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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ことばと市場、自らのニーズ再認識」から

2019.11.22  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ことばと市場、自らのニーズ再認識」から

印象や情緒などの文化的価値を創造・伝達は難しい

 コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、日本最大の消費者行動研究者の集まりである日本消費者行動研究学会の全国大会に参加してそこでの討議の内容について概説している。

◯文化的価値は消費者行動に影響を与えるのは事実

 三浦教授は、同研究学会の全国大会が先月下旬、神戸学院大学で開催され、統一論題「文化と消費者行動・マーケティング」の内容が興味深かったという。

  • 松井剛氏(一橋大学、マーケティング):ことばが市場(消費文化)を創造することをしめした。市場・消費者がもやもやした時代の雰囲気を、メディアなどが的確にことばにすることによって、消費者は自分のニーズを再認識し、そこに多くの企業が参入して市場が拡大。1つの文化を形成するという。事例:「癒し」、「草食男子」、「肉食女子」など。
  • 加賀野井秀一氏(中央大学、言語学):言語学者のソシュールの理論を紹介。ことばが語られないうちは、何一つ文明なものはない、という理論。
  • 米沢泉氏(甲南女子大学、女子学):ことばで市場を創造するということを実践。著書『「女子」の誕生』で現代に続く「女子」消費を先導。
  • 中西敦夫氏(文化学園大学、デザイナー):パリのKENZOでデザインを担当後、自分自身のブランドで20年近くパリで活躍。いかにファッションなど文化を創造するかを示した。デザイナーの才能と時代のインタラクションも重要で近年世界的に注目されている。

三浦教授によれば、イメージや情緒などの文化的価値を創造・伝達することは困難である。しかし、間違いなく文化的価値は消費者行動に影響を与えるといえるという。💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🏨


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『F1』の心つかむ対策を」から

2019.11.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『F1』の心つかむ対策を」から

テレビ業界ではかつての視聴率のバロメーター

 コラムの著者は、F1(20から34歳までの女性層)がネット時代にもマーケティング的に重要なターゲットであることを説いている。

◯少子化で実行が減りテレビを見ないF1層の実像は

 F1と聞くとクルマ好きなら「フォーミュラ1」と答え、農業関係であれば専門用語で1代雑種という採種法をいう。テレビ業界では、20から34歳までの女性層をさす。

これまで、F1の視聴率の大小で若い世代の人気のバロメータとなっていたが、最近はそれを聞かなくなってきたという。要因は、F1の人口減少とテレビを見る習慣がなくネット中心だという。

ただ、F1は、その他の団塊世代などにくらべ塊としては小さいが、倫理的な消費やデジタルネイティブであることから共感の輪を広げ社会の主役になるだろう。かつてはF1は歳をとると保守的になったが、現在のF1は、ネットの進化と並走する形で歳をとっていくとの見方もあり、消費性向は変わらないとの指摘もあるという。それならばF1の実像を研究調査し、マーケティングとして将来の対策を考えるべきであろう。👩📺📶🎓📖🏦💴📊🔎⚡️🌍happy01🌎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:埋没価値の発掘、未来の浮力に注視」から 

2019.11.8  日経産業新聞の記事「「関沢英彦の目:埋没価値の発掘、未来の浮力に注視」から

これまでの埋没費用からの脱却

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)は、事業のためにかかった費用のうち、途中放棄で失い回収できないコストを埋没費用というが、未来に対する今は見出せない埋没価値を発掘して新規事業の元にしてはどうかと提案している。

◯「過去の重力」よりも「未来の浮力」へ

  関沢氏は、未来の浮力の事例をいくつか紹介している。

  • 駅構内:個室ボックスが移動中の仕事場。診療所を作れば心身に不安になる人に救いになり、鉄道の人身事故を減らせる
  • 廃校:自然を生かして学区外の学童を受け入れ特認校として生き残れる
  • 東京国立近代美術館:所蔵作品を活用して社会人にワークショップを開催
  • コレド室町テラス:台湾の著名な書店は書籍販売以外に料理教室や雑貨店やイベントを開催
  • コードレスクリーナー:使用後、空気清浄機として
  • 光触媒技術:脱臭・除菌機能を持つ発光ダイオード電球

など、老朽インフラを修復しつつ、眠っていた埋没価値を発掘し再活用することも創造的な行為である。「過去の重力」よりも「未来の浮力」に目を向けることを勧めている。🌍happy01🌎🇯🇵💡


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:ファンベースのマーケティング、必要な価値体系転換」から 

2019.11.1  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:ファンベースのマーケティング、必要な価値体系転換」から

デジタル情報革命でマーケティングもパラダイムシフト

 コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、情報が氾濫する現代でヒット商品やロングセラー商品を作るにもかつての顧客の捉え方が変わってきていることを論説している。

○今も見えない売上高とファンの盛り上がりの関係

  横山教授によれば、顧客から愛されるヒット商品やロングセラー商品をどのように伝えるべきか情報氾濫の時代には従来とは異なったパラダイムが現場に必要だという。

そこでファンを軸にしたマーケティングが出てきた。ファンベースのマーケティングとは、2割のファンが8割の売上げを占めているという経験に則った、少数の顧客に対して濃い接触や体験を提供して熱烈なファンを作り、その人たちをベースに、ネットとリアルの口コミを増進させて市場を獲得しようというものであるという。

ただ、売上高の向上という点でその効果を測定して可視化することは極めて難しい。以前からマスコミによる広告効果も可視化できないでいて、さらに感覚的な方法で市民権を得た広告マーケティングが未だ現場の主流である。ただ、ファンベースになると、現場の価値観が全く異なってくる。そこでは、既存の広告マーケティングのパラダイムを変える、転職してきた人やマーケティングの素人でも進められる世界かもしれない。🏪🍎🍅🏪🚚📦💡⚡🌍happy01👜


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:アップル時代、終わりの始まり」から

2019.9.18   日経産業新聞の記事「眼光紙背:アップル時代、終わりの始まり」から

技術の先頭集団から脱落し始めた?!

 コラムの著者は、米アップル社が新モデルのiPhone11の発表を聞き、その背景について考察している。

◯端末ハード事業からサブスクリプション事業への軸足の移行

 今回の新モデルには技術的に斬新なものはなく、関係者は低調な販売予測をしている。サムスン電子やファーウェイに商品力で見劣りしているのは否めない。価格もアップルとしては安いというが、中途半端な価格設定で、ブランドとしてスペックは落とせないというのが透けて見えるという。

基軸をハードウェアから動画配信サービス「アップルTV」とゲームの定額配信サービス「アップル・アーケード」のサブスクリプション事業に移すことも、端末の価格が思い切ったものでなければ戦術が成功するのは難しくなるだろう。

スマートフォン市場を創造し、人類のライフスタイルを変えたアップル時代の終焉かもしれない。🍎🎥🎶💻📱🌃🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡🇺🇸🇨🇳