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2017.4.21  日経産業新聞の記事「TechnoOnline: 物事の秩序、規制がないと暴走しがち」から

秩序の根源であるエントロピーは増大するもの

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、人間社会だけでなく森羅万象の本来の性質は、物事が乱雑に向かうもので、これを抑えるには規制のよって状態数を減らすことにあるという。

◯エントロピー増大に逆らうにはそれなりの理由がある

曖昧さの少ない状態を低いエントロピー状態といい、即物的な表現でいうなら秩序となるという。例えば左右同じという規制からでる秩序構造は対称性と呼ばれる。人間は物事がきれいになりやさしくなるから、本能的に秩序や対称性を好むという。

もともと物事が乱雑に向かう傾向は、人間社会だけでなく森羅万象、自然の法則としてエントロピーが大きくなる方向に向かう。また、物事は規制がなければあらゆる状態をとろうとする。無秩序になればばるほど、放置すると、いろいろな状態をとろうと広がっていくのが、このエントロピー増大の原理であるという。

なんらかの規制を加え、状態の可能性を大幅にへらすと、状態数はへる。対称性である変換いたいしては不変であるという。並進対称性は、空間的に一方向にづらしても並進操作にたいしてかわらないものである。線路の枕木や結晶の格子構造がこれにあたる。つまり、秩序の根源である規制を対称性に求めると、自由な状態数はいきなり小さくなる。

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