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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:ディスカウントストア、プロ野球と似た体験、提供」から 

2023.6.9   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:ディスカウントストア、プロ野球と似た体験、提供」から

楽しさと落胆が混在する感情の起伏が鍵

物価高でディスカウントストアの存在感が増えているという。コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)によれば、ディスカウントストアは新型コロナウイルス禍における密を避けてのまとめ買いや物価高対策の手段として選択されている。手段としては食品スーパーや総合量販店との差はないはずなのにその違いは、顧客の感情や満足度にあるという。

◯テーマパークやプロ野球観戦と似た顧客経験

ディスカウントストアは大量に仕入れたナショナルブランド(NB)商品を低価格で販売するだけでなく、割安なプライベートブランド(PB)によって品揃えによって自主性を打ち出している。店舗も郊外立地が多く、広大な駐車場でまとめ買いをするには都合よくできている。

小野教授によると、JCSI(日本版顧客満足度指数)調査の「顧客満足度」の過去10年の推移を見てもオーケー、コストコ、トライアル、ドン・キホーテといったディスカウントストア系のチェーンが食品スーパーマーケットや総合量販店を常に上回っている。物価高における節約手段なら食品スーパーマーケットや総合量販店でも機能的には変わらないのにJCSIでは異なっている。どうやら、「近くにあるから便利」、「PBが増えた」「クーポンが使える」「まとめて買える」といった顧客の合理的な評価には支えられているが、それだけでなく、「見ているだけで楽しい」「初めて見る商品」「米国を感じる」「常に同じ売り場にあり安心」といった驚き、楽しさ、ワクワク感、安心といった感情的な評価も反映していると、小野教授は分析している。

広大な店舗を歩きまわる「宝探し」の感覚を味わうこともディスカウントストアの大事な顧客価値であると、顧客の感情経験を定量的に調査した感動指数(JCSI調査2022年度)で、倉庫のような大きな店舗で日本では見かけない商品なども扱うコストコが調査対象の小売業のうち飛び抜けていることからも裏付けられているという。一方で、接客を始め、顧客が不満を感じることも多いため、楽しさと落胆が混在することも多い。テーマパークやプロ野球観戦と似た顧客経験がそこにはあるのだろう。🧺🏬🛒🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:セコムの安心アプリ、アクティブ層にも寄り添い」から 

2023.4.14  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:セコムの安心アプリ、アクティブ層にも寄り添い」から

従来の見守りサービスとは違った積極的な層にも呼応

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が紹介しているのはホームセキュリティーサービスの利用者向けにセコムが4月から始めたアプリ「YORiSOS(よりそす)」で、Apple WatchやiPhoneの動きを感知して危険や体調不良時に緊急対処員が駆けつけるという。高岡教授はそのマーケティングについて考察している。

◯約2年の開発期間

 「YORiSOS(よりそす)」は日本で初めてApple Watchの転倒検出機能と連携し、激しい転倒を検出した際に起動する点も特徴だと高岡教授は指摘している。さらに緊急通報以外に、歩数や睡眠時間の確認ができる「健康管理」の機能も併せ持っているという。

2021年5月から企画に着手し、約2年で今回の提供開始へと至った。この間、同社が東京都杉並区に開設している高齢者マーケティング拠点「セコム暮らしのパートナー久我山」の協力を得て、使い勝手などの改善を進めアプリを磨いた。

同社の家庭向け事業でホームセキュリティーと見守りは2つの大きな柱であるが、内容は時代によって異なってきた。今後一段と少子高齢化が進むと予想されるが、従来の見守りを必要とする層と、見守りまでは必要としないが、自分で積極的に外出はするが、サポートはして欲しいというアクティブシニア層だという。「挑むに、寄り添う」というプロモーションメッセージが、「YORiSOS(よりそす)」のコンセプトで、米アップルを口説いた熱意が素晴らしいと高岡教授は述べている。⌚🛡️👧👦📗🔉🚚☕️🍮🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:接続性向上が開く新世界」から

2023.5.18  日経産業新聞の記事「WAVE:接続性向上が開く新世界」から

インターネットが技術や情報へのアクセスを大衆化させたように接続性向上が体験へのアクセスを大衆化する

コラムの著者  鹿島 毅氏(エリクソン・ジャパンCTO)は、バルセロナで2月〜3月に開催されたモバイルワールドコングレス(MWC)に出展社として参加して実感したことが、コネクティビリティー(接続性)の向上がこれまでに無い新しい体験を生むことを示唆している。

○我々の視野と選択の自由を与える

 鹿島氏によれば、展示会場には拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を使った多くの事例が示され、「ホログラフィック通信」や「ハプティクス通信」による遠隔操作の進化の可能性と社会へのインパクトを感じたという。

ちょうど、インターネットが技術や情報へのアクセスを一般化させ普及し、大衆化した現象が、無限のコネクティビリティーと拡張現実が人々の体験へのアクセスを大衆化させるのではないかと期待しているという。

その最も期待が高いものの1つとして、鹿島氏はスポーツ業界を挙げている。コネクティビリティーの向上でスポーツの視聴者も新しい参加方法を提供することも可能となり、今後大きく進化するという。

まず、コネクティビリティーの向上でデータ処理の多くはネットワーク側で行え、より小型で長時間利用可能なデバイスを通じてデータにアクセスできるようになるという。アスリーツは、これまで見られなかったデータをリアルタイムで分析でき、自分の成長やリハビリテーションを強化することができるだろう。また、一般のスポーツ愛好家もデータをリアルタイムで共有し、仮想的な競技に参加したり、実世界と同じようなコミュニティーやチームワークの感覚が得られるという。

スポーツと同様に物理現実と仮想現実の融合から恩恵を受ける最も有力な分野はゲーム業界だという。ゲームプラットフォームを使った体験の進化として、体験を他人と共有したいという感覚がゲーミフィケーションの需要を生み出すと鹿島氏は予想している。🏈⚽️🎮💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:タイムライン生活者、企業に意識改革を迫る」から

2023.5.19  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:タイムライン生活者、企業に意識改革を迫る」から

成功するにはメディアではなくコミュニケーションの基盤に据える戦略が必要

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、コロナ後オンラインコミュニケーションが普及することで若年層を中心に「タイムライン生活者」という消費者層が生まれ、企業の顧客へのアプローチやコミュニケーションの取り方に変化が出てきていると述べている。

◯課題はタイムライン生活者でない役職者の理解と意思決定

 西川教授によれば、タイムライン生活者とはスマホを手にすると、まずSNSなどのタイムラインを開き新しい情報にそこで出会うという消費者層であるという。博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所の「生活者のデジタル情報意識調査」(2022年10月)によれば、社会全体では約2割、10〜20代の女性では約6割、男性でも3割が「タイムライン生活者」であるという。

タイルラインが情報源で行動の契機となる。スポーツや映画などのイベントへの関心も、タイムラインで感想をいくつか見ることだという。そのため、企業からの商品・サービスの事前告知よりもオン・ゴーイングの情報が有効であるという。つまり、タイムラインで何度も話題になることが重要で、企業側もSNSを単なるメディアの1つと位置付けるだけでなくコミュニケーションの基盤に据えるといったより重点的な戦略が必要となろう。企業もSNSのコミュニティーに混じり共に住む着くことが求められる。

上記の調査をした同研究所の上席研究員である森永真弓氏らによると、企業に求められるものは以下の3つだという:

  • ポータブル性:消費者がタイムラインで情報を共有しやすくする。例えば商品紹介でもスマホでのスクリーンショット1回で商品名、写真、説明が綺麗に収まっている必要がある。
  • 委ねる勇気:企業が消費者がタイムラインで情報共有(シェア)できる状態を許し、さらに二次創作を許すかどうかも重要である。
  • おもてなし継続性:SNSでフォローしてもらった関係の維持である。キャンペーンが終わったら1回で終わるような一過性ではなく、SNSのアカウントを維持して維持して、消費者との連携を保つことだという。

これは、消費者とのかなり「濃い」関係を必要とし、タイムラインで企業の情報の掲載を許す関係を維持しなければならない。課題はイベント企画を行う側が非「タイムライン生活者」である役職者の理解と意思決定が必要で、理解されないと大きな機会損失を招くことなるという。🍻🍺🥤💡♬📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:企業戦略とゴルフ」から

2023.3.29  日経産業新聞の記事「SmartTimes:企業戦略とゴルフ」から

改革案のインフレを起こさないためにシンプルな構造に立ち戻ることも重要

コロナ禍でもアウトドアや野外スポーツを楽しむ人が多い中、コラムの著者  野口 功一氏(PwCコンサルティング パートナー 専務執行役)は、ゴルフに注目し、上達に企業戦略にも似たところがあるという。

○責任者と権限も再考

 野口氏は、ゴルフ好きで季節や自然の移り変わりを感じることやコロナ禍でも楽しめたという。また、ゴルフはスィングなどの技術的な基本もあるが、戦略的に良いスコアで上がるにはどうすべきかということも重要だという。この戦略を立てるところがビジネスの戦略にもにていると野口氏は述べている。

企業の戦略を立てるにはいろんな方法があるが、あれこれやりたいことばかりを進めると、誰にも響かないものを作ってしまう。一所懸命であるのは理解できるが、結果的に改革案のインフレーションを起こし、実現性のないものを作ってしまう。

ゴルフを考えると、今日はどれくらい上るか目標を設定する。そしてその目標に対してホールごとのスコアを想定して細分化する。企業戦略も同様で、大きな目標を立て、複数の事業があるなら細分化してそれぞれの目標を立てる。つぎにそれらの攻め方を考える。まさにシンプルな考え方で、他の複雑な経営理論とは一線を画するもので、シンプルな構造ゆえに権限委譲も細分化した単位でできるので目標までのアプローチも見えやすい。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵