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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:偶然であることの難しさ」から

 2023.11.15  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:偶然であることの難しさ」から

偶然という概念の捉え方とその存在への疑念

コラムの著者 筒井 泉氏(高エネルギー加速器研究機構・ダイヤモンドフェロー)によればサッカーなどの先攻後攻を決めるコイントスで必ずしも結果が平等でないという研究結果が話題になっているという。空中でのコインの運動を力学的な解析を行ったことから理論的に予言されていたという。この結果は学術的な意味以外に日常生活で偶然という扱いが大きな影響を受けることについて述べている。

○コイントスの表裏の物理学

 筒井氏によれば、コイントスで投げる前に見える側を表とすると、投げた結果に見える側は、表の方が裏よりも51対49の割合で多いという。これは理論的に物理学で予言されていたことであったが、今年になってヨーロッパの研究者グループの48人が実際に35万回以上コイントスを行って、予言の正しさを実証したというのである。ただし、あらかじめコインの表裏を決めておき、コイントスの前に確認しなければ、その結果は5分5分になるというからコイントスの実証は有意義であった。しかし、もしコイントスが真に偶然によるものであれば、全体の表裏の比率だけでなく、結果を順番に並べた時、表裏のパターンもランダムでなければならない。

筒井氏がこの実証を取り上げるわけは、日常我々はこの偶然性に頼って社会生活を送っているということである。気象予報や地震予知など全ての科学予測にはシミュレーションが大きな役割を果たすが、その精度は実は偶然を模擬する乱数の性質に大きく左右されるという。通信の秘匿性やオンライン商取引での本人確認にも乱数が使われており、これらは乱数の偶然性の信用の上に成り立っている。

現代では乱数は特殊なアルゴリズムによって機械的に生成されるか、電気ノイズのようにランダム性を持つ物理現象から生成される。究極は、原子核の崩壊のように本質的に偶然な量子現象から生成される乱数であると考えられている。だが、ここで真の偶然とは何かという原理的な問題が立ち塞がる。この哲学的な問題をアインシュタインは「神はサイコロを振らない」と量子現象の偶然性までも否定した経緯があるという。🎲⚽️🪙🦶🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:日本は楽しさが不足?喜びが停滞感を打ち破る」から 

2023.10.6  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:日本は楽しさが不足?喜びが停滞感を打ち破る」から

楽しさの公共圏を広げよう

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)によれば、博報堂生活総合研究所の「生活定点調査」(2022年・3084人)から日本国内には楽しいことが少ないという。

◯楽しさの3Cデザインを考える

 同調査によれば、以下のように感じる人の割合を公表している:

  • 「身の回りで楽しいことが多い」:41.7%
  • 「世の中で楽しいことが多い」:13.9%

と「世の中」は楽しいことが少ないと感じている。楽しむことが目的である余暇施設を除くと、社会には「楽しいデザイン」が乏しいという。どうやら、「むやみに楽しんではいけない」というメンタル・ブロックがあって阻害しているのではないかと関沢氏は考えている。

そこで、「楽しさの3Cデザイン」を関沢氏は提案している。「楽しさの3Cデザイン」とは、

  • Corner (コーナー):公共施設で強調色を使ったり、壁画を描いたり、駅ピアノなどを設置したり、ARで空間を「水族館」にしたりといった雰囲気を変え遊びを入れる。
  • Character (キャラクター):日常生活に特異なキャラクターを登場させる。ペットをつかった動物セラピーや広場での道化ロボットなどもその一部。
  • Culture (カルチャー):異文化を混ぜると、秩序が緩んで楽しさが増す。留学生が増えたキャンパスは活気付く。街には訪日外国人が戻り、盆踊りなどに参加して盛り上げている。多様な文化が混じると、ドラマが生まれ雰囲気が躍動的になる。

社会を良くするには、怒り・悲しみなどのネガティブな感情を減らすことは無論のこと、楽しさ・喜びなどのポジティブな感情を増やすことも効果があると、関沢氏は推奨している。楽しさは創造性を生み、日本の停滞感を打破できる。そのためにも「楽しさの公共圏」を広げよう。🤖💭💬📖🖋🏫🎩📕👩✋⛑🕠💪🏃‍♀️📺📶💺💻🏠👧👩😷🦠❤️🌍happy01🌎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:みんな食堂と銭湯中心の街」から

2023.9.20  日経産業新聞の記事「Smart Times:みんな食堂と銭湯中心の街」から

老若おひとり様から子育て世代まで暮らせるシェアタウン

コラムの著者 久米  信行氏(iU情報経営イノベーション専門職大学教授)は、東京都墨田区の依頼で錦糸町の街づくりを考える市民ワークショップに参加して、その構想について語っている。

○コミュニティーも孤独も満喫でき、徒歩圏で暮らせる

久米教授は下町育ちで山手暮らし、通勤地獄と職住接近という真逆な生活を味わい、定年間近の視点で街づくりを考えている。

  • ひとり様から子育て世代
  • コミュニティーも孤独も満喫
  • 徒歩圏で暮らせる
  • エコノミーでエコロジーな街
  • 誰もが健やかで生きがいのある暮らしと適度な近所付き合いが自己流で楽しめる

といったイメージである。街自身は、UR(都市再生機構)の団地くらいの規模で同心円状に創られて中心にはコミュニティーゾーンがあるという。おひとり様や子育て世代が増えると孤独化が進むので個食となり風呂も各自が沸かすのでエコノミーとはいえない。

そこで「こども食堂」ならぬ「みんな食堂」が中核になる。文字通り気軽に団らんができる憩いの場で、店舗の大食堂ではなく、食堂街風で、街定食、街中華、町洋食や町喫茶があり、早朝から深夜まで営業。満腹感プラス笑顔と元気がもらえる。料理人は日替わりで、料理付きの「住人」。お袋の味から料理男子のカレーやそばが楽しめる。月一回、好きな料理をご近所さんに振る舞い笑顔をみたいという人で、結構希望者は殺到するという。1か月の献立は学校の給食のように住人に共有され、事前予約制なので食材を無駄にしないで済む。客寄せの必要もない。支払いも地域電子通貨で割安。

もう1つの中核施設が銭湯である。裸の付き合いで仲良くなり、スポーツジムや体育館に隣接しているのでレッスンや同好会が開催されれば銭湯仲間の絆は深くなる。文化施設もあって、得意な住人が先生。仲間との親交も孤独なオタク時間も良い塩梅で進み、等身大の自己表現と地域貢献ができる、そんなシェアタウン構想である。🍛🥢💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:若年層のタイパ視聴、目と耳が暇なのはいや」から 

2023.7.26  日経産業新聞の記事「トレンド語り:若年層のタイパ視聴、目と耳が暇なのはいや」から

動画や音楽までも倍速再生する彼らの行動

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総合研究所フェロー)が注目するタイパ視聴、タイムパフォーマンス視聴の略で、時間あたりのパフォーマンスを上げ時間を有効に使いたい行動様式である。奥氏はその背景と特に男子大学生などの若年層の生活価値観について考察している。

◯可処分時間の中で大量の情報やコンテンツを効率的に消化する気持ちが背景に

 奥氏は、このように大量の情報を時間内にうまく捌くことや情報取得のニーズがさらに高まっていることが背景にあると考えている。詳細を知るために2022年8月の若者のメディア行動に関するオンライングループインタビューを実施した。参加者には日頃生活の中で大切にしていることを尋ね、それぞれのメディアの利用行動をインタビューした。奥氏は、結果の中からコラムでは男子大学生を取り上げた。

結果から浮かび上がったのは、男子大学生の生活価値観であったという。

つまり、以下のような詳細が見えたという:

  • 人から悪く思われたくない
  • 友人・知人から後れをとりたくない
  • 常に何かをしていないと不安
  • 失敗したくない
  • 日々の生活を楽しんで充実させたい

さらにメディアの利用に関しては:

  • 時間を有効に活用したい/無駄な時間を使いたくない
  • 自分で自分の時間をコントロールしたい

と可処分時間を自らがコントロールすることを望んでいることが確認できた。さらに「目と耳が暇なのは嫌である」ということも興味深い。動画や音楽までも倍速再生する彼らの行動は、生活全般にわたってタイパが基準になっているようだ。🎵🎧📕🍿📱💻📳🍂🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:日本の良さ着目で好パフォーマンス」から

 2023.7.26  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:日本の良さ着目で好パフォーマンス」から

短所ではなく長所を伸ばす戦略で日本の競争力を考える

コラムの著者 近藤正幸氏(開志専門職大学学長特命補佐・教授)は、前回の引き続き統計資料を使って日本の競争力を分析しているが、短所ではなく長所を伸ばす戦略を考えている。

○国際経営開発研究所(IMD)の世界競争力ランキングは経営者の意識調査の影響を受ける

 近藤教授によれば、6月に発表されたIMDのランキングで日本は35位で昨年の34位から順位を下げた。以前1989年から4年連続1位であったのが夢のようだという。

ただ、悲観するのではなく、短所は短所として認め、長所を伸ばす戦略を近藤教授は勧めている。つまり、競争力の算定要素を見て日本の強みを伸ばそうという考えである:

  • インフラストラクチャー:環境関連技術や持続可能な開発ー2位
  • 特許数や国民1人あたりの特許出願数:4位
  • 企業の研究開発費:5位
  • 成績が低くない生徒数:5位
  • 経営の効率性:社会的責任ー2位
  • 銀行セクターの資産:3位
  • 顧客満足度:3位
  • 人材の確保と定着:4位

と多くは上位を占めている。また、2016年にアドビシステムズが調査した創造性の意識調査で日本は最もクリエーティブな国家であり、東京が世界で最もクリエーティブな都市でもあった。ブランドコンサルティングのフューチャーブランドが5年ごとに発表する将来ブランド国家指数の2019年のランキングは日本が1位である。

観光地としての日本の評価も高い。2022年に発表された世界経済フォーラム(WEF)の2021年の旅行・観光開発指数ランキングで日本は1位である。

以上のように意外と好パフォーマンスの項目があり、日本の経営者の意識も明るくなることが重要だという。というのは、世界競争力ランキング算出の3分の1は経営者意識調査に関するものであるからである。🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵