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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ブランド戦略、パッケージ同時に開発」から

2016.6.23  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ブランド戦略、パッケージ同時に開発」から

デザイン思考的な創造的思考法

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、ブランドに関するコンサルタントであるブラビス・インターナショナル(東京・渋谷)のブランディング手法(PACKCEPT, パックセプト)に注目し、今後のブランド戦略が変わるのではないかと示唆している。

○コンセプト優位ではデザインに落とすまで時間がかかりすぎる

このパックセプとは、パッケージとコンセプトとからなる造語で、新製品などをつくる際にまずパッケージデザインを開発し、これに対する消費者の反応をみるというブランドコンセプトとパッケージを同時に生むという斬新な方法である。

これまでのブランド論ではコンセプトが圧倒的に優位に検討されてきた。ターゲットなる消費者に最大の価値を与えるコンセプトをまず策定し、これに基づき、成分、ネーミング、内容量、パッケージ、広告すべてを決めてきた。

確かにコンセプトは大事だが、デザインに落とし込むまで時間がかかる。つまり、文字情報としてのコンセプトを実体としてそのパッケージにするアルゴリズムが不明で試行錯誤が続くからである。

そこで、パックセプトの登場。コンセプトを固める前に、パッケージデザインを始める。幾つかの可能性のあるパッケージを実際に消費者に見せ、その反応からコンセプトとパッケージの組み合わせを絞り込む。これで大幅な試行錯誤期間の短縮と、コンセプトをまとった最終成果物のパッケージを最初から消費者が評価できるというメリットがでてきた。

パックセプトは、最近流行のデザイン思考の流れに似ていると三浦教授は語る。コンセプトとパッケージの自由な組み合わせによる創造的思考法であるからである。パックセプトは今や国内大手だけでなく、米国、中国でも注目され、ブランド戦略の流れをかえるかもしれないと、三浦教授は語っている。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:オムニチャネルは『重荷チャネル』か」から

2016.6.16   日経産業新聞の記事「眼光紙背:オムニチャネルは『重荷チャネル』か」から

現場の物理的な環境を無視した企画?

コ ラムの著者は、社会インフラとしてすでにコンビニエンスストアは認知されているが、そこに新しい機能を入れ込もうという企画が動き始めている。

○机上では上手くいくはずだが

「オムニチャネルは『重荷チャネル』か」は、コンビニエンスストア側の言い分かもしれない。というのは、新機能は、ネット通販などの受け取りサービスである。24時間営業のコンビニの特徴を生かし、24時間、顧客が荷物を取りに行けることで便利だ。一方、配送業者にとっても不在がちな家に届けるよりもコンビニへの配送なら一度で済む。また、コンビニ側も配送業者から1個あたり100円の手数料が手に入る。3方よしに見える企画だが、抜けがあった!

実は、コンビニは在庫量を最小にする設計であるのが前提で、物理的に保管スペースが狭く、大小様々の通販商品を置くにも不向きである。さらに、商品を取りに来た際のレジ操作も意外と複雑で時間がかかり、通常のコンビニ客も迷惑顔である。後者の受け取り手続きは今後改善されるだろうが、スペースについてはどうか。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:GMOペパボの『ミンネ』、創作物の売買手助け」から

2016.6. 16   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:GMOペパボの『ミンネ』、創作物の売買手助け」から

ユーザー・イノベーションにはユーザーレベルのサポートが不可欠

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、同社が運営するユーザー同士がハンドメードの作品を売買するサイト「minne(ミンネ)」を通じて一般人の創作活動の支援がビジネスとなることについて触れている。

○ECサイトだけの運営ではなく、出品者の目線のサービスが充実

同社がこのサービスを始めたきっかけは、社内公募での事業案から始まった。手作り市で見つけた作品が作家のブログに掲載されているものの、ネットで売っていないことに疑問を感じたことで、調べてみると、通販サイトはあるが、ネットになれない作家にとっては既存のサービスは多機能すぎて複雑にみえたという。

作家がブログを書くように、作品の写真などを簡単にアップして販売できるサービスを作ろうと事業提案した。12年にサービスを開始し、現在作家は23.3万人。92%が女性で300万もの作品が掲載されるサイトになったという。ミンネアプリも579万ダウンロードで年間流通額44億円に達した。

売り手も買い手も20〜40代の主婦やOLが中心で、作家初心者が多いという。ただ、作家自身が販売を始めても作品の写真が上手く撮影できなかったり、利益の出ない値付けをしたり課題は多いという。そこで、同社は、作家をサポートするサービスを立ち上げた。

東京と神戸のminneアトリエを毎週開催し、1回2時間8名ほどのリアルな場を提供。スマホで上手な写真の撮り方や価格のつけ方などをミンネのスタッフがレクチャーするという。アトリエでは、作家同士の交流会も開き、一人で解決できない作家の課題を、気軽に相談し教えあうといったコミュニティーができたという。

ユーザー・イノベーションには、ユーザー目線のサービスが必要であるという事例である。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:成功は復讐する」から

2016.6.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:成功は復讐する」から

成功手法がいつまでも有効とは限らない近代経営

コラムの著者はダイキン工業の経営計画をあげ、近代経営で必ずしも成功した手法が通用するとは限らないことを示している。

○法規制やニーズの変化で成功事例は生かせず

ダイキン工業が2020年度で売上高3兆円を目標とした経営計画を発表した。主力の空調事業以外の分野も伸ばして達成を目指す。ただ、コラムの著者がいぶかるように、その説明資料から空調事業を左右するキーワード、COP21(第21回国連気候変動枠組み条約締結国会議)がぬけていたという。

COP21が採択したパリ協定は温暖化ガス排出抑制を謳っているが、この資料に出てくるのは最終ページの1箇所だけだという。

それには空調につかう冷媒で同社は地球温暖化係数の小さい代替フロン「R32」の普及を急いでいるが、欧州のデュポンやハネウェルは温暖化係数が小さい別の代替フロンを推し、欧州のデファクトとなろうとしているという。

環境規制では国際会議における巧みな欧州が先行し、他の先進国が追従することが多い。その欧州は代替フロンよりも自然冷媒を好むという。同社も自然冷媒の研究開発を進めているが、製品化には時間がかかるという。

同社の成功してきた戦略、エアコンと冷媒の両方を自社生産する強みが、いつまでも成功するとは限らないところが厳しい近代経営である。成功がまさに復讐となってかえってくる。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 美容ドライヤー、高価格でも次々ヒット」から

2016.6.7   日経産業新聞の記事「風向計: 美容ドライヤー、高価格でも次々ヒット」から

対象領域を広げコストパフォーマンスをあげる

コラムの著者 粟飯原 理咲氏(アイランド代表取締役)は、美容家電の進化が目覚ましく、その中でとりわけ、ヘヤケアが注目され、高級美容ドライヤーが人気だという。

○「ヘアビューザー エクセレミアム 2D Plus プロフェッショナル」が人気

同製品はリュミエリーナ(東京・中央)が発売しているもので、コスメ・美容サイト「アットコスメ」で最近1ヶ月の閲覧数上位を占めている。
まずはヘアサロンで評判となった。髪の毛に長時間風をあてても、乾燥したりパサついたりせず潤いを増すという。また冷風をあてると素肌のきめが整うという。価格は、3万5640円で決して安くはない。
一般消費者にもクチコミで広がり、今年4月には同社初の直営店を松坂屋名古屋店内にオープンした。この背景にヘアケアに対する意識の変化があるようだ。
ユーザーの効果の関心となる部分が、髪の毛だけでなく、スキンケアの領域にまで広がっているようだ。つまりヘアケアとスキンケアの垣根が曖昧になり、多機能性製品が支持されてくるようだという。
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