【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:『日本ブランド』を海外で生かせ」から

2024.11.15   日本経済新聞の記事「私見卓見:『日本ブランド』を海外で生かせ」から

日本の経済界は政府と共に日本ブランドの認証やライセンス供与する方法を示すべき

世界中で日本のあらゆるものに対する需要が高まっているという。訪日外国人数も2024年は過去最高となる。海外の書店では、現地の言語に翻訳された日本の漫画のコーナーがあり、日本のアニメも家庭で楽しまれている。スーパーマーケットには日本の食品や飲料が並び、日本食レストランも増えている。コラムの著者 ニック・カプール氏(ラトガース大学カムデン校史学部 准教授)は、その反面、海外から見て日本ブランドが棄損され、模造品や偽物、海賊版、日本に無関係な人たちによる偽日本食レストランなどが横行し、海外の消費者にとっても品質の低下や不利益を被り、日本企業も収益を減らすことになっているという。

○日本企業が海外市場に十分な関心がなかったためブランド棄損や模造品、海賊版が蔓延ってきた

ニック准教授によれば、北米の大学では、日本語は数少ない外国語に1つで入学者数は減少していない。米国の小学生に最も行きたい外国はどこかと尋ねると、日本は常にトップにあるという。特に若年層は幼い頃から日本文化に囲まれて育っており、日本文化をもっと享受したいと考えているようだ。

日本の製品は高品質で、細部まで気を配り、場合によっては「神秘的」な知恵を持つ国として世界中に認識されるようになっているという。消費者は「日本ブランド」の製品にかなりのプレミアムを支払うことをいとわない。

しかし、ニック准教授は残念なこととして、日本企業が海外市場に十分な関心がなかったためブランド棄損や模造品、海賊版が蔓延ってきたことだという。さらに今の日本は自国のブランド力がかつてないほど強固であるにもかかわらず、自信があるように見えないと言う。世界中で日本製品全般に対する需要が旺盛に伸びており海外進出も今が好気であろう。また、日本の産業界と日本政府は日本に真にゆかりのあるブランドを認証したり、ライセンス供与したりする方法を模索し、海外の消費者にどのブランドが真の日本製品であるかを示し、認識させるべきだと言う。これによって日本企業は収益がもたらされ、品質管理が確実となり、ブランド価値が毀損しにくくなる。🍜🍛🍣⚡️💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「陰謀論、考えるヒントに:哲学、認知科学の新書や小説続々」から

2024.11.12  日本経済新聞の記事「陰謀論、考えるヒントに:哲学、認知科学の新書や小説続々」から

真偽を検証する精度が上がり、陰謀論が炙り出されるように

コラムの著者 中野 稔氏(日本経済新聞社)は、世界的に氾濫する陰謀論を取り上げた書籍の刊行に注目している。哲学や認知科学の観点から分析したり、小説の材料になったり、さらに、我々が陰謀論にどう向かい合うかのヒントになるのではないかと示唆している。

○倫理的な徳に比べ知的な徳が軽視されているとの意見も

中村氏は、3人の著作で陰謀論をどう取り上げているかを示している。

  • 山田圭一氏(千葉大学教授):「フェイクニュースを哲学する」(岩波新書、2024年9月発行)
    • 「インターネットは瞬時に膨大な情報を入手できる利便性と引き換えに真偽不明の情報に直面する事態をもたらした。そこにフェイクニュースや陰謀論も含まれる」
    • 「何が確かなものか」「何を信じれば良いのか」を考える哲学の認識論を用いて、インターネットの特殊性を考察した。
    • 「今は倫理的な徳に比べ、知的な徳が軽視されているのではないか。知的な徳とは、相手の言うことを聞いた上で正しいかどうかを吟味する態度。人格形成にはどちらも不可欠」
    • 異なる意見を傾聴し、妥当性をじっくり検討することが求められると、中村氏は示唆している。
  • 久保(川合)南海子氏(愛知淑徳大学教授):「イマジナリー・ネガティブ」(集英社新書、2024年9月発行)
    • 陰謀論や霊感商法など「私たちが簡単に操られる理由」を解説
    • 心と現実世界を繋ぐ認知科学の概念「プロジェクション」がもたらす否定的な側面を挙げているという。
    • 前著では「プロジェクション」のポジティブな面を解説したので、悪い働きについてこの著作が語っている。
    • 有名な陰謀論である「1969年のアポロ11号月面着陸の捏造説」を取り上げ、映像がでっち上げというプロジェクションによるアブダクション(仮説形成)の1つだと説いている。
    • 先行きが見えない時代にはプロジェクションは喚起されやすい傾向にあるという。その振る舞いを知っての付き合い方が重要だ。
  • 小川哲氏(直木賞作家):小説集「スメラミシング」(河出書房新社)
    • ヘブライ語からギリシャ語に訳された最古の聖書をめぐる「七十人の翻訳者たち」など宗教と神がテーマの6編を収めている
    • 「現実の世界はそれほど秩序立っていないのに、そこに繋がりを見出す陰謀論は小説に近い。作家は陰謀論について考えた方がいいと考えていた」
    • SNSのカリスマアカウント「スメラミシング」の崇拝者と投稿を解説する「私」との対話や、電車好きの「僕」の母に束縛された半生が描かれている。「陰謀論を内側から描くことを考えた」

3氏の著作から、中野氏はこれまでよりも真偽を検証する精度が上がり、かえって陰謀論が炙り出せれたのではないかと見ている。一方で、「インターネットやSNSの影響で、ますます同じ物語を信じる人が増え、AIでそれが加速されるかもしれない」と見ている。中野氏の陰謀論への対策は、あらかじめさまざまな物語に触れて、人々の感情の動きを知っておくしかないようだという。📕🛜🚀🌕🔥🥩🐟🥦🏪🏬🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミクストレンド:『柔軟』『迅速』なシステムに」から

2024.11.12  日本経済新聞の記事「エコノミクストレンド:『柔軟』『迅速』なシステムに」から

社会情勢の変化が速く不確実な時代に必要な経済システムとは

コラムの著者 柳川範之夫氏(東京大学教授)は、現代はVUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語)の時代であるという。政治情勢の国際的な不安定化、紛争の拡大、安全保障上の懸念など不安定な要素が山積している。また、生成AIを中心とした技術革新も経済環境を大きく変える要因だと言う。このような時代に日本としてはどのような経済システムを作るべきなのか、また企業レベルでは企業経営で何を軸にすれば良いのかを柳川教授は示唆している。

○暗黙知を客観化し、見える化することが柔軟性を生む

柳川教授はVUCA時代の経済や経営システムは柔軟であらねばならないと提案している。生じた変化に対して迅速に対応できる柔軟性をいかにシステムとして確保できるかが、日本に必要なことだという。

柔軟にまず対応すべきは教育や学びであるという。必要とされる能力やスキルが変化しているのに、教育内容が旧態依然としていては停滞してしまう。変化に合わせて、できるだけ柔軟に、教育内容やそれぞれの能力も変化させられるのが望ましい。先ごろ、近年の学校教育の改革が話題になったり、リスキリングやリカレント教育が重要視されているのも、社会の要求に対して柔軟に変化するためである。

日本社会の全体を見た時に柔軟性はどうだろうか。柔軟性を確保する上で大きく課題になるのが、規制やルールをどう柔軟かつ迅速に変えていくかが大きなポイントだと柳川教授は指摘している。しかも制度やルールが簡単に変えられないなら、技術環境が急速な変化を起こす時に追従できない。このとき結論の先延ばしや現状維持が幅を利かし、イノベーションに対するビジネスチャンスを逃すことになってしまう。今後は技術に対する規制やルールは迅速な改革が必要となる。

日本の企業では暗黙知の共有で、作り込みをして生産性を上げてきた構造があると言う。しかし、暗黙知の共有は、柔軟性に欠けるという致命的な弱点がある。やはり、暗黙知を客観化し、見える化を進めることで柔軟性を確保する工夫が必要だと言う。

これまでは動かないでじっとして外の嵐が過ぎ去っていく過越をすれば元の生活が帰ってきたが、これからはそうはいかない現実がある。嵐に伴って居場所も動いてしまうからである。その新しい居場所に向かって積極的に踏み出す柔軟性こそ、社会全体で求められていると柳川教授が推奨している。📉📈🏭🥩🐟🥦🏪🏬🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:『失われた40年』にしないために」から

2024.11.8  日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:『失われた40年』にしないために」から

国内拠点の充実し企業価値を上げるビジネス環境をつくることがキー

日本経済は低迷を抜けて新局面に入ったといわれている。今は、「もうデフレーションではない」、「金利がある世界になる」、「失われた30年は終わった」などのフレーズが出てきているが、コラムの著者 門間 一夫氏(みずほリサーチ&テクノロジー ズ エグゼクティブエコノミスト)は、3つは誤りだと言う。「失われた」をどう定義するかはさまざまだが、低成長を意味するのであれば、状況は改善しておらず、むしろ悪化しているという。

○失われた年数を増やすか実質賃金が上がる経済となるか

門間氏によれば、2019年から2024年前半まで4年半で、GDPの実質成長率は年率わずか0.1%に過ぎないと言う。物価が上昇しているので名目成長率は上がっているが暮らし向きを決めるのは実質成長率である。当たり前だが、実質成長率がほぼゼロなら、実質賃金が上がらない。2年以上続いた実質賃金の下落によって家計へのダメージは大きく、個人消費は低迷している。

だが、株価は2010年代初頭の約5倍にまで上昇している。株式の低迷は「失われた20年」の段階で終焉を迎えた。今も上昇トレンドにある。株価は代表的な日本企業の稼ぐ力を表すものであり、それらの企業は近年、株式目線の改革を着実に進めてきた。日本経済は少子高齢化、地方経済の疲弊、消費の低迷が続いているが、日本企業はそれらの影響を極力抑えるために事業の効率を図りつつ、グローバルに拡張戦略で利益を伸ばしてきた。

そこで門間氏は日本経済が分岐点にあるという。1つは、株価だけが上昇し、日本経済はこのまま「失わられた40年」「失わられた50年」になる道である。もう1つは、株価上昇と共に実質賃金がしっかり上がるようになり、国民生活も豊かになっていく道えある。今は労働需給が改善してきており、後者への道が少し開いている状況だという。ただ、この道が開けるかは、日本政府の経済政策によるところが大きい。

株主重視の傾向はこのまま続くし、資本運用立国を標榜する以上、株価が上がり続ける国であらねばならない。門間氏が指摘するポイントは、株主重視の企業改革を賃金の上昇や中小企業の成長にも広げる何かが必要だと言う。社会的責任だけでは何かにはなり得ず、利益成長に縛られたままなら日本から企業が逃げていく。門間氏は、その何かは「国内拠点を充実させ、企業価値の向上が結果として生まれ、そのために賃金を上げ、サプライヤーにも報いるような」ビジネス環境の構築ではないかと示唆している。新分野への挑戦機会が増え、エネルギー供給に不安なく、世界一の狭域水準にあって、海外からも優秀な人材が集まるという日本創生を新たな日本政府に門間氏は期待している。📉📈🏭🥩🐟🥦🏪🏬🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>AI研究第一人者の願い、安全な公共財へ協力を」から

2024.11.10  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>AI研究第一人者の願い、安全な公共財へ協力を」から

AIの急速な性能向上に科学者の理解が追いついていない危惧

コラムの著者 青木慎一氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、2024年のノーベル物理学賞の受賞者、ジョン・ホップフィールド氏(米プリンストン大学名誉教授)とジェフリー・ヒントン氏(カナダ、トロント大学名誉教授)の受賞記者会見は異常だったという。受賞の喜びよりも人工知能(AI)のリスクについて語る場面が目立ったからだという。両氏ともAIの急速な性能向上に不安を隠しきれず、人間が将来支配されるとの予想もでたという。先駆者の2人がAIのリスクを強調するのはなぜだろうか。

○勃興する核技術への科学者の訴えが頓挫した失敗を再度起こすのか

青木氏によれば、リスクや不安の要因は、AIの性能向上が科学者の理解をすでに超えているとの危惧である。AIの動作の大まかな原理はわかっているものの、なぜうまく答えを導き出せるのか、その根拠は何なのかなど未だに不明だからである。

多くの科学者はAIの過大評価だと指摘する人もいる。だが、AIは謎が多く、究明する必要があるとの認識は共通しているという。ここにAIがもつ社会的課題がある。AIの制御法を見つけられなければ、人間の命令に逆らったり、想定外の行動をとる可能性もあり、大惨事を招く恐れがあるという。

さらに危惧すべきは、AI研究や技術開発は世界で10万人といわれる科学者や技術者が携わっているが、安全性に取り組むのは1%にも満たないという。ヒントン氏がこの点でも「多くの若手が安全性に取り組みべきだと」と主張しているという。安全なAIを実現するには多国間協力と国際的な研究機関が必要であると2人は主張している。得られた知を世界で共有していくことが重要である。

この協力の背景に、第2次世界大戦末期の科学者たちによる核技術に対する国際協力の頓挫が蘇ってくるからである。大国の論理で、核技術は核開発競争を煽り、広島・長崎の被爆を回避できなかった。国連が9月にAIのリスクに関する理解や適切な対応を促す専門家パネルの設置を決めた。いまこそ国際ルールなど策定などを進めるべきであろう。🛜🧠🌿☀️🎓💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵