【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:レイシズム、全体像を理解して」から

2024.7.30  日本経済新聞の記事「私見卓見:レイシズム、全体像を理解して」から

日本の国際標準からを憂う以上に大きな危険性もある歴史観

コラムの著者 村田 勝幸氏(北海道大学大学院教授、アメリカ史)によると、人気ロックバンド"Mrs. GREEN APPLE"の新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)を巡る論争が、見た目より厄介な問題を含んでいるという。その問題とは。

○人気ロックバンドの新曲のミュージックビデオが巻き起こした騒動

村田教授によれば、MVはコロンブスの衣装を着たアーティストが、押しかけた館で開いたパーティーで類人猿を啓蒙し、導くといった内容で、確かに入植者植民地主義やレイシズム(人種差別)を思い起こさせてしまうという。

今はコロンブスに対する歴史観は、アメリカ大陸の発見者ではなく、先住民支配の先駆者、つまり支配者第1号と捉える見方が定着している。そこに見る見方を政治的妥当性という観点で見た結果である。今回のMVの騒動は、人種的正義に関する認識で、日本が国際標準に比べて遅れていることを露呈してしまったことによる。

一方、当事国である米国ではそんな単純な結果ではない。近年米国での自国史において白人によるレイシズムが果たしてきた一連の影響や役割を学校で教えることを禁じる動きがあるという。その際に、批判の中心的な標的となっているのが、「批判的人種理論(CRT)」である。CRTでは、米国の歴史や社会構造の基盤にレイシズムがあると解く。これに対して、トランプ前大統領らは白人に罪悪感をもたらす分断的な主張だと、激しく批判を展開してきた。

興味深いことに、政治的妥当性に関する理解が米国では一定程度共有されている一方で、米国の歴史でレイシズムを教えることを禁じるという、一見矛盾したいるが、政治的妥当性の裏にレイシズムがあるというCRTととらえるなら、2つの対照的な動きは原因と結果として捉えることもできる。当該のMVを読者はどうと捉えるか。🎵🎶🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:認証不正、制度設計は柔軟に」から

2024.7.29  日本経済新聞の記事「私見卓見:認証不正、制度設計は柔軟に」から

ルールの前提となる状況や条件は刻一刻と変化し予測不能

コラムの著者 吉野 直人氏(西南学院大学商学部教授)が提唱するのは、国が安全基準を決めて具体的な試験方法や条件はメーカーに一任することで、現状の課題解決を図れるのではないかという。自動車メーカーの型式指定を巡る認証不正問題で明るみに出た国の規定とは異なる試験方法や手順が取られていた。その原因とは。

○医薬業界で行われている市販後調査も必要

吉野教授によれば、今回の不正はメーカーの順法精神の低さと不正を指摘できない職場風土を批判する一方で、元来の国の規制のあり方やルール自体の問題を指摘する声もあるという。

自動車メーカーが例え国の基準よりも厳しい方法で実施しても、ルールに則らないことには違いなく「不正」となる。確かに虚偽記載やデータの改竄のケースは問題外であるが、規制する側に課題はないのであろうか。

組織においてルールと現場の手順に乖離があることはしばしばであるという。これは、ルールの前提となる状況や条件がダイナミックに変化していることにも影響を受けている。事前にこのダイナミックスを予測することは難しい。そうなると現場ではルールから切り離されて、安全性が求められる現場ではリスクの温床となっていく。

このリスクを抑えるため、認証制度にも当局への申請を通じて試験方法の見直しの道がある。ただし、多くの車種や技術の多様化で、モデルチェンジや設計変更が頻繁に行われる中で試験方法の変更に対するコストは大きくなり、実質的には見直しされない状態となる。さらに現場でいくら工夫しても国の規定に反するのであれば検査不正として問題視されてしまう。

つまり規制と裁量のバランスが中途半端な状況が続いていることが不正の要因にもなっている。他業界である医薬品業界の安全基準のように、国は基準だけを決めて、試験方法や条件はメーカーに一任するといった設計の方が柔軟であるのではないかと、吉野教授は提案している。その際も、市販後調査のようなフィードバックでルールの見直しを考えられることも重要であろう。🚗🚕🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「個人情報、保護強化に逆風:課徴金・団体訴訟導入に企業反発、法改正、公開で議論へ」から

2024.7.15  日本経済新聞の記事「個人情報、保護強化に逆風:課徴金・団体訴訟導入に企業反発、法改正、公開で議論へ」から

当局は個人情報保護と企業活動のバランスをにらんだ舵取りを迫られる

記事の著者 瀬川 奈都子氏(日本経済新聞社編集委員)によると、ICTの進展に機動的に対応するため3年ごとに個人情報保護委員会が検討し改正されるが、改正の目玉とされる課徴金や団体訴訟制度の検討案に経済界が「データ活用が萎縮する」と強く反発している。

○EUの一般データ保護規則(GDPR)の影響が大きい

記事によれば、6月27日に個人情報保護委員会は法改正の検討に向けた「中間整理」を公表したという。目を引いたのは課徴金と団体訴訟の導入を巡る厳しい表現であったという。これについて経済界が猛反発している。経済団体連合会、新経済連盟、日本IT団体連盟など8つの事業者団体は4月4日付けで、これら2制度に反対し、個人情報漏洩などの報告義務の負担軽減や3年ごとの見直しのプロセスに対して透明性を上げる要望を示している。

自由民主党にもこの反発が波及し、個人情報保護委員会の政策立案と執行の両面を担うことを分離すべきなどの意見も出ているという。世界的には個人情報の利活用よりも保護を重視するEUのGDPRの影響を大きく受けているといいう。

企業側が規制強化を懸念している一方で、消費者団体側は既存の救済システムでは不十分との意見が根強いという。現法では情報漏洩などに対して「事業者側の故意」または「財産的請求と合わせて請求する」ことが要件で、被害の立証が難しいために団体訴訟が事実上難しい。

社会に受け入れられる洗練されたICTサービスやデジタル産業を発展させるためには、事業者側も消費者側も論議を尽くして適切なルールを見出さねばならない。個人情報保護委員会の舵取りは極めて難しい。💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 筆者リフレッシュ休業のため一時休止のお知らせ

いつも、当ブログをご利用いただきありがとうございます。

さて、執筆者のリフレッシュ休業のため、以下の期間、一時ブログの更新を停止致しますので、ご了承ください。

なお、再開は、2024年7月29日(月)を予定しております。

【休止期間】

2024年7月18日(木)~2024年7月28日(日)

以上


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>増えない研究時間、教育との役割分担を」から

2024.7.14  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>増えない研究時間、教育との役割分担を」から

大学の改革が前提で教育専任社の待遇や地位を高める意識改革も必要

コラムの著者 松田 省吾氏(日本経済新聞社サイエンスエディター)によれば、文部科学省が6月に大学の研究者の年間職務時間に占める研究時間の割合などを調査した結果を公表したという。前回2018年度の調査よりも研究時間の割合は32.1%と減っており、厳しい状態が続いているという。

○分離の必要性は以前から指摘されていたが現場でも求められている

松田氏によれば、研究比率が減っているのは教育活動の相対的な増加にあるという。文部科学省も各大学の事情もあるだろうが、研究に力を入れている大学を見てみるとどうであろうか。6月に世界最高水準の研究大学を目指す「国際卓越研究大学」の第1号に選ばれることが固まった東北大学では、研究時間の割合は34.5%だったという。専門職スタッフの増員や、研究支援体制の拡充など将来は50%とする目標を掲げているという。

同大学の学長も、完全に教育業務がないというよりも、どちらかに重点を置くような分担を考えているという。現場では、研究と教育の分離が求められているようにも見える。だが、研究と教育の分離は以前より議論されているが、大学の改革、例えば教育専任人事の評価や待遇、地位の向上などの意識改革がなければ、抜本的な解決にはならないと松田氏は指摘している。💊🎓🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵