利用例

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:求められる触媒的政府」から

2023.5.17  日経産業新聞の記事「SmartTimes:求められる触媒的政府」から

経済成長に大きな政府も小さな政府も長短あり

コラムの著者  栄籐 稔氏(大阪大学教授)は、2000年代世界の先端を走っていた移動通信の品質とサービスは今や新興国に劣後し、輸入部品に頼る事態となってかなり厳しい危機感を感じている。状況を打開する施策はあるのか。

○政府の市場介入ではなく触媒としての役割に徹する

 栄籐教授によれば、この状況を変えるには政府が触媒の役割を果たし経済成長やイノベーションを促進するために、積極的に環境保護や先進技術分野を支援することだという。この触媒主義は、米国月刊誌ワイヤードが2023年に予測される最重要パラダイムシフトを特集した記事の中でアジーム・アズハル氏が名付け、新しい政府の役割を提唱しているという。

これまで政府の市場関与は歴史的に大きな政府と小さな政府の間で、振り子のように揺れてきた。1960年代ジョンソン米大統領が大きな政府を目指し、経済はインフレや失業、エネルギー危機などの課題に直面した。一方、1981年代、ロナルド・レーガン大統領は小さな政府で規制緩和などに焦点を当てた。政府が市場から離れ、起業家が消費者のニーズに応える自由を持つことが、最も効率的で経済成長をもたらすものとされた。確かに1980年代から1990年代にかけて多くの西側諸国は経済成長を達成した。しかし副作用として、貧富の拡大、経済の不安定化を招いた。

この反省から、「触媒的政府」の概念は政府が単純に市場から離れるのではなく、適切な支援や政策を通じて、イノベーションや持続可能な成長を促す役割を果たすものだという。伝統的な市場介入政府と触媒的政府との相違は一線を画すべきだと栄籐教授は述べている。

先の大きな政府で米英国は環境保護や消費者保護の権限を手に入れ、それがかえってビジネスを阻害した。日本では、護送船団による特定の産業セクターが保護する反動で失われた10年を経験した。触媒的政府は栄籐教授によれば、デジタルによる情報収集と市場との対話を通じて、将来の利益産業セクターに戦略的な投資を行うべきだという。前述の5Gの通信産業は日本国内に、対応する通信サービス・装置の製品化を目指す起業家は皆無で、民間投資事業もない現状だ。ここでプレーヤーの新陳代謝を促す必要があろう。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:SVB破綻からの教訓」から

2023.5.16  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:驚きの自動運転車の進化」から

自動運転車の機能もさることながら「慣れる」自分に驚き

限定的な乗客・時間や地域で一般向けに完全自動運転の無人タクシーサービスを開始したサンフランシスコ市で、コラムの著者 小松原 威氏(WiLパートナー)が乗車体験をして気づいたことを述べている。

◯今後広がる利用時間

小松原氏によれば、サンフランシスコ市の限定サービスは

  • ウェブサイトから登録した希望者のみ順番に招待メールが届く
  • 同市の限定的地区
  • 夜10時から早朝5時半の人通りが少ない時間帯のみ利用

となっている。まるでSFの世界のようにスマホでタクシーを呼んで、運転手がいないタクシーの後部座席に乗り込むと目的地に向かってゆっくりと動き出すという。

米GM傘下のGMクルーズ社がロボタクシーと呼ばれる無人タクシーを運営している。

実際に小松原氏が初めて乗車してみると、驚きの体験であったという:

  • 当然ながら無人タクシーのハンドルが勝手に動く
  • ゆっくり走り始めたが、突如、急ハンドルを切ったり、停車中の車のそばを通り抜ける時など声をあげそうになった
  • 設置されたディスプレーには目的地までのルートが表示されるが、何度もルートが変わるので、本当に目的地に着くのか不安になった

ところが、2回目の乗車の時は体験が変わったという。初回と同様にスマートフォンのアプリでタクシーを呼び、後部座席に乗り込んだ。その後初回はかなり周囲に気を取られて疲れたが、2回目はスマホをいじりながらリラックスする自分に逆に驚いたという。無人で運転手もいないのに、自分ながらここまで早く完全自動運転に慣れるののかと驚いたという。

今後無人タクシーの利用時間は日中に拡大し、無人の自動運転車が走り回っている未来は夢物語ではなくもう現実になりつつある。では、後部座席で乗客は何をして過ごすのだろうか。📱🗾🚕🏦📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:日本は『経過観察』状態、多くが正常と異常の境界に」から 

2023.5.12  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:日本は『経過観察』状態、多くが正常と異常の境界に」から

「リスクゼロであるべき」から「リスクとの共存」の時代へ

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)によれば、健康診断と同様に社会にも「経過観察」が求められる時代だという。経過観察は、正常と見なされる状態から少し外れているので注意深く自己管理に努めよという意味だが、社会でも経過観察、つまりリスク管理が求められる機会が増えているという。

◯現実は危機的な状況と日常が地続きで正常と異常の境界は曖昧

 関沢氏によれば、日本は以下のような経過観察の対象があるという:

  • 新型コロナウイルスの5類移行:5月8日に季節性インフルエンザと同等の扱いに移行し、警戒は今後も必要で経過観察である。
  • 巨大地震:南海トラフ地震、首都直下地震など
  • 温暖化ガスによる気候変動
  • ロシアによるウクライナ侵攻で顕在化した国際情勢の緊迫
  • 原子力発電所、橋、道路、マンションなどのインフラ施設の老朽化

これまで日本ではリスクはゼロであるべきだという考えで動いてきたが、現実は危機的な状況と日常が地続きで、正常と異常の境界は曖昧である。その中で創造性は物事を単純に割り切らず、曖昧さに耐える中で発揮される。防災の世界では普段使いでも非常時の局面(フェーズ)に役立つように、製品、システム、インフラなどに創意工夫をこらす「フェーズフリー」が注目されている。

経過観察には関沢氏によれば以下がポイントであるという:

  • 定期的な点検:橋のようなインフラから個人の健康で必要でAIやICTで観察できる。
  • 平常心で警戒:リスク低減の努力が平常から必要。
  • 情報の透明性:正常と異常の境界域にある時代では重要である。
  • リーダーの説明責任:危機が深刻になった事態でも人々の連帯感を保って行動するために必要。恐怖に萎縮せず、長期的視点が必要。

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:命名は企業価値に響く」から

2023.5.10  日経産業新聞の記事「SmartTimes:命名は企業価値に響く」から

ブランドネーミングは経営の重要な要素

コラムの著者  伊藤 伸氏(東京大学特任准教授)によれば、製品やサービス、組織などへの命名をブランドネーミングと呼ばれ、経営の重要な要素とする考え方があるという。ブランドは競争力の源泉になり、前提として顧客の認知がなければ成り立たず、名称がなければ訴求力がないという。

○新製品、新サービス、新規事業の投入にネーミングが重要な役割を果たす

 伊藤准教授は、ネーミングが新製品、新サービス、新規事業のもつメッセージとしてそれ自体が働くとしている。だから多くは多様な概念を詰め込みたくなり、最適解が見つけにくいと言われている。

これまで、顧客を惹きつける名称の創出手段や手法が議論となったが、多くの要素が絡んでいることがわかってきた。

  • 新発想と既存名称の組み合わせ方
  • 語感の良さ
  • 地名や理念を含める
  • 頻出語句からの選択 
  • ズバリそのものの名称 
  • 近年はSNSなどの拡散の容易さ 
  • 略称を持つことでネット検索にも発見されやすい
  • 商標登録などの法的な権利保護も必要 など

多くの要素で検討されてきた。出来の良いネーミングは製品カテゴリーを連想させて、消費者の心理的欲求を満たすイメージを醸し出すという。

また、商材の位置付けと適用範囲も重要である。つまり、社名をそのままブランドにする、製品ごとにブランドを立てる、複数の製品に一貫したブランドを使うといった戦略の差もある。

伊藤准教授によればネーミングの事例研究は多いが、ブランド価値や企業価値との直接的な関係の実証研究はまだ少数であるという。またネーミングが成功したか否かも主観的で、手法もひらめきや直感に依存する色彩が濃い。このあたりはまだまだ科学的探究が必要な分野であるという。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:自分を変える方法は?」から

2023.3.29  日経産業新聞の記事「SmartTimes:自分を変える方法は?」から

回避策では解決策にはならない

コラムの著者  スティーブン・ブライスタイン氏(レランサ社長)は、自らの恐怖症からの脱却の体験から同様にビジネスの世界でもこの手の恐怖症があり、それを克服することで見方が変わり現実に対応できることをある企業の営業担当の逸話で考察している。

○自分は変わらないが体験で見方が変わる

 ブライスタイン氏は、以前からクモ恐怖症で悩んでいたところ、オーストラリアに移住することで恐怖症から単純な「蜘蛛嫌い」に変化したという。自分自身は変わっていないが、体験が恐怖症を克服したという。

ビジネスの世界での頭からある方法から離れることに恐怖を感じる人がいると言う。ブライスタイン氏はとある企業の営業担当者にグループコーチングをしていたときの逸話を紹介している:

  • グループの課題:高い職位のエグゼクティブバイヤーとの打ち合わせを取り付けたい。
  • これまでの行動:これまでは営業担当は職位の低い現場担当に会って提案書を渡し、それを現場担当の上司に上げてもらって最終的な決断を待つというスタイルだった。上司に直接の紹介を試みたが失敗してきた。
  • ブライスタイン氏のコーチング:まず、営業担当者に窓口を避けて幹部レベルの役員と直接接触を試みる方法を説明。グループでシナリオを作成し、上位の打ち合わせのロールプレイまで行った。さらにロールプレイも交渉や商談を成立させる実演を通して学んでもらった。
  • 営業担当のその後の行動:これまで日本企業でも実績のある方法とコーチングであるにもかかわらず、営業担当は、日本企業ではこのようなやり方は通用しないので遺憾の無駄であったと非難したという。結局、営業担当は苦言を吐いて席をたち、他のグループのメンバーも戸惑いながら、メンバーの1人が、この方法でやりたいのでさらにコーチングを続けたいと述べたという。

問題の営業担当の態度では現実逃避でしかなく、決定権のある顧客に会って提案を受け入れてもらうまでは進まない。方法を変えてでも回避策でなく解決策を選べばよい。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸