【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>種から作るイチゴの可能性」から

2025.2.23  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>種から作るイチゴの可能性」から

挑戦の継続が革新生む

コラムの著者 鹿児島 昌樹氏(日本経済新聞社編集委員)は、大半のイチゴ栽培とは異なり、種から育成する「種子繁殖型」を研究開発し、生産現場の高齢化や人手不足、作付面積の減少を解決しようと動き出した、共同開発の事例を紹介している。

○「挑戦の継続」「人集め」「目標の設定」が研究開発の要諦

鹿児島氏によると、各県のブランド品種がひしめくイチゴ市場で、「うた乃」という新品種が本格的に登場したという。これまでのライバルの栽培法とは違う、革新的な「種子繁殖型」の本格的な登場だという。

これまでの「栄養繁殖型」とは何が違うのか。これまでは、親株から伸びたツル(ランナー)の先にできる子苗を増やして育てるものである。親株のクローン栽培で、親と同じ味や色彩の実がなる。大半のイチゴは、「栄養繁殖型」である。

「栄養繁殖型」の長所は、品種の開発が容易である。交配を重ねて味や色、形、収量など優れた特性を持つタイプができたら、それを親株にしてランナーの先にできる子苗を増殖させる。だが、短所として、親株が病気や害虫に蝕まれるとランナーも子苗も影響を受けてしまう。したがって栽培者や農家は細心の注意を払って1年中親株を管理する必要がある。

一方、「うた乃」をはじめとする種子繁殖型は種から育てる。親株の病気などが種に伝染するリスクが少なく、たくさん採れる種で苗を量産でき、親株の管理は不要である。この「うた乃」は三重県農業研究所が研究開発した。「育苗の期間と労力を大幅に削減できる」と同研究所の小堀純奈主査研究員が説明している。一方、「種子繁殖型」にも短所がある。特性が優れたタイプができても種で受け継がせることが難しいのでランナーを利用する。

「うた乃」の研究開発は2009年に始まった共同研究が起点であるという。三重県農業研究所は、種子繁殖型で先行していた千葉県や香川県、農業・食品産業技術総合研究機構と協力し、遺伝子型を揃えたイチゴを交配して種子繁殖型イチゴ「よつぼし」を作り出した。よつぼしは、スーパーマーケットや観光農園、ガーデニング店などに販路を広げた。計画を牽引した三重農業研究所の元研究者である森利樹氏に研究開発で心掛けたことを尋ねると、「挑戦の継続」「人集め」「目標の設定」を掲げたという。可能性を考えて挑み続け、さまざまな専門家を巻き込んで知恵を持ち寄り、ぶれずに目標達成を目指す。どんな研究開発にも当てはまる要諦である。🍓🏠🏢🔥🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:『楽しい日本』が突く本質」から

2025.2.18   日本経済新聞の記事「Deep Insight:『楽しい日本』が突く本質」から

本質は画一性を排し多様性を引き出すこと

コラムの著者 小竹 洋之氏(日本経済新聞社 コメンテーター)は、「メキシコの漁師」という出所不明の寓話を取り上げ、今までの価値観に縛られることなく、もっと多様な幸せを追求すべきと説く石破茂首相だが、国内の評価は芳しくないという。だが、その本質は、日本の国力を高めつつ、国民のウェルビーイングを高めることは意外と難しく、諸外国に誇れる将来の姿かもしれない。

○日本で成長と幸福をどう両立させるか

小竹氏によれば、「メキシコの漁師」の話はこうだ:

「米国で成功を収めたビジネスマンが、旅行先のメキシコで漁師に出会う。漁師は毎日存分に寝て、目覚めると、生活に必要な分だけ魚を獲りに行く。仕事の後は子どもと遊んだり、妻と昼寝をしたり、友人と酒を飲んだりする。ギターや歌を楽しむこともある。

ビジネスマンは無欲な漁師に助言する。もっと魚を獲って売り捌き、水産会社を興して都会に進出し、上場後高値で売却してはどうか。金儲けの先に悠々自適の人生が待つと説く。

漁師はビジネスマンに、『自分はもうその悠々自適な生活をしている』と告げる」

石破茂首相の論考集にも同様の話が登場するという。つまり、「私たち日本人は、今までの価値観に縛られることなく、もっと多様な幸せを追求すべき」と説いている。明治維新後の「強い日本」、第2次世界大戦後の「豊かな日本」、そしてこれに続く「楽しい日本」を目指すというのだ。

だが、国内の評価は芳しくない。「軽薄」、「幼稚」、「優先順位が違う」といった散々な評価である。多くの人々が物価高に苦しんでいる中で、これからは「楽しい日本」と言われても違和感だけが残る。

改善の兆しが見られるとしても、稼ぐ力も投資の意欲も賃金への還元もまだまだ足りていない状況である。JTC(Japanese Traditional Company)と揶揄される伝統的な日本企業は、相変わらず過剰なリスク回避や前例踏襲の経営を脱しきれていない証拠も言える。

メキシコの漁師の寓話ではないが、日本で成長と幸福をどう両立させるか。大企業がグローバルで勝ち抜く「強さ」、地方の主要拠点への集住やサービス業の活性化で実現するローカルな「豊かさ」、そして、モノ消費からコト消費(観光、エンタメ、グルメなど)へ移行で得る「楽しさ」が、同時追求されねばならない。「楽しい日本」の本質は画一性を排除して、多様性を引き出すという点に尽きると小竹氏は指摘している。🍜💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「現場主義がいいんだよ、松重豊『劇映画 孤独のグルメ』を語る」から

2025.2.10  日本経済新聞の記事「現場主義がいいんだよ、松重豊『劇映画 孤独のグルメ』を語る」から

監督・脚本・主演の3役を務め、国境を越え人気

コラムの著者でインタビュアーである 佐藤 洋輔氏(日本経済新聞社)はテレビ東京の人気ドラマを映画化した「劇映画 孤独のグルメ」の監督・脚本・主演の3役を務めた松重豊(62)に撮影のエピソードを聴いている。

○監督志望を断念して役者の道へ

「孤独のグルメ」は久住昌之と谷口ジローによる同名漫画が原作である。松重豊が演じる輸入雑貨業者でグルメの井之頭五郎が仕事の出先で胃袋を満たす姿を描く。2012年のシーズン1から、これまで10シーズンが放送された。初の映画版が今全国公開中である。

松重豊は、東京・下北沢の中華料理店で一緒にアルバイトしていた甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)を主役に自主映画を制作したが、資金不足で頓挫した。監督志望を断念して役者の道へ進んだ。松重自身、映画への思い入れは深い。役者生活は40年を超えた。「どんな演技をしていても、そこからは俳優自身の人間性が見えてくる」という持論を展開している。内田有紀、磯村勇斗ら共演者は「いずれも人間的に尊敬するひとたち。ラブレターを書くように出演をお願いした」と松重は振り返っている。

撮影前にあらかじめ想定して書かれたセリフより、現場での実感を重視する。そんなライブ感覚を生かした映像である。

13年にわたって続くシリーズの人気は国境を越えて東アジアにも波及している。🥟🍜🍽️📱🏠🏢🔥🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇰🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「チャートは語る:『スマイル』も安いニッポン」から

2025.2.2  日本経済新聞の記事「チャートは語る:『スマイル』も安いニッポン」から

日本経済全体で労働者の取り分が少ない構造的問題

国際的な物価指標として知られている外食大手マクドナルドのビッグマックを元にした分析がある。日本の賃金水準が低いことがこの分析で分かったという。コラムの著者 真鍋和也氏(日本経済新聞社)によれば、店舗で1時間働いて買えるのは日本では2.2個で、米国や英国の2.5個以上に比べ見劣りしているという。

○時給=ビッグマック2.2個、米欧に賃上げ見劣り

コラムによれば、値上げほど賃上げが進まず、5年前に比べて、0.2個減ったという。「スマイル」(マクドナルドのジョーク)の安さは経済全体で労働者への分配が少ない構造的な問題も浮き彫りにした。

さらにドル建てで時給を見るとアジア勢が日本を逆転している。

2024年7月時点のビッグマック価格を見ると、日本は3.2ドル(480円)だった。5ドル台の英米より5割近く安い。実は、値段だけ見ても割安かどうかはわからない。求人検索サービスのインディードのデータと付き合わせると、時給の中央値1047円で買えるのは2.2個のみ。オーストラリアなら3.9個、スイスなら3.4個、英国では2.6個、米国では2.5個である。ドイツやフランスなどEU圏5ヶ国平均2.5個であった。

マクロデータの分析では、賃上げの余地があることを示している。また、OECDの景況感指数は米欧では消費者と企業が拮抗してきたが、日本では企業の方が未だ高い。稼ぎの分配が企業側に偏っていることが示されている。

ビッグマックの購買力でみた賃金水準は日本の立ち位置を示している。日本政府や日本銀行が目指す「賃金と物価の好循環」へはまだ程遠いと言わざるを得ない。🍔🏢🔥🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸🇯🇵🇩🇪🇫🇷🇬🇧🇦🇺🇨🇭


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:『日本の酒』への追い風生かせ」から

2025.1.14  日本経済新聞の記事「社説:『日本の酒』への追い風生かせ」から

ブランド価値を高め日常的に楽しむ流れを世界へ

日本酒や焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。社説によれば、日本の酒は各地の酒蔵が担う風土や文化の厚みと多様性が評価されている。今回の登録を輸出や観光への追い風にしたいところである。

○手本の1つがフランスのワイン

農林水産省によればアルコール飲料の国内出荷量は減少傾向にある。日本酒は2023年、50年前のピーク時から4分の1以下にまで減った。一方で、輸出額はここ10年間で約4倍に増えているという。

インバウンド観光客が高価な日本酒を購入している例も目立つという。和食の人気が酒に波及したようである。原料も地元産の場合、地域への経済効果は大きいという。今回のユネスコの評価を好機にブランドを高めて、世界的に日常的に楽しむ流れを作っていきたいと社説の著者も希望している。

その際の手本となるのがフランスのワインでなないか。作り手の歴史や地域の文化、農業との関わりなど幅広く伝える努力が必要であろう。予備知識に乏しい人にも個々の酒の特徴や価値がわかるような工夫が欲しいところである。和食はもちろん、他の料理との組み合わせの提案も必要であろう。伝統を守ることと並行し、新しい試みも応援したいところである。🍷🍶✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵🇫🇷