【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:世界を覆う『システム』人間の理解力は拡張不能 」から
2017/05/16
2017.5.12 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:世界を覆う『システム』人間の理解力は拡張不能 」から
家電の高度化を事例にシステムの際限ない巨大化や複雑化には人間は後手
コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、システムの構成する技術を理解する2つの方法を示し、現代の家電製品を事例にその技術が理解不能になっていく過程について述べている。
◯トップダウンとボトムアップの手法
山﨑教授はシステムの構成する技術を理解するにはトップダウンとボトムアップの方法があるという。前者は目的や成果から初めて内部の細かい内容に入るもので、後者は要素や機能の解釈を積み上げて全体像に至るボトムアップ的手法である。
目的を実現するシステムが大規模になると前者の方法では細かい内容にまで立ち入らないので、内部はブラックボックス化する。後者では、目的の理解が不十分だと本末転倒になりかねない。
このように理解のレベルでは故障やトラブルが発生すると困難な状況となる。内部の仕組みが見えないので、原因究明に時間がかかり生産に携わったメーカーの人たちに頼ることになる。
テレビのような家電も同じで、昔は購入時の説明書に回路図が入っていた。それをみて故障を直すのはごく一部の人だが、製品に愛着を感じた。ところが、回路も真空管からトランジスタ、ICとなると回路図は廃止され、製品の内容は非公開となり、ブラックボックスとなった。こうなると素人では直せず、メーカーのサービス部門に頼ることになる。こうしてお荷物であったサービス部門は利益を生む部門に変わる。
修理もブラックボックス化が進み、正常な部品があっても基板ごと交換することになってしまう。もはやシステム全体や詳細を理解することも困難になる。これからはますます大型化、複雑化するシステムに対して機能や構造を整理するなどの対策が必要になってくるだろうと山﨑教授は指摘している。📻💻💡⭐️🌎
コメント