【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:新技術の有用性、『おもちゃ』に先見性を」から
2014/06/11
2014.6.6 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:新技術の有用性、『おもちゃ』に先見性を」から
おもちゃ論議はイノベーションと裏腹
コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、新技術の機能を揶揄する言い回しとして「おもちゃ」という否定的な言い方だけでなく肯定的なイノベーションの要素もあることを示している。
○グラハム・ベルの逸話
志村氏が紹介するおもちゃ論議は興味深い。たとえば、電話の発明者グラハム・ベルが公開通話実験を行ったとき、成功した彼の前で、義父になる弁護士が、
- 『そんなものは、ただのおもちゃだ』
と、一笑したという。ただ、その後義父は、ベル電話会社の設立に出資し、電話全盛時代を切り開いたという。
また、掃除ロボット『ルンバ』も開発当初、日本の多くのメーカーは口をそろえて、『これはおもちゃだ』と揶揄し相手にしなかったという。しかし、その判断は見事に裏切られ、累積販売台数1千万台に伸ばしてわだいとなっているという。
おもちゃ論議には、技術の真贋性で否定的にとらえられる反面、おもちゃが発想の原点となってイノベーションにつながった例もあると、志村氏は指摘する。模型飛行機から本物の飛行機を発明したライト兄弟。
たかがおもちゃ、されどおもちゃである。肯定・否定の意見を複眼思考でとらえると、イノベーションにつながることも否定できない。