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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(5)、楽観視できない悪影響」から

2024.10.18   日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(5)、楽観視できない悪影響」から

政治や個人のメンタルヘルスなどにすでに影響を与えている

コラムの著者 佐々木裕一氏(東京経済大学教授)は、前回のソーシャルメディアと人間性の関係を受けて、ソーシャルメディアの課題について考察している。

○人間自体、メディアとの付き合いが歴史的に短い

佐々木教授によれば、米ニューヨーク大学のジョナサン・ハイト氏(社会心理学者)が積極的にソーシャルメディアの問題を提言しているという。

  • 2022年、「米国社会がこの10年で桁外れにバカになった理由」という過激な記事を掲載:
    • ソーシャルメディアでは相手を罵倒したり、攻撃も露わにして影響力を得ようとする投稿者がいるため、穏健派の発言力が低下しているという。このため妥協を見出す政治そのものが失われているという。
  • 2024年、「不安の時代」でディジタルネイティブのZ世代に焦点を当てて掲載:
    • 身体を使った経験や対面での交流時間がスマートフォンの利用時間に奪われ、果ては精神的不調をきたすことが多いという理論を展開している。

以上の各論に対する実証研究はないと佐々木教授は指摘している。理由は、ソーシャルメディアの受発信源であるスマートフォンに対するヘビーユーザーとそうでないユーザーを長時間観測することが難しいなどの課題があって実証できないとされている。

佐々木教授はさらに、ハイト氏以外に2023年亡くなられた認知科学者の鈴木宏昭氏が残した言葉を引用している:

「1つの事件を100回聞くのと、同種の異なる事件を100個聞くことの区別がそもそも人間にはできない(あるいは、まだできるようになっていない)のではないか」

「人間はもともと記号の操作をする存在ではなくて、自分の身体をうまく動かすことが人間にとっての知性であった」

と語ったという。ソーシャルメディア以前のマスメディアの受け手であったテレビでも、その誕生からたかだか70年しかたっていない。鈴木氏の語った錯覚をいまだに十分に克服してはいない。ましてやスマートフォンとソーシャルメディアの間は10年ほどの年月である。この環境を克服するにはまだまだ時間が足らない。🛜💬📱👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:民主主義の再生促す経済学賞」から

2024.10.17  日本経済新聞の記事「社説:民主主義の再生促す経済学賞」から

国家間の明暗を分けたのは第1次産業革命

2024年のノーベル経済学賞はダロン・アセモグル氏(米MIT教授)ら3人への授与が決定した。社説によれば、受賞理由は、国家が繁栄するかどうかは幅広い政治参加や経済的な自由に根ざす「包括的な制度」の有無にかかっているとデータで実証したことだという。裏返してみれば、民主主義の本質的な価値を理論で示したことになる。

○欧州諸国の植民地時代からの経済成長をデータで理論分析

社説では、スウェーデン王立アカデミーは「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」を理由にダロン・アセモグル氏(米MIT教授)ら3人を選んだという。同研究で3人は、欧州諸国の植民地支配の時代のデータを幅広く分析した。

  • 「収奪型社会」:支配層が一般市民から搾取する「収奪型社会」では経済成長は長く続かない
  • 「包括的社会」:政治や経済面での自由や法の支配を確立した「包括的社会」であれば長期の成長を促す

以上を理論的に解明した。この研究の興味深いことは、経済成長が社会制度に支配されていることを理論的に実証したことである。さらに国家間の明暗が第1次産業革命を契機として急激に拡大した点も興味深い。イノベーションの成果は幅広い人々に恩恵が及ぶ社会のもとでこそ定着するという視点である。

一連の研究成果は、世界の課題や望ましい政策を検討する上で有意義である。例えば、中国の経済は高度経済成長を経て、現在苦境にあり、強権的な政治体制と経済の変革を長く両立させる難しさをこの理論では示している。さらにダロン・アセモグル氏らが懸念しているのは、民主主義の危機である。近著ではSNSが社会の分断を助長する現象や、人工知能の恩恵を一般の国民にまで広がらないリスクもある。まさに民主主義の各国は、いまこそ、真の包括的な社会の実現に向けての対策が必要だろうと社説は示唆している。🥇✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵🇺🇸🇸🇪🇨🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(4)、習慣化の理由は人間の特性」から

2024.10.17   日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(4)、習慣化の理由は人間の特性」から

社会的報酬を求める人間の持つ特性をソーシャルメディアが顕在化させる

コラムの著者 佐々木裕一氏(東京経済大学教授)は、前回に引き続きソーシャルメディアの持つ特性で人間が利用を習慣化する背景について考察している。

○利用頻度を高め、滞在時間を伸ばすソーシャルメディアの戦略

佐々木教授によれば、ソーシャルメディアの利用が長くなる理由に、人間が社会的報酬を求める存在であると述べている。他人から褒められ、感謝されれば自分の存在意義を感じるからだという。学術的研究でもソーシャルメディアにセラピー効果があると報告されている。

さらに佐々木教授は、その他の理由にソーシャルメディアにある「アーキテクチャー」の存在があるという。ここでいうアーキテクチャーとは、人の行動を制御するプログラムが作るネットワークサービス上の情報環境という定義で、我々の行動をアーキテクチャーが制御しているという。それに、「ついついしてしまう行動」が習慣化するアーキテクチャーも内在している。

さらに商用的にソーシャルメディアは、利用者の利用頻度を高め、滞在時間を延ばすようにアーキテクチャーが内在している。一方で、このような人間の弱さに付け込まないサービス開発の必要性を訴えている米国の団体もあると、佐々木教授は述べている。🛜💬📱👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:自己効力感を高めよう」から

2024.10.18   日本経済新聞の記事「私見卓見:自己効力感を高めよう」から

自分を信じる度合いが強いほど困難な状況でも挑める

コラムの著者 工藤 紀子氏(日本セルフエスティーム普及協会 代表理事)は、VUCAの時代に「自分にはできる」という確信と信頼、つまり自己効力感(セルフエスティーム)が極めて重要だと指摘している。自己効力感とは何で、それをどう活かし、習得するのかについて言及している。

○セルフエスティームは漠然とした自信ではなく、科学的に高めることができる自信

工藤氏によれば、実践や経験を積むといった科学的な手法で高めることができる自信が自己効力感(セルフエスティーム)であるという。業務に限らず、勉強やスポーツによって完遂する能力、問題を克服する力にも関連している。つまり、何かをやり遂げたいときに、そこに向かう自分の能力を信じることができるのが自己効力感である。

まずは、ありのままの自分を認めることから始める。そして、それを受け入れ、大切にする。そうすれば、自分に価値を感じ、自分を信頼することができる。ここでのトレーニングは、自分で成功や失敗を直接体験する「達成・成功体験」である。過去の成功や逆境を乗り越えた経験を思い出し、書き出してみると、自分では見えていなかった行動と結果の関係に気づくことがあるという。このようなトレーニングでえた行動と結果の関係に気付くが自己効力感を高めていく。身近で具体的な目標を設定し、これらを達成することで小さな成功体験を積み重ねることも効果的である。

また、他者の成功体験を手本にする「代理体験」もトレーニングとして有効だという。他者の成功体験の話や、成功者のドキュメンタリー番組を見聞きすることも有効である。

そして心身ともに健康である「生理的・情緒的状態の管理」も不可欠である。工藤氏によれば、これらのトレーニングを日常生活に段階的に取り入れ、繰り返し実践することが、自己効力感を高め、自分の行動を主体的にコントロールできるレベルに到達するという。🪜❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(3)、予測した未来と異なる現実」から

2024.10.16   日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(3)、予測した未来と異なる現実」から

組織から個人が情報発信できるウェブ2.0の時代

コラムの著者 佐々木裕一氏(東京経済大学教授)は、前回に引き続きソーシャルメディアの歴史を追いながら、まずその光と影について語っている。

○マスメディアの圧倒的な優位性が揺らぐ

佐々木教授によれば、2005年以前はソーシャルメディアはサブカルチャーの扱いが多かったが、ECやインターネット広告などのビジネスチャンスが広がると利用者は増え、コピー型投稿から、マルチメディア(静止画、動画、音声など)が共有される時代に移ったという。

情報配信として絶対的優位性を持っていたマスメディアから企業や組織、コミュニティーが自身のメディアが持てるウェブ1.0に移行し、さらに進化して個人が低コストで情報発信できるというウェブ2.0に移っていった。情報の「個人の時代」が始まったのである。

社会の透明性が上がり、個人が触れることができる情報量が格段に増大したことは佐々木教授によればソーシャルメディアの光の部分だという。そこでは予想された薔薇色の未来ではなく現実は次のような特徴をもったソーシャルメディアであった:

  • 熟議よりも動員: 各国の言語の違いはあるが、かつては個人による冷静な意見の交換やより深い交流が想定されていた。ソーシャルメディアは熟議を通しての、民主的な合意形成の基盤になると考えられていた。しかし、ソーシャルメディアは熟議よりも動員が得意で、スマートフォンが全盛な今は、「瞬間的な動員」となった。まさに2021年の米連邦議会議事堂襲撃事件はその象徴となってしまった。
  • 大衆化と情動:ソーシャルメディアの急速な普及の帰結は、悪意ある者の偏在という事態であった。繰り返し極論を触れ周り、詐欺などの犯罪に巻き込もうとする。さらにソーシャルメディアでは動画の取り扱いが増え、理性よりも情動がより優勢な場と変質した。
  • 経済格差の広がりや政治的主張の対立:ソーシャルメディアは格差の拡大や対立を深める要因となっている。

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