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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:コンテンツ海賊の次の標的」から

2024.2.20  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:コンテンツ海賊の次の標的」から

コンテンツのコピー防止策だけではもはや防げない違法行為

コラムの著者 フィル・キーズ氏(米インタートラストテクノロジーズ マネージャー)によれば、これまでのコンテンツ著作権侵害といえば一般的にコンテンツの違法コピーであったが、AI時代にはコピーが不要な時代となり、より違法性を問うことが難しくなってきているという。

◯無断でAIが作成するコンテンツがストリーミングされ違法な取引となる

 キーズ氏によれば、今までは生演奏の違法コピー版がレコードからストリーミング・ビデオのファイルの違法ダウンロードまでと「コンテンツ海賊」の主流は違法コピーであった。しかし、AI時代に入ると、そっくりな人物をAIが作成する「ディープ・フェイク」と呼ぶコンテンツが問題となっている。例えば、世界的に有名なTaylor Swift氏のフェイク写真がSNSにばら撒かれた事件が米議会で話題になるほどである。ディープ・フェイクだけではコンテンツ海賊の商売にはならない。確かに話題にはなるが違法な収入を得ることは稀である。

それよりも、有名なアーティストの作品を似せてAIによってあたかもそのアーティストが作成したような「新しい」コンテンツとして流布することで収益を得ることである。例えば、Ghostwriterと呼ぶ人物がAIを使ってDrakeやThe Weekendという米国の有名なアーティストを真似て、Heart on My Sleeveという曲を作成してネットに流した。Ghostwriterはこの曲をGrammysにノミネートした。歌手ではなく作曲者としてのノミネートである。このような場合、誰が著作者なのか。

VR(仮想現実)にもコンテンツ海賊が出没しているという。報道によると、オランダ反著作権違反団体、BREINはVRChatとよぶVRアプリ上でコンテンツ海賊が違法行為をしていると2023年11月に明らかにしている。BREINによれば、VRアプリ内に違法コピーされたコンテンツがストリーミングされているという。問題は、今後AIを使った正式なコンテンツもVR世界(メタバース)に出現する可能性もあるので、どちらが違法かグレーでであればコンテンツ海賊が暗躍する可能性もある。

メタバースが発達すると、許可を得ずしてアーティストの画像や音声コンテンツからAIを使って、今までになかったコンテンツを生成し、流すことができる。もはやコピーは不要なので、これまでの違法コピー防止策は役立たない。消費者や反著作権違反団体にわかりやすい形で、AIが生成したコンテンツが違法か否かがわかる技術の開発が必要になると、キーズ氏は示唆している。👓🎵🎞️🍿🚌🔍👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:『視聴率の進化』」から

2023.12.28  日経産業新聞の記事「WAVE:『視聴率の進化』」から

生活者にメディアの接触が多様化で変わる視聴率の範囲

コラムの著者 加治佐 康代氏(ビデオリサーチ取締役)によると、12月22日は「視聴率の日」で1962年同氏が勤務するビデオリサーチ社が日本初のテレビ視聴率レポートを発行した日であるという。テレビ視聴率はテレビ広告の取引の共通指標や番組制作・編成の参考資料となる他に時代や流行を映す鏡とも言われている。生活者の生活様式の多様化に伴って視聴率の適用範囲も変化してきた。加治佐氏はその歴史を語っている。

◯生活者の「見る」行為を観測

 加治佐氏によれば、デバイスや配信技術の普及や発展でテレビ番組は「いつでも」「どこでも」見れるものに変化し、生活者もその利便性を享受している:

  • 「いつでも」:従来の録画視聴に加え、ビデオ・オン・デマンドサービスが普及。
  • 「どこでも」:スマートフォンやタブレット経由での動画視聴が定着。移動中や入浴中でも視聴ができる。インターネット接続するコネクティッドTVの普及でTVerやNHK+、ネットフリックス、YouTubeの配信コンテンツもテレビ画面で視聴できる

つまり、インターネットの接続環境がコロナ禍などでさらに進み、コンテンツ自身もプロコンテンツ以外に一般ユーザーによるコンテンツが急増して視聴の分散化はさらに進んでいる。

ここにきて視聴率の守備範囲はさらに広くなっている。視聴率の測定手法やデータも時代とともに多様化・進化を遂げ、リアルタイムの視聴率だけでなく、録画における視聴率や視聴人数のデータも多岐にわたり、視聴デバイスでの動画配信プラットフォームの実態を把握すべく、視聴率測定領域を拡張する取り組みも進めている。自宅内の放送視聴と動画視聴の同条件での分析を可能にし、メディア毎の視聴傾向やそれぞれの視聴実態、生活者の視聴行動や特徴を明らかにすることができるようになった。

視聴率は単なる数字ではなく、生活者個人の「見る」行為の積み重ねで、さまざまな分析が試みられ課題も多いが、同社の生活者を「見る」行為の観察・分析は続くという。📺📱📉📈💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:AI、コンテンツ業界の要」から

2023.12.26  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:AI、コンテンツ業界の要」から

自動的に好きな音楽を推薦することは意外に難しい

音声や動画コンテンツ市場からのストリーミング市場へのシフトが止まらないという。コラムの著者 フィル・キーズ氏(米インタートラストテクノロジーズ マネージャー)も自宅勤務の時は音楽ストリーミングサービスの大手スポティファイで音楽を楽しんでいる。最近同社が自動DJ機能を追加したが、AI技術を使ってコンテンツを推薦する機能である。さてその出来具合は?

◯ユーザーに可処分時間内で欲しいコンテンツを推薦することはTPOの影響を受けて複雑

 キーズ氏は、ストリーミングがユーザーがいつでも気楽に楽しめる点で受けているという。だが、それは豊富なコンテンツを楽しめるようになると、今楽しみたいコンテンツを選ぶことに苦労するという別の問題が出てくる。これは、市場調査にも現れており、米Nielsen社の2023年5月のデータでは、視聴者は動画コンテンツを見る前に、何を見るかを決める時間が10.5分かかるという。2019年では7.5分であった。動画コンテンツ業界が恐れているのは視聴者の20%は動画を途中でやめてしまって別のことをすることだという。

では選択するために自動的に推薦するのはどうか。つまり、視聴履歴からこんなコンテンツはいかがというやり方である。だが可処分時間が短いときにはこれでは物足りない。つまり、動画コンテンツを想定した時、現在ユーザーはどんな端末を利用しているのか、テレビなら、テレビの前に何人いるのか、数人なら子供は何人?さらにジャンルは?というとかなり複雑な条件となる。

そこでAIを使ってコンテンツを推薦することがストリーミング音楽や動画のサービスに利用されている。確かに、音楽ストリーミングサービスの大手スポティファイもAI技術で自動DJ機能を追加したが、キーズ氏は「まだ足りない」というのが感想である。それは時間帯や日々の生活習慣に合う音楽を選択する機能である。ただ、これからは機能はさらに進化するだろう。🎻🪈🎸♬🎶🎵🚌🔍👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ファンフレーションは日本の時代」から

2023.11.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ファンフレーションは日本の時代」から

多品種少量、一品受注生産は日本のメーカーの得意なところ

消費者が家電製品や自動車などより旅行やコンサートなど無形のサービスに気前よくお金を使うことは、「モノ」から「コト」への移行と多くの議論で説明されてきたが、米小売業界ではFunflation (ファンフレーション)と呼ばれ、楽しみ(Fun)の価格上昇(inflation)が語源だという。コラムの著者が述べているのは、ファンフレーションは実は日本にとって有利だということである。

○「みせびらかし」から自己の価値観で購買行動へ

コラムの著者によれば、新型コロナウイルス禍で航空運賃、宿泊費などの旅行関連やコンサートチケットなどの価格高騰は原材料費や人件費の上昇だけでは説明がつかず、ファンフレーションが進んでいることを物語っているという。コロナ禍で抑制されていた消費の揺れ戻しや「コト」消費への移行だけでは説明がしきれないほど力があるという。

ファンフレーションの背景には、高級商品の購入と保有が「みせびらかし」にあるとする「ウェブレン効果」が先進国で薄れてきており、消費者が自らの価値観による購買行動に変化してきている。旅行やイベント、飲食は個人の嗜好による、つまり個人の価値観に依存する。

となればファンフレーションでのモノ消費のマーケティングは、商品をきめ細かくカスタマイズするか、限られた顧客層のみをターゲットにした商品を開発するしかない。極端に言えば、多品種少量、一品受注生産になる。このような生産が得意なところは日本のメーカーである。今は日本の得意技が生かせるときかもしれない。👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️👚👔🧤💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:コネクティッドTV、番組の探しやすさ課題」から 

2023.11.8  日経産業新聞の記事「トレンド語り:コネクティッドTV、番組の探しやすさ課題」から

英国ではプロミネンス(強調)ルールで目立たせる

電通「d-campx調査」(関東)の2023年5月の調査データでは、テレビのネット接続率は59.6%で、コネクティッドTV(CTV)の普及が進んでいるという。コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研フェロー)によれば、放送波だけでなく、動画配信サービスなどコンテンツの選択は以前に比べ複雑になっており、チャンネル間の遷移やザッピングすることは容易ではなくなっているという。このような時代にCTVのあるべきデザインとはどうあるべきか、議論が始まっているという。

◯シームレスな視聴導線ができればサービス事業者にとっては視聴者獲得のメリット

 奥氏によれば、テレビのネット時代のサービス選択は複雑で、視聴者にとっても操作性や選択に苦労するという。リモコンのボタンや画面上のバナー表示などの工夫が必要である。そのために従来より放送チャンネル間の遷移に比べ、放送と配信の横断、配信間を横断するためにはリモコンの操作が数回必要となる。見たい番組を探してザッピングすることも容易ではない。

CTVにはオンスクリーンのキーボードはあるものの、番組名を入力して検索するにも骨がおれる。そこで問題になるのが、CTVのホーム画面のレイアウトなどのデザインである。一覧性と視聴導線の利便性のバランスを考慮したものでなければならない。さらにこれをうまく提供すればサービス事業者にとっては視聴者獲得のメリットがある。

英国では多チャンネル時代に対応したプロミネンス(強調)ルールを設定している。民間放送も含めた公共性の高い放送サービスをより目立つようにするというルールである。情報の信頼性や、自国ならではの問題として諸外国のサービスよりも番組を優先したいという意図がそこにある。いずれにしても日本国内でもCTVのあるべきデザインがこれから議論されると奥氏は予想している。💻📳🍂🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵🇬🇧