宗教

【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「米コロンビア大デモを考える:教養教育が培う現実感覚」から

2024.6.3  日本経済新聞の記事「米コロンビア大デモを考える:教養教育が培う現実感覚」から

ガザ地区攻撃に反対するデモは米コロンビア大学から全米に

コラムの著者 佐藤 仁氏(東京大学教授、米コロンビア大学客員教授)は米コロンビア大学大学院で客員教授を務めている。この反戦デモの精神的背景に同大学の米国で最も保守的な教養教育があるという興味ある考察をしている。

○同大学が最も保守的な教養教育を維持していることも大学生の現実感覚を養ってきた

佐藤教授が東京大学と全く異なる視点にある米コロンビア大学について2つの点に注目している。

  • 教授会の議題に「困難な対話」という見出しでパレスチナ問題について学生とどう対話すべきかという論題である。
  • ガザで殺された大学教授や芸術家などの名簿が教室の廊下に張り出されている。

同大学は、1960年代のベトナム戦争以来、繰り返し学生デモの象徴的拠点となってきた。例えば、タバコ産業や化石燃料、民営刑務所などの分野からの大学の投資引き揚げなど、大学から具体的な譲歩を獲得してきた。今回も全米に反戦デモを拡大する拠点となった。佐藤教授が興味を持ったのは、同大学が、コア・カリキュラムと呼ばれる全米で最も保守的な教養教育を維持し続けている大学である点である。具体的には、大学生にアリストテレスの「二コマコス倫理学」やマキアベリの「君主論」といった西ヨーロッパの歴史、哲学、文学から選び抜かれた古典を読ませるといった教学体系である。

この教養教育の背景には大学生に現代世界を作り出した議論の幅に触れさせ、自分とは異なる意見を理解する能力を養うとともに、自分自身のアイデアをアップデートする機会を提供している。物事を善悪の二元論で判定するのではなく、自分と他者の間に広がる立場の幅の中に解を見出す想像力を鍛えるのだという。このような保守的なカリキュラムが鋭い現実感覚をもった学生以外の活動家による社会運動の拠点になってきたことは、大学が知の生産拠点である以上に、社会変革の拠点になることも示していると佐藤教授は指摘している。古典を遺物ではなく、生きた知識として教える伝統が、学生たちに正義感と現実感覚を醸成してきたのではないかとも佐藤教授は考えている。一見、現実離れした教養科目も、どこかで先につながっている。コロンビア大学が維持している教養教育のように激変する世界に反応する力の源泉が日本にも必要ではないか、と佐藤教授は指摘している。⚡️📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇮🇱🇵🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「あすへの話題:アニメイテド・ペルソナ」から

2024.5.16  日本経済新聞の記事「あすへの話題:アニメイテド・ペルソナ」から

「今ここに誰かがありありといる」という感覚

コラムの著者 森岡 正博氏(哲学者)は、東日本大震災後、被災した人がテレビで取り上げられていて、津波で家族が行方不明になったと聞いた。「こうやって浜辺に出て風に吹かれていると、自分の家族がいまそばにいるとありありと感じることがある」と語ったという。

○現代科学の前では「錯覚」と受け取られるかもしれない

森岡氏によれば、行方が分からなくなった家族に対する愛情や思いが引き起こしたのだろうと思ったという。確かに現代の科学の前では、この話は「錯覚」でしかないのかもしれない。

だが森岡氏は、近代科学の「錯覚」という考えに必ずしも縛られる必要はないという。いなくなって会えない家族がいま風の中にありありといるという。この感覚は「錯覚」として否定されるべきものではないという。つまり、「このような家族の存在や気配を感じるのは、本当に何かがそこに現れている」という可能性も否定できないからである。

我々は、目の前に生きた人間の体がなくても、「ああ、いま誰かがここにありあるといる」という強烈な感覚を持つことがある。亡くなった親や子どもが自分のそばにいると感じる体験は、世界中で報告されている。ただ、霊魂や宗教でいう実体がそこに来るといった感覚ではないという。

このような体験を森岡氏は「アニメイテド・ペルソナ」と呼びでいてこれを説明しようとしてきた。だが、森岡氏には目の前にありありと迫ってくる紛れも無い他人の「こころ」であると感じるしかないという。👶💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「あすへの話題:イギリスと連合王国」から

2024.4.9  日本経済新聞の記事「あすへの話題:イギリスと連合王国」から

日本人が「イギリス」と呼んでいる国は英語ネイティブばかりが住んではいない

国名は意外と複雑だと、コラムの著者 鳥飼 玖美子氏(立教大学名誉教授)は語っている。ここでは英国の名称の日本語の起源について語っている。現代のUK(グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国)がなぜ「イギリス」と呼ばれたのか。

○複雑な連合王国の歴史

鳥飼名誉教授によれば、日本で「イギリス」と呼んでいる国は、正式には「グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国」である。略称、UKである。では、日本で「イギリス」と呼んだのはどうしてか。

起源は江戸時代に遡るという。オランダ語とポルトガル語に由来する「エゲレス」に「英吉利」という漢字を当てたことが発端で、「イギリス」「英国」が定着したのだという。大英帝国時代であれば確かに、イングランドがブリテン島もアイルランド島も領有していた。だから、「英吉利」でよかった。

ところが、現代ではイングランドにスコットランドとウェールズ、北アイルランドを加えた「連合王国」である。在日大使館は英語では、「British embassy」で日本語では「英国大使館」。英国皇太子の呼称は「Prince of Wales 」で、イングランドがウェールズを征服した痕跡となっているという。アイルランドは激しい独立戦争の結果、アイルランド島の南が「アイルランド共和国」となった。そして北だけが連合王国に残った。

このような歴史から、鳥飼名誉教授は大学で英語を教えていた外国人教員が急逝し遺族がお別れ会に参加した時に、司会者が「本日はご遺族がイギリスからいらしてくださいました」と英語で紹介したら、遺族は毅然と「私たちはイギリス人ではありません。スコットランド人です」と釘を刺したという。

確かに日本人が「イギリス」と呼んでいる国は英語圏の中心である。しかし、本当に英語のネイティブであるかは歴史が示すように必ずしもそうでないことを示している。💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇬🇧🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「あすへの話題:人生の幕引きは」から

2024.4.5  日本経済新聞の記事「あすへの話題:人生の幕引きは」から

賛否両論あるが、欧州の一部でも尊厳死・安楽死が存在する事実

コラムの著者 小池真理子氏(作家)は、7年ほど前に尊厳死・安楽死をテーマのした長編小説「死の島」(文春文庫, 2021年)を書いた。これを文芸誌に連載中に、予想通り読者から「お叱り」の手紙が届いたという。何があろうと与えられた命は全うすべきであり、自分で命を絶とうとするなどもっての他という。だが肉体的にも精神的にも生き地獄に近い状態であったらどう考えるか。

○闘病虚しい後に苦痛からの解放と安らぎを与えることは悪か

小池氏と同時期に直木賞を受賞した作家の藤原 伊織氏、厳しかったがん闘病中、安楽死が認められているスイスかオランダにいくべく、かなり調査されたという。日本人でも可能であるとわかったが、そのころはもう渡欧できる体力がなかったという。「遅かったよ」と言って寂しく笑った藤原氏のことが思い出されるという。

安楽死制度を望む声はずっと続いてる。言葉には出さないが、心中に深く押し込めている人も多いと小池氏は推測している。そんな中、日本映画「PLAN 75」は75歳以上の希望者に安楽死が提供されるようになった仮定での物語であるという。その内容は、小池氏によれば、どんなに辛くても与えられた命は全うすべし、というこれまでの理想論だけでないことを語っている。小池氏はさらにスイスのドキュメンタリー番組で、スイスの病院で、医師や近親者が見守る中、致死薬の入った点滴の止水栓は自ら外し、眠ったままなくなっていくという内容であったという。

そこには心身の苦痛を解放された安堵が看取れたという。思わず感涙し、止まらなくなったと小池氏は語っている。💊🏥📃🏙️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇨🇭🇳🇱


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:東南アジアは親日的という幻想」から

2024.2.19 日経産業新聞の記事「眼光紙背:東南アジアは親日的という幻想」から

日本は高い工業力と文化を持った憧れの対象から単なる観光地へ

コラムの著者は、多くの日本人が「東南アジアは親日的」という漠然としたイメージを持っていると指摘している。確かにフィリピンやベトナムなど「日本推し」の国民が多い国は確かにあるが、中国経済の成長や韓国の文化・製品両面での浸透で、日本の存在感は薄れているという。

○付き合えば得をするかどうかを各国が冷静に見極める時代

コラムの著者に利用した外務省実施の海外における対日世論調査を見てみると、

  • 2021年度版:重要なパートナー国(複数回答)として中国を筆頭に挙げる国は東南アジア9カ国中5カ国
  • 2008年度版:重要なパートナー国(単回答)として中国を筆頭に挙げる国は東南アジア6カ国中3カ国。
  • インドネシア、フィリピンなど中国の重要度が日本に近づいている結果も出ている

さらにコラムの著者のベトナムやインドネシアの友人に話をしてみると、日本の高い工業力と文化を持った憧れの対象から、単なる観光地として捉えるようになっているという。中国は経済の重要なパートナーであり、最も信頼できる国として中国をカンボジア、インドネシア、マレーシアは挙げているという。

日本は東南アジア諸国連合(ASEAN)に2023年、友好協力50周年を迎えている。長年にわたる政府開発援助(ODA)などで先人の努力で親日感情は高まったのは事実である。だが、今は各国では日本と付き合ってどれほど得かを冷静に見極めるように変わってきている。もはや無条件に「東南アジアは親日的」というのは、もはや幻想かもしれないとコラムの著者も述べている。🚗💥💡☀️📱📕👝👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️👚👔🧤💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵🇨🇳🇰🇷🇵🇭🇹🇭🇲🇾🇮🇩🇻🇳🇰🇭