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2016.6.28  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:19世紀日本の科学技術、教育制度、欧米が絶賛」から

日本の大躍進、ペリーが予言

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、米国のペリー提督が著した「日本遠征記」で述べた日本人の探究心と優秀な技能を紹介し、パリーが日本の将来のついて予言していた事実から、当時のエンジニアリング教育の制度の優秀さに触れている。

◯東洋の端にあって、かるかに遅れた近代化に乗り出した日本を最先進国の英国がモデルにしていた

和田教授によると、ペリー提督の著書で以下のような内容があるという;

  • 日本人は探究心と技能に優れた、世界でもまれな人たちだ。必ずや世界に雄飛するだろう
  • 日本人は非常に巧緻な技術を持ち、彼らの技術の完全さは素晴らしい。日本人は最も成功している工業国民にいつまでも劣っていないだろう
  • 彼らは間もなく、最も恵まれた国々の水準にまで達するだろう。日本人が一度文明世界の技能を持ったならば、強力な競争者として、将来の機械工業の成功を目指す競争に加わるだろう

1世紀先をぴたりと予言んしたペリーの鋭い洞察力も素晴らしい。さらに、ペリーを感心させた日本人も只者ではない。

多くの科学雑誌の中で権威のある英国のネイチャー誌が1877年に、当時の英国と欧州のエンジニアリング教育について示唆を与えているという。それは、ペリー提督が予言した日本で生まれた工部大学校(東京大学工学部の前身)とエンジニアリング教育について対比している点である。

  • エンジニアリング教育は国家の重大事であるにも関わらず、英国は組織的エンジニアリング教育で遅れている。若者に対しては手作業の訓練ばかりで、理論的な教育がない。
  • 一方、欧州大陸では正反対に、理論ばかり教えて実習させていない。エンジニアリングには、サイエンスと実体験の両方がひつようなのだ
  • エンジニアリング教育において英国と欧州諸国が、このようにはるかに遅れてしまっている間に、日本政府は東京帝国大学において、高度の科学的訓練と工学実習を組み合わせた、偉大なエンジニアリング教育制度を完成させた

と紹介している。

まさに当時新興国であった日本を最先進国の英国がモデルにした。歴史が証言するこの「智と技のDNA」とそのバランス感覚を、今の日本人も学べるのではないか。pchappy01

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