ビジネスへの応用

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本マンガ・アニメ、作家X消費者で価値拡大」から

2022.5.20  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:日本マンガ・アニメ、作家X消費者で価値拡大」から

市場投入後の商品が消費者によって次の価値を広げるモデル

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、日本のマンガやアニメがどのように世界を制したかを共著ので述べているが、以前述べた独自のフォーマットの要因と消費者が作った作品の価値を拡大することについて説明している。

◯日本の生産システムの世界展開に重要なヒント

 三浦教授は青山学院大学の川又啓子教授らと「ジャパニーズ・ポップカルチャーのマーケティング戦略」(千倉書房)を著し、その中で、日本のマンガやアニメがどのように世界を制したかについて述べているという。

秘密は日本のマンガやアニメというコンテンツの生産システムに2つの革新があるためだという。

  • 作家側のフォーマット(規格)の確立

高度経済期に週刊マンガ誌、連続テレビアニメというフォーマットが作られたことにあるという。1959年に「週刊少年サンデー」(小学館)が創刊し、1963年「鉄腕アトム」のテレビ放映が開始されている。マンガ雑誌は世界に類を見ない、複数のタイトルを一冊に掲載したものであり、連続テレビアニメは毎週30分のフォーマット(規格)を作った。これによって各誌、各局が熾烈な競争を行ったことで、手塚治虫以来の日本のストーリー重視が展開され、精錬されて世界でも評価された。フォーマットの確立の恩恵は深い。

  • 消費者側の価値拡大フローの存在

生産者である作家が作った作品(製品)価値を消費者側がさらに拡大する。例えば「初音ミク」の事例では、女声ボーカルの音楽ソフトではあるが、発売元が非営利無償の2次創作を公式に認可したことから、誰もが初音ミクの楽曲をニコニコ動画に投稿し、それに誰かがアニメをつけ、さらにダンスをつける2次創作の輪が広がったという。

このような日本独自の生産システムをマンガやアニメのみならず他の産業でも参考となるのではないかと三浦教授は示唆している。📺📖👚🚗📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵🇺🇸🇫🇷


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:リスキングとDXと賃上げ」から

2022.5.16  日経産業新聞の記事「眼光紙背:リスキングとDXと賃上げ」から

労働生産性を分析するとリスキリングとDXで変わる

バブル崩壊後日本人の賃金は横ばいで推移してきたが、コラムの著者は、生産性が上がらないからだと言われてきた要因について分析している。

○労働組合の格差是正や日本政府の賃上げのお膳立ては不要となる?!

 コラムの著者によれば、2022年の春の労使賃金交渉でも平均賃上率(連合の第2回集計結果、3月25日発表)は2%強でしかなかった。

多くのメディアなどから指摘されているように日本企業の従業員の賃金が上がらないのは労働生産性が低いからだと言われてきた。では、どうして生産性が上がらないのか?

この疑問を考える上でコラムの著者は、財務諸表を分析して1つの仮説を導き出した:

  • 労働生産性=従業員一人当たりの付加価値=付加価値/従業員数 と定義してみる。

されに、これは、

  • 労働生産性=(有形固定資産/従業員数)*(付加価値/有形固定資産)

に分解できる。そこで、①1番目の()内を考えると、設備投資をして労働装備率を上げることを意味している。つぎに②付加価値を生み出しているものに設備投資の中身を絞り込んで設備生産性を高めることになる。生産性を上げるのは①か②の両方か、どちらか一方になる。

①の労働生産性についてはICTによる設備を備え、効率的に稼働しなければならない、そのため従業員は、ICT機器を使いこなせるスキルが必要で、リスキリングが必要であろう。

②は設備投資を付加価値に結びつける工夫がDXとなる。デジタル関連の技術や機器を取り入れてビジネスモデルを再構築する。

リスキリングとDXを両輪として回せば生産性が向上する、この仮説によれば、労働組合の格差是正や日本政府の賃上げのお膳立ては不要かもしれない。🍟🚓💴📖📞🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:フードテックの産業革命」から

2022.5.18   日経産業新聞の記事「SmartTimes:フードテックの産業革命」から

2030年に世界で20兆円の規模を持つ代替肉市場

2021年1月にNEXT MEATS HOLDINGSがSPACを使って米証券市場にスピード上場したが、コラムの著者 吉井 信隆氏(インターウォーズ社長)は、その意義について語っている。

○ 日本国内外市場で事業展開

 吉井氏によれば、NEXT MEATSは代替肉のフードテックを駆使して「地球を終わらせない」を理念とするスタートアップである。驚愕の7ヶ月でのスピード上場で、初日の時価総額が約4億5200万ドルで市場の注目を浴びた。同分野では2019年5月、シリコンバレー生まれのビヨンド・ミーツがナスダックに上場している。代替肉市場は2030年に世界で20兆円規模であると言われ、牛肉に比較すると「水75%カット、温暖化ガス87%減、土地95%減」という省資源で生産でき、環境にやさしい。

NEXT MEATSの製品は、植物性の焼肉・牛丼・チキン・ポーク・ツナなどで、イオングループをはじめ大手スーパーやECのOisixの他、パレスホテルでもメニューに採用されているという。研究開発は新潟県長岡市にあるNEXT Labで行われ、バイオテクノロジー、メカトロニクスの世界の頭脳が研究しているという。創業者の白井良氏と佐々木英之氏は実は食品の開発研究の経験がないという。二人は12年前の中国・深圳市で「環境問題に対峙するビジネスを目指す」ことで意気投合し、ハイスピードでチャレンジが可能な「環境問題や食糧危機に対応する代替肉に着目したと言う。

食品開発に経験がない二人は商品開発で苦労したが、代替肉として本物の肉にはない商品価値を生み出そうと、食感や美味しさを追求し、素材、熱、圧力など様々な点を改良していった。さらに多くの専門家に知見を求め大学や食品メーカーの研究室に通ったという。最大の難関は食べた時の食感で、「口当たり、舌触り、歯応え」などを3年をかけて突破した。

起業家の素晴らしさはこの分析戦略ではなく、異色の二人が出会って化学反応を起こしたことが成功のキーであると吉井氏は指摘している。🍴🍖🥓📈📉📖💼💴🩺👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:パリの仮設展示場、つかの間の醍醐味満喫」から 

2022.5.18  日経産業新聞の記事「トレンド語り:パリの仮設展示場、つかの間の醍醐味満喫」から

パリ万博のグラン・パレを改修中の仮設施設

 コラムの著者 竹原 あきこ氏(工業デザイナー)によれば、2024年のパリ五輪の競技場に使うために1900年パリ万博のためにできた展示場「グラン・パレ」を改修しているという。竹原氏はその間の「かりそめのグラン・パレ」も良き出来栄えで様子を報告している。

◯パリ五輪に向けてECOで改修

 竹原氏によれば、2021年にできた「かりそめのグラン・パレ」は、本物のグラン・パレから少し離れてエッフェル塔が立つ広大な公園の中にあるという。「かりそめ」にしてもパリのシンボルであるエッフェル塔を真正面にみるカフェがあり立地も良いという。

仮設展示場であっても景観は素晴らしく、内部に柱はなく、木造の枠組みを半透明と透明のシートで覆った構造である。シートはガラスの代替で、ガラスの10%のエネルギーで製造できる。木材も植樹が前提にされたサステナブルな材料でECOである。外部からは木の構造を透かして見せながら太陽光と風を取込めて温度管理も省エネルギーである。五輪中は柔道競技などの会場となり、競技後しばらく使う。解体後に部品を他の建物に採用するという徹底ぶりである。

改修費は、およそ半分が政府の負担で残りのうち2500万ユーロはシャネルが寄付をした。シャネルは本物のグラン・パレでファッションショーを行っているが、かりそめのグラン・パレでもいくつかのイベントが開催されると言う。👕👖👔📕🏠🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶📺🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇫🇷🗼


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:コロナ禍のコミュニケーション」から

2022.5.16   日経産業新聞の記事「SmartTimes:コロナ禍のコミュニケーション」から

インクルーシブな社会を目指すには自分の考えや前提を覆すという恐怖を克服すべし

コラムの著者 野口功一氏(PwCコンサルティング パートナー)は、コロナ禍で進んだ働き方改革でテレワークで生じたコミュニケーションへの影響について考察している。

○ 多様性以上に一人の人間の複数の側面を再認識

 野口氏によれば、コロナ禍で働き方、とりわけコミュニケーションの取り方に多様な影響があるという。仕事の内容についてみれば、ルーチンワークから大幅な戦略の変更まで多岐にわたってコロナ禍による変化で対応が迫られたという。

コミュニケーションの方法のみならず、議論の内容も変わることで相手とのやり取りも変わった。野口氏が驚愕したのは、一人一人の違いという多様性以上に、一人の人間の複数の側面を再認識したということだという。長年一緒に仕事をしてきた同僚が、これまで暗に共通認識と考えていた戦略の内容に意外な答えが帰ってきて戸惑ったという。それまで議論を重ねてきたはずが、コロナ禍の影響で自ずと戦略の変更を余儀なくされた時、意見や認識の違いが浮き彫りになって驚いたと言う。

この驚きの原因を考察すると、自分自身が発想の転換を図れず、自分の一方的な思い込みが違っていたことによることと分かった。つまり、思い込みや価値観を変えることがいかに難しいかを体験したという。さらに、このような発想の転換ができなかった要因は、自分の考えを変えることへの恐怖だということが分かった。この恐怖は多様性の受容ができるかと関連している。我々はインクルーシブな社会を目指すのであれば、この自己変革への恐怖を克服すべきなのであろう。📈📉📖💼💴🩺👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵