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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:異次元の少子化対策」から

2023.3.3  日経産業新聞の記事「眼光紙背:異次元の少子化対策」から

子どもを持ちたくても持てない人への支援は

コラムの著者が、日本政府は3月末を目処に異次元の少子化対策をまとめたいとしているが、根本的な見直しではなく児童手当などの経済的支援を増やすにとどまるようだという。これではこれまで成果が出なかった政策で終始する。

○防衛費増額への税負担の不満をかわす政策になりかねない

一方、与党内では防衛費増額に伴う増税の不満をかわすために「アメ」の要素もあるという。しかも、すでに子どもを持つ世帯に経済的支援をするだけでなく、子どもを持ちたくても持てない人への支援がなければ少子化対策にはならない。

例えば、出生数と婚姻数との間には高い相関関係があるとされている。婚姻数は1972年の110万組から2022年は55万組と劇的に減少している。一方、出生数は1972年の209万人から2022年は79万人まで激減している。

経済的事情で結婚できず、子どもを持てない人々を救済することだが、国税庁の民間給与実態統計調査では、2021年の正社員の年収508万円に対して正社員以外は198万円であった。非正規労働者の賃上げや社会保険への加入、空き家対策で地方自治体が買い上げ、安価な賃料で提供するといった生活不安を軽減することも重要な対策である。

その財源への議論が遅れているのも事実で、誰かを支援すれば誰かがそれを負担する必要がある。所得の再配分機能の意識が乏しく、負担の不満を回避するために、政治的には小さな声である小さな子どもや孫世代に負担を転嫁する国債発行に逃げ込もうとしている。これでは少子化対策と矛盾する行為である。👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『ソバーキュリアス』と経済」から

2023.2.27  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『ソバーキュリアス』と経済」から

かつてのスコッチウイスキーの英国の轍を踏むのか

ソバーキュリアス(Sober Curious)とは体質や病気のせいでお酒を飲まないのではなく、あえてお酒を飲まない生活スタイルで、コラムの著者はその生活スタイルが経済に影響を与えることについて語っている。

○日本酒はもはや全出荷額の10%以上を輸出する産業となった

ソバーキュリアス(Sober Curious)は、「お酒を飲まないシラフ状態」と「好奇心のある」という英語の結合したもので、コラムの著者によると「飲酒をしないことの利点を知る」ということらしい。

ソバーキュリアスの実践者の話では、酩酊で無駄にしている時間がいかに長く、アルコール分解で消耗している体力がいかに大きいかが実感してわかるという。もはや飲酒をする習慣に戻りたいとは思わなくなるともいう。

現状、2022年の日本のアルコール飲料のデータで輸出を見てみると、前年比21.4%増の1392億円と過去最高だという。しかも、日本酒は健闘し、出荷金額が4000億円前後で10%以上を輸出によるものだという。日本酒やJapanese whiskeyは日本の輸出産業となっている。

コラムの著者が酒の輸出に注目するのは、1980年代、日本が欧米と貿易戦争に火花を散らしていた頃を思い出すからだという。英国が日本に関税下げを最初に求めた主力輸出品がウイスキーとビスケットだった。ウイスキーは衰退する英国の輸出を伸ばす武器だったが、苦しい状態であったという。日本の酒造メーカーがソバーキュリアスの広がりで国内需要が低迷することに呼応して輸出を増やしたとすれば、かつての英国の轍を踏むのではないだろうか。🍶🥃🐠🏉⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇬🇧


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:キリンと日本コカ・コーラが連携、成分ブランディングの好例」から

2023.2.24  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:キリンと日本コカ・コーラが連携、成分ブランディングの好例」から

競合他社との定番争いへの布石

今年3月6日に日本コカ・コーラはキリンホールディングスの独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合したアクエリアスなどを北海道、北陸で発売する。コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、ライバル同士の連携に成分ブランディングによる定番戦略があるという。

◯飲食物では情緒的価値から機能的価値への変化が顕著

 三浦教授によれば、成分ブランディングは古くからある手法で、素材や部品のブランド力で製品全体のブランド力を高まる戦略だという:

  • 「インテル入っている」:NECや富士通のパソコン
  • 「健康エコナクッキングオイル」:花王の特定保健用食品の食用油

といった事例がある。ブランド戦略は品質などの「機能的価値」とイメージなど「情緒的価値」が重要であるという。これまで飲食物では、味やイメージ、デザインなど情緒的価値の訴求が多かった。近年、ビールやチョコレートでもブリン体オフやカカオポリフェノールなど、機能的価値の訴求が増えたという。

今回の提携には、乳酸菌飲料の分野で定番競争での勝負がまだついていないことが背景にあると三浦教授はみている。アサヒ飲料のグループ会社のカルピスが開発した「L-98乳酸菌」を免疫機能に働きかける機能性表示食品として消費者庁に届け出ており、キリンと日本コカ・コーラの連携は、その対応策とみれる。定番競争は激化している。🍼🥩🐮🍫🎍🍄📙📖👚🚗📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:国産ジェット撤退に何を学ぶか」から

2023.2.22  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:国産ジェット撤退に何を学ぶか」から

ダイヤモンド・プリンセスでも1千万個以上だがジェット機には及ばない規模

先のコラムに続き、三菱重工業が「三菱スペースジェット(MSJ、旧MRJ)」の事業から撤退を表明したことについて、コラムの著者 円山重直氏(八戸工業高等専門学校長)は、日本の職人芸的な部品や中小規模部品によるシステムと欧米の巨大システムの得意分野の違いがあったのでは無いかと考察している。

◯巨大システムは異なった仕組みで構築しなければならない

 円山氏によれば、今回の撤退の裏に、100万個以上の部品からなる巨大システムの構築が国産として不得手であることが関係しているのでは無いかと推測している。かねてより、円山氏は日本の得意とする職人芸や個人のスキルを活かしたものづくりとは別次元の仕組みが求められる。三菱重工業は1000万個以上の部品からなる豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」などを建造した実績はあるが、大型客船の事業から16年に撤退している。

もの作り大国と自負した日本だが、せいぜい3万個の部品からなる自動車や数百個の部品からなる家電での成功に過ぎなかった。さらに日本人は昔から少ない部品で構成される工芸品や工作機械などを製造することには素晴らしい才能を発揮してきた。しかし、航空機のような巨大なシステムの扱いは得意では無いのではないか。

円山氏は日本のものづくりの技術が世界に通用しないとは言っていない。現にここの部品や部材の製造技術は世界トップクラスである。航空機の部品製造も同様である。しかし、最先端の半導体や航空機は日本独自で進めるには複雑で部品や素子数が桁違いに大きく、もはや職人芸や個人技では手の届かないところにある。得意とする領域に集中投資し、巨大システムはその設計やノウハウを持つ国と連携するのが現実的な解かもしれない。🛳🛬📊⚡️💡😷🌍🤖💻🧠🍞🎓✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:データー市場の非対称性」から

2023.2.16   日経産業新聞の記事「WAVE:データー市場の非対称性」から

データの品質保証への提案

コラムの著者 辻中 仁士氏(ナウキャストCEO)は、ミクロ経済の入門コースで紹介される「市場の失敗」を例として、「レモン市場」を取り上げ、データ流通の市場にも応用できないかと考察している。

○売り手の圧倒的有利が不正を招く

 「レモン市場」とはレモンの皮が厚くて、外見から中身がわからないことから、生産コストが高い、高品質な商品が市場から駆逐され、低品質な商品が出回る、と言う構図を示す。

辻中氏によれば、データの流通市場にもまさに「レモン市場」的な側面があると言う。同氏の経験ではデータには品質の高低が明らかに存在すると言う。例えばスマホの位置情報では欠測値があったりスマホのホルダーの状態、サンプル数の大小などでデータの精度にばらつきが生じる。

このような状況でもデータの売り手は買い手には対して圧倒的に情報優位性を持つことから、売り手のデータが低品質でもその事実は買い手にはわからない。そこに売り手の不正が入り込む余地がある。「過去のデータを操作して、正答率が高く見えるようにしよう」という不正操作を売り手側が行っても買い手は一見して気付くことは極めて少ない。

ではこのような不正が起こりやすい「市場の失敗」をどう乗り越えれば良いのか。

辻中氏は、シグナリングや公的介入がまずは正攻法だという。この内、データ流通市場でのシグナリングは、独立した機関が高品質なデータを「認証」することだという。買い手が品質の高低がわかるイメージである。いわゆる「認証制度」を作らなくても大学の研究者にデータを提供して研究してもらうのも実質的な認証として機能するという。アカデミアの立場は一定の独立性があるし、低品質なら研究材料にはならないからだ。研究実績の多いデータは品質の高さが認められているといえる。😷📡🛰🏢🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵