事例

【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「あすへの話題:世界の分断の中で」から

2024.8.5  日本経済新聞の記事「あすへの話題:世界の分断の中で」から

各国民は世の中の予見性が低下する時、正しきリーダーより強いリーダーが求める

コラムの著者 國分 文也氏(丸紅会長)は、経済安全保障の枠組みをしっかりと維持しつつ、自由貿易、投資体制を守っていくことを粘り強く進めていかねば、貿易とグローバル投資を生業とする総合商社にとっても日本にとっても、自由経済体制はかけがえのないものであると主張している。

○第2次世界大戦は主要国が自国第一主義でブロック経済の構築に走ったことが原因

國分氏によると、今の世界の情勢は、「ゼロサムゲーム」に陥っているという。1990年代初頭に米ソ冷戦時代が終わり、世界は互恵関係がなりたつWin-winの関係の時代を過ごしてきた。

しかし、このところ、各国が自国の利益を優先し、限られたものを奪い合う「世界の分断」に逆行したと國分氏は指摘している。それまでグローバル経済を引張ってきた米国でさえ、自国第一主義に傾斜しているという。第2次世界大戦後、世界の共存共栄を支えてきた国際連合、世界貿易機関といった枠組みも機能が弱体化している。

そう考える歴史を振り返ると、国民がもつ世の中の予見性が低下し、人の心に不安が生じる時、国民は結果的に正しいことを行おうとする指導者より強いリーダーが求めてきた。第2次世界大戦を起こした独裁者も選挙で国民が選んだ指導者であった。大きな歴史的転換期には国民の判断も万能ではなく間違える可能性もある。世界が今向かっている方向には、当時とにた危うさと気持ち悪さを感じてしまう。

第2次世界大戦は、主要各国が平和維持の枠組みを自ら有名無実化してしまい、自国第一主義でブロック経済圏の構築に走った結果である。國分の総合商社にしても、日本にしても、ブロック経済ではなく、自由経済体制があってこそである。経済安全保障の枠組みを維持しながら、自由な貿易・投資体制を守ることの大切さを粘り強く訴えていきたいと國分氏は語っている。🚢💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇷🇺🇨🇳🇮🇳🇬🇧🇫🇷🇩🇪🇮🇹🇳🇱


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:中小視点のコンプラ体制が重要」から

2024.8.5 日本経済新聞の記事「私見卓見:中小視点のコンプラ体制が重要」から

リスクテイクを正しく実現するコンプライアンス体制が中小企業には重要

コラムの著者 田中 雅敏氏(明倫国際法律事務所 代表弁護士)によれば、日本企業の99.7%を占める中小企業の成長を伸ばすことは日本経済の再起に向けた喫緊の課題だという。大企業では徹底したリスク回避であるが、中小企業では経営判断に小回りのきくことを特色を生かすためには法務自体の異なった視点が必要だと言う。

○中小企業のコンプライアンスは大企業の「小さい版」ではない

田中氏によれば、中小企業の法務は、大企業の「小さい版」ではなく、経営資源も限られた中で法務体制も脆弱な中での業務となる。一方、大企業にはない点である、意思決定や社内の決済は速さが勝負となる。これはスタートアップ企業同様、経営の舵取りの仕方によっては高い成長性が期待できると言う。

中小企業の悩みは、企業規模に比べて過大なコンプライアンスを、大口取引先の大企業の基準に合わせて求められることである。厳密なビジネスプランやリスク管理、BCPや生産継続体制の確立などである。だが、中小企業にとって最も重要なことは、悩みである過大なコンプライアンスにあるのではなく、リスクを単純に回避することは、生産性の低下やビジネスチャンスを逃しかねないということにある。

田中氏はここで中小企業の重要な判断について逸話を紹介している。

  • 大手メーカーから出資を受けているある中小企業は、経営判断にあたりメーカー側の決済をいちいち待たねばならないことになっていた。
  • あるとき、中小企業側が大手の決済スピードを改善するように求めたが、大手企業は「さまざまな可能性を考えていくのでその分遅くなる」と応じたと言う。
  • そこで中小企業の社長は、大手企業の関係者に以下のように言い放った:
    • 「このスピード感で商機を失うのが、一番のリスクではないですか?そのリスクは検討したのですか?」

中小企業で、大企業的に「念の為に、これはやめよう」と考えてしまうのは好ましくないと田中氏は指摘する。中小企業では適切な経営判断でリスクテイクを正しく実現するという、中小企業の視点でのコンプライアンス体制を作ることであろう。また、このリスク管理のセンスをもつ社員を確保・育成すべきだとも指摘している。👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>『紅麹』サプリにみた二律背反、機能うたう制度、1つに」から

2024.8.4  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>『紅麹』サプリにみた二律背反、機能うたう制度、1つに」から

特定保健用食品、機能性食品、栄養機能食品の相違がわかりにくく混乱を招く

テクノロジーとシステムには必ず「安全性」と「利便性」という二律背反(トレードオフ)が存在する。ICTでは情報セキュリティーがこれにあたり、原子力発電では安全規格が堅固になるにつれ、電力会社からみれば利便性が低下した。ここに挙げた、「紅麹」サプリも二律背反のジレンマから逃れられず、健康食品による健康被害を引き起こしたのではないかと疑われている。コラムの著者 矢野 寿彦氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、小林製薬の国民の関心が高いヘルスケア製品を扱う際に安全性よりも利便性をばかりに目を向けたのではないかと考えているが、その背景に多くの健康関連の制度が輻輳して未整理のまま一本化もできずにいることに課題があると指摘している。

○機能性表示食品の制度維持はメーカー側の性善説が前提

矢野氏によれば、機能性表示食品を巡る規制のあり方に大きな不備があると指摘している。この制度は規制改革の流れの中で15年までに開始されたという。製造・販売には事業者が安全性や機能(効果)に関する論文やデータを「自ら」集め提示すればよいというもので、日本政府や専門家による審査はない。

そこで問題になるのが、巧みな広告宣伝で希薄な科学的根拠(エビデンス)であってみ「医薬品」のような効果があると消費者に訴求している点である。健康ビジネスを主軸に考えるメーカーにとってはうってつけの制度であろう。実際次々と先生品が登場し、市場は急成長、スタートから7年ほどで5,000億円の市場となっている。制度自身がメーカーの性善説によるものとなっており、消費者にとっては安全性が第1であるはずなのに、事業拡大を考える一部の企業では誇大広告を駆使してしまう。すでに15年前に大手日用品メーカーが手がけヒットした「体に良い食用油」から、分解すると発がん性物質を生成する疑いのある成分が検出され、社会問題となった。結局、当時のメーカーが特定保健用食品の表示許可を取り下げ事態は収拾した。

日本政府としても健康食品を高齢化社会におけるセルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする)の一環として見るなら、政府や第三者機関の審査やチェックは不可欠であろう。エビデンスも消費者に正しく明確に伝える必要があろう。さらに、特定健康用食品、機能性表示食品、栄養機能食品の3種類を明快に誤解の生まない形で制度を一本化して整理し、サプリメント法などの制定も考える必要があると矢野氏は提唱している。💊🎓🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:Z世代のリスク回避を理解して」から

2024.8.2 日本経済新聞の記事「私見卓見:Z世代のリスク回避を理解して」から

人事採用担当は「何がしたいのか」ではなく「何をしたくないのか」を問うべきか?!

コラムの著者 林 佳杜氏(慶應義塾大学経済学部4年生)によれば、Z世代の視点から就職活動と企業の採用担当の間にあるギャップについて触れている。

○Z世代はやりたくないことを避けることが安全で幸福な人生の基本と考えがち

林氏は現役4年の大学生で就職活動を終えたZ世代(1990年半ばから2010年後半生まれ)であるという。Z世代の目線で就職活動を見ると、価値観は多様であるが、ある1つの共通点があるという。それはZ世代はあらゆる局面で「リスク回避」をする傾向にあるという。

同級生の集まりでは

  • 「働きやすいホワイト企業で給料が高いのが最高」
  • 「転職できないのはリスク」

といった本音が出ると言う。同様に同級生で言うリスクの中にはテレビドラマが見れないといった内容を上げる人もいた:

  • 「9時、5時で働いて、生活できるだけの給料がもらえればそれでよい。毎日、韓国ドラマを見ることだけは譲れないので、定時退社できそうな会社にした」

確かに荒唐無稽のようだが、この学生にとって、定時退社が最優先するリスク回避の方法だったという。さらに、やりたいことに没頭できることを最優先と考えた学生もいた:

  • 「この会社は自分のやりたいことに合致していたが、18時になったら強制的にパソコンがシャットダウンされるらしい。ホワイトなのは良いが、若い時はたくさん働いて成長したいから内定を辞退した」

という。多くの企業がホワイト企業であることをアピールするが、やりたいことに没頭できる環境をアピールする企業は少ないと言う。

Z世代は一見わがままに見える就活を行なっているように見える。だがこの世代はリスク回避が幸福の本質だと信じてもいる。つまり苦痛を避けることが幸福に繋がると思っている。多くの社会人が現代は先の読めないVUCAの時代だと言っている。仕事でやりたいことを見つけるよりも、やりたくないことを把握する方が容易である。つまりZ世代の人生の基本戦略はやりたくないことを避けることで、安全で幸福な人生を送れると考えがちであると言う。

このようなZ世代に対して、企業の人事採用担当はどうすべきか。たとえば、担当から就活生に対して「何がしたいのか」ではなく、「何をしたくないのか」と問いかけることであるという。その問いかけの答えに学生の本音とリスクが見え隠れするという。転勤や配属だけの問題ではないことがわかると言う。👦👧📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループの略)と水」から

2024.8.2 日本経済新聞の記事「春秋:トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループの略)と水」から

水のように臨機応変の性質をもつ犯罪グループ

コラムの著者がこのところ警察白書でも問題視されている、トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループの略)について、その形態について触れている。

○多くの悪事を重ね、SNSで集めた末端メンバーは使い捨て

コラムの著者によれば、トクリュウは先ごろ公表された警察白書の巻頭で特集されているという。集合と離散を繰り返し、特殊詐欺や強盗、違法風俗と悪事を重ねているという。犯罪グループの末端メンバーもSNSなどで募り、使い捨て。このような組織では全貌が掴みにくいためトクリュウと呼ばれている。まさに水のように変幻自在の液体のようで、白書では、「治安対策上の脅威」と記している。

4〜6月に824人を摘発したが、水流のごく一部であろう。これまでのような下っ端をお縄にして親分を追い詰めるという手法が通用しない。抜本的な対策はなく、他の組織犯罪同様、資金源を突き止め断って活動を弱めるしかない。社会を挙げて知恵を絞らなければ、水を堰き止めて全部抜くような奥義は今のところない。🏃‍♀️🏠🚲🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵