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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:エヴァンゲリオン・進撃の巨人とユーチューバー」から

2021.3.29   日経産業新聞の記事「眼光紙背:エヴァンゲリオン・進撃の巨人とユーチューバー」から

海外のコンテンツビジネスは潤沢な資金で凌駕

コラムの著者は、アニメの「シン・エヴァンゲリオン劇場版」と「進撃の巨人」がこの春完結することからサブカルチャーの平成から令和での変化について触れている。

○サブカルチャーの社会的、文化的地位を高めた平成時代のおわり

 コラムの著者によれば、アニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が好調で、最初のテレビ放映開始から26年が経過したという。「自己とは」「他者とは」を問い続けた野心的な同作品は、新劇場版、旧劇場版、テレビ版を合わせて最後の決着をつけたものだという。漫画では、2009年に月刊誌で連載の始まった「進撃の巨人」が4月に完結する予定だという。

バブル崩壊から始まった平成時代は既存の権力が衰退し、一部のマニアのものだったアニメなどのオタク文化が急速に社会的、文化的地位をあげたときであった。その代表格でであった両作品が終了する。と同時に、海外では令和に入り、社会性と娯楽性を兼ね備え、社会現象となるものがでようとしている。米国では、アメコミが元になった「ジョーカー」や韓国では映画「パラサイト」やドラマ「愛の不時着」などさまざまな話題作が潤沢な資金を得て制作されている。

日本では、おふざけの動画共有で稼ぐユーチューバーが注目されているが、よりよい表現がまだあるのではないかと、コラムの著者は心配している。🎥💺🍺⛸👜🥛📷👜⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:役に立たない知識を役立てる」から

2021..2.16   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:役に立たない知識を役立てる」から

基礎研究の意味づけ

 コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、東京大学出版が刊行した「役に立たない」科学が役に立つ」(ベルト・ダイクラーフ米プリンストン高等研究所現所長・エイブラハム・フレクスナー同研究所初代所長共著)を軸に基礎研究の意味づけに対して解説している。

◯研究や技術を無尽蔵に生み出す基礎研究

 山﨑教授は、選択と集中の名の下に研究費の配分で役に立つ研究が優先的に選択され、すぐに役に立たない基礎研究が後回しにされる状況に危機感を抱いた両著者が示した基礎研究の意味づけについて解説している。

プリンストン高等研究所は独創的な研究を行う研究者や新しい分野を切り開く研究を集め、雑用や研究費の獲得から解放し思う存分好きな研究に打ち込めることを目指した研究者のユートピアであるという。ノーベル賞受賞者も多く所員でアインシュタイン、湯川英樹やフォンノイマンもいた。フレクスナー初代所長が目指したのは、

  • 基礎研究の成果としての知識は使えば使うほど増える
  • 予想外の形で新しい技術やツールを生み出す
  • 好奇心で駆動される基礎研究は優秀な研究者を惹きつける
  • 基礎研究の果実は人類共通の資産として公開され、個人や組織によって独占されない

というものであった。さらに所員であったアインシュタインは、役立つとは思えない知識がなぜ役に立つのかについて、次のように語ったという:

「想像力は知識より重要である。知識は今私たちが理解していることに限られるが、束縛のない想像力は世界の全てを包括し、これから理解することまでを含むからだ。」

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:AI4つのあるべき未来」から

2020.12.25  日経産業新聞の記事「SmartTimes:AI4つのあるべき未来」から

5年後にAI(人工知能)が見せる景色とは?

 コラムの著者 栄籐 稔氏(大阪大学教授)は、LINEの「AIカンパニー」と呼ばれる人工知能(AI)の技術を実用化する部門の技術顧問として、5年後の研究開発の方向性を目指すゴールを「R&Dビジョン」を発表した経緯からその説明を行っている。

○4つの技術コンセプト

 栄籐教授が示した4つの技術コンセプトとは、以下の内容である;

  • 「個人のデジタル化」:個人に福音をもたらす技術開発の方向性を示すという。
  • 「生成するAI」:音声から文章にしたり、文章から対応する映像を自動合成するといった映画でもなくゲームでもない新しいエンターテイメントや教育用資料、教材をつくるちいった技術の方向性。
  • 「信頼できるAI」:AIの進化に伴ってプライバシーやデータのガバナンス、結果の妥当性の明確化など。
  • 「ダークデータ」:悪いという意味のダークではなく、まだデジタル化されていない紙の資料や議事録、大量のインターネットコンテンツなど、まだ10%しか利活用されていないデータから使われていないデータの活用を意味する。これらは教育、金融、法律、医療などの分野に大きなインパクトを与えるという。

これら4つのコンセプトは個人にデジタル化の恩恵をもたらし、各産業における知識の扱い方を変えていく可能性があるという。5年後のAIが見せる景色は今とは大きくことなると栄籐教授は予測している。🩺📈😷💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:HIOKIのマニュアル、購入前後の使用情報網羅」から 

2020.12.9 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:HIOKIのマニュアル、購入前後の使用情報網羅」から

今年のジャパンマニュアルアワードのポイント

 コラムの著者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、産業部門での受賞となったHIOKIの計測器マニュアルについて実行委員長からその理由を尋ねている。

◯購入前の販促ツールの位置付けも

 10月7日に最終選考が行われたジャパンマニュアルアワード2020は、産業部門でHIOKI社の計測器「LR8450, LR8450-01メモリハイロガー クイックスタートマニュアル」が受賞した。このコンテストは、業界団体であるテクニカルコミュニケーター協会の主催で、家電製品や電子楽器などの「一般部門」と産業機器のマニュアルを対象とした「産業部門」がある。高橋氏は産業部門での受賞理由を、同実行委員長の徳田直樹委員長にインタビューしている。

受賞理由は;

  • 計測器の導入後だけでなく、購入前の検討時にも役立つ
  • 販促ツールとしての役割もある
  • 使用説明に関する国際規格IEC82079-1に対応している
  • 製品のライフサイクル全体で改善のプロセスを構築している
  • マニュアルの開発にはサポートに寄せられた問い合わせを分析し、改善につなげる方法をとっている

ことだという。また、計測器の利用者の立場を考えて、購入前にサンプル機器を借りて購入を決める習慣があることも考慮し、従来製品との比較と特徴を盛り込んでいる。これによって取扱説明書の価値を向上させた。やはり産業部門でも利用者の声を反映したところが評価されたようだ。📖💻👧🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:『鬼滅の刃』ヒット考、設定の斬新さが魅力」から

2020.11.6  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:『鬼滅の刃』ヒット考、設定の斬新さが魅力」から

差別化の要因は物語の設定にあり

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」のヒットの要因について考察している。

◯物語構造分析でも裏付けられる自己移入と感情移入

 三浦教授によれば、アニメの隣接分野である小説の面白さを支える要因として、

  • 文章(描写力)
  • ストーリー
  • 構成
  • 設定(世界観/思想)
  • 人物(キャラクター)
  • 専門性(ウンチク)

の6つがあり、設定と人物が競合作品との決定的な差を生み出すと、「月刊公募ガイド(2017年11月)でも分析しているという。アニメについても同様で、文章(アニメなら絵やセリフ)は重要であるが、競合とは同程度に高い。ストーリーと構成も重要であるが、手順にすぎない。そこし凝ってもケッタイ的な差にはなりにくい。

そこで設定と人物であるが、差別化の要因になり得るという。実は、「ストーリーが面白い」というのはストーリーではなく、設定であると三浦教授は指摘している。設定とストーリーは別物で、斬新な設定(世界観/思想)を最初に作れば、その後にストーリーは自然に展開する。

「鬼滅の刃」では、最初の設定の斬新さがあるという。つまり、鬼に家族が殺された主人公が、鬼にされた妹を人間に戻すために鬼と戦うという設定が、ストーリーの魅力を生んでいるという。さらに物語構造分析の諸理論、とりわけドイツの哲学者ガダマーの解釈学によると、物語の訴求力(魅力)は、受容者(読者・視聴者)が

  1. 自己移入:受容者が物語の意味構造の中に入り込むこと
  2. 感情移入:物語の登場人物に心を重ねること

して、物語を再演することによって生まれるという。したがって、読者が自己移入したくなるようなるアニメの意味構造(世界観・設定)をつくり、さらに感情移入したくなるような魅力的なキャラクターをつくれば消費者のこころをつかむことができると考えられる。✏️🗒📽🎥💰🕶🚗🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵