ビジネスへの応用

【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:表向きは丁重、人を疎外するシステム」から

2024.6.30   日本経済新聞の記事「春秋:表向きは丁重、人を疎外するシステム」から

カスタマーハラスメント対策と顧客サービスの間で不幸な負の連鎖が発生

コラムの著者の居間にあるエアコンが故障した。早速メーカーのお客様相談センターに連絡したが、その際のやり取りと問題解決を伝える側と解決に向けた対策を示す側にいつしか不信感による負のスパイラルがあるという。

○管理コスト削減とサービス向上の根本

コラムの著者は、購入後3年目のエアコンで、10年保証を申し込んだはずだと思い出し、領収書を探し当てて一安心した。すぐに、メーカーのお客さま相談センターに連絡する。電話は自動応答で、対応に必要な窓口を電話のボタンで案内してきた。続いて、

「なお、お申し出を聞き漏らさぬように通話内容を録音させていただきます」

との音声メッセージが聞こえた。声は優しいが先方の警戒心がにおうという。BGMを聞きながら待つことさらに3分ほど。やっと係員が出ると思ったら「お客さま、どうされました?」という、状況に似つかわしくない反応で、コラムの著者は当然故障の対応を聞いてるに決まっているのに、素っ頓狂の話である。

その後も製品の型式番号、買った店など事細かく聞き出された。さらに勘違いを避けてか、室外機の周りに障害物はないかとか、温度設定を16度まで下げてみたかなど聞かれた。なかなか自社製品の故障とは認定しない。さらに修理費がかかると言う。ちょっと待てよ、10年保証があったはずだといえば、「量販店の保証なのでそちらにかけ直してください」と丁寧だが、いちからのやり直しを告げられ、うんざりした。

表向きは丁重だが、でも本質において人間を疎外するこのシステムは何だろうとコラムの著者は指摘している。滑らかな舌の裏に心を感じない。確かに、悪質なカスタマーハラスメントのせいか、対応する側もマニュアルで防御を強めざるを得ないという。苦情を言う側は、杓子定規な応答に苛立つ。メーカーも顧客サービスの向上を考え、ハラスメント対策もしているが、どこか商品を通じて、信頼の輪がなく、負のサイクルが出来上がっている。☎️🏠🚲🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>相性がいいアートと科学、STEAMを選択肢に」から

2024.6.30  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>相性がいいアートと科学、STEAMを選択肢に」から

押し付けではなく、STEAMを選択肢として準備することが重要

コラムの著者 永田 好生氏(シニアライター)によれば、米国で生まれたSTEM(科学・技術・工学・数学)は現代社会を生き抜くための教育モデルとして生まれ、2000年代半ばからはA(芸術)が加わってSTEAMと呼ばれるようになったという。芸術の教育を一緒に受けると科学研究にも役立つと言う。その理由は何か。

○新たに挑むべき課題設定をして正解を自ら探索していくことは科学研究も芸術も同様

永田氏は、脳神経科学が専門の虫明元氏(東北大学名誉教授)が進めている、演劇を取り入れた教育を通じてコミュニケーション力を高め、他人との相互理解を深めるプロジェクトを紹介している。その効果は:

  • 「複数の人を協力して一つの目標を目指し、即興性も求められる。」
  • 「情動を揺さぶり、社会性を学ぶ有効な手段である。」
  • 「思考が固まらない若い年代にこうした経験を積むことが重要だ。」

としている。

大学入試前後までは、すでに答えのある問題を解く訓練を重ねてきている。だが、卒業後科学者となるなら、新たに挑むべき課題を設定し、正解を導き出さねばならない。企業人になり新規事業の開発を任されたなら、勝ち残れる分野を懸命に探索することになる。このように社会には答えがはっきりしない課題が山積している。それを創造性を発揮して乗り越えていく。芸術も同様に正解がなく、創造性を拠り所に作品を生み出していくところに共通性がある。

虫明名誉教授は、これからの大学では「押し付けではなく、STEAMを選択肢として用意できる」ことが重要だとしている。💊🎓🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:株主総会の声を競争力の向上に生かせ」から

2024.6.28  日本経済新聞の記事「社説:株主総会の声を競争力の向上に生かせ」から

株主総会で示された様々な株主の声と向き合い、競争力を向上させる手段に

社説の著者によれば、6月27日までに約2300社の3月期決算の上場会社の大半が定時株主総会を開催したという。日経平均株価が最高値圏にある中で、株主と経営陣が企業価値や事業戦略などに関して議論が展開された。多くは、現経営陣が提案した議案が可決され、株主の提案は否決されたという結果が多い。しかし、業績や株価への不満が経営者の提案への賛成率を低くし、株主の提案の支持が多い事例も増えてきているという。

○政策保有株式の減少が「モノ言わぬ株主」を減らし続けている

社説で注目すべきポイントとして経営トップの取締役専任の中身である。事例としては以下がある:

  • 阪急阪神ホールディングス:宝塚歌劇団の俳優死亡事件への対応に批判が集中。角和会長の賛成率が57.45%に止まった。
  • トヨタ自動車:認証不正問題。豊田章男会長への賛成率が71.93%と前年比で13ポイント低下。

といった事例で、一般的に賛成率が90%を超える中で60%台で低迷するところも多かった。経営者への評価が厳しくなっている背景にはアクティビスト(モノ言う株主)が経営・財務戦略への批判を強めているからだという。社数ベースで過去最多の株主提案はその象徴でもある。さらに企業同士の関係強化を意図してきた政策保有株式の減少が「モノ言わぬ株主」を減らし続けているとも言われている。

高水準の業績や株価を求める傾向は後戻りはしない。となれば資本コストや株価を意識した経営を進める必要がある。株主の声に耳を傾け、その競争力を磨き、企業価値を高めると言う王道を貫かねばならないと、社説は説いている。🌕🪐🚀💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:リスク情報の開示は人権視点で」から

2024.6.25  日本経済新聞の記事「私見卓見:リスク情報の開示は人権視点で」から

消費者からの大きな非難よりも被害の回復、拡大防止が優先

コラムの著者 古谷 由紀子氏(一般財団法人CSOネットワーク代表理事)によれば、紅麹原料を使った機能性表示食品が多くの被害を生んだ小林製薬の製品への対応に速やかな製品リスクの開示ができなかった理由の背後に、日本企業の消費者への人権の視点の欠如があると訴えている。

○消費者の人権を尊重する企業がリスクも回避できる

古谷氏は、同社が製品リスク情報の開示に多くの時間がかかったのかについて日本企業の消費者への人権に対する視点の欠如が原因であると説いている。

小林製薬は紅麹商品による肝疾患の症例を初めて把握してから少なくとも2ヶ月以上を経て自主回収を公表し、結果、健康被害を拡大したと言われている。そこには同社のみならず日本企業に顧客の安全や知らされる権利が人権にあるという視点の欠如があったのではないかと指摘している。

日本企業の品質については、消費者の厳しい要求に応える取り組みを進めてきた。だが、企業のリスク管理は、経営へのダメージを最優先するために、レピュテーションリスク(企業の評判を害する恐れ)を避けるという認識で動いている。つまり、日本企業のリスク管理の問題点は、あくまでも自社の経営リスクへの対応であって、顧客である消費者に向けたものではない点である。

世界的企業が国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて、

  • 人権方針の策定
  • 人権デューデリジェンスの実施
  • 苦情処理メカニズムの整備

などを急ピッチで推進している。その背景には品質問題は消費者へのリスクであって、消費者から大きな非難を浴びることの考慮よりも消費者被害の回復・拡大防止の考慮がある。

いくら、紅麹事案のように再発防止策を練っても、消費者のリスクの視点で行動しなければ問題は解決しないと古谷氏は指摘している。問題の本質の理解が進まない限り、消費者への速やかな製品リスク情報の開示は困難で、今後も同様の事案が起きる可能性があろう。🍴💊😴🛏️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:『骨太』の名に値する成長戦略示たか」から

2024.6.22  日本経済新聞の記事「社説:『骨太』の名に値する成長戦略示たか」から

日本経済はデフレから脱却したものの稼ぐ力が弱く持続的な経済成長は望めない

社説の著者によれば、6月21日、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を日本政府は閣議決定した。日本経済を新しい経済成長軌道に載せる方針であるとするが、内容は、「骨太」の名に相応しい戦略とは言い難いという。

○政府の力を借りずに独り立ちできる産業を作る道筋が読み取れない

社説によれば、確かに骨太の方針にある「デフレから完全に脱却し、成長型の経済を実現する千載一遇の歴史的な機会」であるという認識はあっている。つまり物価と賃金の上昇は鮮明となり、日本経済はデフレ状態から脱してきている。だが、賃上げはまだ物価の上昇には遠く、消費に力強さがない。つまり企業が新しい価値を生み出し、稼ぐ力を高めない限り、本格的な賃金上昇を伴う持続的成長は望めない状態である。

経済を屋台骨を支える産業の育成がもっとも重要で、骨太の方針では、次世代半導体の量産を後押しする法整備を盛り込んだ。AIや自動運転に欠かせない先端半導体の供給網を国内に構築するための財政支援を行う。多くで語られるように日本の半導体産業は世界的な競争に負けたが、これが最後の再興のチャンスと言える。ただ、財政支援をいつまでも続けられることで再興が成り立つとは言えず、新産業の自律が必要であろう。🚗🤖💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵