトもんじゃ焼き生地「オーマイ どんなもんじゃ!?」のマーケティング戦略について語っている。

○調理工程を短縮して簡便化し新しいニーズを掘り起こす

もんじゃ焼きは「生地作り」、「盛り付け」、「土手作り」と工程が多く、しかも関西以西では売上高のボリュームが小さい。お好み焼き、たこ焼き、チヂミにつぐ年間7奥円の市場がもんじゃ焼き粉の市場である。

ところが同社はこれはビジネスチャンスであると考えた。工程を減らすことで手軽にサイドメニューとして需要を喚起しようとしたものである。

開発チームは試行錯誤を重ね、辿り着いたのがこれまでの常識を覆す「液体」のもんじゃ焼き生地だったという。調理時間は平均14分から8分に短縮、狙い通りバーベキューなどの仲間とのパーティーでホットプレートでの調理もできるとあって、サイドメニューとして認知されそうだ。食シーンを提案することで、地域に関わらずアウトドアなどにも提案できることも弾みになりそうだ。

「今ある市場だけを見ていると当たり前の当たり障りのない新製品ばかりになる。消費者に機能的なベネフィットにも目をむけて新しい価値を提案していきたい」

と、同社の商品開発部 竹内友香氏は語った。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ブランディング、2種のエピソード活用」から

2016.2.25  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ブランディング、2種のエピソード活用」から

自己と他者エピソードブランディング戦略の事例

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、認知心理学どいうエピソード記憶に訴えたマーケティング戦略について語っている。

○ブランドの成否を決めるエピソード

認知心理学では、記憶を「法隆寺」を例にとると

  • 意味記憶;世界最古の木造建築、世界遺産
  • エピソード記憶;年末年始に彼女と法隆寺に出かけた

となる。意味記憶は頭にあるだけだが、エピソード記憶は深く心に刻まれる。エピソード記憶に訴えるマーケティング戦略としてエピソード・ブランディングがある。エピソード・ブランディングには、自己体験に基づく自己エピソード・ブランディングと他者の行為による他者エピソード・ブランディングがあるという。

自己エピソード・ブランディングとは、消費者に自身の価値のあるエピソードを創造してもらう戦略である。事例として、

  • レストランでの記念日でのケーキやシャンパンのサービス
  • 鉄道の夏休みの小学生向けスタンプラリー
  • 食品スーパーでの日曜の親子料理教室
  • キットカットの「きっと勝つ」を担いだ入試用のキャンペーン

などがある。一方、他者エピソード・ブランディングとして、

  • 恋人たちの「愛の南京錠」
  • 神社での合格祈願の絵馬
  • SNSでのイベント

などがある。自然発生的な他者エピソードをいかに掴むかは企業にとって重要で、それによる独自のエピソード開発も必要だという。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パッケージNOW:洗剤1回分自動充填で節約」から

2016.2.23   日経産業新聞の記事「パッケージNOW:洗剤1回分自動充填で節約」から

強度と考えながら輸送もコンパクトに

コラムの筆者 竹原あき子氏(工業デザイナー)は、ドイツのヘンケル社の洗剤パッケージについて語っている。

○オート・ドーズ(自動充填式)の洗剤容器

同社は、ポリプロピレン製の850ミリリットルで高さ28センチメートルと大きくて重い容器に工夫を凝らした。開発のきっかけとなったのは、洗剤の節約。ほとんどの容器にどれだけの洗濯が何回できるか指定しているが、それ以前の回数でなくなってしまうという消費者の不満を解消することだったという。

最初に容器を逆さまにして、次に戻し、ふたを開けて、容器を傾けて洗剤を洗濯機に流し入れる。洗剤が流れ出ている間に、容器の内側にあるもう1つのポケットに洗剤が入り、容器を立たせるとポケットに入った洗剤が次に使う量になるという仕掛けである。1回ごとに充填される洗剤の量が一定だから無駄が無いという容器である。

ポケットをもった二重構造複雑な容器ではあるが、ふたが開いていても流れ出ず、片手だけで操作でき便利だ。ドイツで創業したヘンケル社も2回の世界大戦を越えて国際的な数限りない企業を買収して、ようやく、本来の事業であった洗剤に戻ってきた点は興味深いという。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:日本の魅力発信、在日中国人ママが活躍」から

2016.2.19   日経産業新聞の記事「流行を読む:日本の魅力発信、在日中国人ママが活躍」から

ネット、リアル、フェスへと展開

コラムの著者 中村 泰子氏(ブームプランニング社長)は、在日中国人ママ達の活動が、訪日客の増加、日本企業の中国進出で注目されていることについて触れている。

○中国人ママ同士の輪から日本企業の商品・サービスを後押しする立場へ

2012年一般社団法人美ママ協会(横浜市)が活動の核となり、在日中国人ママの交流の場からインバウンド需要を意識する日本企業の商品・サービスを雑誌やネットで紹介する事業を手掛けているという。

美ママ協会の規模はオンライン上で約7千人、オフラインでも東京と上海に800人以上のアクティブメンバーをもつ団体。さらにその8割近くが0から3歳児を抱えるママさんたちであるという。中国からみればほとんどは中国を変えると言われる新人類「バーリンホウ(80后)=1980年代生まれ」で一人っ子政策のために親世代との育児に関する考えも違うという。

育児に不安をもつママたちは日夜リアルタイムで育児経験談を情報交換しているという。やがて、その交流から日本のベビー用品や食品、化粧品などの大手メーカーから問い合わせが入るようになり、中国人ママを集めた座談会を手がけるようになったという。

日本企業にとって、日本語のできる在日中国人ママたちは、ネット、リアルでも商品やサービスの情報を口コミで広げられ、中国本土に伝わればインバウンド需要を後押ししてくれるありがたい存在だ。さらに、企業は「ママ・フェス」までも支援して、Win-winの関係をつくれるという。camerahappy01