【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ユニクロのセミオーダー、品質重視、広い層つかむ」から
2016/01/26
2016.1.21 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ユニクロのセミオーダー、品質重視、広い層つかむ」から
商品や在庫の管理に自信
コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、1月12日に発表したユニクロの紳士物のセミオーダージャケットについて低価格ブランドとのカニバリズム(共食い)の回避について語っている。
○自社ブランド「GU」との競合回避
このジャケットがオーダーにはないにせよ安いわけではない。税別1万4900円でフルオーダーではないが、サイズや色合い、素材といった点での工夫が必要だ。同社があえてこの値段で市場に出すには、低価格路線の同社ブランドとのカニバリズムを避けるためで、商品単価を上げる手段でもある。
商品は、同社が昨年夏、セミオーダー感覚で選べるシャツ(税別2980円)で市場の感覚を得ていた。想定では30から40歳台と思ったが実際は10から60歳台まで幅広い客層に好評だったという。そこで、メインはビジネスマンとしたが¥、幅広い年代にカジュアル利用も見込んだのが今度のジャケットである。
ジャケットは価格が高いが在庫リスクを伴うが、フルオーダーよりはリーズナブルであるとの価格帯で、ネットでフィット、カラー、身幅、着丈、袖丈の異なる2112通りから選択でき、注文後最短7日で指定場所に届く。幾つかはパターンで消化し、最後は受注後、1センチ単位で職人が調整して出荷する。まさに、在庫管理として提供のある同社のやり方である。
圧倒的な品質差で消費者の知覚品質を一気に引き上げ、狙い通り商品単価を上げるのが同社の戦略だ。