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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:どこでもドアの時代が来た」から

2020.6.8  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:どこでもドアの時代が来た」から

コロナ禍後モノと情報が分離したデジタル社会が現実に

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、昨年の話題の著作「アフターデジタル」でビフォアデジタルと酷評された日本にもコロナ禍によってデジタル化を促されていると語っている。

◯分離後は効率化とこれまでの非情報の「見える化」を促進

 三浦教授によれば、大学の授業もゼミナールもオンライン授業となり、自宅でZOOMなどを使っていると、ふっと自分の部屋のドアが、ドラえもん「どこでもドア」のように感じてきたという。
相手が大学生だけでなく、ビジネスパーソンであっても同じ部屋のPCでオンライン会議をするので、まさに「どこでもドア」あるという。

三浦教授は法政大学の西川英彦氏からの話でデジタル社会とは「モノ」と「情報」が分離した社会であると論議しているという。そこでは、デジタル社会に2つの意味があると示唆している。

⭐️分離した情報部分だけを切り出すことで効率化できる点

ゼミナールの例で言えば、大学生の生身は自宅にいながら、顔の映像と声の情報部分だけが、三浦教授のPCの画面に集合してくる。同様に、現金は、紙幣や硬貨といったモノ部分は捨てて、金額という情報部分だけを切り出して、Suicaのようなカード決済、LINEペイのようなスマホ決済のキャッシュレス化が進んだ。株券、保険証、定期券などのペーパーレス化も効率を効率を促し、CD、DVD、写真、本などコンテンツ系の財も情報だけが切り出されて、いつでも緩衝できるようになった。

⭐️これまでの非情報のデジタル情報化することで見える化できる点

中国では車の交通状況を街頭カメラで撮影することで、運行状況をデジタル情報化し、人工知能(AI)で処理して交通違反を摘発するという。日本では無人店舗の実証実験を行っているが、消費者の商品の取り出し情報などをカメラでデジタル情報化して、AI処理をして決済する。さらに、アミューズメントパークでのジェットコースターやバイクの乗り心地といったアナログ情報を、仮想現実で擬似デジタル化して、消費者にプロモーションすることも行われている。車の運行情報、消費者の商品の取り出し、使用経験といった、これまで情報になっていなかったものもデジタル情報化して「見える化」することになった。ここから新たなデジタル情報の創造ができる。

コロナ禍で加速されたデジタル化は、新しい情報を創造することにも繋がりそうだ。💳💰🕶🚗🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵📖


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:競争力としての文化、制度化戦略が重要」から

2020.4.17  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:競争力としての文化、制度化戦略が重要」から

企業文化による差別化で競争力を得るマーケティング手法

 コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、自らも著者の一人である「文化を競争力とするマーケティング-カルチャー・コンピュタンスの戦略原理-」(斎藤道貴、三浦 俊彦ら、中央経済社)から企業文化によって差別化するマーケティング手法を紹介している。

◯タピオカドリンクとコカ・コーラの違い

 これまで企業の中核となる技術を基礎とする考え方をコア・コンピュタンスとして1990年代に企業で広まったが、三浦教授らは、企業の文化資源もコンピュタンスになるという主張を著作で書いた。

企業の文化資源とは、製品のコンセプトイメージや企業イメージなどで、機能や技術などの機能的価値に対して、非機能的価値であるとされる。これまで、多くの学者や著名人が提案してきている。三浦教授はその中で、経験価値マーケティングを提唱したバーンド・シュミット氏の紹介している。同氏によると、5つの経験価値、

  • SENSE
  • FEEL
  • THINK
  • ACT
  • RELATE

を製品に付加すればコモディティ化する機能的価値競争を克服できるとした。製品に経験価値を付けて消費者に伝達すれば、トライアルはされるがリピートまでは行けないとマーケティングとしては失敗である。三浦教授らはシュミット氏の主張は認めながらも、制度化(慣習化、リピート)の戦略を明確に語っていないとして、企業文化の構造の分析を行った。企業文化を価値ー行為ー制度からなる3層構造とした。価値が基礎にあり、それが行為(トライアル)を生み、行為が持続していく制度(リピート)になって文化になるとした。タピオカドリンクは流行はするが消費文化にまでは到達していないが、コカ・コーラは消費文化として飲み続けられている。この違いは、価値の伝達で終わるか、制度化(習慣化)まで見据えた仕組みを考えているかにあるという。これによって、文化を競争力とするマーケティングができるという。🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵📖


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:電子教科書の効用、全員で学習成果共有」から

2020.4.10   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:電子教科書の効用、全員で学習成果共有」から

単なる持ち運びや検索な便利だけでない

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、自らの授業で使う教科書を電子教科書にした効用について、実証実験での体験から述べている。

◯学習効果が向上

 西川教授は、電子教科書の導入によって大学の授業で見られた効果が、単なる軽量化や検索だけでなく、教員や受講生との情報の共有なので生まれる成果について語っている。

例えば、知識を授業中だけでなく、事前に授業外で習得した上で講義を受ける反転学習には向いているとされている。これを助けている事例が、全国大学生活協同組合連合会(大学生協の連合会)で取り組んでいる電子教科書である。

学生は、大学生協でクーポンを購入し、パソコンやスマートフォンなどのアプリで電子教科書が読める。アプリでは、マーカーやしおり、コメント、検索などができる。ここまでは一般の電子書籍と変わらない。電子教科書として大きく異なるのはマーカーやコメントなどの個人の学習効果を教員や他の受講生と共有できることである。重要なキーワードや、それに関連した事例や書籍、動画などのサイトへのリンクの貼り付けなどができ、教科書を補足できる。さらに教員側も受講生の学習ログを把握できる。学生の興味ある記述や読んだ内容、学習時間の確認とそれらの試験での成績との関係を分析できる。西川教授も自らの授業で電子教科書を昨年度から使い始め、学生には講義前に予め電子教科書を予習して興味ある記述にコメントすることで、反転学習を促した。それまでのスライドによる講義にこれらの予習時のコメントを適時紹介できる様にすると、問題もなく利用でき、コメントを元にした議論の発展も促されたという。さらに教科書の購入率も紙では約15%であったが約70%と大幅に向上した。さらに電子教科書でコメント数や内容を多く読んだ学生が良い成績をとったという相関も得られたという。

新型コロナウイルスでの感染拡大で、ますますオンライン学習が利用される中で電子教科書の意義も高まってくると、西川教授は予測している。✒︎📖🎓🏢📈💻🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:遠隔技術の機能、技術革新のヒントに」から 

2020.4.3  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:遠隔技術の機能、技術革新のヒントに」から

3つの機能を体験することで生まれるイノベーションに期待

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)は、新型コロナウイルスの感染拡大でリモートワークが余儀なくされている中で、逆に遠隔でのメリットを考えている。

◯技術革新で遠隔、遠距離のメリットが見えてきた

  関沢氏は、新型コロナウイルスの影響でリモートワーク(テレワーク)を経験することがビジネスピープルに増えてきたいるのではないかと感じている。日頃から外回りの大ない人にとっては、家で仕事をしても能率は変わらないという声も聞くという。

満員電車での通勤がない分、資料集めなど他の作業に時間がかけられるので、通信環境が整ったことが大きいという。

関沢氏によると、遠隔技術(リモートテック)には3つの機能があるという。

  • 「距離の克服」機能:在宅でのリモートワーク、遠隔診断・手術、オンライン授業、自宅でのフィットネスなど「遠方との共同行動する技術」である。
  • 「非接触接近」機能:5GとVRで中国では隔離患者看護システムんも実用化。新型肺炎などには有効な機能である。
  • 「非存在実在」機能:VRなどで存在していない人や物を目の前に登場させることもできる。5Gであれば、多数の端末から複合情報をリアルタイムに遠方に送ることもできる。

このように新型コロナウイルスの感染拡大は、意外にも人と人との空間的距離を意識させる契機となった。「距離の克服」機能、「非接触接近」機能、「非存在実在」機能の3つを考えることは、社会的なイノベーションを生む可能性がありヒントになると関沢氏は期待している。✋🖥🏠☕️🏢🇯🇵⛹️‍♀️🏀🛠🎓🏢🌍happy01🌎


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:黄ばんだ本に教わること」から

2020.4.1   日経産業新聞の記事「眼光紙背:黄ばんだ本に教わること」から

科学技術が進んでも人のこころと社会現象は解明しがたい

 コラムの著者は、ようやくトイレットペーパーを手に入れたとき、古本屋で目に止まった黄ばんだ背表紙の本は都市伝説オルレアンのうわさ」を手に取った。この本は51年前に起こった騒動について書かれ、今も人心を変えていない現象がトイレットペーパーの不足の話に繋がっている。

◯根も葉もないデマで騒然としたジャンヌダルクが活躍した街

 フランスの都市オルレアンは、ジャンヌダルクが活躍した街だが、そこで奇妙な都市伝説が語られたという。「オルレアンのうわさ」はフランスの社会学者エドガール・モラン氏らが調べた51年前の騒動を書いたものである。

若い女性が街のブティックの試着室から忽然と消えるというもの。うわさでは、被害者たとは薬物で眠らされ、国外に売られるというもの。事件の起こった複数の店はユダヤ人が経営しているという噂が広がった。

実際には、警察に行方不明者はなく、店主らにとっては悪質な中傷で根も葉もない噂であった。著者のモラン氏らはその背景について探ってきた。

どうやら、石油ショックも今回の新型コロナウイルスの感染拡大でのデマも性質は同じである。情報の真偽を確かめないといけない理由は、無用なデマは何も生まないことであろう。👚🍴🏢💴📊😷🔎⚡️🌍happy01♿️👦👧🚹🚻🚺🌍🇩🇪🇫🇷