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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:規格の変更と主役争い、EVへの対応が焦点に」から

2021.12.17  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:規格の変更と主役争い、EVへの対応が焦点に」から

遅れをとったトヨタの逆転なるか

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、ガソリン車で雄であるトヨタが必ずしもEVではそうでない危険性をもっていることを示唆している。

◯VHSのビクターとベータのソニーの事例

 三浦教授は、地球温暖化対策として脱炭素への動きは自動車のガソリン車からEVなどへの移行が必須であるという。この移行は規格が変わることを意味しており、これまでのトップシェアの企業がそのまま移行しても地位が変わらないとは言い難いという。

規格が変わることは、主役が変わることも多い。例えばビデオデッキの規格VHSを握っていた日本ビクターは、規格が8ミリに移行する中で、ソニーに再び逆転されたケースがある。従来、規格のトップはそれで儲けているので、新規格への対応が遅れることが多いからだ。

イノベーション研究では、まずプロダクト・イノベーションの競争が起こる。その結果、ドミナント・デザインが確定する。その後に規格内でにプロセス・イノベーションが続き、商品の小型軽量、安価が進むとされる。

トヨタ自動車は、ガソリン車というドミナント・デザインの下、PDCAでプロセス・イノベーションを繰り返して起こし。世界の市場を席巻した。だが、ガソリン車でエンジンに強みがあるトヨタはこだわりの余り、EVという新規格への対応が遅れてしまったという。

欧州ではガソリン車の新車販売を禁止し、中国も環境規制を強化している。世界の2020年でのEV販売の上位は米欧中の企業で占められてしまった。さらに、日本は米欧中とは異なり国策としての政府の援助も大きくない。この出遅れが国内の自動車業界だけでなく、日本経済の浮沈にも影響するだろう。👚🚗📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵🇺🇸🇨🇳🇩🇪


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:仏『原発回帰』宣言の裏事情」から

2021.11.30  日経産業新聞の記事「眼光紙背:仏『原発回帰』宣言の裏事情」から

日本の福島原発事故も影響

 コラムの著者は、フランスのマクロン大統領が11月9日にテレビ演説で原子力発電に回帰することを宣言した背景について語っている。

○一度途絶えた技術は回復しない

 コラムの著者によると、マクロン仏大統領が支持率低下に悩んでいることから2022年4月の大統領選を前にエネルギー価格高騰に不満を抱える国民の懐柔を図ろうというのが背景だという。

フランス国内の原子力発電のリプレース(置き換え)計画が促進されるとは実は思えないという。その要因は技術の断絶。今後新設する原発はフランスアレバ(現フラマトム)が開発した欧州加圧水型原子炉(EPR)となる計画であるが、国内やフィンランドで10年以上前に着工したにも関わらず未完成の状態だという。部資材の欠陥や工事の不備などで未完成なのである。EPRは安全性を高めるあまり構造が複雑で施工が難しい。しかも、原子炉関連の技術も途絶えてしまっている。

福島原発の事故でアレバは経営が破綻し、それを引き継いだ国営のフランス電力公社は財務状況が良くない。また経営陣も弱体化している。人・技術・資金が枯渇した状況でエネルギー政策は絵に描いた餅でおわろうとしている。日本の状況も他人事とは言えない。⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵🇫🇷


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:優れたマニュアル、情報スキルをフル活用」から 

2021.12.15 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:優れたマニュアル、情報スキルをフル活用」から

マニュアルはSDGsの「つくる責任、つかう責任」のツール

 コラムの著者 高橋慈子氏(テクニカルライター)は今年の「ジャパンマニュアルアワード」(一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会主催)が10月に発表された内容について語っている。

○利用場所や状況に配慮して図解や文をわかりやすいものとなっている

 高橋氏が紹介しているのは、

  • マニュアル・オブ・ザ・イヤー:バッファロー社のWiFi中継器の取扱説明書「はじめにお読みくだ浅い」「セットアップガイド」:紙の表裏で図解を使って概要をわかりやすく伝え、本器をどっこに設置しセットアップするのかも図解でわかりやすい。
  • 同賞のノミネート:HIOKIぼACリーククランプメーター:機器の大きさに合わせて説明を紙面に合わせてわかりやすくレイアウトした。
  • 同賞のノミネート:パナソニックライフソリューションズクリエイツ:室内窓MDNシリーズ施工説明書:工事の図面を中心に配置し必要な工具が一目でわかるようにくふうした。

といったマニュアルの優れたものである。いずれも製品の使う場所や状況を配慮し、必要な情報に絞り込んで図解や文を用いて説明している。書類のみならずウェブでも成因のライフサイクルに応じた利用者にとって必要な情報を提供している。今やSDGsの「つくる責任、つかう責任」のツールとして製品と利用者のコミニュケーションを図るために説明書が必須となっている。🛠🍖🍽👜🏯📗🖥👧👦🛌👧🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:ウェルビーイングの視点」から

2021.12.8   日経産業新聞の記事「SmartTimes:ウェルビーイングの視点」から

GDPでも労働生産性でもなくウェルビーイングが基軸

 コラムの著者 栄藤 稔氏(大阪大学教授)によれば、事業創生を主題とする会議などのよく参加するが、これまでのGDPや労働生産性といった評価軸でなく、ウェルビーイングで考えることで国際的な連携が生まれているという。

○ 関や燕三条での技術がドイツのトップの刃物メーカーと連携

 栄藤教授によれば、経済性や成長性でみると富は確かに東京など一握りの大都市に集中しているが、ウェルビーイング(真の幸福感)でみると地域の特徴を活かした連携が国際的に行われているという。ドイツのゾーリンゲンのトップ企業は日本の関や燕三条と連携して伝統的な和包丁の技術を共同で研究しているという。同様に北海道函館で自然派志向のワイナリーがフランスから定住した職人たちで新しいコラボレーションの成果が生まれつつあるという。グローバル競争と地域間協力が国際的進み、適材適所での価値が生まれている。

そして重要なことは、これらを率いるリーダーシップだという💡🍷🕯📖💼💴🩺👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇩🇪🇫🇷


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:サンクコストの罠」から

2021.12.9  日経産業新聞の記事「眼光紙背:サンクコストの罠」から

将来の意思決定にはサンクコストは考えないが…

 コラムの著者は、分野を横断して気になった共通の流れが「日本脱出」だという。

○日本では旧満州国の拘泥、英仏では超音速旅客機コンコルドの誤謬

 コラムの著者によると、サンクコストとは、埋没費用で既に支払い済みで、今更取り返すことができない費用という。将来の決定をするときには、過去の投資損益を考えない、つまりサンクコストは考えずに行うのが肝要である。しかし、人間はそこまで賢くなく、過去に投じた巨額な投資や費用を惜しんだり、あるいは自分の過去の判断が間違いだったと批判されることを恐れて、無駄とわかっている投資を続けてしまうという。

ビジネスの世界で有名のサンクコストは。英仏政府の後押しで開発された超音速旅客機「コンコルドの誤謬」である。桁外れの燃費の悪さと騒音で商用飛行には不適であった。だが、投下済みの莫大のリソースと国家の威信が撤退を妨げ、損失を膨らませた。

国家レベルでもサンクコストの罠がある。日本が無謀な戦争に突入したのは旧満州国を軸とした大陸権益の拘泥であったという。10万人の英霊と20億円の国家財産が日露戦争のサンクコストで、国の威信で政府や軍部の合理的判断を妨げた。期待した油田が旧満州国には見つからず、戦線は広がった。

企業レベルでも同じサンクコストの罠に囚われていないだろうか。💵💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵🇫🇷🇬🇧