映画

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:ディズニー、新たなシンデレラ」から

2015.3.13    日経産業新聞の記事「流行を読む:ディズニー、新たなシンデレラ」から

物事を明るく捉える前向きさ、今風

コラムの著者 川崎 由香利氏(ジャーナリスト)は、昨年「ありのまま」ブームを巻き起こしたディズニーの実写版「シンデレラ」の女性の潜在願望について触れている。

○脚本を大きく時流に寄せるディズニー

昨年の大ヒット「アナと雪の女王」では、定番だった理想の恋人役も、悪役としての魔女も登場せず、関係が断絶してしまった姉妹、育ての親と娘のキスや抱擁が、「王子様のキス」の変わった呪いの解くキーとなった。川崎氏によれば、素の自分を否定せずに愛したい、女性の旬な課題をうまく脚本に取り込んだという。

今回の新シンデレラは義母と義姉の両者が古典的な悪役で登場。ただ、設定は、65年前にアニメ版が公開された時と大きく変わっている。ブログで情報を交換しながらレシピを開発したり、ハンドメードの洋服を自慢したりする流行をみれば、意地悪な家事の押し付けも苦行ではなく、暮らしをを豊かにする「リア充」アイテムと観れるという。

新シンデレラは、今風の明るさがある。物事を明るく捉える前向きさと軽やかさも時流の女性像にあっているという。脚本にはさりげなく、シンデレラの反逆が盛り込まれ、天使のように家族に使えてきたシンデレラが、ある言葉で、キッパリと義母を切り捨てるという。自己犠牲から脱却する「一言」の勇気が、魔法をとく新しいキーとなるようだ。boutiquehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:店内プロモーション進化、立体映像、可能性開く」から 

2015.2.19  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:店内プロモーション進化、立体映像、可能性開く」から

ネット販売対抗に

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、大日本印刷が発売した店頭用プロジェクションマッピングを通じてアパレルの流通業界のマーケティング戦略について触れる。

○大型商業施設向けから改造

同社の商品は、マネキンに洋服などの立体映像を投影するタイプと、壁に映すタイプの2種類を準備。機器レンタル、設置費、映像制作費を含んで170万円からで、年商3億円を目指すという。

これまでのプロジェクションマッピングは新しい表現手法であるものの、大型施設のイベントが中心で、投影角度も水平、一定の距離を必要とした。これを同社は改良し、短い距離から投影できる単焦点プロジェクターを使い、狭い屋内でも利用できるようにした。

ターゲットはズバリ、アパレル関連企業である。これまでコーディネート提案の意味合いでマネキンを利用してきたが、デザインの再現や素材の質感の表現は劣るものの、2分間に約20種類のコーディネートを映し出すことができるという。販促や集客支援が期待でき、新しいデジタルサイネージ(電子看板)として展開するという。

立体面に投影することは平面モニターに比べ店頭プロモーションに新しい可能性を生み出す可能性があると高岡教授は示唆する。最終的には何を目的にどのようなコンテンツをアパレル企業と一緒に生み出すかがこの事業の成否であろう。ネット販売に押され気味の店頭販売に弾みをつけるためにも消費者とどのようなコミュニケーションができるかがキーとなると高岡教授は語っている。denimhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:韓国ヒット映画、懐古の情映す」から

2015. 1.26   日経産業新聞の記事「眼光紙背:韓国ヒット映画、懐古の情映す」から

やや早すぎないか韓国のノスタルジー

コラムの著者は、昨年12月17日に公開された韓国映画「国際市場」が公開から1ヶ月で1千万人の大ヒットになった背景について触れている。

○邦画「三丁目の夕日」に通じるノスタルジー

映画のあらすじはネタばれになるのでここでは書かない。コラムの著者はその映画に現代韓国の意識があるという。観客の心をうったのは、作品のストリーもあるが、日本でもヒットした「三丁目の夕日」に共通する懐古の情であるという。日本ではオリピック前夜の高度経済成長の映画で「あの頃はよかった」があるのかもしれない。

問題は、稽古フェーズが日本の時間尺度以上に早いことにある。成長に目を見張った韓国企業が踊り場をお迎え、希望退職を募る状況だ。このサイクルの短さ、国内外に影響を与えそうだ。tvhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:人間関係のIT化、深い心の交流あるか」から

2014.7.1   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:人間関係のIT化、深い心の交流あるか」から

ICTを用いた疑似環境に深い心の通い合いはあるのか

コラムの著者 新田 義孝氏(四日市大学)は、SF映画にも出てきそうなアバター(仮想代理人)をネットワーク上で使うことで、やがて利用者の特性を会話の中に取り込みブラシュアップして、人間関係を続けられ、新たな心の病を発症するのではないかと危惧している。

○SNSと実際の対話の比較

確かに、FacebookやLINEのようなにたった数行の文字だけで人間関係を続けていると、人と人とのコミュニケーションが取れなくなるとの批判がある。それでは、日常生活で、友人たちと談笑している場面で、深い情報交換をしているだろうか。

語り合う時間も長いし、相手の言ったことに対して反論したり、同感の表情を示したり、文字情報以上に複雑であろう。だが、そこに伝えあっている情報の量や深さといった点では、批判するほどの違いが本当にあるのか疑問だという。

アバターで単純な会話から徐々にメッセージのやり取りで人間の特性をおぼえこませることは、今のICT技術でも可能だという。また、音声認識や音声合成などの技術も進み、あたかもネットの向こうに別人格があるとのことも可能だろう。さらに、時間制で、「家族ごっこ」や「恋人ごっこ」を提供するビジネスもあるという。これがICTと組み合わせれば、疑似家庭や疑似恋人もサービスとして成り立つだろう。

もしこのような疑似環境が当たり前となったら、深い心の通い合いをどこかに確保しておかないと、知らない間に「新しい心の病」を生むかもしれないと、新田氏は指摘する。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:広告の感動広がるSNS」から

2014.6.24  日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:広告の感動広がるSNS」から

ファンを巻き込む仕組みでPR

コラムの著者 広田 周作氏(電通コミュニケーション・プランナー)が語るのは、国際的に有名な広告・コミュニケーション分野の祭典『カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル』での優れた作品の傾向だ。

○南米勢は優秀

様々な国からの参加があり、会場をにぎわしていたが、広田氏が注目したのは、ブラジルやアルゼンチンといった南米の広告・コミュニケーションが、非常に斬新でユニークなものが多かったという。世界の中でもここに今勢いがあるのは疑いがないという。その背景に急激な経済成長と山積ずる社会問題が広告表現を鍛えているという。

日本も優秀で、多くのグランプリや賞を受けたことである。中でも、もっとも斬新な広告作品を評価する『チタニウム部門』でグランプリを受賞した、F1レーサーの故アイルトン・セナ氏の走りを1989年のレース時の走行データを基に、音と光でサーキットを再現したプロジェクトのドキュメンタリーであった。

動画公開と同時に世界中の支持を集め、ソーシャルメディアで広く話題を拡散していった点が評価されたという。広告自体の品質評価とともに、いかにファンを巻き込み、話題を広げていくかが、広告・コミュニケーションの使命になってきている。happy01