映画

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「推し博物館に寄付いかが、クラウドファンディング活況」から

2024.9.7  日本経済新聞の記事「推し博物館に寄付いかが、クラウドファンディング活況」から

コロナ禍が契機/特典ツアー魅力

コラムの著者 草塩 拓郎氏(日本経済新聞社)は、滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀県草津市)を事例に博物館や美術館が新たな財源にクラウドファンディング(CF)を使って財源の確保と特典で熱心なファンを惹きつける効果があることを示したいる。

○英米の比べ寄付収入の少ない国内

コラムによれば、知と文化を担う博物館や美術館の新たな財源としてCFが名乗りを上げているという。まだまだ欧米に比べ、取り組みは遅れているが、新型コロナウイルスの感染症拡大で入館数が激減したことをきっかけに普及は広がっているという。CFの導入は財源の多様化ができることや普段は立ち入れない展示の舞台裏を見学できるといった特典で熱心なファンを惹きつける効果もあるという。

滋賀県立琵琶湖博物館では、2023年2月に、ビワコオオナマズを展示する水槽が割れる事故が発生した。幸いなことに怪我人は出ず、ナマズも無傷であったという。しかし、水槽を点検すると、複数の傷が見つかり、全ての水槽を修理するには数千万円以上かかる。そこで、同博物館は、来館者がくぐるトンネル型水槽の窓と、他の6つの水槽の修理費を2023年11月から2024年1月にCFで寄付金を募集した。担当部門長は、目標の500万円も集まらないのではないかと不安であったが、実際は、1159万3千円が集まったという。募金の返礼として日本の主な淡水魚を感謝状や琵琶湖に棲む生物などを盛り込んだデスクトップの壁紙を用意。普段は立ち入れない淡水に棲む希少な魚を保護する施設への見学ツアーなども人気を集めたという。寄付が体験につながり、さらに熱心なファンを再生産する好循環ができてきた。

博物館や美術館は国や地方自治体が支出する公的収入と、入館料やグッズの販売などによる事業収入の2本を財源としている。ところがコロナ禍で入館数が激減し、文化庁の調べによると全国の博物館の9割が休館し、入館料収入は2019年の半分以下となった。

指導した日本国内のCFも課題が残る。財源に占める寄付収入の割合は1%程度以下の博物館が多く、米英の大手博物館の10分の1程度であるという。博物館や美術館を市民が支える意識がまだ低く、寄付を集めるノウハウを持つ人材も不足しているという。さらに寄付に関する税制も改善の余地があると、CF大手のREADYFOR(東京・千代田)の広安みゆき氏(認定ファンドレイザー)も指摘している。寄付文化を日本に根付かせる広い施策が必要なようだ。💴🖼️🐡🐟🦭🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「令和なコトバ、パワーファミリー、旅・趣味・食に思い切って使う」から

2024.9.2  日本経済新聞の記事「令和なコトバ、パワーファミリー、旅・趣味・食に思い切って使う」から

消費意欲の高さはパワーカップルを上回る

コラムの著者 福光 恵氏(ライター)のパワーファミリーのイメージ紹介が面白い。福光氏は東京都心に住んでいるが、セレブではなく最初に住み始めたころは古い物件が多く、意外に家賃がお手頃だったという。ところが10年ほど前から、何億円もする新築マンションの新住人と古くから住んでいる旧住民との生活レベルなどの格差が拡大しているという。このような状況で、パワーファミリーとはどのような家族像なのだろうか。

○都心の住宅地の生活レベルの格差

福光氏のたとえで、この生活レベルの差を言うと、自分が寝落ちをしないように堅焼きせんべいをバリバリ食べながら徹夜仕事をしているとき、近くの高級マンションのペントハウスでシャンパンを片手にジャグジーに入っているカップルとかに見下ろされたら…、一言「面白くない」状況。

そこでパワーファミリーの紹介。以前には先のイメージ通りのパワーカップルという高収入の夫婦を指す言葉があった。パワーカップルは高収入の「家族」を指す言葉で、特に厳密な定義はないが、世帯収入1500万円前後で、夫婦2人のDINKS構成が多いと言う。一方、パワーファミリーは世帯収入は同様で高収入であるが、違うのは子どもがいることであるという。

家計簿アプリを提供するスマートバンク(東京都品川区)による世帯年収1400万円以上のパワーファミリー調査では、お金を使うところと、使わないところにメリハリを付ける消費が特徴であるという。

  • 「特に思い切って使う」カテゴリー:旅行、趣味、食品が御三家。
  • 「節約する」カテゴリー:上記以外の食品、生活用品、インテリアなど

となっている。約9割が「証券口座」を保有していたり、約7割が「月5万円以上、NISAで積立投資」をしていたりするのはいかにも現代的だが、意外に、約半数は貯蓄額1000万円以上で、それ以外は100万〜500万円と言う家庭も20%あるという。つまり、使いっぷりがいいイメージも注目される理由なのだと福光氏は指摘している。💴💰🍘🧳🏙️💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:『ひとり』が生む商機を逃すな」から

2024.8.16 日本経済新聞の記事「私見卓見:『ひとり』が生む商機を逃すな」から

他者情報の「接続過剰」に対するバランスをとるひとり生活

コラムの著者 内浜 大輔氏(博報堂生活総合研究所 上席研究員)は所属する博報堂生活総合研究所の調査を紹介している。2023年に20〜69歳を対象に調査した内容で、「みんな」より「ひとり」でいる方が好きという人が78%に上ったという。この結果から個人の生活に対する新たなマーケティング視点があると示唆している。

○ひとりを前向きに捉え、生かそうとする視点が大きなビジネスチャンス

内浜氏は、「みんな」といるより「ひとり」でいる方が好きな理由として、インターネットやSNSが生活に入り込む環境の下で、常に他人の情報を浴び、やり取りをする「接続過剰」があるのではないかと考えている。

ひとり時間の効用は多岐にわたっているが、ひとりだから何かに没入して体験・鑑賞したり、内省を通して自分の考えを再発見したり、身近に新しい挑戦ができたりできる。誰かと一緒では得られない積極的なものが多いという。

生活者のひとり欲求の充足は有望なマーケティングの対象と考えられるが、課題もあると内浜氏は指摘している。課題としては、先に示したような、ひとり行動の積極的な効用に適合したようなサービスがまだ少ないことである。前提は「みんな」である価格によって決められ、ひとりだからというプレミア価値を意識したところが少ない。オフィスでも大人数ではなく個別で1人で考えられる場所や住宅でも家族から一定の距離をもってひとり時間が楽しめる空間といった内容である。このようにひとりという状態を前向きに捉え、そこにプレミア性や活性する視点があれば新しい商機が見えてくるのではないかというのが、内浜氏の主張である。♨️🏢🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:『ニコニコ動画』とランサムウェア」から

2024.6.22  日本経済新聞の記事「春秋:『ニコニコ動画』とランサムウェア」から

復旧途上で簡易版サービスに人気

コラムの著者によれば、弾幕と呼ばれるgマンに字幕が溢れんばかりに流れ、映像も隠してしまう主客転倒の機能が受けた「ニコニコ動画」だが、運営会社がランサムウェアの攻撃を受けて動画共有や生配信のサービスを停止した。復旧に時間がかかる間、簡易サービスで機能を制限したが、かえって利用者には「懐かしい」と人気になっているという。

○ランサムウェアの被害総額は減少気味

コラムの著者によれば、数が少ないうちはただの字幕が、視聴者が増え反応が広がると、「弾幕」と呼ばれる画面に溢れんばかりの文字が流れる機能が受けた「ニコニコ動画」が、サイバー攻撃を受けたという。

弾幕の発想は、動画を見ることより、弾幕の反応を楽しむという主客転倒の機能から発生し、これが人気となった。賛同や批判が集中すると感想が、画面を覆い尽くし、アニメや動画の元画像が見えなくなる。

弾幕現象は、皆で1つの動画を見るという実感があり、他者の反応が見て取れる。哲学者 東 浩紀氏はSNSで

「単なる動画プラットフォームではなく、2000年代の日本文化の震源地になり続けた場所」

だと、文化の発信や楽しみ方の構造変化を感じさせたという。

その「ニコニコ動画」の運営会社がランサムウェアのサイバー攻撃を受け、動画共有や生配信のサービスを停止した。運営会社は、復旧に時間がかかるとして、簡易版でサービスを再開。制限された機能であったが、利用者には「懐かしい」と好評であるという。苦境にたった企業が信頼を再度立ち上がるのはこうしたファンのおかげであろう。📺🎥🚲🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:Z世代に見る行動変容」から

2024.3.26  日経産業新聞の記事「WAVE:Z世代に見る行動変容」から

人口ボリュームの少ない世代だが発信力の高さで他の世代にも多大な影響を

コラムの著者 加治佐 康代氏(ビデオリサーチ取締役)は、前回に引き続き少子高齢化の影響をZ世代自社の事例を通じて、生活者全体に与えることを考察している。

◯夜間だけでなく朝時間もメディアを生活に取り込むZ世代

 加治佐氏によれば、2019年当時は19歳以下の人口比率が26%であったが、2023年には全体の16%まで減少しており、人口ボリュームとしては少数派である。しかし、この若年層が将来の日本を担う人たちであるてんは変わりなく、デジタルネイティブの世代であることも大きな特徴だという。

Z世代という言葉が徐々に浸透しているが、一般的に1990年代半ばから2010年初めの頃に生まれた層を指しているという。デジタルネイティブでインターネットを介してシームレスに情報を共有・拡散することが日常で、大量の情報に接触することから、タイムパフォーマンス重視の効率主義者と言われている。

趣味や推しなどの共通項があればSNSで距離も年齢も関係なく繋がることに慣れており、それらのツールを活用した発信力の高さもZ世代の特徴である。加治佐氏も視聴率を扱う業態であることから、Z世代の影響力は無視できないという。通常は動画視聴などは夜間の時間帯が増えるが、Z世代はさらに朝時間もメディアを生活に取り込んでいる。その日1日の活力を得るためや目覚ましがわりに海外ドラマの配信を毎日1話を視聴すするといった生活に溶け込んだ行動である。

人口ボリュームが少ないZ世代ではあるもののインターネットなどデジタルネイティブの特性を活かして他の世代に大きな影響を与えている。この世代の行動変容が生活者全体の新しい時間の価値を創ったり、コンテンツビジネスを左右するとも言われている。🧠📺📱📉📈💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵