【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(5)、楽観視できない悪影響」から
2024/10/23
2024.10.18 日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(5)、楽観視できない悪影響」から
政治や個人のメンタルヘルスなどにすでに影響を与えている
コラムの著者 佐々木裕一氏(東京経済大学教授)は、前回のソーシャルメディアと人間性の関係を受けて、ソーシャルメディアの課題について考察している。
○人間自体、メディアとの付き合いが歴史的に短い
佐々木教授によれば、米ニューヨーク大学のジョナサン・ハイト氏(社会心理学者)が積極的にソーシャルメディアの問題を提言しているという。
- 2022年、「米国社会がこの10年で桁外れにバカになった理由」という過激な記事を掲載:
- ソーシャルメディアでは相手を罵倒したり、攻撃も露わにして影響力を得ようとする投稿者がいるため、穏健派の発言力が低下しているという。このため妥協を見出す政治そのものが失われているという。
- 2024年、「不安の時代」でディジタルネイティブのZ世代に焦点を当てて掲載:
- 身体を使った経験や対面での交流時間がスマートフォンの利用時間に奪われ、果ては精神的不調をきたすことが多いという理論を展開している。
以上の各論に対する実証研究はないと佐々木教授は指摘している。理由は、ソーシャルメディアの受発信源であるスマートフォンに対するヘビーユーザーとそうでないユーザーを長時間観測することが難しいなどの課題があって実証できないとされている。
佐々木教授はさらに、ハイト氏以外に2023年亡くなられた認知科学者の鈴木宏昭氏が残した言葉を引用している:
「1つの事件を100回聞くのと、同種の異なる事件を100個聞くことの区別がそもそも人間にはできない(あるいは、まだできるようになっていない)のではないか」
「人間はもともと記号の操作をする存在ではなくて、自分の身体をうまく動かすことが人間にとっての知性であった」
と語ったという。ソーシャルメディア以前のマスメディアの受け手であったテレビでも、その誕生からたかだか70年しかたっていない。鈴木氏の語った錯覚をいまだに十分に克服してはいない。ましてやスマートフォンとソーシャルメディアの間は10年ほどの年月である。この環境を克服するにはまだまだ時間が足らない。🛜💬📱👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇺🇸