ビジネスへの応用

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:サイバー空間とデータの代表性」から

2022.8.10   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:サイバー空間とデータの代表性」から

サイバー空間の唯一かつ本質的な基本制約がデータの代表性の確保

 コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、情報の世界をサイバー空間とリアル空間に分けて、2つの空間の特徴をIoTやセンサー技術と関連して解説している。

◯サイバー空間とリアル空間を結合し対応させるための制約

 山﨑教授によれば、情報を扱う空間はリアル空間とサイバー空間に分けられるという。リアル空間は我々が生活している現実の空間で五感やセンサーを使って情報収集している。時間の流れは過去から未来への一方向で空間と時間は連続的に変化する。

一方、サイバー空間は、コンピューターやインターネットが構築する仮想的世界で、データで構成されている。空間と時間は離散値で扱われ、0と1の2進数で符号化され、物理的には存在しないが情報の世界にのみ存在する。またアルゴリズムに従って情報処理が速やかに行われ実行される。リアル空間の時間の流れの一方向性や因果律の制約などは必ずしも存在しない。時間の流れはサイバー空間では符号の配列であるので逆転もできる。

リアル空間での情報処理よりもサイバー空間で変換して処理する方が圧倒的に正確で速い。したがって、リアル空間でのセンサーで収集されたデータはサイバー空間で高速に処理される。ただ、サイバー空間では人間がデータの意味を理解するのは困難であるので、必要ならデータをリアル空間に再変換してデータの意味を理解することになる。

ここで大きな前提条件がある。サイバー空間のデータがすべて空間的あるいは時間的にサンプリングされた値であることである。サンプリングの正当性すなわち空間的代表性と時間的代表性が保証されていることが前提である。この前提が崩れると、リアルの空間に再変換したときに状態が再現されず情報が失われるから致命的である。

データの代表性を確保するには、センサーの空間的な配置とデータ処理のサンプリング周期をサンプリング定理に従って定める必要がある。センサー信号の時間的変化が速い場合はサンプリングの周期を短くし、空間的な変化が急激であれば、設置するセンサーの密度を高めなければならない。センサー数やデータ量が増えればコストはかかるが、データの代表性の有無がサイバー空間とリアル空間を結合したシステムでは基本的特性を支配するために増加は止む得ない。これが、自由なサイバー空間の唯一の制約で、「データの代表性を確保」と呼ばれている。📊⚡️💡😷🌍🤖💻🧠🍞🎓✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:物件再販売にAI活用、中古住宅の流通後押し」から 

2022.7.27  日経産業新聞の記事「トレンド語り:物件再販売にAI活用、中古住宅の流通後押し」から

AIにより最短1時間で物件価格を査定、最短2日でマンションを現金化

 コラムの著者 面川 真喜子氏(マーケットプランナー)は中古マンションを好きなタイミングで適正な価格で売却できるサービスを手がけている不動産スタートアップ「すむたす」について注目している。

◯売却査定の不透明さや長い売却期間を軽減

 面川氏によれば、すむたすは一般の不動産会社のように売買を仲介するのではなく、同社が自ら買い取ることで、不動産売買を行うという。一般的な中古マンションの売却では、査定価格が不透明で、自宅の内見の対応を含めて面倒なことが多い割に、買い手を見つけるまで半年から1年くらいかかっているという。

すむたすでは、これらのデメリットが解消するが、市場価格より5〜10%程度低い売却価格になる。ただ、通常は売却時に売価の3%+6万円かかる仲介手数料が不要なので、手元に残る金額は大きく変わらないという。

AIを活用することで、査定や買取の迅速化を実現し、すむたすが買い取ったマンションをリノベーションした後市場価格で販売している。この差額が同社の収益となる。

住まいの買取を簡単にし、中古マンション市場を活性化させることが同社の目標であるという。まだまだ中古物件は取引戸数が2割程度で空き家になることも多いという。しかし、中古住宅は環境負荷が新築の30分の1とかなり低く、SDGsの面からも有効だという。🏠🏡🏢🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶📺🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『カーブアウト』起業は誰のためか」から

2022.8.2  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『カーブアウト』起業は誰のためか」から

制度自体は悪くないがユースケースの創出になっていないか

コラムの著者によれば、ホンダやソニーグループ、DeNAなど大手企業がカーブアウト型企業を支援しているが、そこに陥りやすい落とし穴があると指摘している。

○大企業であるが故の欠点か

 コラムの著者によれば、ホンダが社員の起業を支援する取り込みを進めているという。これまでは研究所が主体となって社員に新規事業のアイデアを募っていたが、その中で2020年から選択肢に起業を加えた。すでに2社の事例があるという。

このように大企業から起業して独立してイノベーションにつなげるという発想でカーブアウト型起業と呼ばれている。DeNAではさらに、カーブアウト型起業に投資するファンドまで設立している事例もあるという。南場智子DeNA会長は「事業の総面積を増やせる」とその効用を述べている。

ただ、この制度に陥りやすい落とし穴があるという。ソニーグループのカーブアウト候補の審査員を務めた経験者が次のように語っていたという:

「目的が元いた部署の事業支援のような形になっている例が散見される。今の仕事の延長線上というか…。もっと野心的な提案を期待していたので、ちょっと残念ですね」

よくあるのは、親の半導体事業で子(カーブアウト事業)が自社製半導体を使う事例で製品を作るといった、ユースケースの開拓に終始しているである。制度自体の問題ないが、本来、ユースケースは親会社がやるべきことで、大企業がやる利点はもっと事業投資を広げるものではないかということである。企業内起業家には、「それは、何のために起業なのか、会社のために夢が小さくならないか」と問いたいとコラムの著者は語っている。⚡️💡🖼📖🎥📈🎒💴📞🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:可処分時間の過ごし方」から

2022.8.5   日経産業新聞の記事「SmartTimes:可処分時間の過ごし方」から

スタートアップの商材にもユーザーやサービス利用が増加

コラムの著者 榊原 健太郎氏(サムライインキュベート代表取締役)は、コロナ禍で増えた可処分時間とVCとしてスタートアップのチャンスについて語っている。

○「仕事」「家族」そして「個人」の時間のバランスが変化

 榊原氏によれば、アフターコロナで働き方が、通勤からオンライン中心で働き人が増えたという。さらに、通勤・通学時間がオンライン化でなくなることで、可処分時間が増え、オンラインでのエンターテイメントや趣味、また教育・勉強に割く人が増え、副業・複業する人も増加している。単なるお金稼ぎだけでなく、自分のスキルアップを目的にしている人も多い。2021年の時点で2020年から1年間で副業・副業人口は100万人も増えた。就業人口の約12%を占めるほどである。

VCの目線で見ると、コロナ禍でスタートアップの中でもユーザ数が増え、サービス利用が増えている企業も多いという。

  • エンターテイメントや趣味の領域の事例:自分の家・部屋のインテリア実例共有ができるサイトを運営するRoomClipは登録者数が増えているという。自分の好みにあるお手本となる人や欲しいアイテム・ブランドなどと繋がることができる。自宅でも仕事やトレーニングをステイホーム時代、快適な暮らしや住まいに対するアイデアが求められて関心が高く、これらの関係のECやユーザー数は増えた。
  • 教育や勉強分野の事例:オンライン家庭教師を運営するNoSchool。講師側も生徒側もオンラインで増加した。リアルの通塾がストップあるいは振替授業になったために塾講師の収入も減少した。学生側も感染リスクがリアルな塾では拭えず、オンラインになったことで補講的に塾を利用するようになった。

さらに、個人の人生は「仕事」「家族」そして「個人」の時間に分けられるが、上記の話は「個人」に関するものであるが、この3つのバランスは特に重要だという。そこでの可処分時間の使い方が人生を豊かにするカギのようだ。⏳📱🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:アニメの地域連携、作品愛欠かせず」から

2022.8.4  日経産業新聞の記事「眼光紙背:アニメの地域連携、作品愛欠かせず」から

制作側の地域への愛をもったコンテンツがヒットのカギ

コラムの著者によれば、アニメ「映画 ゆるキャン△」が7月1日の公開後、24日の時点で興行収入が8億3,000万円に達し好調だという。さて、そのヒットの背景は何か。

○実写ドラマや関連情報で「聖地巡礼」も発生

 コラムの著者によれば、アニメ「映画 ゆるキャン△」は、キャンプ好きな女子の日常を描いたマンガ原作のアニメで、意外な相乗効果があったという。

「ゆるキャン△」は2シーズン25話がテレビ放送され、同時期に実写ドラマも放送し多面展開された。女子高生5人の日常を描きながら、キャンプのノウハウや施設、道具を紹介。食欲をそそるキャンプ料理の数々も「飯テロ」と話題になったという。作品には主人公らが住む山梨県身延町を中心に、山梨・静岡・長野各県のキャンプ場や観光スポットが登場、ファンによる「聖地巡礼」現象も起こっている。

巡礼などによる関連イベントの経済効果は、約8500万円(山梨大学と山梨中央銀行経営コンサルティング調べ)で参加者1人あたりの消費額も16152円と一般旅行客を上回っている。身延町へのふるさと納税額もアニメ放送後の2017年度から急増し、20年度は2853万円に達したという。

実際はご当地アニメはそれほど成功例はないという。しかし、同作品がスタッフと主人公らと同様に冬季キャンプを体験したり、実感を得た上で制作したことが成功の鍵のようだ。やはし、「作品愛」がないと結果はついてこないようだ。🔥🍴⛺️⚡️💡🖼📖🎥📈🎒💴📞🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒🌏🇯🇵