製品情報

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「核心:『幸福なる少数』を増やそう、輸出立国を諦めない」から

2024.9.16  日本経済新聞の記事「核心:『幸福なる少数』を増やそう、輸出立国を諦めない」から

海外との取引は企業に新しい知見と情報を与え、パフォーマンスを向上させる

コラムの著者 西條 都夫氏(日本経済新聞社 上級論説委員)は、シェイクスピア作の「ヘンリー5世」にある「我々は少数だが、だからこそ名誉の分け前が増える」と兵を鼓舞する王の演説に登場する「幸福なる少数(The Happy few)」を引用して、多くが自国内に留まっている商材が外国に普及することは稀であることを示している。日本企業では更に輸出のほとんどが大企業に偏っている傾向があり、裾野は決して広くない。西條氏はそこに展開の余地があると指摘している。

○輸出額の上位10%を合計すると97%という大企業の寡占状態

西條氏によれば、神事直人京都大学教授らの2023年の論文「輸出入申告データを利用した日本の国際貿易の実態の検証」を引用して、輸出額上位1%の企業が輸出全体に占める割合は75%に達し、英国の42%、ドイツ59%、フランス44%に比べて極めて寡占的であることがわかった。輸出額の上位10%を合計すると97%という大企業の寡占状態で、ほんの一握りの巨大企業が日本発の輸出を牛耳る体制である。

円安なのに、日本の輸出が振るわなかったのも、このような寡占状態で主力のプレーヤーや品目が代わり映えしないのでは、海外市場を新たに開くマインドが全体的に低調だったと言えそうであると西條氏は指摘している。

だが、このような状態の中でも変化の予兆があるという。待望久しい新たな「輸出財」の誕生である:

  • アサヒビールの「スーパードライ」が韓国でインバウンド連動で輸出が好調
  • ソニーの音楽:2人組ユニットのYOASOBIの「アイドル」は日本語の楽曲で初めてビルボードのグローバルチャート(米国除く)で首位になった。

などがある。日本はかつて輸出立国を自称したが、GDPに対する輸出額の比率は他国に比べ高くなく、まだまだ余地がある。さらに「海外との取引で企業は新たな知見や情報を得ることができ、さらに企業自身のパフォーマンスを上げることが、実証されている」と、先の神事教授が示唆している。♩🎼♪🚗🚢💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇰🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:マスク氏、ミサイル級に危険」から

2024.9.13  日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:マスク氏、ミサイル級に危険」から

X(旧ツイッター)の所有でマスク氏は世界に向けた巨大な拡声器を手に入れた

コラムの著者 ギデオン・ラックマン氏(FINANCIAL TIMES チーフ・フォーリン・アフェアーズ・コメンテーター)は、今までの億万長者や大企業のトップと違って政治的論争に距離を置かず、自分の力を目立たせない方法ではなく、打って出る起業家イーロン・マスク氏に焦点を当て、そのリスクについて語っている。

○予測不可能な形による紛争への介入は世界情勢を一変しかねないリスク

ラックマン氏によれば、7月に米大統領選挙で共和党候補でトランプ前大統領を支持すると表明し、8月12日には自身が所有するSNS「X」で一般公開の形でトランプ氏と対談をしたという。一方で、ブラジルの最高裁判所と8月30日に同国内のサービス停止を命じられたことで激しく対立している。8月上旬には、英国で反移民と反イスラムを主張する極右の暴動が相次ぐと、物騒なことに「イギリスは内戦が避けられない」とXに投稿している。確かにXをマスク氏は所有することで、世界に向けた巨大な拡声器を手に入れた。同氏は、さらに宇宙企業スペースXや同社の衛星通信サービス「スターリンク」、電気自動車(EV)大手の米テスラを統括している。

問題のリスクはマスク氏の予測不可能な形での国際紛争への介入である。2022年2月にロシアがウクライナ侵略を始めた最初の狙いの1つにインターネット通信の遮断があったという。マスク氏は、ウクライナにスペースXが展開する衛星通信サービス「スターリンク」へのアクセスを提供したことで、ウクライナ軍は危機的状況下で戦闘を継続できたという。ところが、2023年9月になると、ウクライナのスターリンクへのアクセスを制限するようになった。ウクライナ軍がクリミアにいるロシア軍を攻撃しようとする試みを妨害するためだったと言われている。この判断はマスク氏によると第3次世界大戦に発展するリスクを抑えるためだとし、ロシアの要求を取り入れた和平案を彼は後押ししたとして、ウクライナ政府のマスク氏への評価を大きく下げることになった。

マスク氏と現在の米政府との対立が明確になったのは、対中国政策にあったという。テスラは上海に大規模な工場を2019年開設している。これは将来の主要技術で中国を抑え先んじるという戦略の後退を意味している。米バイデン政権は中国ではなくインドへの分散を望んでいたが、マスク氏はインド訪問を直前に中止し、北京を訪れ、中国との関係を強化している。

マスク氏は言論の自由を絶対視し、世界の指導者であっても批判するのを厭わない。ただ、その対象が中国にまでは広がっていないとしている。ただ、各国政府はマスク氏の言論や行動には細心の注意を払うが、彼が持ち合わせていない力として法律を作り、執行する立法権がないことを知っている。マスク氏がこの事実を認識することから、ブラジルや英国、EU、米カリフォルニア州および彼を邪魔しようとする全ての人に、憤慨しているのかもしれない。📲🚀🏢💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸🇨🇳🇷🇺🇺🇦


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「あすへの話題:再生可能エネルギー」から

2024.9.9  日本経済新聞の記事「あすへの話題:再生可能エネルギー」から

再生可能エネルギーは自然や地域との共生が大前提

コラムの著者 國分 文也氏(丸紅会長)は、東海道新幹線の車窓の風景から太陽光発電から再生可能エネルギーの次への段階について語っている。

○災害問題やパネルなどの廃棄問題の対策が次へのステージ

國分氏が東京駅から西へ車窓を楽しむと、緑豊かな山や農地が広がり始め、緊張が解けていくという。ただ、風景の中に太陽を受けて銀色に光る物体が頻繁に目に飛び込んでくるという。小規模な太陽光発電施設である。畑と住宅の間の狭い空間や山の急斜面のわずかな空き地にも嵌め込むように太陽光発電パネルが設置されているという。

太陽光発電施設には、広大な土地に多数のパネルを設置した「メガソーラー」と呼ばれる大規模なものから、限られた土地に小規模に建設されたものまでさまざまである。國分氏も、誤解を恐れずにいえばと、前置きしながら、小規模な施設の中には周囲の環境や土地の条件に似つかわしくないと感じるものがあるという。

再生可能エネルギーは自然や地域との共生が大前提である。しかし、これが、地滑りや崩落といった災害の原因になっては本末転倒で、行政においても対策への仕組み作りが進められているが、今や線状降水帯による桁違いの豪雨などを見ると安心していられない。

もはや「再生可能エネルギーといえば何でも増やせ」という時代は終焉を迎え、地域の安全や景観といった秩序ある開発を強力に推進する時代となっていると國分氏は指摘している。さらに耐用年数を超えた太陽光発電パネルの処分問題もクローズアップされている。再生可能エネルギーの開発そのものが、強制と循環に基づく新しいステージに突入したと、國分氏は示唆している。🍵💡☀️⚡️🧅💬📗📕👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>『紅麹』サプリにみた二律背反、機能うたう制度、1つに」から

2024.8.4  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>『紅麹』サプリにみた二律背反、機能うたう制度、1つに」から

特定保健用食品、機能性食品、栄養機能食品の相違がわかりにくく混乱を招く

テクノロジーとシステムには必ず「安全性」と「利便性」という二律背反(トレードオフ)が存在する。ICTでは情報セキュリティーがこれにあたり、原子力発電では安全規格が堅固になるにつれ、電力会社からみれば利便性が低下した。ここに挙げた、「紅麹」サプリも二律背反のジレンマから逃れられず、健康食品による健康被害を引き起こしたのではないかと疑われている。コラムの著者 矢野 寿彦氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、小林製薬の国民の関心が高いヘルスケア製品を扱う際に安全性よりも利便性をばかりに目を向けたのではないかと考えているが、その背景に多くの健康関連の制度が輻輳して未整理のまま一本化もできずにいることに課題があると指摘している。

○機能性表示食品の制度維持はメーカー側の性善説が前提

矢野氏によれば、機能性表示食品を巡る規制のあり方に大きな不備があると指摘している。この制度は規制改革の流れの中で15年までに開始されたという。製造・販売には事業者が安全性や機能(効果)に関する論文やデータを「自ら」集め提示すればよいというもので、日本政府や専門家による審査はない。

そこで問題になるのが、巧みな広告宣伝で希薄な科学的根拠(エビデンス)であってみ「医薬品」のような効果があると消費者に訴求している点である。健康ビジネスを主軸に考えるメーカーにとってはうってつけの制度であろう。実際次々と先生品が登場し、市場は急成長、スタートから7年ほどで5,000億円の市場となっている。制度自身がメーカーの性善説によるものとなっており、消費者にとっては安全性が第1であるはずなのに、事業拡大を考える一部の企業では誇大広告を駆使してしまう。すでに15年前に大手日用品メーカーが手がけヒットした「体に良い食用油」から、分解すると発がん性物質を生成する疑いのある成分が検出され、社会問題となった。結局、当時のメーカーが特定保健用食品の表示許可を取り下げ事態は収拾した。

日本政府としても健康食品を高齢化社会におけるセルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする)の一環として見るなら、政府や第三者機関の審査やチェックは不可欠であろう。エビデンスも消費者に正しく明確に伝える必要があろう。さらに、特定健康用食品、機能性表示食品、栄養機能食品の3種類を明快に誤解の生まない形で制度を一本化して整理し、サプリメント法などの制定も考える必要があると矢野氏は提唱している。💊🎓🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「あすへの話題:AIとどう向き合うか」から

2024.7.8  日本経済新聞の記事「あすへの話題:AIとどう向き合うか」から

ガンジーの「7つの社会的罪」の1つである「人間性なき科学」の怖さ

コラムの著者 國分 文也氏(丸紅会長)は、最近の生成AIの普及の速さと能力の発達に驚き、そしてその活用について述べている。

○美味しい店探しでは國分氏に軍配!?

國分氏は、AIの文字を新聞紙上で見かけない日はもはやなくなったと感じている。その始まりは、米オープンAI社が2022年11月30日に一般向けに発表したChatGPTであるという。わずか1年半前のことで、そこからは堰を切ったように研究発表やビジネスや日常生活での応用が広がった。

これまでの新技術の普及とはレベルも違う。インターネットや携帯電話、デジタル化はサービス開始から人口の半分を超えるまで5年から10年以上かかったという。生成AIはすでにPCのWebブラウザに標準装備され、認識しないうちに人口の半数以上が利用、普及しているだろう。

能力の発達や進化も驚異的である。当初は単純なテキストベースの応答、いわゆるチャットボットであったが、それが作文や翻訳、さらに高度な動画制作まで行えるようになっている。しかも、フェイクニュースや偽情報など著名人の顔や音声を巧みに利用した詐欺も急増して社会的問題になっている。

生成AIがこれまでの新技術と大きく違い、普及と進化の速度のレベルが段違いであるという。多くの人が生成AIの利活用を考える上で、「まずはどんどん使ってみてみよう」というスタンスに違いない。だが、AIには表現しにくい不気味さ、危うさを感じるという。國分氏も対話型AIのヘビーユーザーだと自認しているという。だが、使う側でしっかりした考えがないと玉石混交の情報の海に溺れかねないという。

國分氏が引用しているマハトマ・ガンジー氏が1925年に指摘した「7つの社会的罪」に、「人間性なき科学」という罪があるという。どんな時代でも科学技術は使い方次第だという。こういった面から、人間の心のないAIが自己進化する世界だけは避けたい。そのためにも良いAIの利活用のための国際的な公約、ルール、規制が必要だという。

最後に國分氏は、今のところ「美味しい店」を見つけ出す能力はAIには負けていないと自負しているそうだ。👶💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵