【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:顧客の目利き力、ロングセラーの必要条件」から 

2023.11.17  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:顧客の目利き力、ロングセラーの必要条件」から

作り手のこだわりが顧客の目利き力を高め、さらに作り手の腕を上げる

コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授・英スターリング大学訪問研究員)は、行商、店舗販売などの歴史を振り返って、小売と顧客の関係で特に顧客の目利き力について考察している。

○ロングセラーブランドにするには顧客に正当に製品評価してもらう力を共に養う必要がある

 横山教授によれば、顧客が商品の品質を見極める「目利き力」は現代のマーケティングでも重要な要素だという。歴史的にみると、

  • 行商人による購買:目利き力は極めて重要。悪い品質の商品を掴ませれてもクレームする相手がいないためである
  • 店舗販売:顧客の目利き力はそれほど重要でなくなっていく。同じ顧客に繰り返し販売する必要があり、売り手は商品の評判を気に掛けねばならないからである。買い手は、以前より安心して買い物ができるようになった
  • 小売チェーン店の勃興:顧客は一段と安心して買い物ができるようになった。チェーン店は管理のコストを下げるために、基本的に自社チェーン店で同じ価値を提供することに徹する。必然的に、売られる商品の品揃えや品質はどのチェーン店でも同じになるように標準化され、顧客は一定の品質の商品を購入できるようになった。
  • 大手スーパーマーケットの展開:一部の例外を除き、顧客はそれほど商品の品定めする必要がなくなった。だが、例外は、生鮮食品、特に農産物や海産物である。この時点で顧客は目利き力が必要となる

と変遷してきた。小売だけでなく製造メーカーも標準化された製品を市場に送るために、いかに長寿命の製品として顧客に認知してもらうかが重要で、そのためには顧客に自社製品の価値を正確に評価してもらう必要がある。これはロングセラーブランドを生むための必要条件だと横山教授は指摘している。作り手のこだわりが顧客の目利き力を高め、それが作り手のこだわりを正当化するというサイクルができる。このサイクルこそ、グローバル化の時代で日本が独自性を維持するキーだと横山教授は示唆している。📱🧺🛒🏪🎁🍌🧅🥬🌽🍅🛒🧺🦠🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:機能性表示食品、おいしいことが大前提」から 

2023.10.27  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:機能性表示食品、おいしいことが大前提」から

機能性だけで推すのではなく健康に良いを「おいしく」実現

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が紹介しているのは、今年10月、キリンビバレッジとファンケルが共同開発した「キリンXファンケル カロリミット ブレンド茶」で、糖と脂肪の吸収を抑制するデキストリンを配合した無糖茶飲料である。高岡教授はそのマーケティングについて考察している。

◯約1年の開発期間

 高岡教授によれば、カロリミットはファンケルが製造するサプリメント向けのブランド名で、「おいしく幸せに食べたい気持ち」をサポートすることがコンセプトになっているという。すでに累計8000万個以上販売している。

ファンケルの購買層約3万人に実施した調査によると、健康のために日常的にサプリメントや健康食品を摂取している人は国内全体の3割程度だという。健康志向でのニーズは年々高まっており、今回の共同開発で、より多くの「おいしく幸せに食べたい気持ち」をサポートする。

開発は約1年。両社から数人ずつのプロジェクトチームで開発を行い、機能性表示食品だからといって健康に良いという機能面だけでなく、健康に良いというプラスαでさらに、「おいしい」お茶を追求したという。開発は簡単ではなく、カフェインを含有する緑茶の茶葉を使わずにはと麦・米・とうもろこしといった穀物原料だけでコクや旨み、どんな料理にもあう飲みやすさと後味のスッキリ感をだすことに苦労したという。焙煎方法とブレンド方法を何度も見直し、発売日ギリギリまで調整したという。両社の新しい挑戦を見守っていきたいと高岡教授は語っている。🍵🧃👧👦📗🔉🚚☕️🍮🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:デザインへの生成AI活用、評価選定の自動化も不可欠」から

2023.10.13  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:デザインへの生成AI活用、評価選定の自動化も不可欠」から

効率化とデザイナーの創造性に影響を与える

コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、生成AIによる業務プロセスの改善とそこから生まれる創造性の拡大について有用なケースとしてパッケージデザイン会社のプラグ(東京・千代田区)を紹介してその効果を示している。

◯将来は外部とのプロセスの改善にも

西川教授によれば、伝統的にこれまでパッケージデザインの選択は3〜4案から1案への絞り込みを、消費者アンケートで決めるか、調査せずに決めるかであるという。前者による場合、選定者の主観が入り込み、良案が排除される可能性もあった。このような課題に対して、プラグはAIを活用して、選択のプロセスを大幅に改善したという。デザイン案をアップロードするだけで、好感度、ヒートマップ、「おいしそう」や「高級感」といった官能要素までも約10秒で表示される。AIが約1万のパッケージ画像に関する約1千万人の学習データを基に評価を予測する。これによって時間とコストの削減につながっている。

評価選定だけでなく、同社は2021年からAIによるデザイン生成のサービスも開始した。複数のデザイン案の画像をアップロードすると、AIがパーツを組み替え、デザイン案を生成する。約1時間で1000案が生まれ、評価予測も出てくる。

さらに同社は、商品デザイン用画像生成AIの試験運用を今年から始めた。利用は次のような流れである。

  • 商品コンセプトなどのテキストを入力
  • 多数のデザイン案をAIが生成
  • このデザイン案を基にデザインの方針を決める
  • デザイナーが案を作成する
  • これをAIが評価して、案を絞り込む

これらを何度か繰り返し、商品パッケージのデザインを作成する。すでに、「お〜いお茶 カテキン緑茶」で利用され、開発期間が大幅に短縮できたという。重要なのは生成AIの有効活用に生成と評価予測をセットにしていることだという。効率化だけでなく、デザイナーの創造性に影響を与えるツールであることがわかる。

今後は、言葉で伝えにくいイメージをこのツールを使って社外のデザイナーと共有し、外部とのプロセス改善にも繋げるという。💻🫙💡🔧🛠️📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:なんでもごたれ、18歳の自立にこの1本」から

2023.10.11  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:なんでもごたれ、18歳の自立にこの1本」から

男子厨房に入る時代にフィットしたもの

コラムの著者 岩永 嘉弘氏(日本ネーミング協会会長)は、カナダの海外留学している自分の孫の悩みで料理の味付けと聞き、勉強以前に料理が大問題という。さてその解決には?

○自立自炊が欧州では当然の習慣?!

 岩永氏の孫によれば、「自炊は僕だけじゃないよ、あっちでは18歳になると、みんな家を出て自立するから自炊は当たり前なんだ。男子も女子も料理がたいへん」とのこと。勉強の前に料理が大問題となる。男子も女子も自立生活をすることは、ヨーロッパ諸国、カナダ、米国では当然の習慣だという。料理は誰でも平等に降りかかってくる人生課題の1つになるというわけだ。

日本でも男女平等に料理を担当ということはすでに18歳で家を出る時というわけでもなくなっており、男性の育児休業制度の実現など男女の役割分担は平等化している。すでに「男子厨房に入らず」というセリフが罷り通ったのは遠い過去となっている。男子も料理をするのは当たり前となっている。

ところで、コラムの著者、岩永氏も今日は料理の担当。スーパーマーケットで買い物を済ませ、いろいろ買い揃えたが、一体どんな味付けにすれば良いのか。と孫の悩みと同じである。スマホ片手に検索すると、ハンバーグ?肉じゃが?魚の照り焼き?ほうれん草の胡麻和え?鯖の煮付け?きんぴらごぼう?かぼちゃの煮付け?と考えたが、「どれをどう味付ければいいのか?」と頭を抱えたという。

そんなときの救世主!トキワ(兵庫県香美町)発売の「なんでもごたれ」の登場である。製品説明には「炒め物や照り焼き、煮物から和物まで何でも作れる、万能調味料」とある。まさに「男子厨房に入る時代の」の救世主である。🍽️🍳🐏📚📗🖥👧👦🛌🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵🇨🇦


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:日英のスーパーマーケットの違い、英は店頭よりネットに軸足」から 

2023.9.29  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:日英のスーパーマーケットの違い、英は店頭よりネットに軸足」から

店側の努力と顧客の期待の相互作用が店舗の充実を進める

コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授・英スターリング大学訪問研究員)は、前回に引き続き海外と国内の小売、特に英国のスーパーマーケットの違いについて考察している。

○英国では宅配時間がきめ細かく指定できる

 横山教授によれば、日本と英国のスーパーマーケット事情を見ると、英国は欧州で最もEC(電子商取引)が浸透している。原因は、コロナ禍でロックダウンが進んでことで生活必需品をECでおこうことが奨励されたことがあり、それまでネットショッピングをやったことがない消費者が初体験したこともあるという。

横山教授の観察では、日英間で店頭に対する考え方が違うように映る。日米でのスーパーマーケットは、陳列やディスプレイなど華やかにするが、英国ではそのようなところはないと言う。日米の店頭の雰囲気をよくしようとする店舗側と、店頭に足を運んで買い物をしようとする顧客の努力は、鶏と卵の関係にあるという。

日本国内のスーパーマーケットでは、明るい照明、清潔なトイレ、快適な休憩場所、ストレスが少ないレジといった店内設備や、無駄のない品出しや手の込んだ商品ディスプレイなどが、店側の努力の、また顧客側の評価の対象となる。一方、英国では、生活時間にあった宅配時間がきめ細かく指定できるECサイトとなっている。

メーカーやマーケッターは自社の製品が、どこで売れたかの関心は薄い。ネットか店頭かは顧客のブランド感やエピソードを通うじて顧客の人生に関わるものであるといったことにも関わり、日本でも英国でも関心の対象になる可能である。📱🧺🛒🏪🎁🍌🧅🥬🌽🍅🛒🧺🦠🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵🇬🇧