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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:金属製の折り鶴、屋根の板金技術の応用」から 

2022.9.14 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:金属製の折り鶴、屋根の板金技術の応用」から

屋根工事の会社が工芸品を手掛ける

東村山市にはちょっと独自性のある企業が多く、コラムの著者 栗坂 秀夫氏(パシフィックデザインアソシエーツ代表)は、そういった企業の1つであるウチノ板金を取り上げている。

○ブランド「和國商店」の商品は米国でも人気

 栗坂氏が紹介しているウチノ板金は1989年に創業し、屋根工事や雨どいの設置工事、外壁修理などを手掛けている。同社で独自性あるのは、2017年から取り組んでいるのが、金属製の折り鶴(13,200円)である。屋根の板金技術は長年の風雨や日差しに耐える必要があり不可欠な技術である。同社はこの技術で銅や真鍮の薄板で鶴を折り上げた。金属製の鶴は見た目は美しく、頑丈であり、環境を選ばない。さらに同社は、ブランド「和國商店」で販売し、米国人など海外でも売れているという。用途はプレゼント用が中心で、折り鶴は長寿や健康、平和などのイメージに繋がり、顧客にうけが良いという。

では、同社が工芸品である折り鶴を手がけた理由は何か。屋根工事や雨どいの設置工事、外壁修理は天候に左右されることも少なくなく、天候が悪くて作業ができなくても賃金を支払わなくてはいけない。会社の財務状況は天候に左右されるために安定性を狙って、社員で知恵を絞り、雨の日でも作れるオリジナル品として板金技術を活用した金属製の折り鶴に到達したとのことである。自らの強い技術を自らのアイデアで展開し、企業としての課題も解決できたことは注目できる。🍖🍽👜🏯📗🖥👧👦🛌👧🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:節電とマーケティング、売り場環境の変化が影響」から 

2022.9.9  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:節電とマーケティング、売り場環境の変化が影響」から

世界のエネルギー環境の変化がマーケティングを変える

 コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、前回に引き続き、世界的なエネルギー環境の変化でマーケティング計画が変わらざるを得ないことについて触れている。

○これまでのブランドでは勝てない

 横山教授は、日本の電力逼迫という外部環境を事例に、エネルギー環境が産業に影響を与え、マーケティングも従来の考えでは対応できないことを示唆している。マーケティングにとって生産コストの増大や商品の売り場環境が世界的なエネルギー環境の変化で影響をうけるという。

例えば小売業の売り場環境を考えてみよう。スーパーマーケットにおける、電力逼迫への対応は節電である。照明を落としたスタジオでのニュース番組で電力の逼迫による節電対策において、アナウンサーの顔色が悪く見えるように、スーパーマーケットの商品棚での商品はいつもと違って見えることになる。このこと自体は仕方のないことであるが、だからといってスルーしては経営としては失格である。この環境変化を利用することで、競争優位に導くことも、劣勢に陥ることもあるからだ。

例えば包装やパッケージデザインである。照明の具合によっては消費者の目に映る商品の色合いが変わる。一般的な照明下での設計であるため、暗い照明下では視認性が高いデザインが優位となる。すでにブランドとして確立している商品では照明などの変化から売上高が大きく変化することは少ない。だが、温度管理に気配りが必要な商品であれば、店頭での温度管理が難しく、売るにくいことから気配りのいらない商品の方が優位となる。結果的に温度管理にうるさくない商品の方が売れることになる。さまざまな温度帯での管理が求められるチルド商品より、冷凍食品や常温保存可能な商品の方が店舗にとって管理しやすい。その分、相対的に価値が高まる可能性がある。

このように世界のエネルギー環境の変化は、今後マーケティング環境を変えていく可能性がある。変化が起きてから対応するか、変化を見越して行動するかが経営手腕となる。これまでの「前提」としていた環境を棚卸しする状況かもしれない。🛒🧺🦠🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:紙のグリーティングカード、デジタル世代が再評価」から 

2022.9.7  日経産業新聞の記事「トレンド語り:紙のグリーティングカード、デジタル世代が再評価」から

デジタルネイティブだからこそ人とのつながりを大切にする

 コラムの著者 竹内 道氏(アークメディア社長)は一時は存続が危ぶまれた紙のグリーティングカードが1980年〜90年代半ば生まれたミレニアル世代を中心とする若者の間で人気を集め進化しているという。

◯魅力的なデザインで気の利いたメッセージがうける

 竹内氏によれば、米国は世界最大のグリーティングカード市場で2020年62億ドルの規模がある。一時はデジタル化で紙のグリーティングカードの存続の危ぶまれたが、ミレニアル世代によって、家族や友人、日頃お世話になっている人にカードを送る習慣は続いている。

従来の紙のカード以外に、メールなどで送るデジタルカード、スマートフォンのアプリでメッセージ付きの紙のカードを送れるフェルトやポスタブルの進んだサービスもある。

デジタルネイティブのミレニアル世代は日頃から情報機器に囲まれた生活をしていることから、人とのつながりを大切にする気持ちが強い。それを可能とする手段としてカードを選んだという。

米オレゴン州ポートランド市のペーパー・エピファニーズは代表的な個性派カード会社の1つであるという。紙のへこみとインクのにじみにアナログさを感じられる活版印刷を使い、ユーモアあふれたメッセージ付きのきれいなカードを制作している。2014年の創業以来、2000店で販売されるまで成長し、女性をターゲットにしている。価格は通常のカードより高いが、女性から支持されているという。女性オーナーの女性のための心のこもったビジネスは成長を続けている。🖋✉️🪪📖🏢🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶📺🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:次世代技術の知財戦略、国別の応用分野を俯瞰」から 

2022.8.24  日経産業新聞の記事「トレンド語り:次世代技術の知財戦略、国別の応用分野を俯瞰」から

各国の思惑や技術戦略を広くみて自社の戦略を磨く必要あり

 コラムの著者 橋本 虎之助氏(橋本総合特許事務所長、弁理士)は経済産業省が2021年6月に公表した「半導体・デジタル産業戦略」の骨子を紹介しつつ、今後の日本企業の知的財産戦略について語っている。

◯各国共通で注目される分野と各国の技術戦略の特徴で選ばれる分野

 橋本氏によれば、IoTやAIなどの応用や活用で、デジタル化が産業、社会経済に変革をもたらしているという。これらの技術の基幹部品は、「産業の脳」と呼ばれる半導体である。1990年ごろは日本企業は世界市場の5割も占めたが、現在は1割程度であるという。このような状況を打開すべく、経済産業省では前述の「半導体・デジタル産業戦略」を発表している。その中で「半導体分野の目指すべき方向性」について、

  • 国家として必要となる生産・供給能力の確保
  • デジタル・グリーン投資を支える設計開発
  • 装置・材料のチョークポイント(急所)技術強化

だという。特に省エネルギー化などのコア部品となるパワー半導体については窒化ガリウム(GaN)などの最先端素材の性能向上の要素などを開発する必要があるという。

橋本氏は、このGaN関係の知財を各国について資料を紹介している。資料は特許庁が2022年4月に公表した「GaNパワーデバイスの特許出願技術動向調査」である。出願年2000から2019年の出願人の国籍別出願件数を見ると、合計15008件のうち:

  • 日本国籍:6582件(43.9%)

であり、中国籍、米国籍、欧州国籍、韓国籍の順に連なっている。一方、応用分野では、

  • 日本国籍:自動車、携帯端末、基地局、家電機器、電力一般、PC
  • 米国籍:携帯端末、自動車、レーダー
  • 中国籍:自動車、レーダー、航空・宇宙、基地局、軍用

と、自動車や携帯端末などは各国共通しているが、レーダーなど軍需転用可能な技術など各国では上位にある。このような俯瞰が今後の知財戦略のベースになると思われる。📖🏢🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶📺🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:兄弟姉妹の絆の日、明治と中大三浦ゼミがコラボ」から

2022.8.19  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:兄弟姉妹の絆の日、明治と中大三浦ゼミがコラボ」から

母の日や父の日、そして兄弟姉妹の絆の日

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)が取り上げるのは、食品事業を営む明治と三浦教授のゼミが共同勉強会で生まれた企画で本格化した同社のプロモーションについて述べてる。

◯ブランド戦略とは心に残る世界観をいかに作れるかが勝負

 三浦教授によれば、兄弟姉妹の絆の日は7月の第4日曜として日本記念日協会の認定を受け、申請した明治であるという。この記念日は、三浦教授のゼミで同社と共同勉強会を催したのがきっかけだという。

勉強会では明治からお題をいただき、ゼミ生5チームがプレゼンする。昨年のテーマが「ニューノーマル(新常態)時代の新しいハレの日」というものだった。菓子業界ではバレンタインが最も重要なハレの日だが、コロナ禍でどんなハレの日を消費者が求めているかというお題であった。

その中で優秀賞を取ったのが「兄弟姉妹の日」。コロナ禍でステイホームにより兄弟喧嘩も、仲良くなったのも大切にしていきたいといった考えで、母の日や父の日のプレゼントのように兄弟姉妹の日には、兄が妹にお菓子を買ってあげたりして絆を深めていこうという戦略である。明治も特別なPOPを作り北海道、東北、四国のスーパーマーケット十数店舗で大量陳列用のPOPで同社の「きのこの山」と「たけのこの里」のキャラクターを登場させて世界観を構成した。さらにSNSを使って、ネットメディアにも取り上げられるようにした。

ブランド戦略は心に残る世界観をいかに作れるかが勝負で、店頭とネットを通じて、「京田姉妹の絆の日=兄弟姉妹で明治のお菓子をあげ合う日」にする世界観を構築したという。さて、来年もこの記念日にどの程度効果が出るだろうか。🍫🎍🍄📙📖👚🚗📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵