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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「FINANCIAL_TIMES:人間の知性は衰退を始めたか」から

2025.3.24  日本経済新聞の記事「FINANCIAL_TIMES:人間の知性は衰退を始めたか」から

2010年をピークに思考力や問題解決力が低下

コラムの著者 ジョン・バーンマードック氏(FINANCIAL TIMES チーフ・データ・リポーター)によると、この10年ほど前から人間の知性、つまり理解力が低下傾向にあるということを示すデータが増えているという。その背景は何か。

○あらゆる年齢層で低下

オックスフォード英語辞典では、知性は「理解する能力」と定義されている。バーンマードック氏は、その能力を実際に適用する力がどうなるかを多くのデータから考察している。

多くの人が、人間の脳が生物的に10年ほどの短期間で根底から変わったということはないだろう。だが、様々なテストにおいて平均的な人間の思考力や新規の問題を解く力は2010年代初期でピークに達し、以降は低下しているという。

OECDによる「学習到達度調査(PISA)」(読解力、数学、科学の3分野で15歳の能力を測る国際調査)の最新結果をみると、新型コロナウイルス禍に伴う教育現場の混乱の影響が大きい。だが、バーンマードック氏は、この災禍で、より長期的かつ広範な知性の衰退が明確に見えにくくなったという。

長期的にみると3分野のスコアはいずれも2012年前後で頭打ちになり、多くの場合、コロナ禍の影響下にあった時期より2012〜18年の方が大幅に低下しているという。これは10歳代に限らず成人にも同様の傾向が見られ、2024年に公表された最新版調査では、あらゆる年齢層で低下している。他の調査である米国「モニタリング・ザ・フューチャー」調査も傾向は同様だという。

この変曲点に注目すべき理由は、バーンマードック氏によれば知性と思考テストの結果動向が類似しているだけではない。情報がオンラインで手に入るようになり人間と情報との関係が変化し始めた時に呼応しているという。こうしたことは結果として活字離れや視覚メディアへの移行の促進に繋がった。ウェブ時代からSNS時代には、我々の行動は自発的なものから受動的な消費に変化しているともいう。

バーンマードック氏によれば幸いなことに人間の基本的な知性は衰えてはいない。しかし、それをどう生かすかは潜在能力と応用力の両方で決まる。後者はデジタル社会に蝕まれていることにバーンマードック氏は警鐘を鳴らしている。🧠🎓🏢🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> 教育や研究に生成AI活用」から

2025.3.23  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> 教育や研究に生成AI活用」から

世界に通用する人材を

コラムの著者 吉川 和輝氏(日本経済新聞社 編集委員)によると、研究開発の分野で世界的に通用する人材を国内で確保するためにも、教育分野へのAI導入は他国に先駆けペースを上げる必要があると説いている。

○米オープンAIは国際コンソーシアム「NextGenAI」を発足

吉川氏によれば、NetGenAIには、米ハーバード大学、米カリフォルニア工科大学、英オックスフォード大学、仏パリ政治学院など米欧15の大学など研究機関が顔を揃えているという。各機関は、カリキュラム開発や大学経営の効率化、病気の診断ツール開発など様々な目的でAIを応用する。これにオープンAIは5000万ドルを拠出して支援する。「知識のフロンティアを前進させる学生、教育者、研究者をサポートするのが狙いである。

2022年11月のChatGPT登場から2年あまり経つ。最初は事実に反する回答をし、最新の知識が得られない問題があったが、モデル学習の改良や外部データベースとの連携で次第に課題は解消してきている。論理的思考や数学の問題を解くのが得意なAIも登場している。

高等学校のカリキュラムに導入された「探究学習」のように、自身の問題意識を掘り下げる教育プログラムと生成AIは相性が良い。学問の手解き段階から、専門知識の習得、さらには「AIフォーサイエンス」というAIの研究利用まで、求めに応じて導いてくれる存在になりつつあるという。

だが、今どの分野も研究人材の確保が深刻である。学術分野を問わず、AIで教育・研究システムを再構築する競争が世界的に進んでいる。🎓🏢🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇬🇧🇫🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:日本のアニメ、データ分析が重要」から

2025.3.21  日本経済新聞の記事「私見卓見:日本のアニメ、データ分析が重要」から

世界で地域間の視聴者の嗜好を分析予想し、良質なコンテンツを作る必要がある

コラムの著者 ダグラス・モンゴメリー氏(テンプル大学日本校特任准教授)は、世界有数の文化大国として、日本はその地位を不動のものとするために、先進的なデータ分析を導入して、そのビジネスチャンスなどを十分に活かす必要があると説いている。

◯日本は観光立国としてデータ分析に投資すべき

モンゴメリー氏は、日本のアニメの勢いを持続させるためには、従来の方法を超えて、視聴者の嗜好や世界のトレンド、新興国市場に関して実用的なインサイトを与える最先端テクノロジーを導入しなければならないと提唱している。

さらに、日本の文化輸出品の中で、アニメは頂点に君臨し、国境、人種、文化の隔たりを超え、普遍的な言語となっている。良質な作品は興行収入やストリーミングサービスを席巻しているだけでなく、商品帝国を生み出し、日本への観光を促進している。

さらにモンゴメリー氏は日本の優位な地位を盤石にするためにも高度なカスタマーに対する分析への投資が必要だという。世界各地の視聴者の嗜好の違いを予測してクリエーターがより深く共鳴するコンテンツを生み出すことを可能にすべきである。リアルタイムのデータ分析は、文化輸出の成功を追跡するのに役立ち、どのフランチャイズやテーマが世界規模で成功する可能性が高いかについてのインサイトを提供する。

アニメ主導の観光は、かつてそれほど注目されていない静かな街を賑やかに変えた。このようなシナジー効果を十分に活用するために、日本はデータ分析への投資を惜しんではならない。クリエイターだけに頼っていてはダメで、高度な分析力をコンテンツ戦略に取り込み、日本は意図的・効率的にソフトパワーを拡大しなければ世界の最前線から転げ落ちることになろう。📕👦👶🏫💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:実質賃金から考える地方創生」から

2025.3.21  日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:実質賃金から考える地方創生」から

低い生計費や短い通勤時間などのメリットを生かし、アメニティーを高めれば地方都市は生き残れる

コラムの著者 、森川 正之氏(一橋大学特任教授)によれば、東京一極集中と言われるが、この是正は人口移動がゼロサムであることから地方自治体間の存続をめぐる競争とも置き換えることができるという。移民を大規模に受け入れないかぎり、全ての市町村の人口は維持できないことを物語っている。大都市は集積の経済効果で、生産性や賃金が高いために人口集中を制御するのは難しいという。

○名目の数字で設計されている税制や基礎控除で実質的な格差が生まれる

森川教授によれば、賃金は人口移動を決める大きな要素である。だが、空間経済学によれば、住宅価格やアメニティー、つまり生活の質を考慮せずに名目賃金だけを地域間比較するのは適当でないという。「物価上昇に負けない賃上げ」という観点から、物価上昇率を差し引いた実質賃金の動向が注目されるが、時系列だけでなく、地域間の横断的な物価水準の違いを調整した実質賃金を比較しなければ意味がないという。

さらに様々な制度が名目額で設計されている。累進所得税の税率の刻みや基礎控除額は名目額で全国一律なので、実質所得が同じでも生計費が高い地域ほど所得税の負担は大きくなる。この点を考えると東京圏は実質手取り所得がさらに低くなる。東京への人口集中には実質賃金以外の要因が強く働いていると考えられる。東京は多様なサービスが享受できる反面、混雑というディスアメニティーがある。

国民は物価や働き方への関心は高い。地方都市は、低い生計費や短い通勤時間などのメリットを生かし、アメニティーを高めることが生き残る手法だと、森川教授は指摘している。🗼🏠♪🎧📺💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> トランプ時代と公衆衛生危機」から

2025.3.16  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> トランプ時代と公衆衛生危機」から

マスクをするのはあくまでも個人の自由とするリバタリアン(自由至上主義者)

コラムの著者 矢野 寿彦(日本経済新聞社 編集委員)によると、個人の命や健康を守ろうとする医療と違って、社会の健康を守ろうとうるのが公衆衛生の世界である。個人と社会の利害が一致すれば何ら問題は生じない。だが、時には両者の間にズレが生じると軋轢となる。第2次トランプ政権の厚生長官ロバート・ケネディ・ジュニア氏はワクチン反対派である。長官指名直後からワクチン接種は「個人の自由」とし、ポリオや麻疹のような半ば義務付けで集団免疫を獲得し、感染症を社会から排除する施策には反対している。

○新型コロナウイルスのパンデミック時にマスクを拒んだ第1次トランプ政権

矢野氏によれば、この冬、猛威を振るったのは新型コロナウイルスではなくインフルエンザだったという。2020年からめっきりかかる人が減り、インフルエンザに対する社会への免疫力が下がったからだとされている。

マスクに、咳エチケット、入念な手洗い、人混みを避けるといった新型コロナウイルスの感染拡大で強いられた公衆衛生対策は、インフルエンザには効果覿面であったようだと矢野氏は語っている。

これがもし、日本政府が国民に対策を強要したらどうなるかと考えると、個人の命や健康を守ろうとする医療tお公衆衛生とのズレが生ずる。5年前の米国がまさにこの状態であった。第1次トランプ政権ではマスクを拒んだ。ロックダウン(都市封鎖)にもかかわらず感染爆発が頻繁に起こり、多くの死者や犠牲者が出た。

第2次トランプ政権では、ワクチン接種は「個人の自由」とし、ポリオや麻疹のような半ば義務付けで集団免疫を獲得し、感染症を社会から排除する施策には反対しているロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官が就任している。さらに公衆衛生の要と言える世界保健機構(WHO)からも離脱する。一義的には、この離脱の背景は、過去WHOがコロナ禍の時中国寄りの対応を示したことからへの嫌悪感からきているとされているが、そもそも世界が協力して疾病予防や防衛に尽くす公衆衛生的な思想と相容れないと見える。

新型コロナウイルスの感染拡大は良くも悪くも公衆衛生の存在感を社会に示した。さらにその大切さも痛感した。一方で、究極の個人の権利である健康に国家や社会がどこまで口を挟むのか、いまだに解を得ていない。😷🏢🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸