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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ユニクロのセミオーダー、品質重視、広い層つかむ」から 

2016.1.21   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ユニクロのセミオーダー、品質重視、広い層つかむ」から

商品や在庫の管理に自信

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、1月12日に発表したユニクロの紳士物のセミオーダージャケットについて低価格ブランドとのカニバリズム(共食い)の回避について語っている。

○自社ブランド「GU」との競合回避

このジャケットがオーダーにはないにせよ安いわけではない。税別1万4900円でフルオーダーではないが、サイズや色合い、素材といった点での工夫が必要だ。同社があえてこの値段で市場に出すには、低価格路線の同社ブランドとのカニバリズムを避けるためで、商品単価を上げる手段でもある。

商品は、同社が昨年夏、セミオーダー感覚で選べるシャツ(税別2980円)で市場の感覚を得ていた。想定では30から40歳台と思ったが実際は10から60歳台まで幅広い客層に好評だったという。そこで、メインはビジネスマンとしたが¥、幅広い年代にカジュアル利用も見込んだのが今度のジャケットである。

ジャケットは価格が高いが在庫リスクを伴うが、フルオーダーよりはリーズナブルであるとの価格帯で、ネットでフィット、カラー、身幅、着丈、袖丈の異なる2112通りから選択でき、注文後最短7日で指定場所に届く。幾つかはパターンで消化し、最後は受注後、1センチ単位で職人が調整して出荷する。まさに、在庫管理として提供のある同社のやり方である。

圧倒的な品質差で消費者の知覚品質を一気に引き上げ、狙い通り商品単価を上げるのが同社の戦略だ。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:アナログレコードの音質、ノイズ、場の雰囲気伝える」から

2016.1.19   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:アナログレコードの音質、ノイズ、場の雰囲気伝える」から

環境ノイズと聴覚特性の賜物?

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、アナログレコードの持つ人気の要因について触れている。

◯CDがノイズなしであるがゆえに

 山﨑教授がアナログレコードとデジタルCDを比較して、アナログロコードの人気について考察している。まず、その人気は、暖かい音質と演奏の場の雰囲気が伝われ雨というものに由来するという。山﨑教授は、前者は主観的なものであるとして議論はおき、後者について考えている。

 アナログレコードのノイズは、静電気によるゴミの付着などで針を下ろした瞬間からパチパチというノイズが入る。CDにはこれがなく、静かだ。

またよく言われるサンプリング周波数によってカットされるCDの音質とアナログレコードの差異があるが、アナログレコードのプレーヤがCDの再生機以上というのはまれで、それほど良いレコードのプレーヤは通常使われない。よってこの音質の差は論外となる。

一方、演奏の場の雰囲気はどうか。どうも演奏が始まる際にでるノイズがかえって、人間の聴覚特性を「集中」させるように働くことで、ノイズを意識しないように聴いているのではないかというものだ。物理的な音質の差ではなく、ノイズと人間の知覚特性の差ではないかと、山﨑教授は推察している。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:支援ソフトで翻訳効率化」から

2016.1.19  日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:支援ソフトで翻訳効率化」から

情報の作成から品質の良い魅力ある文書の発信まで統合的に

コラムの筆者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)が語るには、最近市場のグローバル化に即して、物作りの変化が機器やサービスのマニュアルや関連する技術文書の英文化が必須になってきているという。

○ページ数の多い産業機械や建設機械、自動車分野では翻訳支援ソフトが有用

こういった分野はグローバル化が進み、さらに内容が多いことから翻訳効率化が課題という。翻訳支援ソフトのその一環で、TRADOSやTransitといった翻訳支援ソフトは、「翻訳メモリ」と呼ぶ訳文のデータベースをを使って一致した文章を活用しながら、機械語翻訳と併用して便利だという。最近はあいまい検索のオプションも強化し、よりスピーディーに作業が進められるという。

一方、翻訳の品質も、製品ブランドの価値を高めるために、マニュアルやウェブ、カタログなどを統一した表現、用語を使うことが重要になってきている。どのような表現を使うべきかを管理するツールやオプション機能も開発されているという。DITAは情報を部品化してマニュアルやウェブコンテンツを作成する仕組みとも翻訳支援ソフトは連携できるようになってきている。

用語集やルール集を整備して統一管理する企業はまだ少ない。今後は翻訳支援ソフトや管理ソフト、システムを活用して、情報の作成から品質の良い魅力ある文書の発信まで統一的に取り上げることが重要になるようだ。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ハリウッド、中国は敵じゃない」から

2016. 1.19   日経産業新聞の記事「眼光紙背:ハリウッド、中国は敵じゃない」から

映画の筋もカネ次第?

コラムの著者は、映画は時代を映す鏡の1つとして米ハリウッド映画での中国の描き方に注目している。

○娯楽作品で大衆の求める悪役は特徴的

かつての「007」シリーズでは、悪役は米ソ冷戦時代を背景に『ロシアより愛をこめて』が示すようにソ連を憎むべき敵として描いた。それ以降、メディア王、麻薬王、石油王の娘、北朝鮮の将軍の息子などを敵役に取り上げてきた。

今の経済状況や地勢的なリスクを考えると、米国の視点によるハリウッド映画で中国は、最大の経済的脅威であり、軍事的な緊張もあるにも関わらず、せいぜい脇役どまりの敵役としか描かれていない。

ハリウッドが中国に好意的なのは配給先として中国の市場の大きさに加え、中国から巨大な資金が流入しているからだという。映画「ミッション・インポッシブル」シリーズの最新作には中国のネット企業アリババが出資している。このままいけば中国礼賛のハリウッド映画も現れるかもしれない。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:高浜原発『仮免許の再稼動』」から

2016. 1.14   日経産業新聞の記事「眼光紙背:高浜原発『仮免許の再稼動』」から

福島原発事故の教訓が生かされていない

コラムの著者は、関西電力高浜原子力発電所が今月にも再稼動する際に、原子力規制委員会の新基準がキーになっていると語っている。

○対策完了まで猶予期間を設定

テロ対策などは福島原発事故の教訓を踏まえた新基準の柱になっている。今回福井地裁は、再稼動を判断する原子力規制委員会の新基準が「合理性がある」と評価し、「テロなどの対策も実施している」とした。ただ、高浜原発は、新基準に対する対策を全て行っているわけではなく、規制委員会が再稼動するかどうかに関わらず、対策完了に猶予期間を設けている。つまり、「仮免許の再稼動」と言われる所以である。

さらに規制委員会は今月、これまで2018年7月までの猶予期間としていたのを先送りし、これを受けて2018年としていた高浜原発の対策完了まで2020年となった。どう見ても事故対策を先送りした感は否めない。pchappy01